こんにちは。今回は 「WGZ BLON Z200」です。2千円台で金属製のコンパクトシェルが特徴的なイヤホンです。リケーブルはできませんが装着性の良さなどは大きなメリットでしょう。標準のイヤーピースは多分交換が必須だろうという点と、リスニングイヤホンとしては高域にちょっと癖があるなど万人受けという製品ではありませんが、ちょっと気になるモデルではありますね。
■ 製品の概要について
今回の「WGZ BLON Z200」はアンダー20ドルクラスのシングルダイナミック構成のモデル。フェイスプレートに施された三日月の月光にインスパイアしたデザインが印象的です。これは月明かりが音楽の世界を銀色に染め、より生き生きと見えることを願ったイメージとのことです。
ドライバーには同社の起点となった「BL-03」に搭載されたユニットから数えて3世代目にあたる、第3世代「10mm カーボン振動板 二重磁気回路ダイナミックドライバー」を搭載。各周波数でより高速かつ正確なレスポンスを提供し、BL-03よりさらに優れた音響性能を備えています。
「WGZ BLON Z200」のシェルは同社は亜鉛合金を採用しています。摩擦に強く指紋もつきにい多層インクジェット工法を採用しています。カラーバリエーションはブラックとパープル、マイク無し/有りが選択できます。
「WGZ BLON Z200」の購入はAliExpressの「Easy Earphones」またはアマゾンの「WTSUN Audio」にて。価格はAliExpressが19.99ドル、アマゾンが2,690円(マイク付きは2,790円)です。円安の影響で実質的にはアマゾンの価格が逆転していますので通常はアマゾンでの購入をお勧めします。
AliExpress(Easy Earphones): WGZ BLON Z200
Amazon.co.jp(WTSUN Audio): WGZ BLON Z200 ※プライム扱い
■ パッケージ構成と外観、装着性など
最近のBLON(WGZBLON)は白箱タイプのパッケージが多くなっていましたが、今回はかつての「BL-03」の頃を思い出す謎文章(これを略するとBLONになる)タイプ。もともとは以前のTFZのパッケージのオマージュだったのですが、TFZ側はすっかり変わってしまって、しかも「WGZ BLON Z200」のほうのパッケージも「BL-03」ほど細長い箱でもないので、すでに元ネタどうこうという話でもなくなっているという・・・。まあそんなパッケージです(^^)。
パッケージ内容はイヤホン本体、イヤーピース(S/M/Lサイズ)、布製ポーチ、説明書。今回はリケーブルはできないタイプのモデルですね。
本体はアンティークなムーンデザインが描かれたフェイス部分が平面状になっていますが、全体の形状としてはShure型というかWestone型というか、要するにトラディショナルなIEMデザインです。この形状のイヤホンは以前は主に樹脂製で結構色々ありましたね。Tennmakとか。あとはこのタイプDIY用の樹脂シェルパーツが多く出回っていたので、色々なメーカーのDIYモデルや独自モデルがあったりもしました(EE846とか、初期のAUDIOSENSEとか)。
この形状のため、亜鉛合金製ですがコンパクトなので重量感も気にならず、耳にすっぽり収まる装着感です。またイヤーピースをしっかり耳にフィットするものに交換すれば遮音性も結構確保できます。ケーブルは細く柔らかく、ちょっと絡まりやすいのが難点ですが被膜がサラサラしているので解けやすさもまずまずという。おもったほど使い勝手はわるくありません。いっぽうでイヤーピースは毎回付属している一般的なタイプですが、音質傾向的にはあまり合わないような気がします。よりしっかりフィットし、中低域を強めに感じさせてくれるような、たとえば「SpinFit CP100+」や「SednaEarfit XELASTEC」とかを合わせた方が良いかもしれませんね。
■ サウンドインプレッション
「WGZ BLON Z200」の音質傾向はちょっと癖のあるドンシャリ。バランス自体は悪くないのですが高域でちょっと癖がある帯域があり、曲によってはシンバル音がちょっと耳についたり歯擦音が強調される場合があります。その辺をあまり気にならない方でも高域成分の多い曲の場合は聴き疲れしやすいかもしれませんね。BLONの場合、個人的には全く合わなかった「BL-05」のパターンがあるのでちょっと警戒していましたが、「WGZ BLON Z200」の場合は軽く聴いた感じではわりと普通に聴ける場合もあるので一概には言えないところがちょっと難しいところかもしれませんね。いっぽうで低域は非常にパワフルで深く、かつての「BL-03」を含めたBLONらしさを感じる部分です。
とはいえ個人的には価格帯やリケーブル不可という仕様を考慮しても、せっかく装着性という点では非常に優れていますので、もう少しマイルドで聴きやすさ重視のチューニングのほうが幅広いニーズに対応出来たのでは、という気がします。
「WGZ BLON Z200」の高域はそこまで強い主張はないものの一定の存在感を引き立たせており、そのため多少癖のある鳴り方をします。何というか「尖っている方のBLON」が出た感じですね。印象としてはドンシャリ傾向のバランスでボーカル域を引き立たせるためか、ちょっと後方に下がり気味で鳴ります。ここで曇りや暗さを感じさせないためか一部で持ち上げているところがあり、それが刺激として耳に残るわけですね。この点をネガティブに捉えるか、逆に良い効果と捉えるかは好みや主に聴く曲のジャンルによって変わるかもしれませんね。
中音域はドンシャリらしく若干凹みます。とはいえV字カーブは緩やかな印象でボーカル帯域も十分な存在感があります。また音場は広く窮屈さはありません。アンダー20ドルという価格帯を考慮すれば解像感自体はまずまずですが、音場の広さとのトレードオフで明瞭さという点ではややフォーカスが甘い印象を持つかも知れません。キレの良さや伸びやかさより雰囲気を楽しむチューニングといえるでしょう。
低域はBLONらしい主張の強さがあり、パワフルで存在感のある音を鳴らします。重低音は深さと重さがあります。過度に膨らむことは無く中高域との分離は良いですが、明瞭さやスピード感という点ではそこまで高くはなく、音数が多くキレを求められる曲では表現しきれないケースもあります。
■ まとめ
というわけで、「WGZ BLON Z200」は個人的には装着性の大きく向上した「BL-03」を期待したのですが、残念ながらちょっとだけアプローチが異なりました。全体のサウンドバランス自体は悪くないと思いますが、ちょっと癖がある関係で万人受け(ライトユーザー向け)には振り切れず、かといってマニアには物足りないという、なかなか手放しではおすすめできない微妙な印象もありました。同社製品のイヤーピースがあまり良くない、というのは毎度のことですが、「WGZ BLON Z200」についてはリケーブルができないというのが結構なウィークポイントになりそうです。とはいえ、最近のポップスなどを中心としたストリーミングでのリスニングや動画視聴などでは癖の部分はあまり気にならず音場の広さなどメリットの部分を多く感じるかもしれません。そういった意味ではゲームやWeb会議などより幅広い用途で使えるマイク付きモデルを選ぶのも良さそうですね。
「WGZ BLON(BLON)」は、比較的低価格帯の製品を中心に展開している中華イヤホンブランドで金属ハウジングの個性的なイヤホンが特徴ですね。パワフルな低域に特徴のある評価の高いモデルから強烈な外観がマニアの間でも大きな話題となったモデルまで、豊富なバリエーションを揃えつつ、ベースとなる技術力は高く低価格でも手堅い製品を常にリリースしている印象です。
今回の「WGZ BLON Z200」はアンダー20ドルクラスのシングルダイナミック構成のモデル。フェイスプレートに施された三日月の月光にインスパイアしたデザインが印象的です。これは月明かりが音楽の世界を銀色に染め、より生き生きと見えることを願ったイメージとのことです。
ドライバーには同社の起点となった「BL-03」に搭載されたユニットから数えて3世代目にあたる、第3世代「10mm カーボン振動板 二重磁気回路ダイナミックドライバー」を搭載。各周波数でより高速かつ正確なレスポンスを提供し、BL-03よりさらに優れた音響性能を備えています。
「WGZ BLON Z200」のシェルは同社は亜鉛合金を採用しています。摩擦に強く指紋もつきにい多層インクジェット工法を採用しています。カラーバリエーションはブラックとパープル、マイク無し/有りが選択できます。
「WGZ BLON Z200」の購入はAliExpressの「Easy Earphones」またはアマゾンの「WTSUN Audio」にて。価格はAliExpressが19.99ドル、アマゾンが2,690円(マイク付きは2,790円)です。円安の影響で実質的にはアマゾンの価格が逆転していますので通常はアマゾンでの購入をお勧めします。
AliExpress(Easy Earphones): WGZ BLON Z200
Amazon.co.jp(WTSUN Audio): WGZ BLON Z200 ※プライム扱い
■ パッケージ構成と外観、装着性など
最近のBLON(WGZBLON)は白箱タイプのパッケージが多くなっていましたが、今回はかつての「BL-03」の頃を思い出す謎文章(これを略するとBLONになる)タイプ。もともとは以前のTFZのパッケージのオマージュだったのですが、TFZ側はすっかり変わってしまって、しかも「WGZ BLON Z200」のほうのパッケージも「BL-03」ほど細長い箱でもないので、すでに元ネタどうこうという話でもなくなっているという・・・。まあそんなパッケージです(^^)。
パッケージ内容はイヤホン本体、イヤーピース(S/M/Lサイズ)、布製ポーチ、説明書。今回はリケーブルはできないタイプのモデルですね。
本体はアンティークなムーンデザインが描かれたフェイス部分が平面状になっていますが、全体の形状としてはShure型というかWestone型というか、要するにトラディショナルなIEMデザインです。この形状のイヤホンは以前は主に樹脂製で結構色々ありましたね。Tennmakとか。あとはこのタイプDIY用の樹脂シェルパーツが多く出回っていたので、色々なメーカーのDIYモデルや独自モデルがあったりもしました(EE846とか、初期のAUDIOSENSEとか)。
この形状のため、亜鉛合金製ですがコンパクトなので重量感も気にならず、耳にすっぽり収まる装着感です。またイヤーピースをしっかり耳にフィットするものに交換すれば遮音性も結構確保できます。ケーブルは細く柔らかく、ちょっと絡まりやすいのが難点ですが被膜がサラサラしているので解けやすさもまずまずという。おもったほど使い勝手はわるくありません。いっぽうでイヤーピースは毎回付属している一般的なタイプですが、音質傾向的にはあまり合わないような気がします。よりしっかりフィットし、中低域を強めに感じさせてくれるような、たとえば「SpinFit CP100+」や「SednaEarfit XELASTEC」とかを合わせた方が良いかもしれませんね。
■ サウンドインプレッション
「WGZ BLON Z200」の音質傾向はちょっと癖のあるドンシャリ。バランス自体は悪くないのですが高域でちょっと癖がある帯域があり、曲によってはシンバル音がちょっと耳についたり歯擦音が強調される場合があります。その辺をあまり気にならない方でも高域成分の多い曲の場合は聴き疲れしやすいかもしれませんね。BLONの場合、個人的には全く合わなかった「BL-05」のパターンがあるのでちょっと警戒していましたが、「WGZ BLON Z200」の場合は軽く聴いた感じではわりと普通に聴ける場合もあるので一概には言えないところがちょっと難しいところかもしれませんね。いっぽうで低域は非常にパワフルで深く、かつての「BL-03」を含めたBLONらしさを感じる部分です。
とはいえ個人的には価格帯やリケーブル不可という仕様を考慮しても、せっかく装着性という点では非常に優れていますので、もう少しマイルドで聴きやすさ重視のチューニングのほうが幅広いニーズに対応出来たのでは、という気がします。
「WGZ BLON Z200」の高域はそこまで強い主張はないものの一定の存在感を引き立たせており、そのため多少癖のある鳴り方をします。何というか「尖っている方のBLON」が出た感じですね。印象としてはドンシャリ傾向のバランスでボーカル域を引き立たせるためか、ちょっと後方に下がり気味で鳴ります。ここで曇りや暗さを感じさせないためか一部で持ち上げているところがあり、それが刺激として耳に残るわけですね。この点をネガティブに捉えるか、逆に良い効果と捉えるかは好みや主に聴く曲のジャンルによって変わるかもしれませんね。
中音域はドンシャリらしく若干凹みます。とはいえV字カーブは緩やかな印象でボーカル帯域も十分な存在感があります。また音場は広く窮屈さはありません。アンダー20ドルという価格帯を考慮すれば解像感自体はまずまずですが、音場の広さとのトレードオフで明瞭さという点ではややフォーカスが甘い印象を持つかも知れません。キレの良さや伸びやかさより雰囲気を楽しむチューニングといえるでしょう。
低域はBLONらしい主張の強さがあり、パワフルで存在感のある音を鳴らします。重低音は深さと重さがあります。過度に膨らむことは無く中高域との分離は良いですが、明瞭さやスピード感という点ではそこまで高くはなく、音数が多くキレを求められる曲では表現しきれないケースもあります。
■ まとめ
というわけで、「WGZ BLON Z200」は個人的には装着性の大きく向上した「BL-03」を期待したのですが、残念ながらちょっとだけアプローチが異なりました。全体のサウンドバランス自体は悪くないと思いますが、ちょっと癖がある関係で万人受け(ライトユーザー向け)には振り切れず、かといってマニアには物足りないという、なかなか手放しではおすすめできない微妙な印象もありました。同社製品のイヤーピースがあまり良くない、というのは毎度のことですが、「WGZ BLON Z200」についてはリケーブルができないというのが結構なウィークポイントになりそうです。とはいえ、最近のポップスなどを中心としたストリーミングでのリスニングや動画視聴などでは癖の部分はあまり気にならず音場の広さなどメリットの部分を多く感じるかもしれません。そういった意味ではゲームやWeb会議などより幅広い用途で使えるマイク付きモデルを選ぶのも良さそうですね。