SeeAudio Bravery Anniversary Limited Edition

こんにちは。今回は「SeeAudio Bravery Anniversary Limited Edition」です。先行して新製品情報を掲載した「SeeAudio」の4BAモデル「SeeAudio Bravery」の500セット限定の特別版となります。私も美しいレッドのシェルに魅せられ通常版「Bravery」に引き続き今回も購入しました。なお私のシリアルナンバーは142で、限定500ですので、本レビュー掲載時点でもまだ購入は間に合いそうです。気になっている方はお急ぎくださいね(^^)。

■ 製品の概要と特徴について

SeeAudio」は2019年に生まれた深圳発のブランドで中国国内でCIEM(カスタムIEM)メーカーとして評価を高め、その後数々のユニバーサルモデルで本格的に市場参入を果たしました。最初のグローバルモデルとして2BA+1DD構成の「Yume」、そして日本市場限定の3BAモデル「ANOU」をリリース後、今回のベースとなる4BAモデルの「Bravery」をリリースし、優れたサウンドチューニングから世界中で高い評価を得ています。
→ 過去記事: 「See Audio Bravery」 落ち着いたシェルデザインに付属する高級ケーブル。音質面でも上質さを身に纏った「通好み」の高音質4BAイヤホン 【レビュー】

そして「SeeAudio Bravery Anniversary Limited Edition」は500セット限定で販売される「SeeAudio Bravery」の特別バージョンです。高音質イヤホンとして非常に評価の高い4BAイヤホン「SeeAudio Bravery」のサウンドはそのまま継承しつつ、従来モデルよりコンパクトなシェルデザインと新色ルビーレッドを採用するなど魅力的なアップデートを行っています。
この全く新しい配色のルビーレッドに輝く新しいシェルは、ユーザーのフィードバックに基づきコンパクト化。より快適な装着性を実現しています。シェルには固有のユニット番号が記載されます。
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ベースとなった「SeeAudio Bravery」はKnowlesおよびSonion製のバランスド・アーマチュア(BA)ドライバーを採用した4BA構成のモデル。高域用に1基、低域用に2基のKnowles BAドライバーと、中音域用に1基のSonion BAドライバーで構成されます。
See Audioの音響エンジニアはこのドライバーを様々なジャンルの曲で優れた特性を発揮できるよう、クリーンで原音忠実性の高いチューニングを行っています。滑らかな音色を備えた高解像度のサウンドで、伸びのある高域と音量を上げても聴きやすく高い明瞭度と透明度を維持し、力強い低域、美しいボーカルと詳細な演奏の表現を実現しています。この優れた「Bravery」の音響設計およびサウンドは限定版「SeeAudio Bravery Anniversary Limited Edition」でもを完全に踏襲しており、どちらの製品でも同じ体験ができます。
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さらに今回の「SeeAudio Bravery Anniversary Limited Edition」でも「Bravery」同様にHAKUGEI製の6N OCCケーブルが付属しますが、新たにプラグ部分でモジュラープラグシステムにアップグレード。3.5mmステレオのほか、2.5mmおよび4.4mmのバランス仕様プラグへの交換が可能です。
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限定版「SeeAudio Bravery Anniversary Limited Edition」の購入は「HiFiGo」サイトにて。HiFiGoでは購入特典アクセサリーとしては新しいアートワークのオリジナルマウスパッドが付属します。
価格は299ドルです。詳細及び購入は以下URLを参照ください。
HiFiGo: SeeAudio Bravery Anniversary Limited Edition


■ パッケージ構成、製品の外観および内容について

SeeAudio Bravery Anniversary Limited Edition」(以下「SeeAudio Bravery 限定版」)のパッケージの大きさは「Bravery」を含む従来の「SeeAudio」製品と同様ですが、限定版専用の赤を基調とした明るいイラストアートを採用しています。今回購入特典でパッケージアートと同じデザインのマウスパッドが付属するのですが30cm×25cmという超特大サイズ。なかなか机スペースが潤沢か机にモノを置かないタイプの方しか使えないような(モノを置かないタイプならマウスパッドも置かないかも^^;)。パッケージ背面には同社測定の周波数特性が掲載されているのも従来通りですが、当然ながら通常の「Bravery」と同一の記載になっています。
SeeAudio Bravery Anniversary Limited EditionSeeAudio Bravery Anniversary Limited Edition

SeeAudio Bravery 限定版」のパッケージ内容は、イヤホン本体、HAKUGEI製ケーブル、交換プラグ(3.5mm/2.5mm/4.4mm)、AZLA XELASTECイヤーピース(S/M/Lサイズ)、ウレタンフォームイヤーピース(S/M/Lサイズ)、交換用ノズルメッシュパーツ、メタルケース、説明書、保証書、その他「Rinko」キャラクターカードやシールなど色々。そして特典のマウスパッドですね。
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SeeAudio Bravery 限定版」の本体はオリジナルの「Bravery」よりひとまわり小さいシェルデザイン。ハウジング部分はクリアーレッドで、ダークレッドの雲母模様のフェイスプレートに「SeeAudio」のロゴデザインと「Bravery」のマークが左右にそれぞれ描かれています。
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ちなみに、4BA構成でレッドカラーのクリアーシェルと雲母フェイスプレート、というと、かつての「qdc 4SS SE(QDC-6424)」(既に販売終了となっている日本限定カラーの「qdc 4SS SE」)を彷彿とさせますね。まあ音質傾向はだいぶ違うと思いますが、価格は数分の1で付属品もより充実していて、音質面も4BAイヤホンとしてはかなり高評価、となると改めて「SeeAudio Bravery 限定版」が非常にお買い得だったなぁと思えてきました。見た目が格好いいって、やっぱり重要ですね(^^;)。
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SeeAudio Bravery 限定版」の外観を「SeeAudio」の従来モデルと比較すると見た目通り「Yume」が最も形状としては近く、フェイス部分の形状はほぼ同じで4BAのドライバーを収容するため多少厚みが増している、という感じですね。オリジナルの「Bravery」のシンプルな黒と白の大理石のようなデザインも好評でしたが、「SeeAudio Bravery 限定版」は一見すると全く別の製品のようにも見えます。
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音質面では「同じ」ということですが、プラグ変更で付属ケーブルでもバランス接続できる点や、よりコンパクトになったシェルにより耳の小さい方はより奥まで装着出来るなど、装着感による変化や遮音性などはイヤーピースを換えた場合と同様に若干はあるかもしれませんね。私自身も耳穴が細く、オリジナルの「Bravery」は少し大きく感じていたので、かなり使いやすくなった印象はあります。
付属ケーブルは「Bravery」同様に中国の高級ケーブルブランド「HAKUGEI」製の6N OCC単結晶銅線ケーブルが付属します。コネクタはCIEM 2pin仕様の布巻の太めのケーブルで取り回しは良く使いやすい印象です。さらに今回の「SeeAudio Bravery 限定版」ではプラグ部分が交換式を採用しており、3.5mmステレオのほか、2.5mm/4極または4.4mm/5極バランスに対応しました。このギミックを採用するミドルグレード異常のイヤホンも最近増えてきましたが、とても有り難い仕様です。
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イヤーピースは「Bravery」同様に「AZLA XELASTEC」とウレタンフォームタイプが付属します。オリジナルの「Bravery」はシェルの大きさもあり、ケーブルの耳掛け部分とあとはほのイヤーピースのみで固定するするような印象でしたので、粘着性のある「AZLA XELASTEC」は非常に効果的でした。しかし「SeeAudio Bravery 限定版」ではより耳奥までしっかり装着出来るため、場合によっては耳のサイズに合わせたイヤーピースを別途用意する方が良いかも知れません。私はラディウスの「ディープマウント」イヤーピースを選択しました。他にも定番のAcoustune「AET07」やJVC「スパイラルドット」などより自分に合うものを選ぶのもよいでしょう。


■ インプレッション

SeeAudio Bravery Anniversary Limited Edition前述の通り、「SeeAudio Bravery 限定版」のサウンドはオリジナルの「Bravery」と同じです。装着性による変化は若干有るかもしれませんが、イヤーピースなどによる調整の違いと同様の範囲内でしょう。
傾向としては、全体的にニュートラルで透明感のあるフラット寄りのサウンドバランスで、見通しの良さを確保しつつ中低域に厚みのある描写がとても綺麗な印象です。質の良いCIEMのような音作りで、決して突出した特徴があるわけでは無いのですが、よりハイグレードな価格帯のCIEMのような丁寧な音作りが好感できます。また適度な厚みと色彩豊かな表現力が加わりリスニング向けとしての完成度を高めている印象です。

高域は、明瞭で伸びの良い、かつ刺激を適度にコントロールした音を鳴らします。絶妙な存在感と刺さりやすい帯域の制御に優れており、聴きやすく、いっぽうでスッキリとした伸びの良さも確保されています。音色は明るく鮮やかさがあり、高い解像感と過度に強調しない自然な輪郭など質の高さも感じます。
中音域はフラット方向で癖の無い音を自然な定位でありのままに鳴らす印象。明感が高く、見通しが良いため、ボーカル帯域が非常に鮮明に描かれ、同時にクールになりすぎず自然な音のバランスでまとめられてます。ボーカルの質も高く、演奏は自然に分離し、正確な定位で音像を捉えることが出来ます。モニターライクな音ではありませんが、心地よく自然な音場感と表現力により、音源をしっかり楽しめるリスニングサウンドという印象です。
SeeAudio Bravery Anniversary Limited Edition低域は様々なマルチBAイヤホンと比較しても質感の良さを感じる仕上がりで、厚みのある音を滑らかかつ綺麗に鳴らします。存在感のあるミッドベースと同様に深く鳴り響く重低音がありますが過度に主張せず全体として心地よいバランスにまとめられています。また中高域と自然に分離し、滑らかさや聴きやすさを重視しているようにも感じます。そのため、派手さやメリハリの強さ、臨場感などを低域に求める方には合わないと思いますが、パンチのある曲もリラックスしたサウンドもそつなく鳴らすポテンシャルの深さを感じるサウンドです。

SeeAudio Bravery 限定版」ではプラグをバランス接続に変更することにより、DAPやアンプ等の再生環境の分離感がより強調されます。アンバランスでも自然な輪郭で心地よさがありますが、よりキリッとした明瞭さが加わり多少エッジを効かせたい方や、より立体的な空間表現で細かい音を捉えたい方には嬉しいアップグレードでしょう。HAKUGEI製のケーブルはバランス接続でも十分に本体のポテンシャルを引き出してくれます。


■ まとめ

SeeAudio Bravery Anniversary Limited Editionというわけで「SeeAudio Bravery 限定版」は個人的にはかなり満足度の高いイヤホンでした。もちろんもともとの音質面のレベルの高さも重要な要素ですが、やっぱり格好いいは正義ですね(笑)。中華イヤホンしては決して安価なイヤホンではありませんが、多くの方にオススメできる完成度を持った製品だと思います。
個人的には、この製品が限定500個というのは非常にもったいないなと思っています。気になっている方は購入可能なうちに入手しておくことをお勧めします。私も結構メインで使うことが増えそうな気がしています(^^)。