
こんにちは。今回は「HIDIZS MD4」です。 中国のオーディオブランド「Hidizs」の4BAモデルです。独自開発のBAドライバーによる3Way仕様で、スイッチコントロールにも対応する仕様ですね。メタルハウジングと宝石のようなフェイスプレートも非常に美しく、外観および音質の両面で完成度の高いアンダー200ドル、ミドルグレード級のイヤホンです。
■ 製品の概要について
「Hidizs」は日本でもコンパクトなDAP(デジタルオーディオプレーヤー)や最近ではスマートデバイス用のオーディオアダプターも人気の高いブランドです。いっぽうでイヤホン製品も様々な製品をラインナップしており、ユーザー評価の高い印象がありますね。現在はHidizs社が直接日本のアマゾンに出店するなど、購入しやすい環境が整ってきており、ユーザーもさらに拡大しそうです。
今回の「HIDIZS MD4」は4基のバランスド・アーマチュア(BA)ドライバーを搭載する4BAモデル。美しいメタルハウジングと琥珀状に仕上げたセルロイドフェイスプレートによる外観と高品質ケーブル、そして4系統のサウンドチューニングを楽しめるスイッチコントロールが特徴的です。


「HIDIZS MD4」にはHidizsによりカスタム設計された4基のBAドライバーを搭載、高域用BA、中音域用BA、そして低域用の2BAユニットと3種類のドライバーによる3Way構成を採用します。それぞれの音域にドライバーを配置する合理的な構造と数十年の経験に基づく音響チューニング技術により、より精度と明瞭さを向上させ、バランスの取れた卓越したパフォーマンスを実現します。


また内部に3Dプリンティングで成形された直線構造の音導管を導入しており、ドライバー間のオーバーラップを干渉を低減し、よりクリーンなサウンドを実現します。効果的に密度を高め、歪みおよび倍音による共鳴を抑制します。
そして「HIDIZS MD4」には2系統のチューニングスイッチを搭載します。電子クロスオーバーテクノロジーにより、高インピーダンスと低インピーダンスを容易に切替ができます。「HIDIZS MD4」ではスイッチの組み合わせにより4種類のサウンドスタイルに切替えることが可能です。


「HIDIZS MD4」のフェイスプレートはレーザーカットと手作業による研磨で美しい琥珀色の仕上がりとなっています。フェイスプレートは EUIIA認定医療グレードの肌にやさしい樹脂を使用しています。カラーバリエーションは「ブラック」「インディゴブルー」「ホワイト」の3種類が選択できます。
「HIDIZS MD4」の購入はアマゾンのHidizs直営店にて。価格は24,999円です。
Amazon.co.jp(HIDIZS JP): HIDIZS MD4
■ パッケージ構成、製品の外観および内容について
「HIDIZS MD4」のパッケージはキューブ状のブラックのボックスで、なかなか高級感があります。パッケージ内容はイヤホン本体、ケーブル、イヤーピースは3種類、それぞれ3サイズ、クリーニングブラシ兼スイッチ切替えピン、レザーケース、スイッチ仕様のカード、説明書、保証書など。


今回は「ホワイト」カラーで、シルバーのシェル部分にクリーム色のセルロイドフェイスプレートの組み合わせで、フェイスプレートの外周はシャンパンゴールドのカバーで覆われています。分かりやすく高級感のあるデザインですね。シェル形状は同社のMSシリーズを踏襲しており、KZやTFZなどの製品と比べると若干小振りな印象。金属製のステムノズルはやや太いですが装着性は良好です。


そして、「HIDIZS MD4」の特徴のひとつであるスイッチは側面にあり、付属のブラシ兼ピンを使用して変更します。標準では「1-ON/2-OFF」の「Balanced」タイプになっており、他に、「1-OFF/2-ON」のウォーム、「1-OFF/2-OFF」の高域強調、「1-ON/2-ON」の低域強調の4タイプのサウンドチューニングに切替ができます。


記載された特性を見る限りでは「バランス」がV字で、「ウォーム」がそこからボーカル域を強調している感じもありそうですね。
ケーブルは銀線2芯と高純度銅線2芯のミックス4芯タイプ。ケーブル色および金属製のプラグや分岐部分は本体カラーに合わせた仕様になっており、全体として高級感を演出します。細めのケーブルで適度に柔らかく取り回しは良好です。


イヤーピースは3種類のシリコンタイプがそれぞれS/M/Lサイズで付属します。白色で黒色軸のタイプが標準で「AET7」風のタイプ、より開口部が広く柔らかいタイプがボーカル強調、逆に軸が長く開口部が狭い黒色タイプが低域強調とのことです。
■ サウンドインプレッション
「HIDIZS MD4」の音質傾向はミッドレンジにフォーカスしつつ全体としてニュートラルで滑らかな音を鳴らします。派手さは無く滑らかな印象で全体として心地よいリスニングサウンドに仕上がっていると思います。
4つのモードの変化は興味深く、それぞれに個性があります。
「Treble」と「Bass」は合う曲と合わない曲がありオールラウンドでは無いですが、普段聴いている曲とぴったり合えば十分に楽しめるでしょう。どちらも特定の帯域を変えるというより傾向そのものを変更している点が特徴です。そして標準の「Balanced」と、ボーカル域を強調した「Warm」はどちらも使いやすく好印象をもちました。サウンドバランスとしては名称通り「Balanced」が優れますが、このイヤホンのやや温かみのある音色傾向とよく合い、よりイヤホンの特徴を引き出しているのは「Warm」という印象です。
ただベースとなるインピーダンスが8Ωと、一般的なマルチBAイヤホンと比較しても特に低く、低い出力時でも安定しノイズの少ない再生環境を必要とします。逆に高出力でぶん回すタイプのプレーヤーやアンプではバランスが多少変わる場合もあるようですね。同様にリケーブルでの変化も大きく、組み合わせるケーブルの特性によってはこのイヤホンの「うま味」が失われる可能性もあるため、リケーブルの際は自分の好みに合うものを色々試した方が良さそうです。
要するにHidizs製のコンパクトなDAPやオーディオアダプターに最適化されたチューニングともいえるわけで、「AP80 PRO-X」などのHidizs製プレーヤーや「S9 PRO」といったオーディオアダプターを始め、小音量でもニュートラルな傾向でノイズの少ない再生環境との相性が理想的です。いっぽうで「HIDIZS MD4」にとって出力が強すぎる場合、アッテネーター等でインピーダンスを調整する方法も考えられますが、個人的には音色傾向がメーカーの意図しない方向に変わることもあるのであまりお勧めしてはいません。まあちょっと興味はあるのでそのうち手持ちのもので試そうとは思っていますが(^^;)。ちなみに据置きでも私が使用している「FiiO K9 PRO LTD」あたりのモデルの場合はローゲインでも安定した出力が得られるためバランスが変わることはありませんでした。
高域はマルチBA仕様のイヤホンとしては抜けの良さ、分離の良さを感じさせつつ比較的柔らかく感じます。とはいえ煌めきもしっかり感じさせます。どのモードでも主張はやや控えめで派手さはありません。「Treble」モードにした場合も高域が強くなるというより「Balanced」から中高域付近がやや抑えられて高域の見通しが良くなる程度、という感じですね。そのためこの音域に特徴のある曲では合わない可能性が高くなりますが、最近の音数の多い打ち込み系の曲ではスッキリして聴きやすく感じます。
中音域は広い音場感と折り重なるような密度感のある印象。そのため適度な温かさと密度感のある音を鳴らします。いっぽうで上記のように曲によってはこの厚みに中高域付近ががやや籠もったように感じる場合があり、そういった曲を多く聴かれる方は「Treble」モードが良い印象を与えます。いっぽうで「Treble」により高域成分が多すぎると感じたり、それ以外でも多くの場合はせっかくの温かみが損なわれ淡泊な印象に感じるケースも増えます。そのため一般的には「Balanced」または「Warm」モードが最適に感じるでしょう。「Warm」モードは「Balanced」よりボーカルが強調され、ややニュートラル方向に変化します。最近のBPMを落とした曲調のポップスなどでは広い音場感とやや温かみのあるボーカルの印象が非常に心地よく、またジャズやライブサウンドなども楽しさがあります。
低域は心地よい厚みと自然な輪郭を持っています。キレのある低域を好まれる方にはやや穏やか過ぎると感じるかもしれません。ただ「HIDIZS MD4」のサウンドデザインとは調和が取れており全体としては心地よい印象を与えます。解像感を強調してはいませんが分離は良くミッドベースは直線的です。重低音は比較的深く量感は抑え気味ですが質感は良い印象です。キレやスピードより自然な温かみを意識した音色です。そのなかで「Balanced」および「Treble」モードでは小気味良く、「Warm」と「Bass」ではより厚みと音場感を与えます。「Bass」は「Warm」から低域がやや強調されることで臨場感が増します。中高域との分離は良く、「Bass」モードではむしろメリハリが良くなるため、最近のアニソンなどはこのモードが最も好印象に感じるケースも多いかもしれませんね。
■ まとめ
というわけで、「HIDIZS MD4」は聴きやすく、適度な温かみと心地よさを意識した4BAイヤホン、という、想像以上に個性的なイヤホンでした。このような傾向自体はイヤホンの音作りとして十分にアリなわけですが、構成としてはシングルダイナミックなどが多く、寒色方向になりがちなマルチBAイヤホンで製品化するのは結構珍しいかもしれませんね。そのキーとなるのはやはり4種類のサウンドモードで、各音域ごとに細かく出力や抵抗を調整出来るマルチBAの特性をうまく両立させているのが興味深いところです。そのため、一般的なスイッチコントロールとは違ったモードごとの特性の変化で、個人的には気分でモードを変えて使いたくなるイヤホンでした。(一般的なスイッチ付きイヤホンは最初に好みのモードを見つけたら変更することはめったにないので問題ないのですが)そうなると「HIDIZS MD4」の場合はスイッチはもう少し大きめのタイプの方が有り難かったかもですね。というわけで、キレッキレのイヤホンも良いですが、「HIDIZS MD4」の質の良い「和み系」サウンドも楽しんでみませんか?(^^)。
「Hidizs」は日本でもコンパクトなDAP(デジタルオーディオプレーヤー)や最近ではスマートデバイス用のオーディオアダプターも人気の高いブランドです。いっぽうでイヤホン製品も様々な製品をラインナップしており、ユーザー評価の高い印象がありますね。現在はHidizs社が直接日本のアマゾンに出店するなど、購入しやすい環境が整ってきており、ユーザーもさらに拡大しそうです。
今回の「HIDIZS MD4」は4基のバランスド・アーマチュア(BA)ドライバーを搭載する4BAモデル。美しいメタルハウジングと琥珀状に仕上げたセルロイドフェイスプレートによる外観と高品質ケーブル、そして4系統のサウンドチューニングを楽しめるスイッチコントロールが特徴的です。


「HIDIZS MD4」にはHidizsによりカスタム設計された4基のBAドライバーを搭載、高域用BA、中音域用BA、そして低域用の2BAユニットと3種類のドライバーによる3Way構成を採用します。それぞれの音域にドライバーを配置する合理的な構造と数十年の経験に基づく音響チューニング技術により、より精度と明瞭さを向上させ、バランスの取れた卓越したパフォーマンスを実現します。


また内部に3Dプリンティングで成形された直線構造の音導管を導入しており、ドライバー間のオーバーラップを干渉を低減し、よりクリーンなサウンドを実現します。効果的に密度を高め、歪みおよび倍音による共鳴を抑制します。
そして「HIDIZS MD4」には2系統のチューニングスイッチを搭載します。電子クロスオーバーテクノロジーにより、高インピーダンスと低インピーダンスを容易に切替ができます。「HIDIZS MD4」ではスイッチの組み合わせにより4種類のサウンドスタイルに切替えることが可能です。


「HIDIZS MD4」のフェイスプレートはレーザーカットと手作業による研磨で美しい琥珀色の仕上がりとなっています。フェイスプレートは EUIIA認定医療グレードの肌にやさしい樹脂を使用しています。カラーバリエーションは「ブラック」「インディゴブルー」「ホワイト」の3種類が選択できます。
「HIDIZS MD4」の購入はアマゾンのHidizs直営店にて。価格は24,999円です。
Amazon.co.jp(HIDIZS JP): HIDIZS MD4
■ パッケージ構成、製品の外観および内容について
「HIDIZS MD4」のパッケージはキューブ状のブラックのボックスで、なかなか高級感があります。パッケージ内容はイヤホン本体、ケーブル、イヤーピースは3種類、それぞれ3サイズ、クリーニングブラシ兼スイッチ切替えピン、レザーケース、スイッチ仕様のカード、説明書、保証書など。


今回は「ホワイト」カラーで、シルバーのシェル部分にクリーム色のセルロイドフェイスプレートの組み合わせで、フェイスプレートの外周はシャンパンゴールドのカバーで覆われています。分かりやすく高級感のあるデザインですね。シェル形状は同社のMSシリーズを踏襲しており、KZやTFZなどの製品と比べると若干小振りな印象。金属製のステムノズルはやや太いですが装着性は良好です。


そして、「HIDIZS MD4」の特徴のひとつであるスイッチは側面にあり、付属のブラシ兼ピンを使用して変更します。標準では「1-ON/2-OFF」の「Balanced」タイプになっており、他に、「1-OFF/2-ON」のウォーム、「1-OFF/2-OFF」の高域強調、「1-ON/2-ON」の低域強調の4タイプのサウンドチューニングに切替ができます。


記載された特性を見る限りでは「バランス」がV字で、「ウォーム」がそこからボーカル域を強調している感じもありそうですね。
ケーブルは銀線2芯と高純度銅線2芯のミックス4芯タイプ。ケーブル色および金属製のプラグや分岐部分は本体カラーに合わせた仕様になっており、全体として高級感を演出します。細めのケーブルで適度に柔らかく取り回しは良好です。


イヤーピースは3種類のシリコンタイプがそれぞれS/M/Lサイズで付属します。白色で黒色軸のタイプが標準で「AET7」風のタイプ、より開口部が広く柔らかいタイプがボーカル強調、逆に軸が長く開口部が狭い黒色タイプが低域強調とのことです。
■ サウンドインプレッション
「HIDIZS MD4」の音質傾向はミッドレンジにフォーカスしつつ全体としてニュートラルで滑らかな音を鳴らします。派手さは無く滑らかな印象で全体として心地よいリスニングサウンドに仕上がっていると思います。
4つのモードの変化は興味深く、それぞれに個性があります。

ただベースとなるインピーダンスが8Ωと、一般的なマルチBAイヤホンと比較しても特に低く、低い出力時でも安定しノイズの少ない再生環境を必要とします。逆に高出力でぶん回すタイプのプレーヤーやアンプではバランスが多少変わる場合もあるようですね。同様にリケーブルでの変化も大きく、組み合わせるケーブルの特性によってはこのイヤホンの「うま味」が失われる可能性もあるため、リケーブルの際は自分の好みに合うものを色々試した方が良さそうです。

高域はマルチBA仕様のイヤホンとしては抜けの良さ、分離の良さを感じさせつつ比較的柔らかく感じます。とはいえ煌めきもしっかり感じさせます。どのモードでも主張はやや控えめで派手さはありません。「Treble」モードにした場合も高域が強くなるというより「Balanced」から中高域付近がやや抑えられて高域の見通しが良くなる程度、という感じですね。そのためこの音域に特徴のある曲では合わない可能性が高くなりますが、最近の音数の多い打ち込み系の曲ではスッキリして聴きやすく感じます。

低域は心地よい厚みと自然な輪郭を持っています。キレのある低域を好まれる方にはやや穏やか過ぎると感じるかもしれません。ただ「HIDIZS MD4」のサウンドデザインとは調和が取れており全体としては心地よい印象を与えます。解像感を強調してはいませんが分離は良くミッドベースは直線的です。重低音は比較的深く量感は抑え気味ですが質感は良い印象です。キレやスピードより自然な温かみを意識した音色です。そのなかで「Balanced」および「Treble」モードでは小気味良く、「Warm」と「Bass」ではより厚みと音場感を与えます。「Bass」は「Warm」から低域がやや強調されることで臨場感が増します。中高域との分離は良く、「Bass」モードではむしろメリハリが良くなるため、最近のアニソンなどはこのモードが最も好印象に感じるケースも多いかもしれませんね。
■ まとめ

買おうか❗