NICEHCK BlackSoul

こんにちは。今回は 「NICEHCK BlackSoul銀メッキ五元素合金&レアアース合金ミックスケーブルです。いわゆる銅線系のケーブルですが純銅線より銅線的な特徴が強調される印象のレアアース系と、銅線とは多少異なる印象が得られる合金系の特徴を持つ非常に興味深いケーブルですね。光沢のあるブラックに僅かに入ったゴールドのラメと、金色の金属製パーツなどオリエンタルなゴージャス感もある外観も特徴的です。
毎回独自の線材を使用した個性的なケーブルをリリースしているNICEHCKですが、最近はアマゾンにはあまり出さすにAliExpressでの販売に限定することで大幅なディスカウントを可能にしています。
→ 過去記事(一覧): NICEHCK製ケーブル製品のレビュー

NICEHCK BlackSoul」の購入はAliExpressの「NiceHCK Audio Store」にて。AliExpressでの購入方法はこちらを参照ください。また、HCKのTwitterアカウント(@hckexin)では割引情報などがツイートされている場合がありますので、購入を検討される方は事前に最新のツイートを確認しておくことをお勧めします。


[ NICEHCK BlackSoul ] 銀メッキ五元素合金&レアアース合金ミックスケーブル
NiceHCK BlackSoul Earphone Cable Silver Plated 5-element Alloy+Rare Earth Alloy Wire
【 MMCX 】【CIEM 2pin 】【3.5mm】【2.5mm/4極】【4.4mm/5極】
※20ドルOFFの割引クーポンコード「RLTLVRNSPEA5」の提供を受けました。このクーポンを使用することで、実質29.99ドル~で購入できます。また「5% OFF Coins」の併用も可能です。

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NICEHCK BlackSoul」は「五元素合金銀メッキ線」と「レアアース(希少土)銅合金」のミックス線ケーブルです。「五元素」というと鋼鉄に含まれるC/Si/Mn/P/Sの5大元素が浮かびますが、ここではオーディオケーブルで用いられる「銅合金」ですので、含有元素は異なるでしょう。一般的にオーディオ用で用いられる銅合金線は銅に微量の錫を含有した合金(Cu-Sn合金)で、他にも銅銀合金(Cu-Ag合金)があり、さらに高力銅合金と呼ばれる銅の特性を強化した合金がありベリリウム銅なども含まれます。「NICEHCK BlackSoul」の「五元素」の含有元素および比率は不明ですが、材質としては高力銅合金の一種と推測できます。そして「レアアース(希少土)銅合金」はフラグシップ級の「NICEHCK Maple」のレビューでも出てきましたね。同様な材質かどうかは不明ですが、「Maple」は銅銀合金(Cu-Ag合金)の強化版みたいな傾向がありました。

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コネクタ及びプラグ部品等は高級感のあるゴールドカラーの金属製。それぞれ3.5mmステレオ、4.4mm/5極、2.5mm/4極のバランス仕様プラグが用意されています。またコネクタはMMCX、0.78mm CIEM 2pinの2種類が選択できます。

今回は4.4mmの2pin仕様でオーダーしたところ、50ドル以下のケーブルと言うこともあり、シンプルな袋入りで届きました。光沢のある樹脂被膜で覆われた2芯タイプのケーブルでゴールドカラーのプラグや分岐パーツもふくめゴージャス感がありますね。いっぽうで金属部分は軽量なアルミ製でケーブル自体は見た目ほど重くないためどのようなイヤホンにも合せやすい印象ですね。もちろん取り回しも良いです。
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NICEHCK BlackSoul」のリケーブル後の音質傾向は全体の情報量を底上げしつつ、ボーカル域を中心に存在感を増す印象。高域はあっさり目ながら輪郭がより鮮明になり、低域もより締まりが向上することで、全体として解像感は向上するものの、それ以上に中音域の主張が増す印象のため、ややカマボコ方向に変化するケーブルといえるかもですね。そのためボーカル域はより近く鮮明に鳴り存在感が増すのに対し音場はやや狭く感じる場合もあります。

最近のニュートラル傾向のイヤホンでは、よりボーカル域の存在感が強調され、アニソンやポップスなど打ち込み系のボーカル曲との相性が良い印象です。ストリーミングを中心にこれらの楽曲を聴いている方には外観も含めて組み合わせることで楽しさが増しそうな気もしますね。
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またQoAのように比較的高域を穏やかにしたチューニングのマルチBAイヤホンではボーカル域を中心とした聴きやすさを維持しつつ、高域の鮮明さや伸び感、低域の沈み込みの向上が実感出来るため結構合せやすいかもしれません。この手のイヤホンで普通の銀メッキ線などを使用すると高域が結構派手なバランスになり刺激が増すことも多いですが、「NICEHCK BlackSoul」の場合は鮮明さを増しつつ、ボーカル域もしっかり強調されるため、高域が聴きやすいイヤホンが好みの方には良い選択肢になりそうです。
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またこのような傾向のため、派手めのドンシャリ傾向のイヤホンと合せた場合もV字から若干U字寄り、場合によってはW字寄りに感じる印象の変化があります。たとえば「NICEHCK NX7シリーズ」のように結構派手めのサウンドが特徴のイヤホンでは高域や低域の特徴やスッキリした解像感は維持しつつ、多少ボーカル域も持ち上げられるため全体としてはむしろ滑らかな方向に変化します。とはいえドンシャリ傾向のイヤホンは合う/合わないというのが、イヤホンとの相性や普段聴く楽曲の種類等によっても結構ありそうな気がしますので、実際に合せてみて確認した方がよさそうですね。

というわけで、「NICEHCK BlackSoul」は想像以上に中音域特化で癖強めのケーブルでしたが、各音域で音が細るようなことはなく、むしろしっかりとした表現が楽しめるという点では、他の癖強い系ケーブルとは一線を画しているようでした。正直オールラウンドにお勧めできる製品とはちょっと異なりますが、ケーブルとのマッチングを楽しむという「沼」度が非常に高い、趣味をじっくり楽しみたい、というマニアのための楽しいケーブルだと思いますよ。