KBEAR INK

こんにちは。今回は「KBEAR INK」です。 私のブログでもお馴染みの「KBEAR」ブランドのアンダー100ドル級の新モデルです。8.8mmサイズのDLC振動板をシングルで搭載、アンダー100ドルクラスでリリースされた製品です。最近はこのクラスの新製品も非常に充実しており手軽に高音質のイヤホンを入手できるのはウレシイ限りですね。
本レビューも予定では先週末の掲載予定だったのですが、ちょっと私用で10日間ほど東京を離れることとなり、いろいろ忙殺されて遅くなってしましました。おかげで今週掲載予定のネタも後ろ倒しに。。。平常運転に戻るまでにはもうしばらくかかりそうです(スミマセン)。

■ 製品の概要について

中国のイヤホンブランド「KBEAR」はEasy Earphonesなどのセラーを中心に販売されるブランドで、姉妹ブランドの「TRI Audio」と併せて意欲的な新製品を数多くリリースしています。同社自体はファブレスのため、製造を行うファクトリーごとに複数のラインが存在します。「KBEAR INK」は既存の同社製品のなかでも「KBEAR Diamond」および「KBEAR Believe」と同様のシェルデザインを採用しています。このシェルは「ダルマオーディオ」社の製品と同様の部品を使用しており提携関係もあるようですが、異なるファクトリーの製品のようですね(メーカーの見解による)。ただこのシェルデザインを採用することで「Believe」および「Diamond」の設計上の音響特性を継承しています。
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そして「KBEAR INK」では8.8mmのダイナミックドライバーをシングルで搭載。振動板には新開発のDLC(Diamond Like Carbon)ドーム振動板が採用されています。「KBEAR Diamond」で採用されている8.5m DLC振動版と比べ大型化が行われるとともに最適化が行われ、強力な磁気回路との相乗効果により音質強化が行われています。
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KBEAR INK」では実績のあるエンジニアによる精緻なチューニングを実施。強力な低域とクリーンな高域を備え、中音域もハーマンターゲットカーブに準拠しつつ朽ちーんでスムーズなパフォーマンスを実現している都のことです。
そして「KBEAR INK」ではリッツ編組構造の高純度 8芯無酸素銅銀メッキ線ケーブルを採用。高純度の芯材の使用により伝送中のオーディオ信号の損失を抑え、より正確なサウンドを伝達します。
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KBEAR INK」の購入はAliExpressの「Easy Earphones」またはAmazonおよび楽天市場の「WTSUN Audio」にて。価格はAliExpressが69ドル、Amazonおよび楽天が8,090円~です。
AliExpress(Easy Earphones): KBEAR INK
Amazon.co.jp(WTSUN Audio): KBEAR INK
楽天市場(WTSUN Audio): KBEAR INK


■ パッケージ構成、製品の外観および内容について

KBEAR INK」のパッケージは「Diamond」「Believe」と同じサイズのボックスで、カバーにはフェイスプレートの蜂の巣状の模様が描かれています。
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パッケージ内容は、イヤホン本体、8芯銀メッキ線ケーブル、イヤーピースはグレーがS/M/Lサイズ、「KBEAR 07」タイプがS/M-/M/M+/Lの5サイズ、クリーニングブラシ、クリーニングクロス、革製ケース、説明書。「KBEAR INK」は70ドル以下の低価格モデルながら「Diamond」「Believe」同様の付属品で非常に充実していますね。
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KBEAR INK」は初回ロットのごく一部でビルドクオリティにバラツキがあったようですが、ほとんどの個体は「Diamond」「Believe」同様にとても美しい仕上がりになっています。透明なレジン製のコーティングが施されたフェイスプレートは付属のクロスなどで磨くことで美しい光沢を放ちます。
※なお、初回ロットで品質に問題があった場合、「WTSUN Audio」「Easy Earphones」に連絡すれば交換または返金の対応をすぐに取ってくれますのでご安心ください。
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実際に「Diamond」および「Believe」と比べてみても品質に遜色ないことが分かります。69ドルのイヤホンと考えれば十分な品質だと思います。ケーブルは黒色の樹脂被膜の8芯線タイプ。コネクタは中華2pinです。取り回しも良く使いやすいケーブルですね。
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イヤーピースは付属の「KBEAR 07」がオススメですが、他にも耳の形状に合わせて、よりフィット感を高めるため、定番のJVCの「スパイラルドット」、「AZLA SednaEarfit XELASTEC」や「SpinFit CP100+」などを組み合わせるのも良いと思います。


■ インプレッション

KBEAR INK」の音質傾向は癖が無く比較的分かりやすいドンシャリ傾向。製品ページには「CLASSICAL TUNING」という見出しで掲載されていますが、最近このクラスでもハーマンターゲットカーブを過度に意識してフラット寄りの製品が増えていることもあり、逆に「KBEAR INK」のようなリスニングイヤホンらしいチューニングは耳馴染みが良く、好感が持てますね。
KBEAR INKフラット傾向のイヤホンはより原音に忠実ではあるものの、イヤホンそのものの表現力が如実に表れる傾向でもあります。それでも最近のアンダー100ドル級、または100ドル級の製品の進化はめざましく十分に高音質を楽しめるイヤホンも確かに多くなっています。しかし同様の傾向のハイグレードの製品を持っているマニアであれば相応に差は感じてしまうかもしれません。また「猫も杓子も」という感じも「楽しさ」という視点ではちょっと残念ですよね。そういう意味では様々な価格帯で色々な傾向のモデルが登場する方が有り難いのは当然のことでしょう。
KBEAR INK」は王道のリスニングサウンドを新たしいDLCドライバーを駆使し、100ドルを大きく下回る価格でブラッシュアップしたイヤホンとして十分に評価できると感じました。

KBEAR INK」の高域は、明瞭でスッキリした見通しの良い音を鳴らします。DLCらしい透明感があり解像度の高い音でしっかり伸びます。寒色系のサウンドで明るい煌びやかさがあります。しかし多くの寒色系の中華ハイブリッドと比べ硬すぎず刺さりやすい音も刺激を抑えられており、耳馴染みの良さを感じます。
KBEAR INK中音域は曲によっては僅かに凹みますが癖の無いニュートラルな音を鳴らします。解像感は高く定位も結構掴みやすい印象。ダイレクト感があるため広がりはそれほどありませんが音場自体は十分な広さがあります。ボーカルは自然な距離感で鳴ります。最近はボーカル帯域を持ち上げた「W字カーブ」状のチューニングも増えていますが、このイヤホンは特に強調は無くありのままの音を鳴らしてくれる印象です。そのため、最近のイヤホンと比較してボーカルより演奏が強め、と感じる場合もあるかもしれませんね。個人的には男女ボーカルも含め、個々の音がしっかり映えるサウンドで好印象です。
低域はパワフルで締まりのある音を鳴らします。全体として中低域寄りということもあり、低域の量感的に不足はありませんし、解像感と分離の良さから逆に多すぎることもありません。ミッドベースも直線的な印象でスピード感のある曲もしっかり鳴らす相性の良さがあります。重低音もこのサイズのドライバーとしてはしっかり沈み好印象。ハウジングを上手く活用したサウンドといえるでしょう。


■ まとめ

KBEAR INKKBEAR INK」は前述の通り、中低域寄りの寒色系ドンシャリ、という中華イヤホンの王道のリスニングサウンドを高いレベルで実現したイヤホンだと思います。同様の傾向の製品は他にもいろいろありそうな気はするものの、適度にニュートラルさを感じ、解像度も高い、となると結構選択肢は限られるかもしれませんね。このようなバランスの良いリスニングサウンドで、「低域が強すぎない」「高域が刺さり過ぎない」しかも「解像度と分離が良く、どんなジャンルの曲もしっかり楽しめる」というキーワードではかなり有力な選択肢となります。アンダー100ドルでフラット系のイヤホンがちょっと合わない方、ボーカル推しのチューニングがあまり好みでない方には最適な選択肢になり得るでしょう。ちなみに、同価格帯でセラー系のHCKは「NICEHCK Youth」(後日レビュー予定)という製品を最近出しましたが、こちらは結構中高域が強めに鳴る傾向で、中低域寄りの「KBEAR INK」とブランドのキャラクターが分かりやすく違うのがちょっと興味深いですね。選択肢のひとつとして、普通に良いイヤホンだと思いますよ(^^)。