NICEHCK RedAg

こんにちは。今回は 「NICEHCK RedAg4N 純銀 同軸線 ケーブルです。導体として4N純度の純銀線を使用し、樹脂被膜の外周を高伝導銅線でシールドする同軸方式のケーブルになります。純銀線ながらアンダー20ドルという低価格を実現しており、しかも落ち着いたレッドカラーの布張り被膜と、見た目にもリケーブル意欲をかき立てますね。初回分は早々に完売するなど非常に人気が高く、新たな定番ケーブルとして注目したいアイテムといえるでしょう。
最近はAliExpressでコストパフォーマンスに優れるアップグレードケーブルを販売するモデルが定着した印象のHCKですが、まずはAliExpressのみで販売数を限定することで大幅なディスカウントを可能にしています。
→ 過去記事(一覧): NICEHCK製ケーブル製品のレビュー

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[ NICEHCK RedAg ] 4N 純銀 同軸 アップグレードケーブル
NiceHCK RedAg 4N Pure Silver HiFi Earphone Coaxial Cable 3.5/2.5/4.4mm MMCX/QDC/0.78 2Pin
【 MMCX 】【CIEM 2pin 】【qdc/CIEM極性】【3.5mm】【2.5mm/4極】【4.4mm/5極】
AliExpresss(NiceHCK Audio Store):19.99ドル~
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NICEHCK RedAgNICEHCK RedAg
低価格の高純度 4N純銀線ケーブルです。同軸(コアキシャル)ケーブル方式で導体には4N純度の純銀線を使用し、外周部を高伝導性銅線を使用しそれぞれを被膜で絶縁しています。さらに表皮部は赤色の布張り仕上げになっているのが特徴です。
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プラグは3.5mmシングルエンドのほか、2.5mmおよび4.4mmのバランスに対応。コネクタはMMCX、CIEM 2pin、qdcタイプの3種類が選択できます。低価格ケーブルと言うことで製品は袋入りの簡易包装で届きました。
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今回4.4mmプラグでMMCX、2pin、qdcの3タイプのケーブルをオーダーしました。
前述の通り、「NICEHCK RedAg」 は同軸タイプのケーブルで導線部のみで純銀線を使用している仕様のためということもあり、特に気になっていたqdcコネクタでは届いた製品でテスターを当てて極性を調べてみました。その結果「NICEHCK RedAg」 の「qdc」コネクタは「qdc互換(0.78mm CIEM極性)コネクタ」仕様であることが確認出来ました。つまりCIEM 2pinと同じ極性で、KZ/CCAおよびTRNの「タイプC」や、(qdc製を除く)各中華ブランドのqdc互換カバー形状を持つ「0.78mm 2pin」と同じ仕様ということになります。

NICEHCK RedAg「NICEHCK RedAg」については、2芯の「同軸仕様」を採用していることが、布張り仕上げの純銀線ながら低価格を実現している理由のひとつだと思われます。
いわゆる4芯線、8芯線など4の倍数の撚り線ではL+/L-とR+/R-、またはL/R/GNDのそれぞれの極性に芯ごとの線材を割り当てて結線します。これに対して同軸タイプの2芯線では、中央の導線部分をL+/R+、外周部をL-/R-またはGNDに結線します。言うまでも無く実際に音信号が送られるのは導線を使用している+側で、-側は電気的な循環に使われるわけです。
ここで「逆相」とは右側と左側で接続される+/-が異なる(逆になる)状態のことで、左右で音信号が送られる側が異なることで電気回路的な矛盾が発生し、音の違和感や故障の原因になったりします。これに対し、左右の両方を+/-逆につなげた場合は電気的な矛盾は発生しないため逆相にはらず、上記の4芯線や8芯線では音質的な変化も理論上は発生しません。しかし「NICEHCK RedAg」のような導線部(+極性)と外周部(-極性またはGND)で異なる線材を使用している同軸ケーブルでは話が異なり、ちゃんと+/-を合せないと純銀線としてのメリットを享受できない可能性が高くなります。これが4芯や8芯線のように+/-で同じ線材を使っているケーブルとの直接的な違いといえるでしょう。

NICEHCK RedAg具体的には、仕様上極性が固定しているMMCXやCIEM 2pinでは特に問題はないのですが、qdcコネクタに関しては「qdc極性(装着時に左右とも上側が-になる極性)」だと、KZ/CCA/TRNやqdc製以外の同様なコネクタ仕様のイヤホンとの組み合わせで純銀線としてのメリットが享受できない可能性があったわけです。幸い、前述の通り「NICEHCK RedAg」ではqdcコネクタも「KZ タイプC」などと同じCIEM 2pin極性ということがテスターで確認出来たため、これらのメーカーのイヤホンとも組み合わせても問題なく、純銀線のメリットをしっかり確認出来ます。ただ逆に「qdc Neptune」や「Dmagic Solo」などのqdc製のイヤホンやCIEM製品との組み合わせでは本来の性能を体感できない可能性が高くなります(なお「qdc極性」についての詳細は「解説編」を参照ください)。そろそろ「qdc互換(0.78mm CIEM極性)コネクタ」について、何か新しい呼び方を定義した方がよいかもしれませんね。

ちょっと極性の話が長くなってしまいましたが、「NICEHCK RedAg」は同軸線とっても線材自体はそれほど硬くはなく布張りの仕上がりもあって取り回しは非常にしやすい印象。赤い被膜もちょっと暗めの色で様々なイヤホンに合せやすく、単純に赤色ケーブルが欲しかった方にも有り難いケーブルといえるかもしれませんね。
NICEHCK RedAgNICEHCK RedAg
このように「見た目から合せたい」という方は音質傾向的には過度に純銀線ぽさを主張しない方が良いという場合も多いかもしれませんが、「NICEHCK RedAg」はそういった意味でも使いやすいケーブルといえるでしょう。実際の音信号を伝達させるのは+側の純銀線ですが、同軸構造により外周部の銅線がシールドの効果を果たし、純銀線ケーブルでありがちが音が細ることを抑制しています。いっぽうで銀線らしい高域をより明瞭に伝達する効果はしっかり発揮されており、過度に刺激を強めることなく伸び感や抜け感を向上させてくれます。
NICEHCK RedAgNICEHCK RedAg
バランスの良いシングルダイナミックやマルチBAなど一般的に銀線と相性が良いイヤホンはもちろん、最近は例えばKZ/CCAあたりの低価格中華ハイブリッドでも極端に派手な音を鳴らす製品は少なくなっているため、これらの製品でもリケーブルのメリットを感じさせつつ使いやすい印象があります。特に低域を厚くしたい、とか、もともと高域がキツい、という場合を除き、大抵のイヤホンで「見た目で合せて」も問題はなさそうです。
NICEHCK RedAgNICEHCK RedAg
もちろん、付属ケーブルではちょっと高域の抜け感や主張が生かし切れていない、という純銀線向けのケースでも「NICEHCK RedAg」は十分に効果を感じることが出来るでしょう。このようなケースでは、例えば以前の「NICEHCK LitzPS」などの製品の方がより「純銀線らしさ」は感じられますが、全体のバランスに影響が及ぶ可能性もあるため、そういった意味では「NICEHCK RedAg」のほうが使いやすいと感じる事が多そうです。
NICEHCK RedAg」は、銀線と銅線のミックス線とは明らかに異なる印象ではあるものの、銀線だけのケーブルとも異なる、価格と音質傾向の非常に良い「落としどころ」を見つけたケーブルという印象です。

NICEHCK RedAgというわけで、「NICEHCK RedAg」は純銀線という、ちょっと高級感も感じるカテゴリーで、個性的な赤い被膜による外観と、同軸線構造を採用することで、普通の純銀線ともミックス線とも異なる、非常に使いやすいバランスを実現した「とにかく使いやすそうな」ケーブルだと思います。実際リリース後の初回分はあっという間に売り切れてしまい、現在は再入荷分が販売されている状況です。
今後も先日レビューした「NICEHCK MixPP」のお手頃ブルー系ケーブルに対するレッド系という感じで「もうひとつの定番ケーブル」となりそうな気がしますね(^^)。