こんにちは。今回は「SOUNDPEATS Air3 Deluxe」です。以前レビューした高性能インナーイヤー型TWSの「Air3」がアップグレード。新たに充電ケースのバッテリ強化に加え、専用アプリ対応版になりました。(AirPods型)インイヤータイプのモデルで、チップセットにQualcomm製「QCC3040」を採用、Bluetooth 5.2および「aptX Adaptive」など「Air3」の高スペックと定評あるサウンドはそのまま踏襲し、さらに待望の専用アプリにより自分好みのカスタマイズ等が可能になりました。
■ 製品の概要について
低価格TWS(完全ワイヤレス)イヤホンの「定番ブランド」として日本でもすっかり定着した印象のある「SOUNDPEATS」ですが、同社の豊富なラインナップのなかのインナーイヤータイプの製品として高音質および高機能を両立した定番モデルとなっているのが「Air3」です。その「Air3」の高機能をそのまま継承しつつ、待望の専用アプリ対応などのアップデートを行ったのが「SOUNDPEATS Air3 Deluxe」です。
5千円台の低価格TWS製品でもスペック面および音質面では大手メーカーの1万円オーバーの製品と遜色は無く、実際にこれまでの多くのファンを獲得してきました。しかし、自分好みの音色にチューニングできるイコラザ(EQ)機能など、上位価格帯の製品では一般的になっている「専用アプリ」についても以前から根強いニーズがあったのも事実です。今回の「SOUNDPEATS Air3 Deluxe」ではこれらのニーズに対応して専用アプリに対応しました。
「SOUNDPEATS」アプリ:Android / iPhone
また、「SOUNDPEATS Air3 Deluxe」では充電ケースのバッテリ容量が「Air3」の220mAhから280mAhへアップグレード。ケース込みの最大再生時間も21時間に延長されました(「Air3」では最長17.5時間)。
なお、「SOUNDPEATS Air3 Deluxe」のドライバーは「Air3」同様に14.2mm バイオセルロース振動版を採用した大口径ダイナミックドライバーを搭載。大口径ドライバーならではの量感ある低音とインナーイヤー型らしい開放的で自然な音場感は定評があります。
そしてチップセットは「Air3」同様にQualcomm製「QCC3040」を搭載。「AAC」「SBC」に加え高圧縮コーデックの「aptX」、さらに次世代コーデックの「aptX Adaptive」への対応など高度なワイヤレス機能に対応します。「aptX Adaptive」はハイレゾ対応の「aptX HD」と省電力の「aptX LL」のテクノロジーを統合し、24bit/48kHzのHD高音質に加え、可変ビットレートにより接続状況に応じた最適なサウンドを実現しています。
さらに、高い安定性を実現するデバイスに依存しない接続方式「TrueWireless Mirroring」のサポート、IPX5の防水性能やCVC8.0通話ノイズ低減機能といったハイレベルの基本機能、そして「自動装着検出機能」や「ゲームモード(低遅延モード)」といった付加機能など「Air3」譲りの機能をしっかり踏襲しています。
■ パッケージ内容及び機能について
パッケージは本体写真とモデルの装着写真の2面ボックスでとても毎度ながらとても格好良いですね。パッケージ内容はイヤホン本体、充電ケース、充電用USB Type-Cケーブル、説明書。
驚くほどコンパクトな充電ケースは光沢仕上げで、いっぽうのイヤホン本体はマットブラック。本体の外観については「Air3」との相違点はほぼありません。いわゆる「AirPods」風のインイヤータイプの樹脂ハウジングですが、軸部分が短く、より耳にフィットしやすく小型化されています。
そして今回大容量化でアップデートされた充電ケースですが寸法は変わらず非常にコンパクトで、しかもより丸みを帯びたデザインで実質的にはさらに小さくなりました。光沢のあるデザインになったのも良いですね。
本体背面のロゴマーク部分がタッチセンサーになっていて、各種操作に対応します。感度もちょうど良く使い買っては良好です。シングルタッチでは音量の増減、ダブルタッチで再生/停止および受話/終話のタイプですね。低遅延のゲームモードにも左側3回タッチで対応します。
また「SOUNDPEATS Air3 Deluxe」は自動装着検出機能に対応していますので、耳から外すと自動で一時停止、再度装着すると再生が行われます。インナーイヤー型の形状は外で使うときに気軽に付け外しできるのがメリットですが、このタイプのイヤホンでの自動装着検出機はとても相性が良いですね。
■ 接続性および専用アプリについて
「SOUNDPEATS Air3 Deluxe」をペアリングすると対応するAndroidスマートフォン等では最新の「aptX Adaptive」コーデックで接続されます。「aptX Adaptive」は高圧縮コーデックの「aptX」、ハイレゾ対応の「aptX HD」のさらに上位コーデックで、24bit/48kHzのHDオーディオに加え、接続状況に応じて通信ビットレートを最適化する可変ビットレートに対応します。そのため、最近の「Apple Music」や「Amazon Music HD」のロスレス/HD音源もより安定した高音質で楽しめるわけですね。
そして「SOUNDPEATS Air3 Deluxe」のリリースに併せてアップデートした最大のポイントは専用アプリへの対応でしょう。前述の通りGoole Play StoreまたはApple App Storeからあらかじめ「SOUNDPEATS」アプリをインストールしておくことで、「SOUNDPEATS Air3 Deluxe」をペアリングするとアプリを立ち上げた際に自動で認識します。正常に認識できたら画面左下のEQアイコンをタップすることで「カスタマイズ」画面を呼び出すことができます。
※従来機種の「Air3」もアプリに対応したそうです。
「カスタマイズ」画面では音量調整、ゲームモードのON/OFF、装着自動検出のON/OFFと各種EQ設定が可能です。なお「SOUNDPEATS Air3 Deluxe」はANC(ノイキャン)は未対応ですので「ノイズキャンセリング」部分は「通常モード」で固定され変更できません。音量やゲームモードは本体のタッチセンサーでも変更できますが、画面だと分かりやすいですね。また「装着自動検出」機能は便利ではあるものの使いたくないシチュエーションも比較的あるため、アプリでOFFにできるのは結構便利です。
イコライザー(EQ)については標準では「事前設定」で「SOUNDPEATSクラシック」という状態になっています。ここで「ロック」などのジャンルや「高音強調」や「低域軽減」など8種類(クラシックも含めれば9種類)のプリセットモードが選択できます。このプリセットは結構実用的で、多くの場合はこのモードを選択するだけで十分に満足のいくサウンドを楽しめそうです。もちろん自分でEQをゴリゴリ設定したい方は「イコライザー(EQ)カスタマイズ」で個別のチューニングも可能です。
さらに「可変的なイコライザー(EQ)」では、利用する方の聴覚に合わせた最適なチューニングを行うことができます。これは細かく周波数帯域や音量を区切ってテスト音を鳴らし、テスト音の鳴った数を回答することで測定する方式。健康診断の聴覚測定の細かいバージョン、みたいな感じでしょうか。これで聴き取りにくかった音を分析し最適なチューニングを行ってくれる仕組みのようです。
ちなみに、「SOUNDPEATS Air3 Deluxe」はインナーイヤー型の性格上、遮音性はそれほど高く無いため、テスト結果も周辺の物音など環境ノイズの影響を比較的受けやすいようです。環境ノイズと重複する周波数帯での微音は聴き取りにくいため、テスト結果もたとえば日中と夜中で(自分の耳のコンディション以上に)違いが出たりします。ですので、むしろ「SOUNDPEATS Air3 Deluxe」でこの機能を利用する場合は、あえてもっとも利用する時間帯や場所を前提に設定した方が好みの音に近づけてくれる気がします。
個人的には「可変的なイコライザー(EQ)」の設定を複数保存できるよう今後バージョンアップしてくれると非常に有り難いな、と感じました。そうすればシチュエーションごとに使い分けもできますし、今後登場するだろう同社の別のイヤホン(たとえばより遮音性の高いカナル型など)で使い分けるなど、この機能をより便利に使えそうな気がします。こちらについては今後に期待しましょう。
■ サウンドインプレッション
「SOUNDPEATS Air3 Deluxe」の音質傾向は「Air3」を踏襲しており、緩やかなV字カーブを描く中低域寄りの弱ドンシャリ傾向です。インナーイヤー型としては癖の無いニュートラルな印象のため、標準状態のサウンドも非常にバランスが良く、またアプリによるEQとの相性も良く使いやすい印象です。ドライバーに大口径のバイオセルロース振動版を採用することで低域はもちろん、中高域の解像感ものクラスのインイヤー型TWSとしては良好です。
標準状態(「SOUNDPEATSクラシック」設定)のサウンドは、高域は聴きやすく、ボーカル帯域は主張があり、低域もく臨場感のあるサウンドを楽しめるチューニングになっています。ロック、ポップス、アニソンなど、各種音楽配信での最近のトレンドとの相性も良く、男性ボーカルはもちろん、女性ボーカルの曲も心地よく聴くことが出来ます。また音数の少ない最近のポップスは特に心地よく、インイヤー型としては想像以上にクリアでレスポンスも優れている印象です。そのため派手目の音が好きな方も楽しめる明瞭サウンドと聴きやすさを両立しているといえるでしょう。
また各EQモードを指定することでボーカルの近さや演奏の音色などに分かりやすい変化があり、これだけでも十分に楽しめる印象です。個人的にはパワフルな中低域を維持しつつ、標準ではやや抑え気味の高域を伸ばし最もドンシャリ傾向が強くなる「高域強調」が好みでした。
また動画視聴やゲームでは低遅延の「ゲームモード」も利用できますので、利用範囲は非常に広いでしょう。
■ まとめ
というわけで、「SOUNDPEATS Air3 Deluxe」はもともと非常に評価が高く人気モデルだった「Air3」の特徴を踏襲し、ケースについてはコンパクト化とバッテリ容量アップを行った製品ですが、リリースにあわせて待望の専用アプリ対応を行ったのは非常によいアップデートといえるでしょう。アプリは必要十分な機能にフォーカスすることで使いやすく、また製品自体のポテンシャルの高さを活かした実用的なEQ設定についても好感が持てます。今後アプリに対応した機種は拡充されてくると思いますし、ますますコストパフォーマンスの高いラインナップとなっていきそうですね(^^)。
低価格TWS(完全ワイヤレス)イヤホンの「定番ブランド」として日本でもすっかり定着した印象のある「SOUNDPEATS」ですが、同社の豊富なラインナップのなかのインナーイヤータイプの製品として高音質および高機能を両立した定番モデルとなっているのが「Air3」です。その「Air3」の高機能をそのまま継承しつつ、待望の専用アプリ対応などのアップデートを行ったのが「SOUNDPEATS Air3 Deluxe」です。
5千円台の低価格TWS製品でもスペック面および音質面では大手メーカーの1万円オーバーの製品と遜色は無く、実際にこれまでの多くのファンを獲得してきました。しかし、自分好みの音色にチューニングできるイコラザ(EQ)機能など、上位価格帯の製品では一般的になっている「専用アプリ」についても以前から根強いニーズがあったのも事実です。今回の「SOUNDPEATS Air3 Deluxe」ではこれらのニーズに対応して専用アプリに対応しました。
「SOUNDPEATS」アプリ:Android / iPhone
また、「SOUNDPEATS Air3 Deluxe」では充電ケースのバッテリ容量が「Air3」の220mAhから280mAhへアップグレード。ケース込みの最大再生時間も21時間に延長されました(「Air3」では最長17.5時間)。
なお、「SOUNDPEATS Air3 Deluxe」のドライバーは「Air3」同様に14.2mm バイオセルロース振動版を採用した大口径ダイナミックドライバーを搭載。大口径ドライバーならではの量感ある低音とインナーイヤー型らしい開放的で自然な音場感は定評があります。
そしてチップセットは「Air3」同様にQualcomm製「QCC3040」を搭載。「AAC」「SBC」に加え高圧縮コーデックの「aptX」、さらに次世代コーデックの「aptX Adaptive」への対応など高度なワイヤレス機能に対応します。「aptX Adaptive」はハイレゾ対応の「aptX HD」と省電力の「aptX LL」のテクノロジーを統合し、24bit/48kHzのHD高音質に加え、可変ビットレートにより接続状況に応じた最適なサウンドを実現しています。
さらに、高い安定性を実現するデバイスに依存しない接続方式「TrueWireless Mirroring」のサポート、IPX5の防水性能やCVC8.0通話ノイズ低減機能といったハイレベルの基本機能、そして「自動装着検出機能」や「ゲームモード(低遅延モード)」といった付加機能など「Air3」譲りの機能をしっかり踏襲しています。
ドライバー | 14.2mm ダイナミック (バイオセルロース振動板) |
---|---|
チップセット | Qualcomm QCC3040 |
Bluetooth | 5.2 |
コーデック | aptX Adaptive / aptX / AAC / SBC |
再生時間 | 本体5時間 / ケース込21時間 |
バッテリ容量 | 80mAh(40mAh×2)+280mAh |
通話N/C | CVC 8.0 |
その他 | 自動装着検出機能 TrueWireless Mirroring |
防水レベル | IPX5 |
サイズ | ・4.95×2.25×4.75mm ・47.5×49.5×22.5mm |
重量 | (片側)4.0g (ケース)33g |
「SOUNDPEATS Air3 Deluxe」の価格は 5,880円(アマゾン価格、税込み)です。
本体カラーは「ブラック」または「ホワイト」の2種類から選択できます。
本体カラーは「ブラック」または「ホワイト」の2種類から選択できます。
■ パッケージ内容及び機能について
パッケージは本体写真とモデルの装着写真の2面ボックスでとても毎度ながらとても格好良いですね。パッケージ内容はイヤホン本体、充電ケース、充電用USB Type-Cケーブル、説明書。
驚くほどコンパクトな充電ケースは光沢仕上げで、いっぽうのイヤホン本体はマットブラック。本体の外観については「Air3」との相違点はほぼありません。いわゆる「AirPods」風のインイヤータイプの樹脂ハウジングですが、軸部分が短く、より耳にフィットしやすく小型化されています。
そして今回大容量化でアップデートされた充電ケースですが寸法は変わらず非常にコンパクトで、しかもより丸みを帯びたデザインで実質的にはさらに小さくなりました。光沢のあるデザインになったのも良いですね。
本体背面のロゴマーク部分がタッチセンサーになっていて、各種操作に対応します。感度もちょうど良く使い買っては良好です。シングルタッチでは音量の増減、ダブルタッチで再生/停止および受話/終話のタイプですね。低遅延のゲームモードにも左側3回タッチで対応します。
また「SOUNDPEATS Air3 Deluxe」は自動装着検出機能に対応していますので、耳から外すと自動で一時停止、再度装着すると再生が行われます。インナーイヤー型の形状は外で使うときに気軽に付け外しできるのがメリットですが、このタイプのイヤホンでの自動装着検出機はとても相性が良いですね。
再生/停止 | 2回タッチ(右or左) |
---|---|
曲送り | 右側 1.5秒ロングタッチ |
曲戻し | 左側 1.5秒ロングタッチ |
音量UP | 右側 タッチ |
音量DOWN | 左側 タッチ |
受話/終話 | 着信時2回タッチ(右or左) |
着信拒否 | 1.5秒ロングタッチ(右or左) |
通話切替 | 2秒ロングタッチ(右or左) |
音声 アシスタント | 右側 3回タッチ |
ゲームモード | 左側 3回タッチ |
手動 ペアリング | 充電ケースのマルチボタンを 3秒間長押し |
電源ON | 自動:充電ケースのフタを開ける 手動:1.5秒ロングタッチ |
電源OFF | 自動:本体収納後フタを閉じる 手動:10秒ロングタッチ |
■ 接続性および専用アプリについて
「SOUNDPEATS Air3 Deluxe」をペアリングすると対応するAndroidスマートフォン等では最新の「aptX Adaptive」コーデックで接続されます。「aptX Adaptive」は高圧縮コーデックの「aptX」、ハイレゾ対応の「aptX HD」のさらに上位コーデックで、24bit/48kHzのHDオーディオに加え、接続状況に応じて通信ビットレートを最適化する可変ビットレートに対応します。そのため、最近の「Apple Music」や「Amazon Music HD」のロスレス/HD音源もより安定した高音質で楽しめるわけですね。
そして「SOUNDPEATS Air3 Deluxe」のリリースに併せてアップデートした最大のポイントは専用アプリへの対応でしょう。前述の通りGoole Play StoreまたはApple App Storeからあらかじめ「SOUNDPEATS」アプリをインストールしておくことで、「SOUNDPEATS Air3 Deluxe」をペアリングするとアプリを立ち上げた際に自動で認識します。正常に認識できたら画面左下のEQアイコンをタップすることで「カスタマイズ」画面を呼び出すことができます。
※従来機種の「Air3」もアプリに対応したそうです。
「カスタマイズ」画面では音量調整、ゲームモードのON/OFF、装着自動検出のON/OFFと各種EQ設定が可能です。なお「SOUNDPEATS Air3 Deluxe」はANC(ノイキャン)は未対応ですので「ノイズキャンセリング」部分は「通常モード」で固定され変更できません。音量やゲームモードは本体のタッチセンサーでも変更できますが、画面だと分かりやすいですね。また「装着自動検出」機能は便利ではあるものの使いたくないシチュエーションも比較的あるため、アプリでOFFにできるのは結構便利です。
イコライザー(EQ)については標準では「事前設定」で「SOUNDPEATSクラシック」という状態になっています。ここで「ロック」などのジャンルや「高音強調」や「低域軽減」など8種類(クラシックも含めれば9種類)のプリセットモードが選択できます。このプリセットは結構実用的で、多くの場合はこのモードを選択するだけで十分に満足のいくサウンドを楽しめそうです。もちろん自分でEQをゴリゴリ設定したい方は「イコライザー(EQ)カスタマイズ」で個別のチューニングも可能です。
さらに「可変的なイコライザー(EQ)」では、利用する方の聴覚に合わせた最適なチューニングを行うことができます。これは細かく周波数帯域や音量を区切ってテスト音を鳴らし、テスト音の鳴った数を回答することで測定する方式。健康診断の聴覚測定の細かいバージョン、みたいな感じでしょうか。これで聴き取りにくかった音を分析し最適なチューニングを行ってくれる仕組みのようです。
ちなみに、「SOUNDPEATS Air3 Deluxe」はインナーイヤー型の性格上、遮音性はそれほど高く無いため、テスト結果も周辺の物音など環境ノイズの影響を比較的受けやすいようです。環境ノイズと重複する周波数帯での微音は聴き取りにくいため、テスト結果もたとえば日中と夜中で(自分の耳のコンディション以上に)違いが出たりします。ですので、むしろ「SOUNDPEATS Air3 Deluxe」でこの機能を利用する場合は、あえてもっとも利用する時間帯や場所を前提に設定した方が好みの音に近づけてくれる気がします。
個人的には「可変的なイコライザー(EQ)」の設定を複数保存できるよう今後バージョンアップしてくれると非常に有り難いな、と感じました。そうすればシチュエーションごとに使い分けもできますし、今後登場するだろう同社の別のイヤホン(たとえばより遮音性の高いカナル型など)で使い分けるなど、この機能をより便利に使えそうな気がします。こちらについては今後に期待しましょう。
■ サウンドインプレッション
「SOUNDPEATS Air3 Deluxe」の音質傾向は「Air3」を踏襲しており、緩やかなV字カーブを描く中低域寄りの弱ドンシャリ傾向です。インナーイヤー型としては癖の無いニュートラルな印象のため、標準状態のサウンドも非常にバランスが良く、またアプリによるEQとの相性も良く使いやすい印象です。ドライバーに大口径のバイオセルロース振動版を採用することで低域はもちろん、中高域の解像感ものクラスのインイヤー型TWSとしては良好です。
標準状態(「SOUNDPEATSクラシック」設定)のサウンドは、高域は聴きやすく、ボーカル帯域は主張があり、低域もく臨場感のあるサウンドを楽しめるチューニングになっています。ロック、ポップス、アニソンなど、各種音楽配信での最近のトレンドとの相性も良く、男性ボーカルはもちろん、女性ボーカルの曲も心地よく聴くことが出来ます。また音数の少ない最近のポップスは特に心地よく、インイヤー型としては想像以上にクリアでレスポンスも優れている印象です。そのため派手目の音が好きな方も楽しめる明瞭サウンドと聴きやすさを両立しているといえるでしょう。
高域は明瞭感があり、全体としてはクリアな印象です。オーディオ的には伸びや解像感は一般的ですが適度な煌びやかさと心地よい余韻を感じさせる音作りで好感できます。
中音域はボーカル帯域の中小を中心に厚みがあり、いっぽうで籠もること無く輪郭のハッキリした音を鳴らします。標準状態では曲によっては若干凹みますが、適度な空間表現となり臨場感をより演出してくれる印象です。女性ボーカルの高音も比較的クリアで男性ボーカルも力強さと余韻が楽しめます。
低域はインイヤー型らしい厚みのある音を鳴らします。過度に響くことは無いため中高域との分離は良く、いっぽうで心地よい臨場感と音場表現が楽しめます。インイヤー型は密閉度が低いため遮音性はそれほど高くありませんが、屋外でも低域が細ること無くしっかり楽しめると思います。また各EQモードを指定することでボーカルの近さや演奏の音色などに分かりやすい変化があり、これだけでも十分に楽しめる印象です。個人的にはパワフルな中低域を維持しつつ、標準ではやや抑え気味の高域を伸ばし最もドンシャリ傾向が強くなる「高域強調」が好みでした。
また動画視聴やゲームでは低遅延の「ゲームモード」も利用できますので、利用範囲は非常に広いでしょう。
■ まとめ
というわけで、「SOUNDPEATS Air3 Deluxe」はもともと非常に評価が高く人気モデルだった「Air3」の特徴を踏襲し、ケースについてはコンパクト化とバッテリ容量アップを行った製品ですが、リリースにあわせて待望の専用アプリ対応を行ったのは非常によいアップデートといえるでしょう。アプリは必要十分な機能にフォーカスすることで使いやすく、また製品自体のポテンシャルの高さを活かした実用的なEQ設定についても好感が持てます。今後アプリに対応した機種は拡充されてくると思いますし、ますますコストパフォーマンスの高いラインナップとなっていきそうですね(^^)。
この記事を見てAir3の方はアプリに対応してないのかと焦りました。