
こんにちは。今回は「SeeAudio Yume 2」です。最近マニアの間でもすっかり周知された印象の「See Audio」ですが、同社にとって最初のユニバーサルモデルである「Yume」が全く新しい金属シェルを採用して大幅にバージョンアップしました。 音質面もドライバーの進化などでフラット傾向と滑らかさを踏襲しつつより見通しの良さが向上しました。
■ 製品の概要について
「See Audio」は中国国内のカスタムIEMのメーカーからスタートし、グルーバルブランドとしてのユニバーサルモデルでも「Yume」「ANOU」「Bravery」と次々にヒットモデルをリリースすることで一躍人気ブランドのひとつに急成長しました。そして同社にとって最初のユニバーサルモデルである2BA+1DD構成の「Yume」が金属ハウジングを採用し内部設計も新たにグレードアップしたのが今回の「SeeAudio Yume 2」です。
→ 過去記事(一覧): See Audio製イヤホンのレビュー
→ 過去記事: 「See Audio Yume」 フラット傾向ながら聴き応えのある表現力と使いやすいシェルデザイン。高音質2BA+1DDハイブリッド中華イヤホン【棚からレビュー】


「Yume」シリーズのウーファー部に採用される「リキッドシリコン振動板ダイナミックドライバー」を「SeeAudio Yume 2」では再設計し、従来より27%向上したボリュームと4%のインピーダンス減少することでより高い適応性を実現しています。「リキッドシリコン振動板ドライバー」は通常の振動板の2倍以上の振幅を持つことで優れたダイナミクスを提供し、温度や湿度の影響を非常に受けにくいため、様々な条件可で安定したサウンドと低い歪みを維持することができます。
またミッドレンジには「Sonion 2300」バランスド・アーマチュア(BA)ドライバーを、高域には「Knowles RAD」BAによるツィーターユニットを採用。プレミアムなドライバーユニットの採用と最適なチューニングにより「SeeAudio Yume 2」は優れたサウンドを実現しています。


「SeeAudio Yume 2」のシェルは高品質のCNC精密加工された航空グレードのアルミニウム合金製シェルを採用。超高精度の音響内部構造によりドライバーが適切な位置に配置され、優れた音響一貫性を実現します。また「SeeAudio Yume 2」では「Yume」で採用された独自技術「LFC(Low-Frequency Filter Conversion)」をさらに発展させた「LFC Pro」技術により、ダイナミックッドライバーの特性を活かしつつBAドライバーとの干渉を抑制し位相の一貫性を向上させると同時に、耳の内外の空気圧のバランスを調整して低域の感覚をより良く制御できます。


■ パッケージ構成、製品の外観および内容について
今回は従来の「See Audio」製品のパッケージとはちょっと意匠が変わりましたね。ボックスも凝った作りのものになっています。ちなみに毎回オマケが付いてくる同社製品ですが今回はキャラクターのぬいぐるみが同梱されてきました(^^;)。前回の大きめのマウスパッドもなかなかインパクトがありましたが、今回は届いたときは何事かと思いました(笑)。




パッケージ内容は、イヤホン本体、ケーブル、イヤーピースは「AET07」タイプが5サイズ、クリーニングクロス、交換用メッシュパーツ、ハードケース、説明書、そしてキャラクターの缶バッジ、カード類などなど。パッケージ内のオマケも色々入っていますね。そして今回からケースがちょっと高級になりました。


本体はクローム処理された金属製シェル。レジン製だった「Yume」とは全く別物ですね。アルミニウム合金製で非常に軽量です。またサイズ的にもとてもコンパクトにまとまっています。「Yume」と比べてもかなりコンパクトですね。耳への収まりも良く、装着性も良好です。


付属ケーブルは中華2pin仕様のOFC銀メッキ線ケーブル。光沢感のあるシェルとの見た目の相性も良く適度に弾力のある被膜で取り回しも良好です。イヤーピースは「AET07」風のものが5サイズ付属しますので、多くの場合は標準のもので問題ないと思います。他にも定番のJVC「スパイラルドット」やAcoustuneも新タイプの「AEX07」および「AEX70」、より密着感の強いタイプではSpinFit「CP100+」などへの交換も良いと思います。
■ サウンドインプレッション
「SeeAudio Yume 2」の音質傾向はフラットな印象のニュートラルサウンド。最初の「Yume」は同社にとって最初のユニバーサルモデルであり、かつ最初のグローバルモデルでした。そのため彼らは当時傾向として流行り始めていたハーマンターゲットカーブに準拠したサウンドを「Yume」に与えることにしたようです。このアプローチは一定の評価を得て後の成長に繋がることになりますが、もしかしたら無理に寄せたためか高域の伸びや全体の見通しの良さなどに課題がありました。「SeeAudio Yume 2」では「Yume」と共通した滑らかさや自然な印象を保ちつつ、よりハイブリッド感を増し、スッキリと見通しの良いサウンドに変化しました。「Yume」の「ハーマン準拠のニュートラルだけどややウォームな穏やか系イヤホン」から、「滑らかなフラット傾向を維持しつつより鮮やかさのある自然なハイブリッド」に進化した印象です。また「Yume」もある程度駆動力のある再生環境では楽しく鳴ってくれるのですが、「SeeAudio Yume 2」は様々な再生環境で実力を発揮しやすく、よりスッキリした印象ながら鮮やかさをしっかり感じさせてくれます。
印象として聴きやすくまとめられた聴きやすくバランスの良いハイブリッドです。ウィークポイントを挙げると、レジン製で耳にフィットしやすい形状の「Yume」に対して、「SeeAudio Yume 2」はよりコンパクトで耳の中に収まりが良くなった分、しっかりイヤーピースを合わせてフィットさせないと高域や低域が少し抜けたようになる点。特に高域は聴きやすくするため多少マイルドなチューニングになっているため、イヤーピースによる印象の変化がより顕著です。大抵の方は付属の「AET07」風イヤーピースで問題ないと思いますが、合わない方はイヤピ選びをより慎重に行った方がよいでしょう。
「SeeAudio Yume 2」の高域は、伸びのある明瞭な音を鳴らします。印象としてはよりハイブリッドらしいチューニングとなっているため、僅かに寒色寄りとなり、鮮やかさを増した印象になります。ただし聴きやすくするため「Yume」より刺激を抑えたややマイルドなチューニングになっています。再生環境により多少派手目に変化することもありますが、同様にケーブル等でも結構変化しますので、もう少し鋭さや主張が欲しい場合はリケーブルを検討するのも良いと思います。
中音域はニュートラルで癖の無い音を鳴らします。「Yume」に比べて「SeeAudio Yume 2」はよりスッキリしており、滑らかで自然な印象のなかで見通しの良さが向上しています。「Yume」もフラットなサウンドでしたが、やや淡泊に感じる、人によっては「面白みに欠ける」印象もありました。もっともリケーブルや再生環境で結構変化するのですが派手めに鳴らすともう少し見通しの良さがほしいと感じる部分がでてきました。おそらく「Yume」がハーマンターゲットを意識しすぎたことも原因のひとつかもしれません。その後の数々の製品展開のなかでおそらく多くのフィードバックを得て製品化した「SeeAudio Yume 2」ではより表現力が増し、自然な空間表現と適度に甘く心地よいボーカル域を獲得出来たようです。解像感やキレの良さなどより、滑らかさと適度な温かさを持った自然な印象を重視した印象。滑らかさを維持しつつ高域との分離などで若干ハイブリッド感を出すことでメリハリも増しているといった印象です。
低域はフラットなバランスを維持しつつ、力強いアタックとタイトで締まりを感じさせます。ミッドベースは分離の良い直線的な音を鳴らしつつ、距離感など空間表現に優れ、より音場感を演出します。重低音も深くスピード感があります。低域のダイナミックドライバーが「Yume」より明らかに進化しているのを実感させる質感の良さです。個人的にはもう少し量感があっても良いかなと思いますが、今回のアップグレードのなかで最も進化を感じる音域でもありますね。
■ まとめ
というわけで、外観など全く別のイヤホンになったように見えた「SeeAudio Yume 2」ですが、音質面では確かに「Yume」の進化モデルだな、と感じさせる要素も多くありました。フラットでニュートラルながらモニター的では無く、適度に甘く聴きやすいリスニングサウンド、という印象は、キレ重視の方には多少緩く感じるかも知れませんが、同社の他のモデルとの「単なるグレードの違いでは無い」という差別化要素でもあり、ひとつの選択肢としては十分に良いと思います。特にポップスやアニソンなどのボーカル曲をフラットなサウンドで心地よく楽しみたい方には最適でしょう。アルミハウジングの見た目ほどの派手さはありませんが、十分に癒やされる良いイヤホンだと思いますよ(^^)。
「See Audio」は中国国内のカスタムIEMのメーカーからスタートし、グルーバルブランドとしてのユニバーサルモデルでも「Yume」「ANOU」「Bravery」と次々にヒットモデルをリリースすることで一躍人気ブランドのひとつに急成長しました。そして同社にとって最初のユニバーサルモデルである2BA+1DD構成の「Yume」が金属ハウジングを採用し内部設計も新たにグレードアップしたのが今回の「SeeAudio Yume 2」です。
→ 過去記事(一覧): See Audio製イヤホンのレビュー
→ 過去記事: 「See Audio Yume」 フラット傾向ながら聴き応えのある表現力と使いやすいシェルデザイン。高音質2BA+1DDハイブリッド中華イヤホン【棚からレビュー】


「Yume」シリーズのウーファー部に採用される「リキッドシリコン振動板ダイナミックドライバー」を「SeeAudio Yume 2」では再設計し、従来より27%向上したボリュームと4%のインピーダンス減少することでより高い適応性を実現しています。「リキッドシリコン振動板ドライバー」は通常の振動板の2倍以上の振幅を持つことで優れたダイナミクスを提供し、温度や湿度の影響を非常に受けにくいため、様々な条件可で安定したサウンドと低い歪みを維持することができます。
またミッドレンジには「Sonion 2300」バランスド・アーマチュア(BA)ドライバーを、高域には「Knowles RAD」BAによるツィーターユニットを採用。プレミアムなドライバーユニットの採用と最適なチューニングにより「SeeAudio Yume 2」は優れたサウンドを実現しています。


「SeeAudio Yume 2」のシェルは高品質のCNC精密加工された航空グレードのアルミニウム合金製シェルを採用。超高精度の音響内部構造によりドライバーが適切な位置に配置され、優れた音響一貫性を実現します。また「SeeAudio Yume 2」では「Yume」で採用された独自技術「LFC(Low-Frequency Filter Conversion)」をさらに発展させた「LFC Pro」技術により、ダイナミックッドライバーの特性を活かしつつBAドライバーとの干渉を抑制し位相の一貫性を向上させると同時に、耳の内外の空気圧のバランスを調整して低域の感覚をより良く制御できます。


「SeeAudio Yume 2」の購入はLinsoulの直販サイトにて。価格は199ドルです。
■ パッケージ構成、製品の外観および内容について
今回は従来の「See Audio」製品のパッケージとはちょっと意匠が変わりましたね。ボックスも凝った作りのものになっています。ちなみに毎回オマケが付いてくる同社製品ですが今回はキャラクターのぬいぐるみが同梱されてきました(^^;)。前回の大きめのマウスパッドもなかなかインパクトがありましたが、今回は届いたときは何事かと思いました(笑)。




パッケージ内容は、イヤホン本体、ケーブル、イヤーピースは「AET07」タイプが5サイズ、クリーニングクロス、交換用メッシュパーツ、ハードケース、説明書、そしてキャラクターの缶バッジ、カード類などなど。パッケージ内のオマケも色々入っていますね。そして今回からケースがちょっと高級になりました。


本体はクローム処理された金属製シェル。レジン製だった「Yume」とは全く別物ですね。アルミニウム合金製で非常に軽量です。またサイズ的にもとてもコンパクトにまとまっています。「Yume」と比べてもかなりコンパクトですね。耳への収まりも良く、装着性も良好です。


付属ケーブルは中華2pin仕様のOFC銀メッキ線ケーブル。光沢感のあるシェルとの見た目の相性も良く適度に弾力のある被膜で取り回しも良好です。イヤーピースは「AET07」風のものが5サイズ付属しますので、多くの場合は標準のもので問題ないと思います。他にも定番のJVC「スパイラルドット」やAcoustuneも新タイプの「AEX07」および「AEX70」、より密着感の強いタイプではSpinFit「CP100+」などへの交換も良いと思います。
■ サウンドインプレッション


「SeeAudio Yume 2」の高域は、伸びのある明瞭な音を鳴らします。印象としてはよりハイブリッドらしいチューニングとなっているため、僅かに寒色寄りとなり、鮮やかさを増した印象になります。ただし聴きやすくするため「Yume」より刺激を抑えたややマイルドなチューニングになっています。再生環境により多少派手目に変化することもありますが、同様にケーブル等でも結構変化しますので、もう少し鋭さや主張が欲しい場合はリケーブルを検討するのも良いと思います。

低域はフラットなバランスを維持しつつ、力強いアタックとタイトで締まりを感じさせます。ミッドベースは分離の良い直線的な音を鳴らしつつ、距離感など空間表現に優れ、より音場感を演出します。重低音も深くスピード感があります。低域のダイナミックドライバーが「Yume」より明らかに進化しているのを実感させる質感の良さです。個人的にはもう少し量感があっても良いかなと思いますが、今回のアップグレードのなかで最も進化を感じる音域でもありますね。
■ まとめ
