7Hz Timeless

こんにちは。今回は「7Hz(7Hertz) Timeless」 です。大口径平面駆動ドライバーをシングルで搭載するイヤホンですね。個性的なデザインながら非常にまとまりのあるサウンドで、かつアラウンド200ドルの購入しやすい価格にまとめられた製品と言うこともあり、昨年9月頃の発売時からマニアの間では結構話題になっているようですね。私自身はDropで購入したこともあり、実際に製品に届いたのは11月下旬頃でした。

巨大な円形フェイスパネルの個性的なデザインに14.2mm平面駆動ドライバーを搭載したイヤホンですね。見るからにキワモノ・・・かと思いきや、どうも海外のレビューで相当絶賛されているという話もありますね。最近は同価格帯で非常に優れた製品も増えていますので突出して良い製品というのは逆に生まれにくくなっていますが、「7Hz Timeless」については、優れたイヤホンとしてのレベルはクリアしつつ、個性的なデザインと、合うにとには相当合うだろう、という要素も感じさせる興味深いイヤホンだと思います。

■ 製品の概要と特徴など。

「7Hertz」(7Hz)は極めて個性的なイヤホンを相次いでリリースしているブランドで同社の「i99」や「i88」はマニアの間ではちょっと話題になりましたね。今回の「7Hz Timeless」はこれらのモデルに比べるとより幅広いターゲットを意識した製品のようですが、外観からして同社のキャラの強さは前面にでていますね。
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7Hz Timeless」は14.2mmサイズの大口径な平面駆動ドライバーをシングルで搭載。N52マグネットと超薄型で大口径の平面駆動振動板を採用。卓越したドライバー設計により「Timess」という名称に相応しい高速応答と優れたダイナミックレンジおよび周波数特性を実現しています。
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またハウジングは航空グレードのアルミニウム合金を最高強度レベルの処理を施し、精緻なCNC加工により仕上げられています。そのため個性的な外観ながら片側5gと非常に軽量で快適な装着性を提供します。
本体はMMCXコネクタを採用。ケーブルは単結晶銅と銀メッキ単結晶銅線のミックスでその外傷に銀箔を定着させています。プラグはオーダー時に「3.5mm」「2.5mm」「4.4mm」を選択できるようになっています。
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7Hz Timeless」の購入はAliExpressやHiFiGoなどの海外セラー、アマゾンの「L.S オーディオ」にて。価格は219ドル前後、アマゾンは24,280円です。
AliExpresss(Easy Earphones): 7Hz Timeless 184,79ドル~
HiFiGo: 7Hz Timeless 219.9ドル~
Amazon.co.jp(L.S オーディオ): 7Hz Timeless 24,280円~


■ 製品外観および装着性など。

7Hz Timeless」のパッケージは充実した付属品を比較的コンパクトにまとめている印象。パッケージアートは最近の製品のなかでは「中華色」をわりと感じるデザインですね。
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パッケージ内容はイヤホン本体、ケーブル、イヤーピース(ケース入り、AET07タイプ、AET08タイプ、ウレタンタイプ、それぞれS/M/Lサイズ)、交換用メッシュパーツ、金属製ケース、説明書、保証書など。メタルケースはなかなかの重量感ですね。
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本体は円形のフェイスパネルがとにかく強力な個性を放っていますが内側には耳にフィットしやすい形状でまとめられています。大口径の平面駆動ドライバー搭載イヤホンということで、「Unique Melody ME1」や「TFZ Balance 7」のようなドライバーが耳の外側にあるような製品にも一瞬見えましたが、外観の円形のフェイス部分はデザイン上のイミテーションで、実際には背面側に14.2mmドライバーを収容しているより小さい円形の部分があるのがわかりますね。比較的薄型で、実際に装着してみると装着感自体は悪くはありませんが、独特のシェル形状はやはり癖があります。
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また耳が小さめの方はステムを耳奥までしっかり装着すると円形部分が耳にかかる感じになるため、長時間のリスニングで耳が痛くなる場合もありそうです。イヤーピースは標準で定番の「AET07」タイプおよび「AET08」に相当するタイプのものが付属しますが、他にもJVC「スライラルドット」などを組み合わせるのも良いでしょう。
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ケーブルはシルバーカラーが綺麗でしなやかな手触りの銀メッキ線を使用した左右2芯の撚り線タイプ。適度に柔らかく取り回しも良好です。あと、「7Hz Timeless」には恐ろしく頑丈そうな重量級のメタルケースが付属します。ちょっと持ち歩くのには重すぎるかな、という気もしますし、どこにコストかけてるの、と思わずツッコみたくもなりますが、コレはコレで格好いいのアリとしましょう(^^)。


■ インプレッション(音質傾向など)

7Hz Timeless7Hz Timeless」の音質傾向は、明瞭感のある弱ドンシャリ。とはいえ過度な派手さは無く、平面駆動ドライバーらしい歪みの少ないニュートラルなサウンドを楽しめます。同社のベリリウムコートドライバー搭載モデルの「i99」が相当に派手という話だったので、開封前はこっちもどれだけ過激なのだろうと思っていたためやや拍子抜けだったりもしました。平面稼働ドライバーをシングルで搭載するイヤホンは通常のダイナミックドライバーより歪みの少ないサウンドを実現しやすい反面、一般的に鳴らしにくく、またチューニング次第で結構「盛大に当り外れがある」のもまた事実です。そういった意味では「7Hz Timeless」のサウンドは想像以上に真っ向勝負で、しかもとても楽しく聴き応えのあるサウンドを、結構ちゃんと鳴らしてくれるのは驚きでした。ただ、それ故に昨今の「超激戦区」なこの価格帯では、逆に目立たなくなってるかもしれませんね(まあ悪目立ちしても仕方ないですけどね^^;)。

7Hz Timeless」のサウンドは滑らかなV字カーブを描くようなニュートラルなサウンドバランスです。平面駆動らしい歪みがなく明瞭で高解像度なサウンドの中に柔らかく滑らかな温かみがあり、聴き応えのある音を鳴らします。いっぽう例えば同じ平面稼働ドライバーの「TINHIFI P1/P1 Plus」と比較した場合、明瞭感や解像感などにおいて差がある点や、ちょっとだけ個性的な高域の鳴り方など個別に比較するとウィークポイントと捉える要素もあります。全体としては非常に効きやすくまとまりもありますが、ディープなマニア層の方ほど好みが分かれる可能意がある製品ともいえますね。

7Hz Timelessちなみに、「7Hz Timeless」も平面駆動ドライバーのイヤホンですので、再生環境(というか駆動力)で結構差が出ます。やはり本来の実力を楽しみたい場合は「駆動力のある再生環境が必須」だろうと思います。ただし、例えば「TINHIFI P1」や「P2/P2plus」のような他の平面駆動ドライバー搭載イヤホンと比べて、インピーダンス14.8Ω、感度104dB/mWの「7Hz Timeless」では比較的音量も取りやすく、それなりの音質で楽しめるかもしれません。ただ低域の主張が強く、中高域は籠もることは無いもののやや後ろに下がる印象になってしまうようです。もし現在の環境でこのような印象だった場合、据置き環境で確認するか、途中にポータブルアンプを挟んでみることをオススメします。

7Hz Timeless」の高域は、明瞭でスピード感と解像感のある音を鳴らします。また適度な鋭さがありますが、シャリ付きや歯擦音は無く一聴すると聴きやすい印象も受けます。良く聴いてみると「7Hz Timeless」の高域は非常に個性的で、とても明瞭で高解像でありながら、見通しの良さや伸びやかさはそれほど高くはありません。
7Hz Timelessつまり平面ドライバーの直線的なサウンドに対して刺激を抑えるトレードオフで分離が少し下がっているのに対し、解像感をスピード感を強調することであまりそれを感じさせないようにしているような、そんな印象も受けます(あくまで私個人の印象であり、正解かどうかはわかりません)。ただ、「7Hz Timeless」の高域については好き嫌いが結構あるようで、良い評価をされる方は「TINHIFI P1」より優れており疲れない、と書いており、逆にネガティブな評価の方は「P1」との比較で全く逆のことを書かれています。また特定の音域をいじるアプローチを好まない方もネガティブになりそうですね。個人的にはどちらの意見も「言いたいことは分かる」という感じですが、特に嫌い言うことはありませんでした(大好きと言うほどでもない)。

7Hz Timeless中音域は曲によっては僅かに凹みますが、ほとんどの場合気になることはありません(もし遠くに感じるようでしたら再生環境を見直してください)。ボーカル帯域が近くで定位し、鮮明さと密度感のある音を鳴らします。平面駆動ドライバーらしい、高速なレスポンスと高い解像度があり、立体的な音場感の中で1音1音が存在感を持って奏でられているのを実感します。ボーカルも同様にアグレッシブさがあり、いっぽうでハッキリした輪郭と余韻を楽しめます。非常に明瞭に分離しますが、いっぽうで自然な温かさがあり、ハーモニーは美しく、音数の多い演奏もしっかり再現します。特にボーカル曲を中心に捉えた場合、「7Hz Timeless」の中音域はこの価格帯のリスニングイヤホンとしてはかなり高レベルと言えるでしょう。

低域は非常にパワフルで、かつ非常に深い音を鳴らします。ミッドベースの解像度は非常に高く、見通しの良い締まりのある印象。ただ低域についてはより直線的で無味無臭な印象のため、あまり楽しくないと感じる方もいらっしゃるかも。個人的には適度な量感と力強さでとても好感を持ちました。重低音は非常に深くタイトです。EDMの音数が多い、作り込まれたサウンドも十分に楽しめるでしょう。見通しが良く心地よい低域です。


■ まとめ

7Hz Timeless結論として、「7Hz Timeless」は想像をはるかに超えて良いイヤホンでした。ただ海外レビューでの無双状態というほどの評価では無く、同価格帯の製品と比べても一長一短が有り、ともすると「どっちつかず」の製品に感じるかもしれません。具体的には、同じ平面駆動ドライバーでもより明瞭で解像感の高いフラットサウンドを好まれる方は「TINHIFI P1」のほうが好印象で、「7Hz Timeless」はリスニング寄りにまとめられていると感じるでしょう。同様に全ての音域の質感や透明感など一貫性を持った完成度では「Moondrop KATO」のほうが高評価となることが多いと思いますが、いっぽうで「KATO」はつまらない音で「7Hz Timeless」の中低域の方が楽しいと感じる方も結構多いかもしれません。そして低域のパワーなどドンシャリ的なバランスを考えると定番イヤホンとなっている「IKKO OH10」が有利かもしれません。
これらのモデルと比べてリスニング方向での総合的なバランスに好印象を持つ方、あるいは単純に好みに合う方にとっては確かに優れた製品かもしれません。あとはしっかり鳴らし切れる十分な再生環境を確保できる前提があれば、「7Hz Timeless」は非常にお買い得で満足度の高いイヤホンとなると思いますよ。