こんにちは。今回は「SOUNDPEATS Air3 Deluxe HS」です。 高性能インイヤーモデルとして人気の高い「Air3 Deluxe」のさらなる高音質バージョンが10月22日に発売となりました。今回はハイレゾ対応の高音質コーデックとしてソニーのハイグレードヘッドホン等に搭載される「LDAC」コーデックを搭載し、インイヤー型イヤホンとしては世界で初めて「ハイレゾワイヤレス認定」を取得。さらに磨きがかかったサウンドを楽しめる「高音質特化モデル」となります。
■ 製品の概要について
低価格TWS(完全ワイヤレス)イヤホンの「定番ブランド」として日本でもすっかり定着した印象のある「SOUNDPEATS」ですが、同社の豊富なラインナップのなかのインナーイヤータイプの製品として高音質および高機能を両立した定番モデルとなっているのが「Air3」および上位モデルの「Air3 Deluxe」です。同社の「Air3 Deluxe」をベースにLDACコーデック対応で24bit/96kHzの高音質ハイレゾ再生に対応、インイヤー型イヤホンとしては世界で初めて「ハイレゾワイヤレス認定」を取得したのが今回の「SOUNDPEATS Air3 Deluxe HS」です。
「SOUNDPEATS Air3 Deluxe HS」のドライバーは、ハイレゾオーディオに対応する14.2mm バイオセルロース振動版を採用した大口径ダイナミックドライバーを搭載。「Air3」シリーズを支える高音質ドライバーで、大口径ならではの量感ある低音とインナーイヤー型らしい開放的で自然な音場感は定評があります。
また20Hz~40kHzの「ハイレゾワイヤレス認定」の規格を満たし、LDACコーデックとの組み合わせによりより繊細で心に響くサウンドを実感出来ます。
そして、音質の高さで定評がある「LDAC」はソニーが開発し規格化したBluetooth用のハイレゾコーデックで、24bit/96kHz対応に加え、一般的な「SBC」のハイビットレートの3倍の情報量におよぶ最大990kbpsの伝送に対応。小音量でも素晴らしい透明感、パンチのある低音、鮮明なボーカルを再現できます。
このような高ビットレートのハイレゾ再生に対応しつつ、連続再生時間は本体5時間、ケースと合わせて20時間の再生に対応します。また60msの「ゲームモード(低遅延モード)」への対応、空気のような軽い装着感に加え、「自動装着検知機能」による自動再生・停止の対応、そして「SOUNDPEATS」アプリの対応など「Air3」シリーズの高性能はしっかり継承されています。
■ パッケージ内容及び機能について
「SOUNDPEATS Air3 Deluxe HS」のパッケージは本体写真とモデルの装着写真の2面ボックスでとても毎度ながらとても格好良いですね。
パッケージ内容はイヤホン本体および充電ケース、充電用USB Type-Cケーブル、説明書など。
イヤホン本体はマットブラックの樹脂製で、定評のある「Air3」のデザインを踏襲しています。いわゆる「AirPods」風のインイヤータイプの樹脂ハウジングですが、軸部分が短く、より耳にフィットしやすく小型化されています。
また充電ケースは光沢仕上げで非常にコンパクト。「Air3 Deluxe」のケースデザインを踏襲した丸みを帯びたデザインでより小さく感じます。イヤホン本体がみっちりと収まっている感じですがこのケースで300mAhのバッテリーを搭載しています。
「SOUNDPEATS Air3 Deluxe HS」と「Air3 Deluxe」の外観上の違いは、本体の背面部分(タッチセンサー部分)およびケースの「SOUNDPEATS」ロゴの入ったパネル部分のカラーリングで、シルバー系だった「Deluxe」に対して「SOUNDPEATS Air3 Deluxe HS」ではゴールドのカラーリングになっています。
本体背面のロゴマーク部分がタッチセンサーになっていて、各種操作に対応します。感度もちょうど良く使い買っては良好です。シングルタッチでは音量の増減、ダブルタッチで再生/停止および受話/終話のタイプですね。低遅延のゲームモードにも左側3回タッチで対応します。
また「SOUNDPEATS Air3 Deluxe HS」は自動装着検出機能に対応していますので、耳から外すと自動で一時停止、再度装着すると再生が行われます。インナーイヤー型の形状は外で使うときに気軽に付け外しできるのがメリットですが、このタイプのイヤホンでの自動装着検出機はとても相性が良いですね。
タッチセンサーの操作は「Air3 Deluxe」と同様の設定になっているようです。
■ ペアリングおよび専用アプリについて
「SOUNDPEATS Air3 Deluxe HS」の最大の特徴である「LDAC」コーデックを利用するためには、ペアリングするスマートフォンなどのデバイスがLDACに対応していることが必要です。比較的新しいOSを搭載する一部の低価格モデルを除くAndroidスマートフォンの多くは対応していると思います(詳しくは利用する端末の仕様をご確認ください)。なおiPhone/iPadなどは未対応のため従来のAACコーデックでの接続となります。
「LDAC」コーデックでペアリングすると音声品質の設定が可能になります。一般的には「音質優先」または「自動」が選べます。「自動」では通信状態に合わせて最適なビットレートが選択されるため通常はこちらで問題ないでしょう。設定情報の詳細について「開発者向けオプンション」を有効にして確認してみると、まず対応コーデックが「LDAC」「AAC」「SBC」の3種類であることが改めて確認出来ます。音声品質を「自動」にしていると「ベストエフォート(アダプティブビットレート)」が選択されており、他に品質重視(330kbps)、バランス(660kbps)、音質重視(990kbps)といったモードが存在することを確認出来ます。
さらにサンプリングレートは「LDAC」の規格通り96kHz、そしてビットレートについては私の環境ではより高い「32bit」でペアリングしていました。仕様としては24bitと記載されていましたが、ファームウェアを更新したためか、実際には32bitまでの接続ができたようです。なお、ファームウェアはペアリング後に「SOUNDPEATS」アプリを起動すると自動でチェックを行い、新しいバージョンが存在する場合は更新を促されます。ここでバージョンアップを実施すれば数分程度でアップデートが完了します。
「SOUNDPEATS」アプリはGoole Play StoreまたはApple App Storeよりインストールしておくことで、ペアリング後にアプリを立ち上げた際に自動で認識します。正常に認識できたら画面左下のEQアイコンをタップすることで「カスタマイズ」画面を呼び出すことができます。
イコライザー(EQ)については標準では「事前設定」で「SOUNDPEATSクラシック」という状態になっています。ここで「ロック」などのジャンルや「高音強調」や「低域軽減」など8種類(クラシックも含めれば9種類)のプリセットモードが選択できます。このプリセットは結構実用的で、多くの場合はこのモードを選択するだけで十分に満足のいくサウンドを楽しめそうです。もちろん自分でEQをゴリゴリ設定したい方は「イコライザー(EQ)カスタマイズ」で個別のチューニングも可能です。
■ 接続性、サウンドインプレッション
「SOUNDPEATS Air3 Deluxe HS」はBluetooth 5.2対応で従来の「Air3」シリーズ同様、多くのスマートフォンで安定した接続性を実現しています。
「LDAC」コーデックは「Air3 Deluxe」の「aptX Adaptive」コーデックよりビットレートが高いこともあり再生品質が高ビットレートの場合混雑した場所での使用では多少途切れやすくなることもあるようです。屋外での利用は「再生品質」は「自動」にしておきます。また都心で通勤通学時など移動中に頻繁に電波状況が変わる場合は「自動」でもビットレートの変更が追いつかない場合があるため「開発者向けオプンション」で「接続品質重視」の設定にしたほうが良いかも知れませんね。
さらに標準で「32bit」で接続されている場合は「開発者向けオプンション」で「24bit」にしたほうが安定して接続できる場合が多いようです。一般的にハイレゾ音源でも「24bit/96kHz」や「24bit/48kHz」といったフォーマットが多く、「Apple Music」のハイレゾロスレスや「Amazon Music」の「UltraHD」も同様のため、「24bit」にしても基本的には全く問題は無いでしょう。これらの設定を行った上では「Air3 Deluxe」とほぼ同様の安定した接続が可能でした。
「SOUNDPEATS Air3 Deluxe HS」の音質傾向は標準の「SOUNDPEATSクラシック」モードでは癖の無いニュートラルな印象のサウンドで、バランスとしては緩やかなV字カーブを描く中低域寄りのドンシャリ傾向です。過度に中低域が膨らんだりするような事も無く、インナーイヤー型ワイヤレスイヤホンとしては十分な表現力のある自然なサウンド。標準状態で癖の無いニュートラルな印象のためアプリによるEQとの相性も良く、様々なモードで適切な変化を実感出来ます。特に低域の締まりや高域の解像感、伸びやかさなどは搭載する大口径のバイオセルロース振動版ドライバーの性能をLDACコーデックによりさらに引き出している印象もありますね。
標準状態(「SOUNDPEATSクラシック」設定)のサウンドは、高域は聴きやすく、ボーカル帯域は主張があり、低域もく臨場感のあるサウンドを楽しめるチューニングになっています。ロック、ポップス、アニソンなど、各種音楽配信での最近のトレンドとの相性も良く、男性ボーカルはもちろん、女性ボーカルの曲も心地よく聴くことが出来ます。また音数の少ない最近のポップスは特に心地よく、インイヤー型としては想像以上にクリアでレスポンスも優れている印象です。そのため派手目の音が好きな方も楽しめる明瞭サウンドと聴きやすさを両立しているといえるでしょう。もちろん標準状態でもEQを変更した場合も24bit/96kHzのハイレゾ再生を行いますので、対応する音源やアプリでは他のコーデックと比べてより見通しの良いクリアな印象のサウンドが楽しめます。
■ まとめ
というわけで、「SOUNDPEATS Air3 Deluxe HS」は高音質ハイレゾコーデックの「LDAC」に対応することで、高性能インナーイヤー型TWSとして評価の高い「Air3 Deluxe」から、さらに「音質特化」でアップグレードが行われたモデルでした。おそらくドライバーなどイヤホンとしての音質自体は「Air3 Deluxe」を踏襲しているものと思われますが、よりビットレートが高く原音に近いサウンドを伝送できる「LDAC」コーデックにより、そのポテンシャルが最大限に発揮された製品だと感じました。また「Air3 Deluxe」同様のアプリによる詳細なサウンドチューニングも健在で、設定を自分好みに追い込んだ場合には、よりシビアなEQ設定でも破綻無く再生できる「SOUNDPEATS Air3 Deluxe HS」のメリットをより高く実感出来ると思います。
いっぽうで、iPhoneなど「LDAC」コーデック未対応の端末についてはほぼ無関係のアップデートですし、利用用途の中心が混雑した通勤通学という方は従来の「Air3 Deluxe」を選んだ方が「aptX Adaptive」による高圧縮・可変ビットレートでの安定した接続性を得られるでしょう。屋内など接続が安定できる環境でより高音質で楽しみたいという方には「音質特化」型の「SOUNDPEATS Air3 Deluxe HS」は最適な選択肢になるかもしれませんね。
低価格TWS(完全ワイヤレス)イヤホンの「定番ブランド」として日本でもすっかり定着した印象のある「SOUNDPEATS」ですが、同社の豊富なラインナップのなかのインナーイヤータイプの製品として高音質および高機能を両立した定番モデルとなっているのが「Air3」および上位モデルの「Air3 Deluxe」です。同社の「Air3 Deluxe」をベースにLDACコーデック対応で24bit/96kHzの高音質ハイレゾ再生に対応、インイヤー型イヤホンとしては世界で初めて「ハイレゾワイヤレス認定」を取得したのが今回の「SOUNDPEATS Air3 Deluxe HS」です。
「SOUNDPEATS Air3 Deluxe HS」のドライバーは、ハイレゾオーディオに対応する14.2mm バイオセルロース振動版を採用した大口径ダイナミックドライバーを搭載。「Air3」シリーズを支える高音質ドライバーで、大口径ならではの量感ある低音とインナーイヤー型らしい開放的で自然な音場感は定評があります。
また20Hz~40kHzの「ハイレゾワイヤレス認定」の規格を満たし、LDACコーデックとの組み合わせによりより繊細で心に響くサウンドを実感出来ます。
そして、音質の高さで定評がある「LDAC」はソニーが開発し規格化したBluetooth用のハイレゾコーデックで、24bit/96kHz対応に加え、一般的な「SBC」のハイビットレートの3倍の情報量におよぶ最大990kbpsの伝送に対応。小音量でも素晴らしい透明感、パンチのある低音、鮮明なボーカルを再現できます。
このような高ビットレートのハイレゾ再生に対応しつつ、連続再生時間は本体5時間、ケースと合わせて20時間の再生に対応します。また60msの「ゲームモード(低遅延モード)」への対応、空気のような軽い装着感に加え、「自動装着検知機能」による自動再生・停止の対応、そして「SOUNDPEATS」アプリの対応など「Air3」シリーズの高性能はしっかり継承されています。
ドライバー | 14.2mm ダイナミック |
---|---|
Bluetooth | 5.2 |
コーデック | LDAC / AAC / SBC |
周波数帯域 | 20Hz~40kHz |
再生レート | 最大24Bit / 96kHz |
再生時間 | 本体5時間 / ケース込20時間 |
バッテリ容量 | 30mAh x2 + 300mAh |
防水レベル | IPX4相当 |
付加機能 | 自動装着検出機能 |
低遅延 | ゲームモード対応 (60ms) |
アプリ | 「SOUNDPEATS」アプリ (Android / iPhone用) |
「SOUNDPEATS Air3 Deluxe HS」の通常価格は 7,180円(アマゾン価格、税込み)です。
Amazon.co.jp(SOUNDPEATS Audio直営店): SOUNDPEATS Air3 Deluxe HS
※発売記念キャンペーンとして1,880円OFFクーポンを配布中です。
※さらに 5% OFF クーポンコード「A3DHSYTBR9」(10/29日まで/併用可)が利用可能。
クーポンの併用により、期間中は 4,941円 の特別価格で購入可能です。
Amazon.co.jp(SOUNDPEATS Audio直営店): SOUNDPEATS Air3 Deluxe HS
※発売記念キャンペーンとして1,880円OFFクーポンを配布中です。
※さらに 5% OFF クーポンコード「A3DHSYTBR9」(10/29日まで/併用可)が利用可能。
クーポンの併用により、期間中は 4,941円 の特別価格で購入可能です。
■ パッケージ内容及び機能について
「SOUNDPEATS Air3 Deluxe HS」のパッケージは本体写真とモデルの装着写真の2面ボックスでとても毎度ながらとても格好良いですね。
パッケージ内容はイヤホン本体および充電ケース、充電用USB Type-Cケーブル、説明書など。
イヤホン本体はマットブラックの樹脂製で、定評のある「Air3」のデザインを踏襲しています。いわゆる「AirPods」風のインイヤータイプの樹脂ハウジングですが、軸部分が短く、より耳にフィットしやすく小型化されています。
また充電ケースは光沢仕上げで非常にコンパクト。「Air3 Deluxe」のケースデザインを踏襲した丸みを帯びたデザインでより小さく感じます。イヤホン本体がみっちりと収まっている感じですがこのケースで300mAhのバッテリーを搭載しています。
「SOUNDPEATS Air3 Deluxe HS」と「Air3 Deluxe」の外観上の違いは、本体の背面部分(タッチセンサー部分)およびケースの「SOUNDPEATS」ロゴの入ったパネル部分のカラーリングで、シルバー系だった「Deluxe」に対して「SOUNDPEATS Air3 Deluxe HS」ではゴールドのカラーリングになっています。
本体背面のロゴマーク部分がタッチセンサーになっていて、各種操作に対応します。感度もちょうど良く使い買っては良好です。シングルタッチでは音量の増減、ダブルタッチで再生/停止および受話/終話のタイプですね。低遅延のゲームモードにも左側3回タッチで対応します。
また「SOUNDPEATS Air3 Deluxe HS」は自動装着検出機能に対応していますので、耳から外すと自動で一時停止、再度装着すると再生が行われます。インナーイヤー型の形状は外で使うときに気軽に付け外しできるのがメリットですが、このタイプのイヤホンでの自動装着検出機はとても相性が良いですね。
再生/停止 | 2回タッチ(右or左) 装着検知機能が有効の場合 装着で再生、外すと停止 |
---|---|
曲送り | 右側 1.5秒ロングタッチ |
曲戻し | 左側 1.5秒ロングタッチ |
音量UP | 右側 タッチ |
音量DOWN | 左側 タッチ |
受話/終話 | 着信時2回タッチ(右or左) |
着信拒否 | 1.5秒ロングタッチ(右or左) |
通話切替 | 2秒ロングタッチ(右or左) |
音声 アシスタント | 右側 3回タッチ |
ゲームモード | 左側 3回タッチ |
手動 ペアリング | 充電ケースのマルチボタンを 3秒間長押し |
電源ON | 自動:充電ケースのフタを開ける 手動:1.5秒ロングタッチ |
電源OFF | 自動:本体収納後フタを閉じる 手動:10秒ロングタッチ |
■ ペアリングおよび専用アプリについて
「SOUNDPEATS Air3 Deluxe HS」の最大の特徴である「LDAC」コーデックを利用するためには、ペアリングするスマートフォンなどのデバイスがLDACに対応していることが必要です。比較的新しいOSを搭載する一部の低価格モデルを除くAndroidスマートフォンの多くは対応していると思います(詳しくは利用する端末の仕様をご確認ください)。なおiPhone/iPadなどは未対応のため従来のAACコーデックでの接続となります。
「LDAC」コーデックでペアリングすると音声品質の設定が可能になります。一般的には「音質優先」または「自動」が選べます。「自動」では通信状態に合わせて最適なビットレートが選択されるため通常はこちらで問題ないでしょう。設定情報の詳細について「開発者向けオプンション」を有効にして確認してみると、まず対応コーデックが「LDAC」「AAC」「SBC」の3種類であることが改めて確認出来ます。音声品質を「自動」にしていると「ベストエフォート(アダプティブビットレート)」が選択されており、他に品質重視(330kbps)、バランス(660kbps)、音質重視(990kbps)といったモードが存在することを確認出来ます。
さらにサンプリングレートは「LDAC」の規格通り96kHz、そしてビットレートについては私の環境ではより高い「32bit」でペアリングしていました。仕様としては24bitと記載されていましたが、ファームウェアを更新したためか、実際には32bitまでの接続ができたようです。なお、ファームウェアはペアリング後に「SOUNDPEATS」アプリを起動すると自動でチェックを行い、新しいバージョンが存在する場合は更新を促されます。ここでバージョンアップを実施すれば数分程度でアップデートが完了します。
「SOUNDPEATS」アプリはGoole Play StoreまたはApple App Storeよりインストールしておくことで、ペアリング後にアプリを立ち上げた際に自動で認識します。正常に認識できたら画面左下のEQアイコンをタップすることで「カスタマイズ」画面を呼び出すことができます。
「カスタマイズ」画面では音量調整、ゲームモードのON/OFF、装着自動検出のON/OFFと各種EQ設定が可能です。音量やゲームモードは本体のタッチセンサーでも変更できますが、画面だと分かりやすいですね。また「装着自動検出」機能は便利ではあるものの使いたくないシチュエーションも比較的あるため、アプリでOFFにできるのは結構便利です。
イコライザー(EQ)については標準では「事前設定」で「SOUNDPEATSクラシック」という状態になっています。ここで「ロック」などのジャンルや「高音強調」や「低域軽減」など8種類(クラシックも含めれば9種類)のプリセットモードが選択できます。このプリセットは結構実用的で、多くの場合はこのモードを選択するだけで十分に満足のいくサウンドを楽しめそうです。もちろん自分でEQをゴリゴリ設定したい方は「イコライザー(EQ)カスタマイズ」で個別のチューニングも可能です。
■ 接続性、サウンドインプレッション
「SOUNDPEATS Air3 Deluxe HS」はBluetooth 5.2対応で従来の「Air3」シリーズ同様、多くのスマートフォンで安定した接続性を実現しています。
「LDAC」コーデックは「Air3 Deluxe」の「aptX Adaptive」コーデックよりビットレートが高いこともあり再生品質が高ビットレートの場合混雑した場所での使用では多少途切れやすくなることもあるようです。屋外での利用は「再生品質」は「自動」にしておきます。また都心で通勤通学時など移動中に頻繁に電波状況が変わる場合は「自動」でもビットレートの変更が追いつかない場合があるため「開発者向けオプンション」で「接続品質重視」の設定にしたほうが良いかも知れませんね。
さらに標準で「32bit」で接続されている場合は「開発者向けオプンション」で「24bit」にしたほうが安定して接続できる場合が多いようです。一般的にハイレゾ音源でも「24bit/96kHz」や「24bit/48kHz」といったフォーマットが多く、「Apple Music」のハイレゾロスレスや「Amazon Music」の「UltraHD」も同様のため、「24bit」にしても基本的には全く問題は無いでしょう。これらの設定を行った上では「Air3 Deluxe」とほぼ同様の安定した接続が可能でした。
「SOUNDPEATS Air3 Deluxe HS」の音質傾向は標準の「SOUNDPEATSクラシック」モードでは癖の無いニュートラルな印象のサウンドで、バランスとしては緩やかなV字カーブを描く中低域寄りのドンシャリ傾向です。過度に中低域が膨らんだりするような事も無く、インナーイヤー型ワイヤレスイヤホンとしては十分な表現力のある自然なサウンド。標準状態で癖の無いニュートラルな印象のためアプリによるEQとの相性も良く、様々なモードで適切な変化を実感出来ます。特に低域の締まりや高域の解像感、伸びやかさなどは搭載する大口径のバイオセルロース振動版ドライバーの性能をLDACコーデックによりさらに引き出している印象もありますね。
標準状態(「SOUNDPEATSクラシック」設定)のサウンドは、高域は聴きやすく、ボーカル帯域は主張があり、低域もく臨場感のあるサウンドを楽しめるチューニングになっています。ロック、ポップス、アニソンなど、各種音楽配信での最近のトレンドとの相性も良く、男性ボーカルはもちろん、女性ボーカルの曲も心地よく聴くことが出来ます。また音数の少ない最近のポップスは特に心地よく、インイヤー型としては想像以上にクリアでレスポンスも優れている印象です。そのため派手目の音が好きな方も楽しめる明瞭サウンドと聴きやすさを両立しているといえるでしょう。もちろん標準状態でもEQを変更した場合も24bit/96kHzのハイレゾ再生を行いますので、対応する音源やアプリでは他のコーデックと比べてより見通しの良いクリアな印象のサウンドが楽しめます。
高域は明瞭感があり、全体としてはクリアな印象です。「Air3 Deluxe(aptX Adaptive接続)」と比べて特にLDACの高ビットレート時では明らかに解像感や高高域の伸び感に違いがあり、シンバル音の響きや煌びやかさと心地よい余韻をしっかり実感出来ます。
中音域はボーカル帯域の中小を中心に厚みがあり、いっぽうで籠もること無く輪郭のハッキリした音を鳴らします。標準状態では適度な空間表現と臨場感があり、女性ボーカルの高音も比較的クリアで男性ボーカルも力強さと余韻が楽しめます。
低域はインイヤー型らしい厚みのある音を鳴らします。高域同様にLDACコーデックの恩恵が強く、インイヤー型では軽くなりがちな重低音もしっかりとした深さがあり、ミッドベースも解像感と締まりを感じます。中高域との分離は良く、いっぽうで心地よい臨場感と音場表現が楽しめます。インイヤー型のため遮音性はそれほど高くありませんが、屋外でもしっかり楽しめる低域だと思います。
また各EQモードを指定することでボーカルの近さや演奏の音色などに分かりやすい変化があり、これだけでも十分に楽しめる印象です。個人的にはパワフルな中低域を維持しつつ、標準ではやや抑え気味の高域を伸ばし最もドンシャリ傾向が強くなる「高域強調」が好みでした。
また動画視聴やゲームでは60msの「ゲームモード」も利用できますので、利用範囲は非常に広いでしょう。
■ まとめ
というわけで、「SOUNDPEATS Air3 Deluxe HS」は高音質ハイレゾコーデックの「LDAC」に対応することで、高性能インナーイヤー型TWSとして評価の高い「Air3 Deluxe」から、さらに「音質特化」でアップグレードが行われたモデルでした。おそらくドライバーなどイヤホンとしての音質自体は「Air3 Deluxe」を踏襲しているものと思われますが、よりビットレートが高く原音に近いサウンドを伝送できる「LDAC」コーデックにより、そのポテンシャルが最大限に発揮された製品だと感じました。また「Air3 Deluxe」同様のアプリによる詳細なサウンドチューニングも健在で、設定を自分好みに追い込んだ場合には、よりシビアなEQ設定でも破綻無く再生できる「SOUNDPEATS Air3 Deluxe HS」のメリットをより高く実感出来ると思います。
いっぽうで、iPhoneなど「LDAC」コーデック未対応の端末についてはほぼ無関係のアップデートですし、利用用途の中心が混雑した通勤通学という方は従来の「Air3 Deluxe」を選んだ方が「aptX Adaptive」による高圧縮・可変ビットレートでの安定した接続性を得られるでしょう。屋内など接続が安定できる環境でより高音質で楽しみたいという方には「音質特化」型の「SOUNDPEATS Air3 Deluxe HS」は最適な選択肢になるかもしれませんね。