
こんにちは。今回は 「LETSHUOER x GIZAUDIO Galileo」です。2月10日よりリリースを開始し、現在プレオーダーを実施中の製品です。価格発表前からサンプルが各レビュアーに配布されており、Twitterなどでは公開されていましたが、実際に発売されると想像以上のお手頃価格に驚きましたね。星雲をイメージさせる美しいシェルデザインに10mm リキッドシリコン振動板ダイナミックドライバーとSonion製BAのハイブリッド構成で、100ドル級イヤホンとしてはかなり質の高いニュートラルサウンドを実現しています。
■ 製品の概要について
「LETSHUOER」(SHUOER ACCOUSTICS)は2016年に創業したIEM/カスタムIEMのファクトリーブランドで、中国国内でのカスタムIEMビジネスのほか話題のモデルを数多くリリースしています。最近では14mm級平面駆動ドライバーを搭載した人気モデル「S12」および「S12 Pro」「Z12」といった一連の派生モデルや「D13」といったモデルが話題になっていますが、今回の「LETSHUOER x GIZAUDIO Galileo」では海外レビュアーの「GIZAUDIO」とコラボした、よりCIEMに近いデザインのハイブリッドモデルがリリースされました。


「LETSHUOER x GIZAUDIO Galileo」ではドライバーに「10mmサイズのリキッドシリコン振動板&アルミニウム・マグネシウム(Al-Mg)合金ダイナミックドライバー」および Sonion製のフルレンジ使用のバランスド・アーマチュア(BA)ドライバー「Sonion 2389」を搭載。さらに各ドライバーユニットごとに独立した電子制御によりクロスオーバーを調整しています。


美しいデザインのシェルは高精度の3Dプリンティング技術によって成形されており、LETSHUOER が開発した新しい音響キャビティと消音構造も同時に成形され、高域の見通しの向上と自然で滑らかなサウンドを実現します。フェイスパネルは天の川と星をイメージしたデザインで、アジュールブルー、ダークブラウン、シルバーホワイトのインクが個体ごとに異なる模様を描き、樹脂コーティングされた表面処理により独自の輝きがあります。


ケーブルは0.78mm 2pin仕様の高品質な銀メッキ無酸素銅線を採用。音質面はもちろん、銀河のような輝きを放つ外観も備えています。プラグは3.5mmと4.4mmを選択できます。


パッケージはいつもの「LETSHUOER」の白箱に製品のイメージイラストが描かれた化粧カバーが覆われています。パッケージ内容は本体、ケーブル、イヤーピースは黒色と白色の2種類でそれぞれS/M/Lサイズ、クリーニングブラシ、ハードケース、説明書、保証書など。ケースは丈夫なプラスチック製で中にイヤーピースとクリーニングブラシを固定できる仕様になっています。


「LETSHUOER x GIZAUDIO Galileo」の本体は3Dプリントで成形された、濃いめのクリアブルーのレジン製。3色インクの模様が明るい星雲のようなイメージを感じさせます。1BA+1DD構成のイヤホンとしてはやや大きめですが、収まりの良い形状で装着性はまずまずです。ただ個人的にはステムノズルがやや短く感じたため、長めのイヤーピースに交換して調整しました。
内部には10mmドライバーとちょっと大きめのBAユニットが確認出来ます。BAはフルレンジ使用の「Sonion 2389」でKnowlesでいうと「ED-29689」のようなポジショニングのBAユニット。リキッドシリコン振動板のダイナミックドライバーというと、最近では「SeeAudio Yume」や「Yume 2」などの各製品で採用されている低域用ドライバーが浮かびますね。「LETSHUOER x GIZAUDIO Galileo」の構成的には「Yume」のリキッドシリコンDDを少し大きくして、Knowles製ツィーターを除いて2Wayにしたイヤホン、という見方も出来なくはありません。


とはいえ、実はSonion製BAおよびリキッドシリコンDDは「LETSHUOER」でも結構導入実績のあるドライバーで、「Sonion 2389」は「EJ07M」で、10mmリキッドシリコンDDは「EJ09」で利用が明記されています。また「EJ09」については搭載するSonion製BAの型番の記載が無いもののやはり「Sonion 2389」の可能性があります。これらのモデルはESTドライバーを組み合わせたハイグレード製品ですが、同社によってはハイブリッド構成を行う上で特性をよく把握しているユニットを使用することで、より狙い通りのサウンドチューニングを行いやすく、それがコストにも影響すると思われます。今回のコラボモデルが思ったより低価格で実現できている理由もこの辺にありそうですね。


ケーブルは銀メッキOFC(高純度無酸素銅)の撚り線で2色の線材が渋い印象です。「S12」の付属ケーブルとほぼ同じですね。今回は4.4mmでオーダーしました。イヤーピースは柔らかく開口部が小さい黒色タイプと開口部が広い白色タイプの2種類。付属品のほか、定番のJVC「スパイラルドット」や、よりフィット感の強いタイプでは「SpinFit CP100+」など、自分の耳に合う最適なイヤピースを選択するのも良いでしょう。私は前述のような理由で「Softears U.C.」を選択しました。他にも同様のケースでは「DUNU S&S」なども良いと思います。
■ サウンドインプレッション
「LETSHUOER x GIZAUDIO Galileo」の音質傾向はほぼニュートラルにまとめられており、ミドルグレード以上の製品に多い若干フラット方向なバランスでまとめられています。傾向としては若干重心が低めでオリジナルの「Yume」に近い方向性のバランスですが、聴いてみるとポップスやアニソンなどでは適度に明るく、軽めの重低音に対しやや中高域寄りに感じるサウンドです。
中音域は癖の無いニュートラルなサウンドで、凹むことなく鳴ります。音場は広く開放的な印象があります。見通しも良く、解像感や分離もこのクラスのイヤホンとしては十分です。いっぽうで2基のドライバーのクロスオーバーは適切に処理されており、ハイブリッドさはあるものの人工感は無くシームレスな印象。中低域付近も不自然さは無く滑らかさを感じます。イヤーピースをしっかりフィット感のあるものの選択することでより没入感のあるサウンドを実感できますね。ボーカルはやや前向きに定位し、僅かに温かみも感じる自然な音像で心地よく聴くことが出来ます。女性ボーカルの高音などの中高域は明瞭で鮮やかなエネルギーを感じます。男性ボーカルも豊かさがあり、特に中低域の繋がりの良さからボーカルの深い低音は心地良く高い質感で再生されます。演奏との分離も良好で、ストリングスの音色は適度光沢があります。派手すぎないものの退屈さも感じず、適度なスピード感と明るさで楽しいリスニングを体感できます。
低域はニュートラルな印象にあわせた量感で、ミッドベースを中心に適度な締まりと自然な響きがあり聴きやすい印象。重低音はやや軽く量感のわりに重さや深さは控えめかも。この辺は2ドライバー構成でどこにフォーカスして音作りを行うかという部分ですね。そういった意味では確かに低域好き向きのイヤホンではないかも知れませんが、ミッドベースの質感は高い印象で、キックは力強く、アタックもスピード感があり、多くのジャンルのボーカル曲やインストルメンタルで心地よく楽しめる音作りです。
■ まとめ
というわけで、HiFiGoから発売日を聞いて急いでレビューをまとめてみました(^^;)。本当は今日は別のイヤホンのレビューを用意してあったのですが、それはまた後日掲載します(来週かな)。
完全に余談ですが先日より「Shanling H7」を使用しており、出張中の新幹線のなかでも快適かつデスクトップ環境と同様のリスニングが出来るようになったのは本当に有り難いですね。「Shanling H7」も月内にはレビューしようと思っています。


というわけで新発売の「LETSHUOER x GIZAUDIO Galileo」ですが、まあ見た目は正義、価格もお手頃でちょっと高級ぽいイヤホン持ってる感じがするからエエよね。という感じで、気軽に使うのが正解なイヤホンだと思います。LETSHUOERが自社ハイグレードモデルや多分OEM/ODM等でも培ったノウハウを活かして音作りは手堅くまとめており、ここが凄い、みたいな要素は特にありませんが十分な質感でそつなく楽しめるイヤホンですね。前述の通り、掲載時点でのアマゾンの価格は結構お買い得だと思いますので、気になっている方かたはぜひとも挑戦してみてくださいね(^^)。
「LETSHUOER」(SHUOER ACCOUSTICS)は2016年に創業したIEM/カスタムIEMのファクトリーブランドで、中国国内でのカスタムIEMビジネスのほか話題のモデルを数多くリリースしています。最近では14mm級平面駆動ドライバーを搭載した人気モデル「S12」および「S12 Pro」「Z12」といった一連の派生モデルや「D13」といったモデルが話題になっていますが、今回の「LETSHUOER x GIZAUDIO Galileo」では海外レビュアーの「GIZAUDIO」とコラボした、よりCIEMに近いデザインのハイブリッドモデルがリリースされました。


「LETSHUOER x GIZAUDIO Galileo」ではドライバーに「10mmサイズのリキッドシリコン振動板&アルミニウム・マグネシウム(Al-Mg)合金ダイナミックドライバー」および Sonion製のフルレンジ使用のバランスド・アーマチュア(BA)ドライバー「Sonion 2389」を搭載。さらに各ドライバーユニットごとに独立した電子制御によりクロスオーバーを調整しています。


美しいデザインのシェルは高精度の3Dプリンティング技術によって成形されており、LETSHUOER が開発した新しい音響キャビティと消音構造も同時に成形され、高域の見通しの向上と自然で滑らかなサウンドを実現します。フェイスパネルは天の川と星をイメージしたデザインで、アジュールブルー、ダークブラウン、シルバーホワイトのインクが個体ごとに異なる模様を描き、樹脂コーティングされた表面処理により独自の輝きがあります。


ケーブルは0.78mm 2pin仕様の高品質な銀メッキ無酸素銅線を採用。音質面はもちろん、銀河のような輝きを放つ外観も備えています。プラグは3.5mmと4.4mmを選択できます。
「LETSHUOER x GIZAUDIO Galileo」の購入はHiFiGoまたはアマゾンのHiFiGoストアにて。
価格は109ドル、アマゾンでは 12,985円です。なお、現在のレートだとアマゾンの価格のほうが実質価格ではかなりお得です。たぶん先行販売価格の99ドルをベースにしており、いつまでこの価格で販売しているかは不明ですので、気になっている方はお早めに購入した方がいいかも。
■ パッケージ構成、製品の外観および内容について
今回はレビュアーサンプルとして、発売日や価格が決定前に届いていました。全体的に高級感のある印象だったため、実際の販売価格が100ドル程度と聞いて「思ったよりかなりお手頃」というのが正直な感想でした。


パッケージはいつもの「LETSHUOER」の白箱に製品のイメージイラストが描かれた化粧カバーが覆われています。パッケージ内容は本体、ケーブル、イヤーピースは黒色と白色の2種類でそれぞれS/M/Lサイズ、クリーニングブラシ、ハードケース、説明書、保証書など。ケースは丈夫なプラスチック製で中にイヤーピースとクリーニングブラシを固定できる仕様になっています。


「LETSHUOER x GIZAUDIO Galileo」の本体は3Dプリントで成形された、濃いめのクリアブルーのレジン製。3色インクの模様が明るい星雲のようなイメージを感じさせます。1BA+1DD構成のイヤホンとしてはやや大きめですが、収まりの良い形状で装着性はまずまずです。ただ個人的にはステムノズルがやや短く感じたため、長めのイヤーピースに交換して調整しました。
内部には10mmドライバーとちょっと大きめのBAユニットが確認出来ます。BAはフルレンジ使用の「Sonion 2389」でKnowlesでいうと「ED-29689」のようなポジショニングのBAユニット。リキッドシリコン振動板のダイナミックドライバーというと、最近では「SeeAudio Yume」や「Yume 2」などの各製品で採用されている低域用ドライバーが浮かびますね。「LETSHUOER x GIZAUDIO Galileo」の構成的には「Yume」のリキッドシリコンDDを少し大きくして、Knowles製ツィーターを除いて2Wayにしたイヤホン、という見方も出来なくはありません。


とはいえ、実はSonion製BAおよびリキッドシリコンDDは「LETSHUOER」でも結構導入実績のあるドライバーで、「Sonion 2389」は「EJ07M」で、10mmリキッドシリコンDDは「EJ09」で利用が明記されています。また「EJ09」については搭載するSonion製BAの型番の記載が無いもののやはり「Sonion 2389」の可能性があります。これらのモデルはESTドライバーを組み合わせたハイグレード製品ですが、同社によってはハイブリッド構成を行う上で特性をよく把握しているユニットを使用することで、より狙い通りのサウンドチューニングを行いやすく、それがコストにも影響すると思われます。今回のコラボモデルが思ったより低価格で実現できている理由もこの辺にありそうですね。


ケーブルは銀メッキOFC(高純度無酸素銅)の撚り線で2色の線材が渋い印象です。「S12」の付属ケーブルとほぼ同じですね。今回は4.4mmでオーダーしました。イヤーピースは柔らかく開口部が小さい黒色タイプと開口部が広い白色タイプの2種類。付属品のほか、定番のJVC「スパイラルドット」や、よりフィット感の強いタイプでは「SpinFit CP100+」など、自分の耳に合う最適なイヤピースを選択するのも良いでしょう。私は前述のような理由で「Softears U.C.」を選択しました。他にも同様のケースでは「DUNU S&S」なども良いと思います。
■ サウンドインプレッション

いわゆる「○○ターゲット」的なチューニングは多くの方に好感されやすいサウンドですが、同時に製品の粗さも感じやすい傾向もあります。しかし「LETSHUOER x GIZAUDIO Galileo」ではクロスオーバー処理により2種類のドライバーはシームレスに連携し、ハイブリッドらしさは感じるものの滑らかでニュートラル感を損なわない音を鳴らします。
この製品が100ドルと聞いて「結構お買い得かな」と感じたのもこのサウンドチューニングも理由で、これが200ドル以上だったら外観も音質も特に特徴の無いイヤホン、という感じになるかもしれません。逆に言うと200ドル以上の価格でこれくらい品質および音質の製品も「わりとあるよね」という意味でもあります。そう考えると、外観以上に突出した特徴は無いものの、低価格なイヤホンでは粗さの出やすいニュートラル傾向のサウンドを手堅くまとめ、美しいシェルデザインのイヤホンを100ドル、アマゾンでも1万円台前半で購入できるのは十分にお勧めできると感じます。
高域は適度に抜けが良く明瞭で、同時に自然な空気感があります。ある程度の主張があり鮮明な印象で、BAらしい硬質感や金属質な煌めきがあります。鋭い音はそれなりに鋭さを持って鳴りますが、刺激は適度にコントロールされ聴きやすく感じます。ただ同社のEST搭載の上位モデルや「SeeAudio Yume 2」のように高域用のツイーターを使用せず、フルレンジのSonionドライバーのみで鳴らしている仕様のため、音圧を上げると多少限界が出やすい印象もあり、伸び感にも若干の影響があります。とはいえ通常の音量で普通に聴いているうえでは特に問題はなく、スッキリして十分に解像感のある音を鳴らします。
この製品が100ドルと聞いて「結構お買い得かな」と感じたのもこのサウンドチューニングも理由で、これが200ドル以上だったら外観も音質も特に特徴の無いイヤホン、という感じになるかもしれません。逆に言うと200ドル以上の価格でこれくらい品質および音質の製品も「わりとあるよね」という意味でもあります。そう考えると、外観以上に突出した特徴は無いものの、低価格なイヤホンでは粗さの出やすいニュートラル傾向のサウンドを手堅くまとめ、美しいシェルデザインのイヤホンを100ドル、アマゾンでも1万円台前半で購入できるのは十分にお勧めできると感じます。

中音域は癖の無いニュートラルなサウンドで、凹むことなく鳴ります。音場は広く開放的な印象があります。見通しも良く、解像感や分離もこのクラスのイヤホンとしては十分です。いっぽうで2基のドライバーのクロスオーバーは適切に処理されており、ハイブリッドさはあるものの人工感は無くシームレスな印象。中低域付近も不自然さは無く滑らかさを感じます。イヤーピースをしっかりフィット感のあるものの選択することでより没入感のあるサウンドを実感できますね。ボーカルはやや前向きに定位し、僅かに温かみも感じる自然な音像で心地よく聴くことが出来ます。女性ボーカルの高音などの中高域は明瞭で鮮やかなエネルギーを感じます。男性ボーカルも豊かさがあり、特に中低域の繋がりの良さからボーカルの深い低音は心地良く高い質感で再生されます。演奏との分離も良好で、ストリングスの音色は適度光沢があります。派手すぎないものの退屈さも感じず、適度なスピード感と明るさで楽しいリスニングを体感できます。

■ まとめ
というわけで、HiFiGoから発売日を聞いて急いでレビューをまとめてみました(^^;)。本当は今日は別のイヤホンのレビューを用意してあったのですが、それはまた後日掲載します(来週かな)。
完全に余談ですが先日より「Shanling H7」を使用しており、出張中の新幹線のなかでも快適かつデスクトップ環境と同様のリスニングが出来るようになったのは本当に有り難いですね。「Shanling H7」も月内にはレビューしようと思っています。


というわけで新発売の「LETSHUOER x GIZAUDIO Galileo」ですが、まあ見た目は正義、価格もお手頃でちょっと高級ぽいイヤホン持ってる感じがするからエエよね。という感じで、気軽に使うのが正解なイヤホンだと思います。LETSHUOERが自社ハイグレードモデルや多分OEM/ODM等でも培ったノウハウを活かして音作りは手堅くまとめており、ここが凄い、みたいな要素は特にありませんが十分な質感でそつなく楽しめるイヤホンですね。前述の通り、掲載時点でのアマゾンの価格は結構お買い得だと思いますので、気になっている方かたはぜひとも挑戦してみてくださいね(^^)。