THHiFi Face Red

こんにちは。今回は「THiFi Face Red」 です。中国の新しいブランド「THHiFi(唐魂)」の2BA+1DD構成のモデルです。製品名の通り、京劇の紅生の赤い顔をイメージした個性的なフェイスプレートなど中国の伝統とモダンを融合したデザインと技術力で今後注目の存在ですね。やや派手めながらスッキリとしたドンシャリ系サウンドに広く絶妙な空間表現。個性的なデザインとバランスの良いリスニングサウンドが楽しいマニア向けのアンダー200ドル級イヤホンです。

■ 製品の概要について

THHiFi(唐魂)」は非常に新しい中国のイヤホンブランドで、伝統とモダンを融合した外装とバランスの取れたオーディオチューニングといったユニークなコンセプトデザインを掲げています。「THHIFI」の「TH」は中国名の「唐魂(Tang Hun)」の意味で各製品に伝統的な中国要素を取り入れた独自性をデザインコンセプトとしています。レビュー掲載時点で「THHiFi(唐魂)」からは「Character」(1BA+1DD)と「Face Red」(2BA+1DD)の2製品がリリースされています。

今回紹介する「THHiFi Face Red」は製品名称のとおり、フェイスプレートに中国の伝統的な古典演劇の京劇で代表的なキャラクターともいえる紅生(=関羽の役柄)の「赤い顔」をモチーフにしたデザインを採用しています。京劇「三国志」で争いを終わらせるための重要な役割を果たす関羽の、前向きさや公正さと勇敢で激しさといった要素が製品コンセプトでイメージされているようです。
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THHiFi Face Red」は人間工学に基づいたデザインでドイツの5軸CNC精密切削加工によって形成された軽量アルミニウム合金製のシェルを採用しています。ドライバー構成は2BA+1DDで、内部の音響キャビティは高精度のDLP 3Dプリントで製造されており、ドライバーユニットごとに独立したサウンドチューブで接続します。
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世界初の超薄型レジンフィルム振動板を使用した9.2mmダイナミックドライバーを採用。レジンフィルム振動板は極めて軽量で、かつ自然な反発が特徴で、他の振動板素材の持つ緩すぎたり硬すぎたりするような欠点を補う解消しています。またデュアルマグネット構造によりレスポンスを強化しています。この新開発のダイナミックドライバーにより、パワフルな中低域と深い重低音を持ち、優れたレスポンスと歪みの少ないクリーンな低域を生み出します。さらに中音域および高域をカスタマイズされた2基のバランスド・アーマチュア(BA)ドライバーで補完し、卓越した解像度と明瞭さを実現しています。
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THHiFi Face Red」はMMCXコネクタを採用し、ケーブルは高純度OFC(無酸素銅)+銀メッキ線のミックス線リッツ構造ケーブルを付属しています。
THHiFi Face Red」の購入はHiFiGoまたはアマゾンの同マーケットプレイスにて。
価格はHiFiGoが189.99ドル、アマゾンが23,380円です。
HiFiGo: THHiFi Face Red
Amazon.co.jp(HiFiGo): THHiFi Face Red


■ パッケージ構成、製品の外観および内容について

「THHiFi(唐魂)」は非常に新しいメーカーで知名度などはほぼゼロですが、メーカーサイトもしっかりしていますし、それなりの体制でスタートした企業のようですね。なおブランド名がよく似ていますが「TINHIFI」とは全く関係ありませんのでご注意ください(^^;)。またHiFiGoの製品ページでは「BGVP THHiFi Face Red」と製品名を記載していますが、調べた限りではBGVPのサブブランドというわけでもなさそうですし、おそらくBGVPに販売を委託しているだけだと思われます(AliExpressとかよく見かけるセラー名称がブランド名の前に書かれてるアレですね)。
というわけで私のレビューでは「THHiFi Face Red」の表記で統一したいと思います。

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THHiFi Face Red」のパッケージは何とびっくりな「木箱」(正確には「竹箱」)に入っています。木製のパッケージというのも過去になかったわけではありませんが、こちらはまんま「木箱」ですね。それを鮮やかなパッケージアートが描かれた化粧カバーで覆っている、という形態です。箱の中の緩衝材などは全て取り外すことができ、ふたもきちんと作られていていますので、そのまま小物入れとして活用できそうです。
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パッケージ内容はイヤホン本体、ケーブル、ケーブルタイ、イヤーピースは4種類でそれぞれ3サイズ、布製ポーチ、レザーケース、説明書。またHiFiGoで購入した場合にさらにMMCXリムーバーがオマケで付くようです。
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アルミ合金製の本体は金属感のあるやや無骨さも感じるデザイン。しかし実際は非常に軽量で、スリムなフェイスサイズで見た目より収まりやすいサイズ感にまとまっています。製品名称にもなっている赤い模様のフェイスプレートも個性的ですが、側面のスリット状のデザインと削り出し感の強い背面形状はジュラルミンむき出しの航空機のようなイメージもあります。例えば宮崎駿監督の「風立ちぬ」にでてきたユンカースみたいな(^^;)。MMCXコネクタ部分は張り出した形状になっており、この部分があるおかげで耳掛けの装着性が向上しています。
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ケーブルはシルバーの線材と樹脂被膜の4芯タイプのケーブルで、コネクタやプラグなどの部品は本体同様にクローム処理が行われています。被膜は弾力があり、取り回しは良好な印象です。イヤーピースはシリコン製で開口部の異なるタイプのものが4種類付属します。選び放題、という気もしますが、取り立ててコレが使いやすい、というものは無いので耳にフィットしやすいものを選ぶと良いでしょう(いちおう開口部の大きさで高域の印象に若干の変化はありますが、誤差の範囲です)。他にも定番のJVC「スパイラルドット」やAcoustune「AET07」、またよりフィット感の強いタイプでは「SpinFit CP100+」などを選ぶのも良いでしょう。他にも最近だと「Softears U.C.」も少し高価格ですが人気があります。今回は「Softears U.C.」を選びました。


■ サウンドインプレッション

THHiFi Face RedTHHiFi Face Red」の音質傾向は明瞭さのあるドンシャリ系サウンド。パワフルで締まりのある低域と、スッキリ明瞭に鳴る高域が印象的です。全体的にスッキリしており中高域の煌めきやシンバル音の響きの良さはまさに「京劇」の舞台を演出する伝統的な管弦楽器やドラの響きをイメージさせます。実際はどの程度意識した音作りかは分かりませんが、あくまで個人的な印象として、「伝統的な中国要素とモダンを融合した」という「THHiFi」のコンセプトを音質面でも実感した気がしました。また「THHiFi Face Red」の中音域はスッキリしながらもニュートラルで、とても広く、かつ立体的な音場表現をします。定位も正確で、「京劇」で言うなら舞台を空間として捉え、どの位置で繰り広げられているのかを的確に捉えることができるでしょう。非常に臨場感のあるサウンドでかつ、ボーカルも癖の無い音で明瞭に鳴ってくれますので、ある程度モニター的にも聴くことができる、非常に楽しいリスニングイヤホンだと感じました。

THHiFi Face Red」の高域は煌めきのある明瞭なサウンド。いかにもハイブリッドらしい派手さのある硬質な音ですが、(「KZ ZAX」などを含む)低価格中華ハイブリッド特有のギラつきは無く、スッキリとした伸びの良さもあります。鋭い音はそれなりに鋭く鳴りますが刺激は少なく、シャリ付きや歯擦音についてはほぼコントロールされている印象。それでもある程度駆動力を上げたりリケーブルすると相応に刺さる場合はあります。

THHiFi Face Red中音域は癖の無いニュートラルな音で明瞭さと見通しの良さを感じるスッキリした印象。ドンシャリ傾向のバランスのため曲によっては多少凹みますが、ボーカルはハッキリとした音像表現があり不足を感じることは無いでしょう。高域同様に硬質ですが極端にエッジが立つような人工的な印象は無く、演奏も自然です。女性ボーカルはほぼ凹まず明瞭で伸びの良さと煌めきがあります。男性ボーカルは適度に厚みと存在感があり、低音は僅かに温かみも感じます。演奏の分離は良く、広く見通しの良い音場で正確に定位します。またストリングスは熱量がありブラスは伸びやかです。解像度も高く、中音域の明瞭さと個々の音色はこの製品の価格に見合う質感を持っていると感じさせます。

低域はパワフルな印象で、非常にタイトで存在感のある音を鳴らします。ミッドベースは力強く厚みがありますが締まりが良く直線的な印象。中高域とは明瞭に分離します。重低音は重く深さのある印象。解像感のあるタイトな印象で適度な響きを持ちつつ、音数の多い曲でも明瞭さがあります。ただしスピード感としては一般的でキレの良さより自然な印象の音です。それでも高い解像感と力強さは広い音場表現と合わせて臨場感のある音を演出し、リスニング的な印象を高めます。

 余談ですが、「THHiFi Face Red」についてのHiFiGoのサイトにもリンクのある海外の動画レビューではこのイヤホンの周波数特性(f値)が「KZ ZAX」と酷似しているという内容を前面に出しています。ただ動画の内容を見ると別に「KZ ZAX」と同じと言っているわけでは無く、個人的にも実際の印象は両方のイヤホンはかなり異なりました。また動画で比較していたHBB氏の測定によるf値の場合、個人的に追確認してみたところ、「KZ ZAX」以外のイヤホンでも、例えば「TFZ KING II」あたりの曲線も「THHiFi Face Red」にかなり近かったりします。ここで「TFZ KING II」と「KZ ZAX」を似た音だと考える方はほぼいらっしゃらないでしょう。f値はサウンドバランスを知る上では重要かつ明確な指標ですが実際の音質傾向を特定する上ではあくまで参考程度のものであることを再認識させてくれます。まあ、あえて上記の比較で言うなら「THHiFi Face Red」は「KZ ZAX」ぽい硬質さや明瞭さもありますが、バランスとしては「TFZ KING II」の中低域を厚くしてより広く立体的な音場を持った感じに近いかもしれませんね。どちらの製品とも音作りのアプローチは異なるようです。


■ まとめ

THHiFi Face Redというわけで、「THHiFi Face Red」は非常に個性的なデザインを持ちつつ、ある意味分かりやすく、実際は細部にこだわりをしっかり感じる音作りが印象的でした。新しくマイナーな印象もありますし、中国のトラディショナルさを前面に出したコンセプトも日本を含め海外では逆にわかりにくいのかも知れません。木箱パッケージの豪華さ(?)もありますが、ビルドクオリティは非常に高く、分かりやすいドンシャリ系のサウンドではありますが、入念な音作りも交換を持ちました。個人的には十分に価格に見合う製品だと思います。また個人的には同社の今後の展開も気になることろです。間違いなくマニア向けの製品ではありますが、興味のある方は挑戦してみられるのも良いと思いますよ(^^)。