KBEAR AURORA (Matte Grey)

こんにちは。今回は「KBEAR AURORA (Matte Grey)」です。私のブログではすっかりお馴染みになった中華イヤホンブランド「KBEAR」の大人気モデルに「KBEAR AURORA」という製品がありましたが、独特の美しいシルエットに鏡面処理を施したフェイスデザインが製造上非常に難しく、その歩留まりの関係で惜しまれつつも販売を終了していました。
そして今回マットカラーの落ち着いたカラーリングで新しく再登場を果たしました。非常に優れたサウンドはそのままにより気軽に使用できるデザインで新カラーも個人的にも好感が持てますね。

■製品の概要について

「KBEAR」および姉妹ブランドの「TRI Audio」は個性的なイヤホンを数多くリリスしており、短期間で多くのマニアから評価される存在になりました。ファブレスのブランドですのでシリーズごとに異なるファクトリーを使用していますが、ブランドとして一貫性を持ったバランスの良いチューニングが行われており、そのうえで美しいデザイン性とそれぞれの製品のドライバーなどの個性を活かした製品に仕上げられています。

今回の「KBEAR AURORA」は前述の通り、もともと2,021年の9月ごろにリリースされたモデルから表面処理を変更し、さらに新しいケーブルを付属したバージョンになります。
KBEAR AURORA」のレビューについてはよろしければ過去記事も併せてご覧ください。
→過去記事:「KBEAR Aurora」 美しいクロームデザインに高い分離性と解像感を持つ独自ドライバー搭載。KBEARの「粋」を集めた高音質中華イヤホン【レビュー】



KBEAR AURORA」の概要については前回の記事と重複になりますので、今回はポイントだけ振り返ってみましょう。「KBEAR AURORA」はシングルダイナミック構成のミドルグレードイヤホンで、今回はアルミニウム合金製のシェルの表面処理をアルマイト化(酸化アルミニウム皮膜を生成させる表面処理)し、ブロンズカラーでマットに仕上げられています。再発売にあわせて新しい表面処理を行ったことで、より高い耐食性・耐摩耗性を持っています。また美しいマットカラーリングも定着性の高さから実現しています。
KBEAR AURORA (Matte Grey)KBEAR AURORA (Matte Grey)

ドライバーには10mmサイズの「Strong Magnetic Nano Titanium-plated Diaphragm」(強磁気ナノチタンコートドーム振動板)を採用しています。ドライバーの詳細については前回のレビューを参照いただくとして、「KBEAR AURORA」では従来よりも強く薄く均一な定着技術により解像度が高く歪みを押さえたサウンドを実現。またレスポンスの向上にも寄与しています。
KBEAR AURORA (Matte Grey)KBEAR AURORA (Matte Grey)

付属ケーブルは全モデルのライトブルーの皮膜から本体カラーに合わせたブロンズカラーの皮膜に変更。コネクタは0.78mm 2pin仕様。プラグ、コネクタなどの金属部品も本体カラーと合わせた美しい仕上がりとなっています。艶消しのブロンズカラーの本体はオーロラを意識したなめらかな曲線を持った流線型のシルエットを美しく反映させます。またエッジ部分のメタリックなカッティングもよいアクセントになっていますね。
KBEAR AURORA (Matte Grey)KBEAR AURORA (Matte Grey)
KBEAR AURORA (Matte Grey) 」の購入は、AliExpressの「Easy Earphones」、代理店の「Keephifi Offical Store」、国内では楽天市場の「WTSUN Audio」で取り扱っています。価格はAliExpressは、楽天市場が20,599円です。
楽天市場(WTSUN Audio): KBEAR AURORA (Matte Grey)

AliExpress(Easy Earphones): KBEAR Aurora Matte Grey
Keephifi Offical Store: KBEAR Aurora Matte Grey ※現在139ドルで販売中


■パッケージ構成、製品の外観および内容について

KBEAR AURORA (Matte Grey) 」のパッケージは前回モデルのパッケージデザインを踏襲しつつ、マットカラーに合わせて落ち着いたカラーリングに変更。
KBEAR AURORA (Matte Grey)KBEAR AURORA (Matte Grey)

パッケージ内容は、イヤホン本体、ケーブル、標準タイプイヤーピース(S/M/L)、「KBEAR 07」タイプイヤーピース(5サイズ)、清掃用クロス、清掃用ブラシ、レザーケース、説明書。
KBEAR AURORA (Matte Grey)KBEAR AURORA (Matte Grey)

本体はブロンズカラーのマット仕上げ。表面処理にアルマイト(酸化アルミニウム)加工を施されたアルミニウム合金製です。ハウジング形状などは鏡面処理の前回モデルを踏襲しており、シェル部分のサイズ感は「KBEAR LARK」や「KBEAR Robin」に合わせた装着性の高いものです。フェイスプレートは「Aurora」の名称のもとになっている滑らかな流線型が印象的で、エッジ部分のメタリックなカッティング処理がとても格好良いですね。
KBEAR AURORA (Matte Grey)KBEAR AURORA (Matte Grey)

付属ケーブルは使用は前回と同じ8芯OFC銀メッキ線仕様ですが、ブルーからブラウンの被膜に変わったことでより薄く柔らかい被膜に変わっています。そのためケーブルはより取り回しが向上している印象がありますね。プラグ、コネクタなどの金属部品も本体カラーと合わせた美しい仕上がりとなっています。2pinコネクタがフラット仕様なのは今回も同様です。
KBEAR AURORA (Matte Grey)KBEAR AURORA (Matte Grey)
またレザーケースやクリーニングクロス、ブラシなど付属品が充実しているのも良いですね。イヤーピースは中華イヤホンに多く付属するタイプのほか、Acoustune「AET07」とほぼ同じ「KBEAR 07」が今回も5サイズ付属。他にも定番の「スパイラルドット」など自分に合ったイヤーピースを選択頂くのが良いでしょう。


■ インプレッション(音質傾向など)

KBEAR AURORA (Matte Grey)KBEAR AURORA (Matte Grey) 」の音質傾向は前回の「AURORA」のサウンドを踏襲しています。ケーブルによる違いがあるかも、とも思いましたがエージング後の印象ではほぼ誤差の範囲内のようですね。音質面は新旧で同じと考えて良いと思います。
KBEARらしいバランスの良い弱ドンシャリで、独自ドライバーによる解像感や分離の良さ、レスポンスの早さなど、質の高さを実感できるイヤホンです。今回も開封直後より100時間程度のエージングが推奨。中高域の伸びや主張が高まり、全体としてのバランスも落ち着くようです。

高域は非常に明瞭かつ見通しが良く聴きやすい音を鳴らします。歪みを感じない直線的な印象で、明るく非常に解像感の高さを感じます。高い分離性があり、煌びやかさを保ちつつ、いっぽうで刺激を抑え自然な描写で聴きやすさもあります。
KBEAR AURORA (Matte Grey)中音域は凹むことなく癖の無い音で再生されます。ボーカル帯域も非常に明瞭で高域同様に抜けが良く伸びやかさを感じます。音場は自然な広さですが、高い分離性から定位は比較的正確で、過度に人工的にならない自然な鳴り方で、ありのままの音を非常に高い質感で再生されているのを実感します。100ドル台のイヤホンとしては非常に丁寧な音作りをされた製品だと感じます。
低域は、駆動力のある再生環境で鳴らすことで十分な量感とともに中高域との分離の良い締まりのある音を鳴らします。ミッドベースは直線的でく適度に締まりのある小気味よい音を鳴らします。重低音は深く沈み重量感があります。分離の良さから解像度も高く表現力も高い印象。また過度に膨らむこと無く、中高域同様に自然な鳴り方をします。全体的にニュートラルなバランスで聴きやすく心地よい印象です。


■ まとめ

KBEAR AURORA (Matte Grey)KBEAR AURORA」は昨年の発売当初から非常にマニアから期待された製品であり、派手さは無いもののしっかりとした完成度の高さとミドルグレードのなかでは手頃な価格設定で多くの方に好評を得ました。今回の「KBEAR AURORA (Matte Grey) 」も音質面ではその良さを着実に踏襲しており、多くの方にオススメできるものです。新しマットカラーは屋外でも使いやすく、またこの価格帯としては付属品も充実しているのも有り難いところです。
いっぽうで、本気を出すのにはある程度再生環境に駆動力が必要なこともあり、最近のスマートフォン用のオーディオアダプターを使用する場合などでは、バランスケーブルにリケーブルして駆動力を稼ぐアプローチも有効だと思います。リケーブルによる変化を楽しむこともできますね。まずは見た目で、興味があればチャレンジしてみてください。多くの方に好感を持ってもらえるイヤホンだと思いますよ(^^)。