こんにちは。今回は「CCA LYRA」です。毎度おなじみ「KZ」の姉妹ブランドの「CCA」ですが、最近どうも意図的に新製品を「CCA」を中心に展開しているような・・・
それはさておき、KZおよびCCAのイヤホンで過去に採用されたいたドーム型シャーシを持つダイナミックドライバー「XUN」の新しいタイプを採用したシングルダイナミック構成のモデルです。先日レビューした「CCA CRA+」より少し下のグレードの価格設定ですが音質的には今回の「CCA LYRA」もなかなの高評価を巷で受けているようです。
■ 製品の概要について
低価格中華イヤホンの市場を牽引してきた中国のイヤホンブランド「KZ(Knowledge Zenith)」ですが、ハイブリッド競争もピークを迎え、今年に入ってからは急速にシングルドライバー構成の製品作りにシフトをしています。そのなかでも最近は姉妹ブランドの「CCA」での新製品展開が盛んなようですね。
今回の「CCA LYRA」は、KZが過去にリリースしたTWS製品を皮切りに採用を始めた「XUN」ドライバーの新バージョンが搭載されています。もともとKZ(あるいはCCA)の製品はドライバーに加えてシェル自体の箱鳴りや音抜けなども重要なチューニング要素として活用してきました。しかしTWS製品ではワイヤレス機構やバッテリなどをシェル内に詰め込む必要があるためダイナミックドライバーのシャーシ自体に増幅させるための空洞を設け、シェル形状に関係なく狙った音を出せるように設計したドライバーユニットが「XUN」テクノロジーです。最初の「XUN」ドライバーはTWSの「KZ Z1」やハイブリッド機の人気モデル「KZ ZAS」、3DDモデルの「KZ DQ6」などで採用されています。
そして今回の「CCA LYRA」では新しい「XUN」テクノロジーを採用した10mm二重磁気回路ダイナミックドライバーをシングルで搭載。新しい「XUN」ドライバーは、シャーシ背面の空洞部分を75%小型化。空気をすばやく蓄積して圧縮し、低音域のパフォーマンスと高音域の拡張を改善し、より広い周波数応答とより優れた感度を実現します。
この新しいドライバーの搭載にあわせてシェル本体はより小型化。フェイスプレートは金属パネルの外周に内側からダイヤモンドカット模様に加工されたクリアパネルを配置。高級感のあるデザインで仕上げられています。
「CCA LYRA」のカラーバリエーションは「シルバー」と「ブルー」の2色。購入はAliExpressの主要セラーまたはアマゾンにて。価格はAliExpressが17.99ドル前後、アマゾンが3,600円程度です。
AliExpress(KZ Earphones Franchised Store): CCA LYRA
Amazon.co.jp(GK Official Store): CCA LYRA
Amazon.co.jp(L.S オーディオ): CCA LYRA
■ パッケージ構成、製品の外観および内容について
パッケージはいつもの白箱タイプで、中身も従来タイプの梱包ですね。確か「CRA+」はより簡易な感じだったような・・・この辺の区別は相変わらず良くわかりません。作ってる工場の違いかもしれませんね。
内容はイヤホン本体、ケーブル、イヤーピース(S/M/L)サイズ、説明書。イヤーピースは「CRA+」同様に今回も新しいタイプが同梱されています。
本体形状は従来のKZおよびCCAのシェルサイズよりひとまわり小さく、ステムノズルも金属製の細いタイプが採用されています。既存のモデルより装着性は高く、耳の形状によっては合わない場合もありますが、多くの場合はよりしっかりとホールドしやすい形状になっていると思います。
ちなみに、ハウジング部分は3DD構成の「KZ DQ6」と同様の形状を採用しています。「DQ6」は最初のXUNドライバーに高域用DDを2基追加したモデルで10ドル台、2千円台の価格設定ながら高い完成度で人気になったモデルです。比較するとXUNドライバーが新タイプで小型化しているのがよくわかりますね。
「CCA LYRA」のシェルを「CCA CRA+」のような既存のKZやCCA製品と比較すると、フェイスプレート部分のサイズはより小さく、背面は耳にフィットさせる突起のある形状になっていますね。また最近のハイブリッド機である「CCA CA10」などと比較すると、シルエットは似ていますが親子みたいに大きさの違いがありますね。
ケーブルは最近のKZ/CCAで付属している被膜が厚めの銀メッキ線タイプ。イヤーピースは以前付属していた極端に柔らかいタイプよりは芯部分にコシがありますが、やはり結構柔らかいためMサイズ以上の耳のサイズの方にはいまいち馴染まない可能性が高いと思います。交換するイヤーピースはステムノズルが細いため「final Eシリーズ」「Acoustune AET08」「RHAイヤーピース」などが選択肢に上がりますね。他にもソニーの「ハイブリッドイヤーピース」なども低価格ですし、耳のサイズが合えば良いと思います。
■ サウンドインプレッション
「CCA LYRA」の音質傾向は中低域寄りのドンシャリ。「CCA CRA+」や「KZ EDA」など最近のKZ/CCAがフォーカスしているサウンドバランスに近く、過去の中華ハイブリッド製品での金属質な派手でギラギラしたサウンドからは完全に離別し、存在感のある低域と聴きやすく比較的ニュートラルな中高域を持っています。比較すると「CCA LYRA」はもっとも明るくスッキリした印象で見通しの良いサウンド。「KZ EDA」が最も低域寄りでやや暗く、「CCA CRA+」はより自然なV字カーブを描きますが中高域に密度感のある印象です。そのため「CCA LYRA」は解像感や輪郭の明瞭さなどでは「CCA CRA+」にはおよびませんが、より聴きやすく見通しの良さ、透明感を感じやすいでしょう。ひとことで言えば、濃い口「CCA CRA+」、スッキリ味「CCA LYRA」みたいな違いです(笑)。
「CCA LYRA」の高域は、見通しが良く直線的に伸びる印象で比較的明瞭な印象。同社のハイブリッド製品のような金属質のギラつきはないものの硬質で、煌めきのある音を鳴らします。いっぽうで、そのままだと多少暴れそうなところを派手すぎないように刺激を抑えるコントロールも施されているという感じの音でもあり、高域の質感では「CRA+」には及ばない印象です。
■ まとめ
「CCA LYRA」はある意味でとてもKZらしい、スピード感重視の寒色系サウンドを、以前のハイブリッドよりは大幅に派手さを押さスッキリした印象で実現した興味深い製品だと感じました。そのサウンドを支えているのは質が良くスピード感のある低域が生み出す臨場感で、アンダー20ドルクラスとしては相当にオススメできるイヤホンだといえるでしょう。アマゾンでは円安の影響といわゆるアマゾン税(出品手数料)で1.5倍くらいの価格になっているのは残念ですが、それでも相当にプライスパフォーマンスの高いイヤホンだといえるでしょう。できれば「CRA+」と両方のモデルを入手して聴き比べしてみるのも楽しいですね(^^)。
低価格中華イヤホンの市場を牽引してきた中国のイヤホンブランド「KZ(Knowledge Zenith)」ですが、ハイブリッド競争もピークを迎え、今年に入ってからは急速にシングルドライバー構成の製品作りにシフトをしています。そのなかでも最近は姉妹ブランドの「CCA」での新製品展開が盛んなようですね。
今回の「CCA LYRA」は、KZが過去にリリースしたTWS製品を皮切りに採用を始めた「XUN」ドライバーの新バージョンが搭載されています。もともとKZ(あるいはCCA)の製品はドライバーに加えてシェル自体の箱鳴りや音抜けなども重要なチューニング要素として活用してきました。しかしTWS製品ではワイヤレス機構やバッテリなどをシェル内に詰め込む必要があるためダイナミックドライバーのシャーシ自体に増幅させるための空洞を設け、シェル形状に関係なく狙った音を出せるように設計したドライバーユニットが「XUN」テクノロジーです。最初の「XUN」ドライバーはTWSの「KZ Z1」やハイブリッド機の人気モデル「KZ ZAS」、3DDモデルの「KZ DQ6」などで採用されています。
そして今回の「CCA LYRA」では新しい「XUN」テクノロジーを採用した10mm二重磁気回路ダイナミックドライバーをシングルで搭載。新しい「XUN」ドライバーは、シャーシ背面の空洞部分を75%小型化。空気をすばやく蓄積して圧縮し、低音域のパフォーマンスと高音域の拡張を改善し、より広い周波数応答とより優れた感度を実現します。
この新しいドライバーの搭載にあわせてシェル本体はより小型化。フェイスプレートは金属パネルの外周に内側からダイヤモンドカット模様に加工されたクリアパネルを配置。高級感のあるデザインで仕上げられています。
「CCA LYRA」のカラーバリエーションは「シルバー」と「ブルー」の2色。購入はAliExpressの主要セラーまたはアマゾンにて。価格はAliExpressが17.99ドル前後、アマゾンが3,600円程度です。
AliExpress(KZ Earphones Franchised Store): CCA LYRA
Amazon.co.jp(GK Official Store): CCA LYRA
Amazon.co.jp(L.S オーディオ): CCA LYRA
■ パッケージ構成、製品の外観および内容について
パッケージはいつもの白箱タイプで、中身も従来タイプの梱包ですね。確か「CRA+」はより簡易な感じだったような・・・この辺の区別は相変わらず良くわかりません。作ってる工場の違いかもしれませんね。
内容はイヤホン本体、ケーブル、イヤーピース(S/M/L)サイズ、説明書。イヤーピースは「CRA+」同様に今回も新しいタイプが同梱されています。
本体形状は従来のKZおよびCCAのシェルサイズよりひとまわり小さく、ステムノズルも金属製の細いタイプが採用されています。既存のモデルより装着性は高く、耳の形状によっては合わない場合もありますが、多くの場合はよりしっかりとホールドしやすい形状になっていると思います。
ちなみに、ハウジング部分は3DD構成の「KZ DQ6」と同様の形状を採用しています。「DQ6」は最初のXUNドライバーに高域用DDを2基追加したモデルで10ドル台、2千円台の価格設定ながら高い完成度で人気になったモデルです。比較するとXUNドライバーが新タイプで小型化しているのがよくわかりますね。
「CCA LYRA」のシェルを「CCA CRA+」のような既存のKZやCCA製品と比較すると、フェイスプレート部分のサイズはより小さく、背面は耳にフィットさせる突起のある形状になっていますね。また最近のハイブリッド機である「CCA CA10」などと比較すると、シルエットは似ていますが親子みたいに大きさの違いがありますね。
ケーブルは最近のKZ/CCAで付属している被膜が厚めの銀メッキ線タイプ。イヤーピースは以前付属していた極端に柔らかいタイプよりは芯部分にコシがありますが、やはり結構柔らかいためMサイズ以上の耳のサイズの方にはいまいち馴染まない可能性が高いと思います。交換するイヤーピースはステムノズルが細いため「final Eシリーズ」「Acoustune AET08」「RHAイヤーピース」などが選択肢に上がりますね。他にもソニーの「ハイブリッドイヤーピース」なども低価格ですし、耳のサイズが合えば良いと思います。
■ サウンドインプレッション
「CCA LYRA」の音質傾向は中低域寄りのドンシャリ。「CCA CRA+」や「KZ EDA」など最近のKZ/CCAがフォーカスしているサウンドバランスに近く、過去の中華ハイブリッド製品での金属質な派手でギラギラしたサウンドからは完全に離別し、存在感のある低域と聴きやすく比較的ニュートラルな中高域を持っています。比較すると「CCA LYRA」はもっとも明るくスッキリした印象で見通しの良いサウンド。「KZ EDA」が最も低域寄りでやや暗く、「CCA CRA+」はより自然なV字カーブを描きますが中高域に密度感のある印象です。そのため「CCA LYRA」は解像感や輪郭の明瞭さなどでは「CCA CRA+」にはおよびませんが、より聴きやすく見通しの良さ、透明感を感じやすいでしょう。ひとことで言えば、濃い口「CCA CRA+」、スッキリ味「CCA LYRA」みたいな違いです(笑)。
「CCA LYRA」の高域は、見通しが良く直線的に伸びる印象で比較的明瞭な印象。同社のハイブリッド製品のような金属質のギラつきはないものの硬質で、煌めきのある音を鳴らします。いっぽうで、そのままだと多少暴れそうなところを派手すぎないように刺激を抑えるコントロールも施されているという感じの音でもあり、高域の質感では「CRA+」には及ばない印象です。
中音域は過度の強調は無く曲によっては僅かに凹みます。ボーカル域を強調するようないわゆるW字のチューンイングは行われておらず自然なV字カーブがむしろ好印象です。高域同様に硬質な音で中高域も光沢がある印象。やはり過度に派手にはならず歯擦音は制御されています。
解像感はそれなりですが全体としてスッキリした印象がありボーカルも演奏も自然に分離して心地よく聴かせてくれます。密度感のある「CRA+」とはまた違った楽しさがありますね。音場は比較的広く自然な印象で、ある程度の分離の良さもあり付属ケーブルでも奥行きを感じます。
解像感はそれなりですが全体としてスッキリした印象がありボーカルも演奏も自然に分離して心地よく聴かせてくれます。密度感のある「CRA+」とはまた違った楽しさがありますね。音場は比較的広く自然な印象で、ある程度の分離の良さもあり付属ケーブルでも奥行きを感じます。
そして低域は力強さを持ちつつタイトで直線的な音を鳴らします。「CRA+」の低域も良質でしたが、「CCA LYRA」はよりスッキリしており、力強さを持ちつつ派手さを押さえた、スピード感とキレの良さが印象的です。特に重低音はかなりの重量感がありますが過度に強調せずスピード感のあるタイトな音で低域全体を下支えします。ミッドベースは力強く存在感を主張しつつも直線的でアタックも迅速な印象です。低域全体の表現力と質感の良さは新しい「XUN」ドライバーの本領を実感するようです。
■ まとめ
「CCA LYRA」はある意味でとてもKZらしい、スピード感重視の寒色系サウンドを、以前のハイブリッドよりは大幅に派手さを押さスッキリした印象で実現した興味深い製品だと感じました。そのサウンドを支えているのは質が良くスピード感のある低域が生み出す臨場感で、アンダー20ドルクラスとしては相当にオススメできるイヤホンだといえるでしょう。アマゾンでは円安の影響といわゆるアマゾン税(出品手数料)で1.5倍くらいの価格になっているのは残念ですが、それでも相当にプライスパフォーマンスの高いイヤホンだといえるでしょう。できれば「CRA+」と両方のモデルを入手して聴き比べしてみるのも楽しいですね(^^)。