
こんにちは。今回は「HZSOUND Heart Mirror Zero」です。 登場以来圧倒的なマニア人気で一気に人気モデルとなった「Heart Mirror」を受け継ぎ、より低価格で購入できるようリファインしたバージョンです。既にリリースされている上位モデルの「Heart Mirror Pro」も好評ですが、今回の「Zero」は5千円以下のお手頃価格でより多くの方に楽しんでもらえるイヤホンとして、中華イヤホンの新たなエントリー機としても注目される製品だと思います。
■ 製品の概要について
今回、オリジナルの「Heart Mirror」をベースに、音質面もユーザーの評価を参考にさらに改良が行われ、より購入しやすい価格設定でリファインされたのが「HZSOUND Heart Mirror Zero」です。


ドライバーには「Heart Mirror」と同じバージョンの「10mm カーボンナノチューブ振動板(CNT)ダイナミックドライバー」を搭載し、高性能NdFeBマグネット、輸入CCAWボイスコイルを採用するなど、同様の音響構造を採用しています。そして「HZSOUND Heart Mirror Zero」ではさらにチューニングを行い、よりインパクトのある低域とクリーンで生き生きとしたレスポンスを持った高域を実現しています。


シェルは亜鉛合金製でCNC成形および手作業による研磨によって仕上げられ、表面は光沢のあるメタリック塗装を施しています。
ケーブルは0.78mm 2pinコネクタを採用し、高純度OFC(無酸素銅)銀メッキ線ケーブルが付属。またマイクリモコン付きケーブルのモデルも選択可能です。


購入はAliExpressのEasy Earphones またはアマゾンのWTSUN Audioにて。
価格は35ドル、アマゾンでは4,780円です。
AliExpress(Easy Earphones): HZSOUND Heart Mirror Zero
Amazon.co.jp(WTSUN Audio): HZSOUND Heart Mirror Zero
■ パッケージ構成、製品の外観および内容について
「HZSOUND Heart Mirror Zero」のパッケージは今回のモデルからキャラ絵仕様になりました。どうも中華イヤホン界隈ではエントリー(より幅広いユーザーを対象にした)モデルではキャラ絵にするほうが「つかみ」が良いと思われているみたいです。実際のマーケティング的にはどうなんでしょうね。


パッケージ内容はイヤホン本体、ケーブル、イヤーピースは白色タイプ、黒色タイプの2種類のシリコン製でそれぞれS/M/Lサイズ。布製ポーチ、説明書。30ドル台のイヤホンとしては十分な内容だと思います。
本体は亜鉛合金製で表面はメタリック塗装です。「Heart Mirror Pro」のブラックバージョンのメタリック塗装の色違いで、外観的差異はありません。オリジナルの「Heart Mirror」はクロームメッキの鏡面仕上げで非常に美しい仕上げだった反面キズが付きやすく、あまり雑に扱えない、という一面もありました。今回の仕上げは傷が付きにくい丈夫な仕上げですので気兼ねなく使えるというのは良いところですね。


従来の「Heart Mirror」シリーズ同様に非常にコンパクトで、10mmサイズのドライバーが結構ギリギリで収容されているらいい点も同様ですね。装着感も良好で、耳にすっぽりと収まるサイズ感です。亜鉛合金製のためアルミほど軽量ではありませんがシェル自体がコンパクトなため重さで外れるようなこともほぼないでしょう。


ケーブルは細いタイプの銀メッキ線ケーブルになりました。太さの点では最初の「Heart Mirror」に比べるとちょっとコストダウンした感も否めませんが屋外での利用を考慮すると手編みの4芯線よりこのようなケーブルの方が絡まりにくく実用的かも知れませんね。プラグはL型を採用しています。
イヤーピースは付属品の2タイプのほか、WTSUN Audio取扱いでは「AET07」互換の「KBEAR 07」や新しくリリースされた「TRI Clarion」への交換もお勧めです。他には定番のJVC「スパイラルドット」、acoustuneの新タイプの「AEX07」、粘着度のあるタイプでは「SpinFit CP100+」最近では「TRN T-Eartips」なども個人的にはお勧めです。
■ サウンドインプレッション
「HZSOUND Heart Mirror Zero」の音質傾向はニュートラルで癖の無い印象の寒色系サウンド。バランスとしては弱ドンシャリ方向でチューニングされており、オリジナルの「Heart Mirror」のやや中高域寄りでフラット方向の傾向より多少「Pro」版に近いリスニングチューンにアップデートされています。カーボンナノチューブ振動版らしくこの価格帯のイヤホンとしては高い解像感を持った明るく見通しの良いスッキリしたサウンドはしっかり踏襲されています。ニュートラルで透明感のある中音域に加え、「HZSOUND Heart Mirror Zero」でより明瞭に伸びるようになった高域と力強さが向上した低域が非常に心地よく感じられます。確かに「Pro」版のドライバーが奏でるより質感と鮮やかさを持ったサウンドも非常に魅力的ですが、「HZSOUND Heart Mirror Zero」のありのままの音を優れたバランスでスッキリ鳴らしてくれる印象も「これで十分」と感じるユーザーも結構いらっしゃるのでは、と思わせる説得力がありますね。
「HZSOUND Heart Mirror Zero」の高域は、明瞭感のあるスッキリした印象の音を鳴らします。「Heart Mirror」同様に低価格イヤホンとしては十分に高い解像感があり、鮮やかで透明感のある印象があります。比較的主張の強い高音ながら刺激はある程度コントロールされていますが、「HZSOUND Heart Mirror Zero」ではさらにスッキリした伸びの良さが向上した印象で「Pro」版に近いキラキラ感も感じるようになりました。リケーブルなしでも鋭い音は聴きやすい範囲でちゃんと鋭く鳴ってくれるのは上手いチューニングだと思います。
中音域は非常にニュートラルでありのままの音をそのまま鳴らしてくれる印象。「Heart Mirror」の寒色系ながら硬質になりすぎず、自然な透明感をもったサウンドを踏襲しています。ボーカル帯域は解像度が高く分離にも優れていますが適度な艶感もあります。この辺の表現力については「Pro」版を聴いた後だとそれなりにドライバーの違いを感じさせる部分ですが、「HZSOUND Heart Mirror Zero」も30ドル台のイヤホンとしてはかなりレベルの高い仕上がりだと思います。音場は適度な広がりがありボーカルは自然な位置で定位します。女性ボーカルの抜けも良く綺麗な印象。またある程度駆動力のある再生環境ではより光沢のあるサウンドになり、男性ボーカルも厚みのともに余韻を楽しめます。
低域はスッキリとした直線的な印象を維持しつつ、「Heart Mirror」と比べよりパワフルで量感を感じるサウンドになりました。ミッドベースは力強さがありアタックもエネルギーを感じます。ドライバー自体はとても素直な出音のため、直線的で過度に膨らむこと無くありのままに鳴らしてくれている印象です。重低音も解像度が高く濃密で、沈み込みも深く音数の多い曲でもしっかり捉えてくれます。低域についても付属ケーブルおよび付属イヤーピースを交換することでよりポテンシャルを引き出すことができそうですね。
■ まとめ
というわけで、より購入しやすい価格設定でリファインされた「HZSOUND Heart Mirror Zero」は音質面でもよりオールランウドに楽しめるチューニングとなり、中華イヤホンを手軽に体験してもらうエントリー機として、普段使いのアイテムとして、非常に幅広く楽しめる製品に仕上がっていると思います。もちろん、よりニュートラルでフラット方向のオリジナル「Heart Mirror」のほうが好み、というかたもいらっしゃると思いますが、個人的には「両方持っていても楽しめる」という感じで良いアップデートだなと思いました。
初回ロットは年明けに発売以降アマゾンでもすごい勢いで完売してしまいましたが、今後再入荷以降は新たな定番イヤホンとして定着していきそうですね(^^)。
「HZSOUND」は中華イヤホン界隈でも結構老舗に入るブランドですが、最初の「Heart Mirror」が登場するまでは数年間イヤホンの新製品は無く、ケースなどのアクセサリーを中心に販売していました。2020年に「Heart Mirror」発売後は数ヶ月かけてその音質面の完成度の高さがマニアの間で広がり、気がつけば低価格帯の新たな「定番モデル」となっていました。さらに2022年には音質面および付属品などを大幅にアップグレードした「Heart Mirror Pro」もリリースされています。
→過去記事: 「HZSOUND Heart Mirror Pro」 アンダー100ドル級にグレードアップしてもやはり同価格帯いち推しの「いい音」。付属品も充実の高音質中華イヤホン【レビュー】今回、オリジナルの「Heart Mirror」をベースに、音質面もユーザーの評価を参考にさらに改良が行われ、より購入しやすい価格設定でリファインされたのが「HZSOUND Heart Mirror Zero」です。


ドライバーには「Heart Mirror」と同じバージョンの「10mm カーボンナノチューブ振動板(CNT)ダイナミックドライバー」を搭載し、高性能NdFeBマグネット、輸入CCAWボイスコイルを採用するなど、同様の音響構造を採用しています。そして「HZSOUND Heart Mirror Zero」ではさらにチューニングを行い、よりインパクトのある低域とクリーンで生き生きとしたレスポンスを持った高域を実現しています。


シェルは亜鉛合金製でCNC成形および手作業による研磨によって仕上げられ、表面は光沢のあるメタリック塗装を施しています。
ケーブルは0.78mm 2pinコネクタを採用し、高純度OFC(無酸素銅)銀メッキ線ケーブルが付属。またマイクリモコン付きケーブルのモデルも選択可能です。


購入はAliExpressのEasy Earphones またはアマゾンのWTSUN Audioにて。
価格は35ドル、アマゾンでは4,780円です。
AliExpress(Easy Earphones): HZSOUND Heart Mirror Zero
Amazon.co.jp(WTSUN Audio): HZSOUND Heart Mirror Zero
■ パッケージ構成、製品の外観および内容について
「HZSOUND Heart Mirror Zero」のパッケージは今回のモデルからキャラ絵仕様になりました。どうも中華イヤホン界隈ではエントリー(より幅広いユーザーを対象にした)モデルではキャラ絵にするほうが「つかみ」が良いと思われているみたいです。実際のマーケティング的にはどうなんでしょうね。


パッケージ内容はイヤホン本体、ケーブル、イヤーピースは白色タイプ、黒色タイプの2種類のシリコン製でそれぞれS/M/Lサイズ。布製ポーチ、説明書。30ドル台のイヤホンとしては十分な内容だと思います。
本体は亜鉛合金製で表面はメタリック塗装です。「Heart Mirror Pro」のブラックバージョンのメタリック塗装の色違いで、外観的差異はありません。オリジナルの「Heart Mirror」はクロームメッキの鏡面仕上げで非常に美しい仕上げだった反面キズが付きやすく、あまり雑に扱えない、という一面もありました。今回の仕上げは傷が付きにくい丈夫な仕上げですので気兼ねなく使えるというのは良いところですね。


従来の「Heart Mirror」シリーズ同様に非常にコンパクトで、10mmサイズのドライバーが結構ギリギリで収容されているらいい点も同様ですね。装着感も良好で、耳にすっぽりと収まるサイズ感です。亜鉛合金製のためアルミほど軽量ではありませんがシェル自体がコンパクトなため重さで外れるようなこともほぼないでしょう。


ケーブルは細いタイプの銀メッキ線ケーブルになりました。太さの点では最初の「Heart Mirror」に比べるとちょっとコストダウンした感も否めませんが屋外での利用を考慮すると手編みの4芯線よりこのようなケーブルの方が絡まりにくく実用的かも知れませんね。プラグはL型を採用しています。
イヤーピースは付属品の2タイプのほか、WTSUN Audio取扱いでは「AET07」互換の「KBEAR 07」や新しくリリースされた「TRI Clarion」への交換もお勧めです。他には定番のJVC「スパイラルドット」、acoustuneの新タイプの「AEX07」、粘着度のあるタイプでは「SpinFit CP100+」最近では「TRN T-Eartips」なども個人的にはお勧めです。
■ サウンドインプレッション

「HZSOUND Heart Mirror Zero」の高域は、明瞭感のあるスッキリした印象の音を鳴らします。「Heart Mirror」同様に低価格イヤホンとしては十分に高い解像感があり、鮮やかで透明感のある印象があります。比較的主張の強い高音ながら刺激はある程度コントロールされていますが、「HZSOUND Heart Mirror Zero」ではさらにスッキリした伸びの良さが向上した印象で「Pro」版に近いキラキラ感も感じるようになりました。リケーブルなしでも鋭い音は聴きやすい範囲でちゃんと鋭く鳴ってくれるのは上手いチューニングだと思います。

低域はスッキリとした直線的な印象を維持しつつ、「Heart Mirror」と比べよりパワフルで量感を感じるサウンドになりました。ミッドベースは力強さがありアタックもエネルギーを感じます。ドライバー自体はとても素直な出音のため、直線的で過度に膨らむこと無くありのままに鳴らしてくれている印象です。重低音も解像度が高く濃密で、沈み込みも深く音数の多い曲でもしっかり捉えてくれます。低域についても付属ケーブルおよび付属イヤーピースを交換することでよりポテンシャルを引き出すことができそうですね。
■ まとめ

初回ロットは年明けに発売以降アマゾンでもすごい勢いで完売してしまいましたが、今後再入荷以降は新たな定番イヤホンとして定着していきそうですね(^^)。
いつも参考にさせてもらっています、ありがとうございます。