NICEHCK EB2S (4.4mm仕様)

こんにちは。今回は「NICEHCK EB2S (4.4mm仕様)」 です。「EB2S」は以前もレビューをしていますが、今回は新色の「ピンク」および「4.4mmバランス接続対応版」がリリースされましたので追加レビューとなります。私のブログではお馴染みの中国のイヤホンセラー「HCK Earphones」オリジナル「NICEHCK」ブランドのインナーイヤー型(イントラコンカ型)イヤホンで低価格ながら個性的な金属ハウジングに大口径15.4mm LCP振動板ドライバーを搭載した人気モデルですね。
「NICEHCK」はセラー系ブランドのなかでも以前からインナーイヤー型(イントラコンカ型)イヤホンへの注力も大きく、コンスタントに新製品をリリースしていることからこの分野のマニアの間ではメジャーブランドのひとつとして認知されています。


■ 製品の概要について

NICEHCK EB2S」は低価格モデルの「EB2」の後継モデルとして発売され、既存モデルのブラックとグリーンの2色のカラーバリエーションに加え、新たに新色のピンクが追加され、同時にピンクについては4.4mmバランス接続仕様が選択可能になりました(アマゾンでは現在ピンクは4.4mm版のみ販売)。
NICEHCK EB2S (4.4mm仕様)NICEHCK EB2S (4.4mm仕様)

ちなみに「NICEHCK EB2S」の仕様について。大口径15.4mmサイズの液晶ポリマー(LCP)振動板ダイナミックドライバーを搭載したインナーイヤー(イントラコンカ)型イヤホンで、さらに強力なN50マグネットにCCAWボイスコイルを採用するなど、低価格ながらハイスペックな仕様が特徴です。またハウジングもCNC加工されたアルミニウム合金製で、デザインおよびドライバー双方で低価格グレードとはいえ全く妥協していない感じがいかにもHCKらしいですね。
NICEHCK EB2SNICEHCK EB2S
なお、「NICEHCK EB2S」の既存のブラックおよびグリーンはマイク無し/有りが選択できます。ピンクは3.5mmまたは4.4mmのマイク無しが選択できます。
購入はAliExpressの「NiceHCK Audio Store」またはアマゾンの「NICEHCK」にて。
価格はAliExpressが 26.99ドル(通常版マイクなし)28.99ドル(ピンク・4.4mm)
アマゾンが3,550円(通常版マイクなし)4,390円(ピンク・4.4mm)です。
Amazon.co.jp(NICEHCK):NICEHCK EB2S


■ パッケージおよび製品外観など

NICEHCK EB2S」のパッケージはオリジナルキャラクターのアニメ絵タイプ。パッケージ内にイラストカードも付属しています。パッケージ内容はイヤホン本体、イヤーパッド(3ペア)、ケーブルタイ、布製ポーチ、説明書、イラストカード。低価格モデルですがポーチもしっかり付属しているのは有り難いですね。
NICEHCK EB2S (4.4mm仕様)NICEHCK EB2S (4.4mm仕様)

本体は非常に軽量なアルミ合金製で、工業デザイン的なエッジを効かせた形状が特徴的。一般的な低価格インナーイヤー型とは一線を画しています。メタリックなつや消しの表面仕上げも美しいですね。金属製ハウジングですが耳の当たる黒いリング部分は樹脂製で本体の軽量さもあり耳から落ちること無くしっかり装着できます。
NICEHCK EB2S (4.4mm仕様)NICEHCK EB2S (4.4mm仕様)
新色のピンクは明るいメタリック・ローズピンクで落ち着いた印象があります。ピンクのみリング部分はホワイトでケーブルもホワイトカラーになりました(通常版はブラウン)。
NICEHCK EB2S (4.4mm仕様)NICEHCK EB2S
ケーブルの被膜はやや硬いもののしなやかさがあり、絡まりにくく、またべたつくこと無く使いやすい印象です。なお、通常版のマイクつきはシングルボタンタイプが採用されています。


■ サウンドインプレッション

NICEHCK EB2S」の音質傾向は癖の無い明るい音で、普段カナル型の中華ハイブリッドを使われている方を含め、多くのユーザーが楽しめる使いやすいサウンドだろうと思います。金属ハウジングらしく硬質さもある明瞭な音で、インナーイヤー型特有の厚みのある低域を好まれる方には多少スッキリしすぎているように感じるかもしれませんが、スポンジイヤーパッドにより厚みを増すこともできます。個人的にはイヤーパッド無しのほうが好印象でした。
NICEHCK EB2S (4.4mm仕様)そしてピンク(4.4mm)ではバランス接続により上流の駆動力をより引き出すことができるため、大口径LCP振動板のポテンシャルをより一層引き出すことができます。ある程度音量を上げても歪まずしっかりと鳴るのはなかなか快感かもしれませんね。中高域に華やかさのある明瞭さとともに、抜群の音場感と滑らかさもあるサウンドで全体的な質感の高さをより感じます。全体的にはバランス接続の方がやや刺激が増すものの、さらに微細な音まで明瞭に表現され、低域も力強く厚みのある印象になります。もともと「NICEHCK EB2S」は上流で結構「化ける」イヤホンでしたが、バランス接続でより高い駆動力と分離性を得たことでその実力をさらに実感出来るのではと思います。

「NICEHCK EB2S」の高域はHCKのインナーイヤー型の上位モデルから継承される明瞭で抜けの良い音を鳴らします。硬質な煌めきのある音ですが刺激は適度に抑えられています。大口径LCP振動板ドライバーにより非常に明瞭で見通しが良い印象で、普段カナル型イヤホンを使っている方でも違和感無く楽しめると思います。
NICEHCK EB2S (4.4mm仕様)中音域はフラット傾向の癖の無い音を鳴らします。このクラスのイヤホンとしてはかなり明瞭な印象で、特にバランス接続のピンクでは適度に広がりとともに立体的な音場感を楽しめます。分離も良く演奏の定位も十分に確認出来ます。同様にボーカル帯域も自然な位置で定位します。ありのままの音をしっかり鳴らす印象で20ドル台、3千円台のイヤホンとしてはかなり質の高い印象です。
低域は中高域の広がりのある音場感を支えつつ、直線的で締まりのある音を鳴らします。カナル型イヤホンと比べても遜色のないスピード感と分離の良さがあり、音数の多い音源もしっかり鳴らしてくれるのは好印象です。さらに音像表現は自然な印象で過度に派手すぎず、滑らかさも感じます。重低音も大口径ドライバーによる余裕のある鳴り方で十分な深さがあります。


■ まとめ

NICEHCK EB2S」は非常に使いやすく、既存のモデルもまさに「万能選手的な印象のインナーイヤー型」だと感じていました。今回バランス接続タイプが追加されたことでオーディオ的にさらに一段高いレベルの質感を楽しめるようになりました。5千円以下の価格設定は十分にお買い得だと思います。
NICEHCK EB2S (4.4mm仕様)NICEHCK EB2S」のインピーダンス32Ω、感度112dB/mWという仕様は小型オーディオアダプター等でも十分に楽しめますが、やはり駆動力のあるDAPやアンプを使用するとより締まりが増し、立体的なサウンドが楽しめるでしょう。密閉型ではないため多少の音漏れもありますし、インナーイヤー型なりの遮音性ですが、駆動力のある再生環境では移動中の新幹線で使用していても周囲に迷惑をかけること無く楽しむことが出来ました。またローズピンクのカラーリングもとても上品な印象で、より幅広い層で人気が出そうです。ただ、例えば女性へのプレゼントなどに使う場合はアニメ絵のパッケージは吉と出るか、あるいは・・・(^^;)。