
こんにちは。今回は「TANGZU Zetian Wu (武則天 / Wuzetian)」です。14.5mm平面駆動ダイナミックドライバーを搭載した高音質イヤホンです。製品名は中国史上唯一の女帝「武 則天(Wu Zetian)」から。私のブログでも14mm級平面駆動ドライバー搭載イヤホンを今年に入って非常に多く紹介してきましたが、最近特にユーザーからの高評価が話題になっているモデルですね。というわけで私も早速購入してみました。
■ 製品の概要について
「TANGZU Audio」は新しい中華イヤホンブランドで、2021年に「T Force Audio」というブランド名で最初の製品をリリース。その後ブランド名を現在の「TANGZU Audio」に改名しました。今回の「TANGZU Zetian Wu (武則天 / Wuzetian)」もその名称の通り同社の「王朝シリーズ」の最新モデルとなります。
「王朝シリーズ」では古代中国史の中国王朝をルーツににしており、「TANGZU Zetian Wu(Wuzetian)」では金属製のフェイスカバーに伝統芸術の意匠を施しています。縁起の良い雲のパターンと、皇帝の色である落ち着いた紫色を使用しています。


「TANGZU Zetian Wu(Wuzetian)」は強力なサウンド パフォーマンスを提供する新型の大口径14.5 mm 平面駆動ドライバーを搭載しており、金属製フェイスプレートは伝統的かつ芸術的なデザインが施されています。新たに開発された14.5mm 平面駆動ドライバーは、大型の平面磁気振動板に均等に配置されたボイスコイルを使用。超低歪みとパンチの効いたローエンドを備えたクリーンな出力を生成します。また強力な磁石を採用し、独自の磁気回路構造と組み合わせ優れた感度で自然とクリアなサウンド実現します。


「TANGZU Zetian Wu(Wuzetian)」では第4世代のDLP 3Dプリンティング技術を使用し人間工学に基づいたシェルを設計しました。膨大なデータを詳細に調査して設計されており、ほとんどのユーザーにとって快適でしっかりとしたフィット感を実現しています。


「TANGZU Zetian Wu(Wuzetian)」のケーブルは0.78mm 2pin仕様で5N OFC(高純度無酸素銅)ケーブルが付属します。ケーブルは3.5mmシングルエンド(ステレオ)または4.4mmバランス接続プラグを選択可能です。
購入はLinsoul、HiFiGoなどの海外セラーまたはアマゾンのLINSOUL-JP(L.S オーディオ)にて。
価格は海外が147.15~154.52ドル、アマゾンが20,680円(3.5mm)、21,380円(4.4mm)です。
円安の影響でレビュー掲載点ではアマゾンのほうが割安で購入できますね。
Linsoul(linsoul.com): TANGZU Wu Zetian
Amazon.co.jp(LINSOUL-JP): TANGZU Wuzetian
■ パッケージ構成、製品の外観および内容について
「TANGZU Zetian Wu(Wuzetian)」のパッケージは製品名となっている中国史上唯一の女帝「武 則天」が描かれた大きめのボックス。箱の大きさの理由は中に入っているイヤホンケースが特大サイズのだからですね。今回パッケージとは別にコースターがオマケで付いてきました。


パッケージ内容は、イヤホン本体、ケーブル、イヤーピース、大型ケースなど。イヤーピースは「AET07」風のものが4サイズ、「AET08」風のものが3サイズ、また黒い柔らか目のイヤーピースが最初から装着済みとなっています。


イヤホン本体は3Dプリンティングされたレジン製の黒いハウジングと鮮やかなメタリックパープルのフェイスプレートで構成されます。大口径ドライバーを搭載するためサイズは少し大きめですが、耳にフィットしやすいデザインのため装着性は比較的良好です。パープルのフェイプデザインは非常に特徴的で美しさがありますね。


他の14mm級平面駆動ドライバー搭載イヤホンと比較すると、シェル形状にカーブの取り方に違いがあるもの「HOOK-X」に比較的近いサイズ感で、「LETSHUOER S12」よりひとまわり大きく、特大サイズの「MUSE HiFi POWER」よりひとまわり小さいのがわかりますね。


ケーブルは濃いめのブラウンカラーリングが施された高純度銅線タイプの4芯ケーブル。被膜は適度な弾力があり装着性は良好です。特大サイズのイヤホンケースは左右のシェルをそれぞれ独立して保護し、ケーブルにも不可を欠けずに保管できます。イヤホンと一緒に比較的大きめのDAPなどのプレーヤーでも一緒にケースに入れて持ち運べるサイズ感ですね。


イヤーピースはAcoustuneの「AET07」「AET08」とほぼ同じイヤーピースが付属します。付属イヤーピースが合えば問題はないものの、ハウジングが大きめなことがあり、しっかり奥まで装着出来ない場合は淡泊な印象鳴ってしまう場合があります。そのため私は本家のAcoustuneから出ている新タイプの「AEX07」で小さめのものを組み合わせました。より細長く奥までしっかり装着出来るのでおすすめ。またそれ以外には定番のJVC「スパイラルドット」などに交換するのも良いでしょう。また、粘着度のあるタイプでは「SpinFit CP100+」なども良いと思います。
■ サウンドインプレッション
「TANGZU Zetian Wu(Wuzetian)」の音質傾向は、見通しの良さと滑らかさが印象的な弱ドンシャリ傾向。癖の無い自然な印象のサウンドバランスで、リスニングイヤホンとして多くの高評価も納得できます。どちらかというとハーマンターゲットを意識したチューニングのイヤホンに含まれますが、同様のアプローチのイヤホンの中でも質感に破綻が無く、かつ退屈でもない、非常に好まれやすいサウンドバランスなのかも知れませんね。自然で滑らかな印象のイヤホンであるため、逆のアプローチ、つまりキレの良さやスピード感、あるいは刺激的な高域を求めたり、重く厚みのある低域を重視される方には向きませんが、オールラウンダーとしての完成度はアンダー200ドルのイヤホンのなかでも高いと思います。
また、これら14mm級の平面駆動ドライバー搭載のイヤホンは、それまでの平面駆動の特徴だった「鳴らしにくくとにかく駆動力が必要」という要素が相当に軽減されており、「TANGZU Zetian Wu(Wuzetian)」も小型のオーディオプレーヤーやオーディオアダプタでも十分に再生することができます。さらに駆動力をかけることで分離や音場感などの向上が実感出来ます。あらかじめ4.4mmモデルで購入しバランス接続により駆動力を稼ぐのも良いですね。
「TANGZU Zetian Wu(Wuzetian)」の高域は、刺激を抑えつつ伸びの良い音を鳴らします。自然な解像感があり分離やスピード感に優れます。シンバル音も綺麗に鳴っている印象。「LETSHUOER S12」のような鮮明さはありませんが、聴きやすく滑らかで、音源の質感を適切に表現していると思います。
中音域はニュートラルで癖の無い音を鳴らします。僅かに温かみがあり、高い解像感とともに空気感のある自然な音像表現が印象的です。分離は非常に優れており演奏の音色は実在感があります。音場は中音域が近くで鳴るため奥行きは深くは無いものの自然な広がりがあり定位も捉えやすい印象です。
派手さはないため、メリハリのあるサウンドを好まれる方にはやや大人しめに感じるかもしれませんが、ボーカルは美しく瑞々しさがあり心地よさを感じます。男性ボーカルも適度に厚みがあり女性ボーカルは伸びやかな印象です。
低域は、より直線的で締まりのある音を鳴らします。ニュートラルなバランスのため強く強調はされていませんが量的には十分でしっかりした存在感があります。また低域の質感という点では他社の14mm級平面駆動ドライバー搭載イヤホンのなかでもトップクラスに優れています。アタックはスピード感があり重低音も深く質の良さを感じるため、どのようなジャンルの曲も心地よく感じさせることができます。ただしキレや解像感という点ではベストでは無いため、音数の多いハードロックやEDMでは混雑した印象を持つかもしれません。
個人的な印象としては、ポップスやアニソンなどのボーカル曲との相性の良さを特に感じます。(私の年齢的な理由もありますが)1980年代後半から90年代くらいの生楽器のスタジオ録音がメインでマスタリングの質も比較的良い音源がとても心地よいですね(この頃はレコードからCDのプレスが中心となり、部分的にデジタルマスターが採用になっているものも、いわゆる「ラウドネス戦争」前でポップスやアニソンでも結構ちゃんとした音源でリリースされていることが多い、と思ってます)。
■ まとめ
というわけで「TANGZU Zetian Wu(Wuzetian)」は非常にバランスに優れ、14mm級平面駆動ドライバー搭載イヤホンのなかでも自然でニュートラルな滑らかさがを感じるイヤホンだと思います。癖の無いリスニングイヤホンを好まれる方に好印象のサウンドに仕上がっていると思います。例えばバランスの良さと完成度の高さで評価されている「LETSHUOER S12」はより寒色系ドンシャリ傾向で、「TANGZU Zetian Wu(Wuzetian)」とは結構逆のキャラクターを持ちます。「S12」はV字方向のバランスで解像感で優れ、より鮮明な印象を持ちます。これに対し「TANGZU Zetian Wu(Wuzetian)」は比較すると多少温かみを感じるかもしれませんが、音像表現はより自然で透明感があります。またサウンドバランスで似た印象のある「7Hz Salnotes Dioko」あたりと比較すると、より明確にハーマンターゲットを意識することでニュートラルに近づけた印象のある「Salnotes Dioko」に対して「TANGZU Zetian Wu(Wuzetian)」のほうが仕上がりとして音作りの上手さを感じました。このように他の14mm級平面駆動ドライバー搭載イヤホンもそれぞれのキャラクターを持ち合わせていますが、「TANGZU Zetian Wu(Wuzetian)」は後発だけにより上手く仕上げてきたなという印象があります。価格的にも円安の日本でも2万円程度と比較的手頃ですので、かなり悩ましい選択肢がまたひとつ増えましたね。まあ私の場合「全部買っちゃえ」となってしまってるわけですが(^^;)。
「TANGZU Audio」は新しい中華イヤホンブランドで、2021年に「T Force Audio」というブランド名で最初の製品をリリース。その後ブランド名を現在の「TANGZU Audio」に改名しました。今回の「TANGZU Zetian Wu (武則天 / Wuzetian)」もその名称の通り同社の「王朝シリーズ」の最新モデルとなります。
「王朝シリーズ」では古代中国史の中国王朝をルーツににしており、「TANGZU Zetian Wu(Wuzetian)」では金属製のフェイスカバーに伝統芸術の意匠を施しています。縁起の良い雲のパターンと、皇帝の色である落ち着いた紫色を使用しています。


「TANGZU Zetian Wu(Wuzetian)」は強力なサウンド パフォーマンスを提供する新型の大口径14.5 mm 平面駆動ドライバーを搭載しており、金属製フェイスプレートは伝統的かつ芸術的なデザインが施されています。新たに開発された14.5mm 平面駆動ドライバーは、大型の平面磁気振動板に均等に配置されたボイスコイルを使用。超低歪みとパンチの効いたローエンドを備えたクリーンな出力を生成します。また強力な磁石を採用し、独自の磁気回路構造と組み合わせ優れた感度で自然とクリアなサウンド実現します。


「TANGZU Zetian Wu(Wuzetian)」では第4世代のDLP 3Dプリンティング技術を使用し人間工学に基づいたシェルを設計しました。膨大なデータを詳細に調査して設計されており、ほとんどのユーザーにとって快適でしっかりとしたフィット感を実現しています。


「TANGZU Zetian Wu(Wuzetian)」のケーブルは0.78mm 2pin仕様で5N OFC(高純度無酸素銅)ケーブルが付属します。ケーブルは3.5mmシングルエンド(ステレオ)または4.4mmバランス接続プラグを選択可能です。
購入はLinsoul、HiFiGoなどの海外セラーまたはアマゾンのLINSOUL-JP(L.S オーディオ)にて。
価格は海外が147.15~154.52ドル、アマゾンが20,680円(3.5mm)、21,380円(4.4mm)です。
円安の影響でレビュー掲載点ではアマゾンのほうが割安で購入できますね。
Linsoul(linsoul.com): TANGZU Wu Zetian
Amazon.co.jp(LINSOUL-JP): TANGZU Wuzetian
■ パッケージ構成、製品の外観および内容について
「TANGZU Zetian Wu(Wuzetian)」のパッケージは製品名となっている中国史上唯一の女帝「武 則天」が描かれた大きめのボックス。箱の大きさの理由は中に入っているイヤホンケースが特大サイズのだからですね。今回パッケージとは別にコースターがオマケで付いてきました。


パッケージ内容は、イヤホン本体、ケーブル、イヤーピース、大型ケースなど。イヤーピースは「AET07」風のものが4サイズ、「AET08」風のものが3サイズ、また黒い柔らか目のイヤーピースが最初から装着済みとなっています。


イヤホン本体は3Dプリンティングされたレジン製の黒いハウジングと鮮やかなメタリックパープルのフェイスプレートで構成されます。大口径ドライバーを搭載するためサイズは少し大きめですが、耳にフィットしやすいデザインのため装着性は比較的良好です。パープルのフェイプデザインは非常に特徴的で美しさがありますね。


他の14mm級平面駆動ドライバー搭載イヤホンと比較すると、シェル形状にカーブの取り方に違いがあるもの「HOOK-X」に比較的近いサイズ感で、「LETSHUOER S12」よりひとまわり大きく、特大サイズの「MUSE HiFi POWER」よりひとまわり小さいのがわかりますね。


ケーブルは濃いめのブラウンカラーリングが施された高純度銅線タイプの4芯ケーブル。被膜は適度な弾力があり装着性は良好です。特大サイズのイヤホンケースは左右のシェルをそれぞれ独立して保護し、ケーブルにも不可を欠けずに保管できます。イヤホンと一緒に比較的大きめのDAPなどのプレーヤーでも一緒にケースに入れて持ち運べるサイズ感ですね。


イヤーピースはAcoustuneの「AET07」「AET08」とほぼ同じイヤーピースが付属します。付属イヤーピースが合えば問題はないものの、ハウジングが大きめなことがあり、しっかり奥まで装着出来ない場合は淡泊な印象鳴ってしまう場合があります。そのため私は本家のAcoustuneから出ている新タイプの「AEX07」で小さめのものを組み合わせました。より細長く奥までしっかり装着出来るのでおすすめ。またそれ以外には定番のJVC「スパイラルドット」などに交換するのも良いでしょう。また、粘着度のあるタイプでは「SpinFit CP100+」なども良いと思います。
■ サウンドインプレッション

また、これら14mm級の平面駆動ドライバー搭載のイヤホンは、それまでの平面駆動の特徴だった「鳴らしにくくとにかく駆動力が必要」という要素が相当に軽減されており、「TANGZU Zetian Wu(Wuzetian)」も小型のオーディオプレーヤーやオーディオアダプタでも十分に再生することができます。さらに駆動力をかけることで分離や音場感などの向上が実感出来ます。あらかじめ4.4mmモデルで購入しバランス接続により駆動力を稼ぐのも良いですね。
「TANGZU Zetian Wu(Wuzetian)」の高域は、刺激を抑えつつ伸びの良い音を鳴らします。自然な解像感があり分離やスピード感に優れます。シンバル音も綺麗に鳴っている印象。「LETSHUOER S12」のような鮮明さはありませんが、聴きやすく滑らかで、音源の質感を適切に表現していると思います。

派手さはないため、メリハリのあるサウンドを好まれる方にはやや大人しめに感じるかもしれませんが、ボーカルは美しく瑞々しさがあり心地よさを感じます。男性ボーカルも適度に厚みがあり女性ボーカルは伸びやかな印象です。
低域は、より直線的で締まりのある音を鳴らします。ニュートラルなバランスのため強く強調はされていませんが量的には十分でしっかりした存在感があります。また低域の質感という点では他社の14mm級平面駆動ドライバー搭載イヤホンのなかでもトップクラスに優れています。アタックはスピード感があり重低音も深く質の良さを感じるため、どのようなジャンルの曲も心地よく感じさせることができます。ただしキレや解像感という点ではベストでは無いため、音数の多いハードロックやEDMでは混雑した印象を持つかもしれません。

■ まとめ
