こんにちは。今回は「BGVP Melody」です。自社開発の12mmダイナミックドライバーを搭載するシングルダイナミック構成のイヤホンですね。クールで個性的なデザインの金属シェルを採用し、3種類のフィルターギミック、プラグ交換式のグラフェンコートケーブルなど充実した構成も魅力的な製品です。音質的なバランスも良く、BGVPらしい完成度とコストパフォーマンスの高さを実感しますね。
■ 製品の概要について
「BGVP」も定期的にヒット作をリリースしている中華イヤホンブランドですが、ここ数年はハイブリッド製品の印象が強いですね。数年前の「BGVP DMG」(4BA+2DD)や昨年レビューした「BGVP NS9」(7BA+2DD)と行った製品の人気により、金属製シェル、フィルター交換ギミック、そしてパワフルな低域を中心としたサウンドが好評を得ています。
今回の「BGVP Melody」は第3世代のBGVP自社開発12mm径ダイナミックドライバーを搭載するシングルダイナミック構成を採用。驚くほどの明瞭さとパンチのあるサウンドパフォーマンスを生み出します。5軸CNC加工をはじめとする14工程を経たプレミアムな仕上がりの金属製シェルはデュアル・リアキャビティ構造を採用しており、よりクリーンで洗練されたサウンドに仕上げられています。
「BGVP Melody」で採用される自社開発の第3世代「12mm大型ダイナミックドライバー」は、高品質の「lilin03カーボンクリスタルポリウレタン複合振動板」(lilin03-carbon crystal polyurethane composite diaphragm)を搭載。磁気回路には1.5テスラの強力な磁束を生み出すNdFeB複歪マグネットを採用。キャビティには金メッキ真鍮素材を使用しサウンドパフォーマンスを高めています。この新しいドライバーは高品質の低音、洗練されたボーカル、詳細な演奏を備えた強力なサウンドパフォーマンスを生み出し、あらゆるジャンルの音源を引き立てます。
また「BGVP Melody」では3種類の交換可能なチューニングノズルが付属しており、ユーザーは好みのサウンドバランスに交換できます。標準の「ローズ ゴールド」ノズルはバランスの取れたサウンド、「シルバー」ノズルはクラシック音楽に適したミュージカルチューニング、「レッド」ノズルは多くのジャンルに適したポップスチューニング用のバランスに変化します。
「BGVP Melody」のカラーバリエーションは「シルバー」と「グレー」の2色。ケーブルはプラグを3.5mmステレオ、2.5mmおよび4.4mmバランスの3種類のプラグで交換可能なタイプと、3.5mm/4極のマイク付き(プラグ交換不可)の2タイプが選べます。
「BGVP Melody」の購入はHiFiGo、またはアマゾンのHiFiGoマーケットプレイスにて。
価格は114.99ドル(3プラグ仕様)、アマゾンでは15,531円です。
HiFiGo: BGVP Melody
アマゾンは掲載時点での為替レートをもとに価格設定が行われていますが、急速な円安のため掲載時点ではアマゾンの方が安価に購入できる逆転現象が発生しています。そのため今後価格変更が行われる可能性もありますので、興味ある方はお早めに。
Amazon.co.jp(HiFiGo): BGVP Melody
■ パッケージ構成、製品の外観および内容について
「BGVP Melody」のパッケージは黒いボックスを化粧箱で覆う構造で新しいBGVPのロゴマークがサイドでワンポイントになっていますね。大きいサイズのハードケースが付属するため、箱はちょっと大きめです。
パッケージ内容はイヤホン本体、ケーブル、交換用プラグ、交換用フィルターノズルと保存用固定金具、イヤーピース(シリコンタイプ2種類がそれぞれS/M/Lサイズおよび装着済み1ペア、ウレタンタイプ1ペア)、レザーケース、説明書など。
大きいサイズのレザーケースは「TANCHJIM Prism」に付属しているものと同じサイズ・形状で、フタ部分にBGVPと押し型されています。7万円クラスのPrismと同じケースが付属している、というだけでも114ドルの「BGVP Melody」はちょっとお得感がありますね(^^)。
「BGVP Melody」の本体は比較的コンパクトな金属製シェルで、曲線的なシェルデザインに対し、正六角形の平面フェイス部分の一辺に五角形の平面が角度を付けて隣接するスクエアなデザインが印象的。五角形部分は左右で赤・青のメッシュパーツが埋め込まれておりベント(空気孔)になっています。非常に練られた格好良いデザインですね。
フィルターノズルはしっかり固定されビルドクオリティの高さを感じます。コネクタはMMCXを採用しています。サイズ的には「BGVP DMG」あたりと比べると近いサイズ感ですが「NS9」と比べると結構コンパクトですね。コンパクトなサイズ感もあり特徴的なデザインながら装着性は良好です。
交換式フィルターノズルは一般的な低域または高域を強化したり減衰するものとは異なり、「Balanced」「Hi-Fi」「Pop」という組み合わせ。見ると標準の「Balanced」のみがノズルが多少長く、それ以外の2種類は若干短い仕様。そしてノズルの内径は「Balanced」「Hi-Fi」が小さく(=ノズルに厚みがある)、「Pop」が大きい仕様。そして「Balanced」「Hi-Fi」は外側は同じメッシュパーツですが、「Hi-Fi」は裏側に別パターンのメッシュが張られ、外側のメッシュ穴が大きい「Pop」の裏側はフィルター材が張られています。なかなか興味深い仕様ですね。
付属のイヤーピースは開口部の大きい柔らかいMサイズが装着済みで、それ以外はよくある形状のシリコン(白色)といわゆつ「AET07」タイプ(開口部が大きい方)の2種類+1個。およびウレタンが1ペアという構成。通常は装着済みのMサイズかAET07タイプを使用する感じになると思いますが、必要に応じてよりフィット感のあるものに交換するのも良いでしょう。
付属ケーブルは金属ワイヤー色の4芯タイプのグラフェンコート・ミックス線ケーブルが付属します。透明な被膜は適度な弾力があり取り回しは結構良い印象です。また最近増えてきましたがプラグは交換式タイプが採用されておりシングルエンド、バランスを再生環境に応じて交換できます。3種類の交換用プラグと交換フィルターノズル(と固定金具)をすべて収納しようと思うとそれなりにスペースが必要なため、「BGVP Melody」付属の大きなハードケースはとても有り難いですね。ほかの製品ではケースが小さめで付属品が全ては入らず、やむなくケースを交換しないといけないパターンも結構多いため、このようによく考えられているBGVPの構成は好感が持てます。
■ サウンドインプレッション
「BGVP Melody」の音質傾向は中低域に厚みのある弱ドンシャリ傾向。全体としては比較的ニュートラルでバランスの良さを感じるサウンドです。低域の質感は良く重低音は重く深さがあります。低域の表現力はBGVPらしさを感じる部分ですね。
シングルエンドでの再生、または小型のオーディオアダプターなどを経由しての再生では「パールゴールド(Referenced)」が最もスッキリした印象で、「シルバー(Hi-Fi)」および「レッド(Pop)」は聴きやすいものの若干の曇りを感じる場合があります。しかし、駆動力のある再生環境、あるいはバランス接続でガンガン鳴らせる環境では「パールゴールド(Referenced)」はメリハリが強めの印象となり、ほかの2種類のフィルターの方が好印象に感じる場合があります。
フィルターノズルは「パールゴールド(Referenced)」がもっともダイレクト感があるものの、ノズルを他の2種類より長くすることで過度に派手になりすぎるのをコントロールしているようです。これに対して「シルバー(Hi-Fi)」および「レッド(Pop)」はより低域が強く、「シルバー(Hi-Fi)」がニュートラル方向、「レッド(Pop)」がボーカル帯域にややフォーカスしたバランスになります。どのフィルターも印象の違いは少ないものの再生環境や好みに応じてベストは変わりそうですね。
「BGVP Melody」の高域は明瞭で伸びの良い印象で鳴ります。全体としてバランスがとれた主張により聴きやすさを維持しています。解像感は100ドルクラスのイヤホンとしては優れており、シンバル音の鳴りも綺麗です。
特に「パールゴールド(Referenced)」のフィルターノズルでは鋭い音は適度に鋭く鳴りますが刺激はコントロールされており、見通しの良さとともに聴きやすさは維持されています。ただバランス接続で高出力で鳴らすとちょっと強すぎる印象になる場合もあります。これは付属するグラフェンコートケーブルの特徴も影響しているため、気になる場合は高純度銅線などにリケーブルするのも良いでしょう。
逆にポータブルアダプターなどの小型の再生環境や小音量での再生では「シルバー(Hi-Fi)」および「レッド(Pop)」フィルターでは「パールゴールド(Referenced)」と比べて若干の曇りを感じる場合があります。
中音域は味付けのないニュートラルなサウンドですが適度な主張があり、ボーカルは比較的近くで聴こえます。とはいえ全体としてバランスが良くボーカルを過度に強調するような印象では無く、広がりのある音場で個々の音をしっかり捉えるような印象。また派手になりすぎない範囲で明瞭に分離するため、演奏の定位も掴みやすい印象です。ボーカルの存在感はもちろん、ギターソロなども絶妙な響きと余韻で聴き応えがあります。印象としてはドライですが適度な厚みがり豊かさを感じるのは好印象ですね。
■ まとめ
というわけで、「BGVP Melody」は高いビルドクオリティ、充実した付属品、パワフルで質の良い低域とそれを活かすバランスの良いサウンド、また好みに応じた微調整に対応し比較的実用的なフィルターギミックと、突出した良さより「BGVPらしいコストパフォーマンスに優れた完成度の高さ」を上手くまとめた製品だと思います。実際同社以外でこれらを全て満たして100ドルちょっとの価格に納めた製品を作ることは難しいのではと感じます(特定のターゲットに特化した音質とか、見た目重視とかなら別として)。全体のバランスとしては「FiiO FD5」あたりにちょっと近く、「BGVP Melody」のほうが結構ドライな印象ですが低域が深く、中高域の存在感のあるサウンドを好まれる方には良い選択しになるかも知れません。個人的には、この品質でアマゾンで1.5万円程度というのは相当お買い得だと感じました(^^)。
「BGVP」も定期的にヒット作をリリースしている中華イヤホンブランドですが、ここ数年はハイブリッド製品の印象が強いですね。数年前の「BGVP DMG」(4BA+2DD)や昨年レビューした「BGVP NS9」(7BA+2DD)と行った製品の人気により、金属製シェル、フィルター交換ギミック、そしてパワフルな低域を中心としたサウンドが好評を得ています。
今回の「BGVP Melody」は第3世代のBGVP自社開発12mm径ダイナミックドライバーを搭載するシングルダイナミック構成を採用。驚くほどの明瞭さとパンチのあるサウンドパフォーマンスを生み出します。5軸CNC加工をはじめとする14工程を経たプレミアムな仕上がりの金属製シェルはデュアル・リアキャビティ構造を採用しており、よりクリーンで洗練されたサウンドに仕上げられています。
「BGVP Melody」で採用される自社開発の第3世代「12mm大型ダイナミックドライバー」は、高品質の「lilin03カーボンクリスタルポリウレタン複合振動板」(lilin03-carbon crystal polyurethane composite diaphragm)を搭載。磁気回路には1.5テスラの強力な磁束を生み出すNdFeB複歪マグネットを採用。キャビティには金メッキ真鍮素材を使用しサウンドパフォーマンスを高めています。この新しいドライバーは高品質の低音、洗練されたボーカル、詳細な演奏を備えた強力なサウンドパフォーマンスを生み出し、あらゆるジャンルの音源を引き立てます。
また「BGVP Melody」では3種類の交換可能なチューニングノズルが付属しており、ユーザーは好みのサウンドバランスに交換できます。標準の「ローズ ゴールド」ノズルはバランスの取れたサウンド、「シルバー」ノズルはクラシック音楽に適したミュージカルチューニング、「レッド」ノズルは多くのジャンルに適したポップスチューニング用のバランスに変化します。
「BGVP Melody」のカラーバリエーションは「シルバー」と「グレー」の2色。ケーブルはプラグを3.5mmステレオ、2.5mmおよび4.4mmバランスの3種類のプラグで交換可能なタイプと、3.5mm/4極のマイク付き(プラグ交換不可)の2タイプが選べます。
「BGVP Melody」の購入はHiFiGo、またはアマゾンのHiFiGoマーケットプレイスにて。
価格は114.99ドル(3プラグ仕様)、アマゾンでは15,531円です。
HiFiGo: BGVP Melody
アマゾンは掲載時点での為替レートをもとに価格設定が行われていますが、急速な円安のため掲載時点ではアマゾンの方が安価に購入できる逆転現象が発生しています。そのため今後価格変更が行われる可能性もありますので、興味ある方はお早めに。
Amazon.co.jp(HiFiGo): BGVP Melody
■ パッケージ構成、製品の外観および内容について
「BGVP Melody」のパッケージは黒いボックスを化粧箱で覆う構造で新しいBGVPのロゴマークがサイドでワンポイントになっていますね。大きいサイズのハードケースが付属するため、箱はちょっと大きめです。
パッケージ内容はイヤホン本体、ケーブル、交換用プラグ、交換用フィルターノズルと保存用固定金具、イヤーピース(シリコンタイプ2種類がそれぞれS/M/Lサイズおよび装着済み1ペア、ウレタンタイプ1ペア)、レザーケース、説明書など。
大きいサイズのレザーケースは「TANCHJIM Prism」に付属しているものと同じサイズ・形状で、フタ部分にBGVPと押し型されています。7万円クラスのPrismと同じケースが付属している、というだけでも114ドルの「BGVP Melody」はちょっとお得感がありますね(^^)。
「BGVP Melody」の本体は比較的コンパクトな金属製シェルで、曲線的なシェルデザインに対し、正六角形の平面フェイス部分の一辺に五角形の平面が角度を付けて隣接するスクエアなデザインが印象的。五角形部分は左右で赤・青のメッシュパーツが埋め込まれておりベント(空気孔)になっています。非常に練られた格好良いデザインですね。
フィルターノズルはしっかり固定されビルドクオリティの高さを感じます。コネクタはMMCXを採用しています。サイズ的には「BGVP DMG」あたりと比べると近いサイズ感ですが「NS9」と比べると結構コンパクトですね。コンパクトなサイズ感もあり特徴的なデザインながら装着性は良好です。
交換式フィルターノズルは一般的な低域または高域を強化したり減衰するものとは異なり、「Balanced」「Hi-Fi」「Pop」という組み合わせ。見ると標準の「Balanced」のみがノズルが多少長く、それ以外の2種類は若干短い仕様。そしてノズルの内径は「Balanced」「Hi-Fi」が小さく(=ノズルに厚みがある)、「Pop」が大きい仕様。そして「Balanced」「Hi-Fi」は外側は同じメッシュパーツですが、「Hi-Fi」は裏側に別パターンのメッシュが張られ、外側のメッシュ穴が大きい「Pop」の裏側はフィルター材が張られています。なかなか興味深い仕様ですね。
付属のイヤーピースは開口部の大きい柔らかいMサイズが装着済みで、それ以外はよくある形状のシリコン(白色)といわゆつ「AET07」タイプ(開口部が大きい方)の2種類+1個。およびウレタンが1ペアという構成。通常は装着済みのMサイズかAET07タイプを使用する感じになると思いますが、必要に応じてよりフィット感のあるものに交換するのも良いでしょう。
付属ケーブルは金属ワイヤー色の4芯タイプのグラフェンコート・ミックス線ケーブルが付属します。透明な被膜は適度な弾力があり取り回しは結構良い印象です。また最近増えてきましたがプラグは交換式タイプが採用されておりシングルエンド、バランスを再生環境に応じて交換できます。3種類の交換用プラグと交換フィルターノズル(と固定金具)をすべて収納しようと思うとそれなりにスペースが必要なため、「BGVP Melody」付属の大きなハードケースはとても有り難いですね。ほかの製品ではケースが小さめで付属品が全ては入らず、やむなくケースを交換しないといけないパターンも結構多いため、このようによく考えられているBGVPの構成は好感が持てます。
■ サウンドインプレッション
「BGVP Melody」の音質傾向は中低域に厚みのある弱ドンシャリ傾向。全体としては比較的ニュートラルでバランスの良さを感じるサウンドです。低域の質感は良く重低音は重く深さがあります。低域の表現力はBGVPらしさを感じる部分ですね。
シングルエンドでの再生、または小型のオーディオアダプターなどを経由しての再生では「パールゴールド(Referenced)」が最もスッキリした印象で、「シルバー(Hi-Fi)」および「レッド(Pop)」は聴きやすいものの若干の曇りを感じる場合があります。しかし、駆動力のある再生環境、あるいはバランス接続でガンガン鳴らせる環境では「パールゴールド(Referenced)」はメリハリが強めの印象となり、ほかの2種類のフィルターの方が好印象に感じる場合があります。
フィルターノズルは「パールゴールド(Referenced)」がもっともダイレクト感があるものの、ノズルを他の2種類より長くすることで過度に派手になりすぎるのをコントロールしているようです。これに対して「シルバー(Hi-Fi)」および「レッド(Pop)」はより低域が強く、「シルバー(Hi-Fi)」がニュートラル方向、「レッド(Pop)」がボーカル帯域にややフォーカスしたバランスになります。どのフィルターも印象の違いは少ないものの再生環境や好みに応じてベストは変わりそうですね。
「BGVP Melody」の高域は明瞭で伸びの良い印象で鳴ります。全体としてバランスがとれた主張により聴きやすさを維持しています。解像感は100ドルクラスのイヤホンとしては優れており、シンバル音の鳴りも綺麗です。
特に「パールゴールド(Referenced)」のフィルターノズルでは鋭い音は適度に鋭く鳴りますが刺激はコントロールされており、見通しの良さとともに聴きやすさは維持されています。ただバランス接続で高出力で鳴らすとちょっと強すぎる印象になる場合もあります。これは付属するグラフェンコートケーブルの特徴も影響しているため、気になる場合は高純度銅線などにリケーブルするのも良いでしょう。
逆にポータブルアダプターなどの小型の再生環境や小音量での再生では「シルバー(Hi-Fi)」および「レッド(Pop)」フィルターでは「パールゴールド(Referenced)」と比べて若干の曇りを感じる場合があります。
中音域は味付けのないニュートラルなサウンドですが適度な主張があり、ボーカルは比較的近くで聴こえます。とはいえ全体としてバランスが良くボーカルを過度に強調するような印象では無く、広がりのある音場で個々の音をしっかり捉えるような印象。また派手になりすぎない範囲で明瞭に分離するため、演奏の定位も掴みやすい印象です。ボーカルの存在感はもちろん、ギターソロなども絶妙な響きと余韻で聴き応えがあります。印象としてはドライですが適度な厚みがり豊かさを感じるのは好印象ですね。
低域は十分な量感があり全体のバランスで厚みを持たせます。「シルバー(Hi-Fi)」および「レッド(Pop)」フィルターでより厚みを増し深い印象になります。ただ「パールゴールド(Referenced)」でも重低音は深い響きと重量感があり、ミッドベースと合わせて量的に不満を感じることはないでしょう。またどのフィルターでも中高域との分離は良好です。ミッドベースも直線的ですがパンチ力がありパワフルです。いっぽうでキレやスピード感より自然な響きを重視した印象もあります。バランスとしてはパワフルさと締まりのある音を鳴らしながらも重量感と滑らかな響きがあり、自然な鳴りの良さを感じるでしょう。
■ まとめ
というわけで、「BGVP Melody」は高いビルドクオリティ、充実した付属品、パワフルで質の良い低域とそれを活かすバランスの良いサウンド、また好みに応じた微調整に対応し比較的実用的なフィルターギミックと、突出した良さより「BGVPらしいコストパフォーマンスに優れた完成度の高さ」を上手くまとめた製品だと思います。実際同社以外でこれらを全て満たして100ドルちょっとの価格に納めた製品を作ることは難しいのではと感じます(特定のターゲットに特化した音質とか、見た目重視とかなら別として)。全体のバランスとしては「FiiO FD5」あたりにちょっと近く、「BGVP Melody」のほうが結構ドライな印象ですが低域が深く、中高域の存在感のあるサウンドを好まれる方には良い選択しになるかも知れません。個人的には、この品質でアマゾンで1.5万円程度というのは相当お買い得だと感じました(^^)。