こんにちは。今回は「SOUNDPEATS Opera05」です。数々のワイヤレスイヤホン製品で高い人気を誇る「SOUNDPEATS」から、新たな旗艦モデルとしてリリースされたのが「Opera」シリーズです。3月24日から日本でもMakuakeで先行募集が開始されました。今回は2BA+1DD構成の上位モデル「Opera05」を紹介します。
■ 製品の概要について
ワイヤレスイヤホンの専業ブランドとして13年もの歴史を持つ「SOUNDPEATS」ですが、日本でも低価格ながら高性能ANC搭載モデルまで幅広いナインナップで安定した人気を持つブランドとして定着している印象ですね。
その「SOUNDPEATS」が満を持してリリースする旗艦モデルが「Opera」シリーズです。長年にわたる経験と実績に加え、日本やアメリカを含む7カ国の7つの特許や23の実用新案などの独自技術により贅沢なサウンドを実現するモデルとのことです。「Opera」シリーズでは最新のBluetooth 5.3に加え「LDAC」コーデックに対応。20Hz~40kHzまでの周波数帯域に対応しハイレゾワイヤレス認証取得済みの仕様となっています。
ドライバーには上位モデルの「Opera05」は2BA+1DD、「Opera03」は1BA+1DDのハイブリッド構成を採用。大口径12mmのダイナミックドライバーに加え、バランスド・アーマチュア(BA)ドライバーが補完することでより高品質なサウンドを実現しています。
また最大-30dBのANC(アクティブノイズキャンセリング)と最大-50dBのノイズ低減による通話時の音声品質を高めるENC(通話ノイキャン)を搭載。片側2基、合計4基のマイクによりノイズレスのサウンドや通話が可能となります。またイヤホン本体も制振性に優れたメタルノズルの採用や本体形状にもこだわることで「パッシブ効果」により物理的な耳栓のような効果が得られる設計を採用しています。
本体は傷がつきにくい亜鉛合金を含む5つの素材を使用し、PVDコーティングと真空メッキなどの11の塗装を実施。鏡面仕上げによるイエローゴールドとマットブラックの組み合わせによる高級感のあるデザインに仕上げられています。その他9時間のバッテリー駆動時間、IPX4対応、「SOUNDPEATS」アプリ対応等、優れた機能要件を満たしています。
「SOUNDPEATS Opera05」の予定価格は13,999円、同じく「Opea03」は10,999円となる予定ですが、3月24日よりMakuakeでスタートしたプロジェクトにより割引価格での募集を行っています。
最大40% OFFの募集は開始早々に予定数を達成してしまいましたが、レビュー掲載時点でMakuakeでは28% OFFの10,080円、ケースカバー付きセットで11,000円で応募が可能です。
Makuake: プロジェクト「SOUNDPEATS Opera05/Opera03」
■ パッケージ内容及び機能について
「SOUNDPEATS Opera05」のパッケージは本体写真とモデルの装着写真の2面ボックスで毎度ながらとても格好良いですね。
パッケージ内容はイヤホン本体およびイヤーピース(Mサイズ装着済み、S/Lサイズ同梱)、充電ケース、充電用USB Type-Cケーブル、説明書など。
本体はシャンパンゴールドのメッキ部分が落ち着いた豪華さを持っており、上位モデルらしい高級感があります。2BA+1DDハイブリッド構成で、ダイナミックドライバー部は大口径の12mmドライバー搭載ということもあり、本体は結構大きめのサイズ感。とはいえ、装着部分はAirPods Pro風のタマゴ型の楕円形のハウジングと短いステムノズルの構造により同社の従来モデルとほぼ同様のソフトな装着感を実現しています。
とはいえ本体は7.3g程と従来よりやや重いため、イヤーピースはしっかり合わせた方が良いでしょう。必要に応じてよりフィット感の高いイヤーピースへの交換もお勧めです。
ケースは本体サイズに比べるとかなりコンパクトにまとめられていると思います。そのためケースのバッテリ容量は従来モデルよりは少なめですが、それでもケース込み33時間と十分に実用的な容量を実現しています。
本体の取り出しがちょっとやりにくい感じはしましたが、爪で引っかけて取り出すと良いでしょう。慣れればそれほど問題なく使えると思います。
また、本体背面のロゴマーク部分がタッチセンサーになっていて、各種操作に対応します。感度もちょうど良くポンポンと押す感じで操作できます。シングルタッチでは音量の増減、ダブルタッチで再生/停止および受話/終話のタイプですね。
タッチセンサーの操作は「SOUNDPEATS」製のイヤホンでだいたい共通しており、「SOUNDPEATS Opera05」もその操作性を踏襲しているようです。
■ ペアリングおよび専用アプリについて
「SOUNDPEATS Opera05」で「LDAC」コーデックを利用するためには、ペアリングするスマートフォンなどのデバイスがLDACに対応していることが必要です。比較的新しいOSを搭載する一部の低価格モデルを除くAndroidスマートフォンの多くは対応していると思います(詳しくは利用する端末の仕様をご確認ください)。
対応するAndroid端末でペアリングすると最初からLDACコーデックで接続されます。再生品質を「自動」にしていると「ベストエフォート(アダプティブビットレート)」が選択されており、他に品質重視(330kbps)、バランス(660kbps)、音質重視(990kbps)といったモードが存在することを確認出来ます。
なお仕様では「LDAC」および「SBC」の対応とのことでしたが、「開発者向けオプション」でコーデックを確認すると実際には「AAC」コーデックにも対応しているようで、iPhone/iPadなどではAACコーデックでの接続となるようです。
サンプリングレートは「LDAC」の規格通り96kHz、そしてビットレートについては私の環境ではより高い「32bit」でペアリングしていました。仕様としては24bitと記載されていましたが、実際には32bitまでの接続ができたようです。
「SOUNDPEATS」アプリをインストールしておくとペアリング後にアプリを立ち上げた際に自動で認識します。正常に認識できたら画面左下のEQアイコンをタップすることで「カスタマイズ」画面を呼び出すことができます。
「カスタマイズ」画面では音量調整、各種EQ設定、ノイズキャンセリングで「ANC」モードの設定等が可能です。ANCモードおよび音量は本体のタッチセンサーでも変更できますが、画面だと分かりやすいですね。
イコライザー(EQ)については標準では「SOUNDPEATSクラシック」という状態になっています。ここで「ロック」などのジャンルや「高音強調」や「低域軽減」など8種類(クラシックも含めれば9種類)のプリセットモードが選択できます。このプリセットは結構実用的で、多くの場合はこのモードを選択するだけで十分に満足のいくサウンドを楽しめそうです。もちろん自分でEQをゴリゴリ設定したい方は「イコライザー(EQ)カスタマイズ」で個別のチューニングも可能です。
■ 接続性およびANC性能について
「SOUNDPEATS Opera05」は、Bluetooth 5.3対応により多くのスマートフォンで安定した接続性を実現しています。なお、仕様上の再生可能サンプリングレートは「20kHz~40kHz」ですが、LDACコーデック自体は接続可能であれば「24bit/96kHz」または「32bit/96kHz」でペアリングします。また「LDAC」コーデックでペアリングすると音声品質の設定が可能になります。一般的には「音質優先」または「自動」が選べます。「自動」では通信状態に合わせて最適なビットレートが選択されるため通常はこちらで問題ないでしょう。
接続性は非常に優れており、都心の混雑した環境でも快適に利用できますが、再生品質を「音質優先」(高ビットレートのモード)にすると街中など混雑した場所では多少途切れやすくなることもあるようです。屋外での利用は「再生品質」は「自動」が推奨です。またバッテリー駆動時間は最長で9時間ということですが、常時ANC有効、再生品質を高くしてもかなり長時間の利用ができバッテリー性能の高さも実感しました。たぶん「再生品質」を「自動」にしておけば、スペックに結構近い再生時間で使用できるのでは、という気がします。
「SOUNDPEATS Opera05」のアクティブノイズキャンセリング(ANC)機能は仕様としては「-30dB」で実用的な性能を示します。同社の製品のなかにはより高いANC性能の機種も存在しますが、「Opera」シリーズはANCなしでも比較的遮音性が高い本体形状を採用しているため、むしろこれくらいの性能の方が実用的、という判断だったのかな、という気がします。そのため前述の通りイヤーピースが合わない場合はよりフィット感の高いものに交換してしっかり装着している状態でANCについても最も効果的に機能します。
ANC機能はタッチセンサーでも左側センサー長押しまたはアプリでモード変更ができます。ANC有効にした場合、環境ノイズや電車の走行音などの耳障りなノイズをかなり効率的に除去し静寂感を結構しっかり感じられます。いっぽうで完全な無音というわけでは無く、電車内などでのアナウンスなどはそれなりに聞こえます。それでもANCの効き方は自然でホワイトノイズも無く違和感をほぼ感じないこともありスペック以上に実用的な印象です。また外音取込みモードも思ったより自然な印象でした。
■ サウンドインプレッション
「SOUNDPEATS Opera05」の音質傾向は癖の無いニュートラルな傾向で、バランスは中低域寄りの弱ドンシャリ。「SOUNDPEATS」らしい実用的な音作りで、比較的深く厚みのある低域および臨場感のある空間表現が特徴的です。さらに従来モデルと比較しても明らかに解像感が向上しており、1音1音がより詳細に実感出来る印象です。また音場についてもより広く立体的に感じます。
いっぽうで音域ごとの音のつながりという意味でより詳細に聴くと、別々のドライバーが鳴っているという「ハイブリッドっぽい印象」も同時に感じられるでしょう。このハイブリッドらしさというのは決してネガティブな要素では無く、「メリハリの良さ」や「ボーカル域の粒立ち感」といった意味では、より聴かせどころにフォーカスしたサウンド、とも捉えられるでしょう。もちろん、つながりの良さや滑らかなバランスを重視される方も多くいらっしゃいますので、そういった点では「Opera03」とのチューニングの違いについても気になるところです。
「SOUNDPEATS Opera05」の高域は明瞭感があり、見通しの良さと直線的な伸びの良さを感じます。解像感という点で以前レビューした「Capsule 3 Pro」を確実に上回っており、ハイブリッド化による効果を実感します。同時に刺さり等の刺激はコントロールされており、標準のEQで十分な明瞭感があります。そのためイコライザの「高域強調」はシャリシャリした感じが前面に出てやり過ぎ感が出そうです。
中音域はボーカル帯域の主張がやや強調されているものの、全体としてはニュートラルで癖の無い印象で鳴ります。おそらくBAによって最も強調されている帯域で、ダイナミックドライバーによる凹みを補完し、より明瞭な輪郭と粒立ちを良くしているのを感じます。中高域にはアクセントがあり、女性ボーカルやピアノの高音がより明瞭に感じる印象があります。ハイブリッドらしさを感じる楽しさのある音作りですね。またイコライザの各モード、特にボーカル向けの「ロック」や「ポップス」では結構印象が変わるため、使ってみると好みの曲によっては印象が多少変わりそうですね。
低域は全体としてニュートラルなバランスでまとめられているため過度に主張することはありませんが、12mmの大口径ドライバーによる深さのある重低音の沈み込みなど比較的質の高い印象を受けます。ミッドベースは適度に締まりが有り直線的な印象で、聴きやすく全体をまとめてくれます。
■まとめ
というわけで、「SOUNDPEATS Opera05」は同社の旗艦モデルらしく、スペック面だけでなく、全体的な仕上がりという点で随所にこだわりを感じるモデルでした。高級モデルに相応しい外観を持っており、実用的なANC性能と、使いやすく解像感のあるハイブリッドサウンドと価格以上の実力を実感します。通常価格でも十分に競争力のあるワイヤレスイヤホンといえるでしょう。
とりあえずはMakuakeの割引価格での募集が実施されていますので、興味のある方は早めに入手されるのも良いと思います。特にLDAC環境を利用できるAndroidスマートフォンなどを利用されている方には幅広くお勧めできる製品だと思いますよ(^^)。
ワイヤレスイヤホンの専業ブランドとして13年もの歴史を持つ「SOUNDPEATS」ですが、日本でも低価格ながら高性能ANC搭載モデルまで幅広いナインナップで安定した人気を持つブランドとして定着している印象ですね。
その「SOUNDPEATS」が満を持してリリースする旗艦モデルが「Opera」シリーズです。長年にわたる経験と実績に加え、日本やアメリカを含む7カ国の7つの特許や23の実用新案などの独自技術により贅沢なサウンドを実現するモデルとのことです。「Opera」シリーズでは最新のBluetooth 5.3に加え「LDAC」コーデックに対応。20Hz~40kHzまでの周波数帯域に対応しハイレゾワイヤレス認証取得済みの仕様となっています。
ドライバーには上位モデルの「Opera05」は2BA+1DD、「Opera03」は1BA+1DDのハイブリッド構成を採用。大口径12mmのダイナミックドライバーに加え、バランスド・アーマチュア(BA)ドライバーが補完することでより高品質なサウンドを実現しています。
また最大-30dBのANC(アクティブノイズキャンセリング)と最大-50dBのノイズ低減による通話時の音声品質を高めるENC(通話ノイキャン)を搭載。片側2基、合計4基のマイクによりノイズレスのサウンドや通話が可能となります。またイヤホン本体も制振性に優れたメタルノズルの採用や本体形状にもこだわることで「パッシブ効果」により物理的な耳栓のような効果が得られる設計を採用しています。
本体は傷がつきにくい亜鉛合金を含む5つの素材を使用し、PVDコーティングと真空メッキなどの11の塗装を実施。鏡面仕上げによるイエローゴールドとマットブラックの組み合わせによる高級感のあるデザインに仕上げられています。その他9時間のバッテリー駆動時間、IPX4対応、「SOUNDPEATS」アプリ対応等、優れた機能要件を満たしています。
ドライバー | 2BA+1DD構成 12mmダイナミックドライバー + デュアル バランスド・ アーマチュア・ドライバー |
---|---|
Bluetooth | 5.3 |
コーデック | LDAC / SBC / (AAC) |
周波数帯域 | 20Hz~40kHz |
感度 | 30dB@1kHz |
ANC | ANC(-30dB)、ENC搭載 |
防水レベル | IPX4 |
再生時間 | 本体9時間/ケース込33時間 |
バッテリ容量 | 40mAh x2 + 300mAh(ケース) |
重量 | 7g(片側) / 58g(ケース込み) |
アプリ | 「SOUNDPEATS」アプリ (Android / iPhone用) |
「SOUNDPEATS Opera05」の予定価格は13,999円、同じく「Opea03」は10,999円となる予定ですが、3月24日よりMakuakeでスタートしたプロジェクトにより割引価格での募集を行っています。
最大40% OFFの募集は開始早々に予定数を達成してしまいましたが、レビュー掲載時点でMakuakeでは28% OFFの10,080円、ケースカバー付きセットで11,000円で応募が可能です。
Makuake: プロジェクト「SOUNDPEATS Opera05/Opera03」
■ パッケージ内容及び機能について
「SOUNDPEATS Opera05」のパッケージは本体写真とモデルの装着写真の2面ボックスで毎度ながらとても格好良いですね。
パッケージ内容はイヤホン本体およびイヤーピース(Mサイズ装着済み、S/Lサイズ同梱)、充電ケース、充電用USB Type-Cケーブル、説明書など。
本体はシャンパンゴールドのメッキ部分が落ち着いた豪華さを持っており、上位モデルらしい高級感があります。2BA+1DDハイブリッド構成で、ダイナミックドライバー部は大口径の12mmドライバー搭載ということもあり、本体は結構大きめのサイズ感。とはいえ、装着部分はAirPods Pro風のタマゴ型の楕円形のハウジングと短いステムノズルの構造により同社の従来モデルとほぼ同様のソフトな装着感を実現しています。
とはいえ本体は7.3g程と従来よりやや重いため、イヤーピースはしっかり合わせた方が良いでしょう。必要に応じてよりフィット感の高いイヤーピースへの交換もお勧めです。
ケースは本体サイズに比べるとかなりコンパクトにまとめられていると思います。そのためケースのバッテリ容量は従来モデルよりは少なめですが、それでもケース込み33時間と十分に実用的な容量を実現しています。
本体の取り出しがちょっとやりにくい感じはしましたが、爪で引っかけて取り出すと良いでしょう。慣れればそれほど問題なく使えると思います。
また、本体背面のロゴマーク部分がタッチセンサーになっていて、各種操作に対応します。感度もちょうど良くポンポンと押す感じで操作できます。シングルタッチでは音量の増減、ダブルタッチで再生/停止および受話/終話のタイプですね。
再生/停止 | 2回タッチ(右or左) |
---|---|
音量UP | 右側 タッチ |
音量DOWN | 左側 タッチ |
曲送り | 右側 1.5秒ロングタッチ |
ANC切替 | 左側 1.5秒ロングタッチ |
受話/終話 | 着信時2回タッチ(右or左) |
着信拒否 | 着信時1.5秒タッチ(右or左) |
通話切替 | 1.5秒ロングタッチ(右or左) |
音声 アシスタント | 3回タッチ(右or左) |
リセット | 充電ケースのマルチボタンを 10秒間長押し |
電源ON | 自動:充電ケースから取り出す 手動:1.5秒ロングタッチ |
電源OFF | 自動:本体をケースに戻す 手動:10秒ロングタッチ |
■ ペアリングおよび専用アプリについて
「SOUNDPEATS Opera05」で「LDAC」コーデックを利用するためには、ペアリングするスマートフォンなどのデバイスがLDACに対応していることが必要です。比較的新しいOSを搭載する一部の低価格モデルを除くAndroidスマートフォンの多くは対応していると思います(詳しくは利用する端末の仕様をご確認ください)。
対応するAndroid端末でペアリングすると最初からLDACコーデックで接続されます。再生品質を「自動」にしていると「ベストエフォート(アダプティブビットレート)」が選択されており、他に品質重視(330kbps)、バランス(660kbps)、音質重視(990kbps)といったモードが存在することを確認出来ます。
なお仕様では「LDAC」および「SBC」の対応とのことでしたが、「開発者向けオプション」でコーデックを確認すると実際には「AAC」コーデックにも対応しているようで、iPhone/iPadなどではAACコーデックでの接続となるようです。
サンプリングレートは「LDAC」の規格通り96kHz、そしてビットレートについては私の環境ではより高い「32bit」でペアリングしていました。仕様としては24bitと記載されていましたが、実際には32bitまでの接続ができたようです。
「SOUNDPEATS」アプリをインストールしておくとペアリング後にアプリを立ち上げた際に自動で認識します。正常に認識できたら画面左下のEQアイコンをタップすることで「カスタマイズ」画面を呼び出すことができます。
「カスタマイズ」画面では音量調整、各種EQ設定、ノイズキャンセリングで「ANC」モードの設定等が可能です。ANCモードおよび音量は本体のタッチセンサーでも変更できますが、画面だと分かりやすいですね。
イコライザー(EQ)については標準では「SOUNDPEATSクラシック」という状態になっています。ここで「ロック」などのジャンルや「高音強調」や「低域軽減」など8種類(クラシックも含めれば9種類)のプリセットモードが選択できます。このプリセットは結構実用的で、多くの場合はこのモードを選択するだけで十分に満足のいくサウンドを楽しめそうです。もちろん自分でEQをゴリゴリ設定したい方は「イコライザー(EQ)カスタマイズ」で個別のチューニングも可能です。
■ 接続性およびANC性能について
「SOUNDPEATS Opera05」は、Bluetooth 5.3対応により多くのスマートフォンで安定した接続性を実現しています。なお、仕様上の再生可能サンプリングレートは「20kHz~40kHz」ですが、LDACコーデック自体は接続可能であれば「24bit/96kHz」または「32bit/96kHz」でペアリングします。また「LDAC」コーデックでペアリングすると音声品質の設定が可能になります。一般的には「音質優先」または「自動」が選べます。「自動」では通信状態に合わせて最適なビットレートが選択されるため通常はこちらで問題ないでしょう。
接続性は非常に優れており、都心の混雑した環境でも快適に利用できますが、再生品質を「音質優先」(高ビットレートのモード)にすると街中など混雑した場所では多少途切れやすくなることもあるようです。屋外での利用は「再生品質」は「自動」が推奨です。またバッテリー駆動時間は最長で9時間ということですが、常時ANC有効、再生品質を高くしてもかなり長時間の利用ができバッテリー性能の高さも実感しました。たぶん「再生品質」を「自動」にしておけば、スペックに結構近い再生時間で使用できるのでは、という気がします。
「SOUNDPEATS Opera05」のアクティブノイズキャンセリング(ANC)機能は仕様としては「-30dB」で実用的な性能を示します。同社の製品のなかにはより高いANC性能の機種も存在しますが、「Opera」シリーズはANCなしでも比較的遮音性が高い本体形状を採用しているため、むしろこれくらいの性能の方が実用的、という判断だったのかな、という気がします。そのため前述の通りイヤーピースが合わない場合はよりフィット感の高いものに交換してしっかり装着している状態でANCについても最も効果的に機能します。
ANC機能はタッチセンサーでも左側センサー長押しまたはアプリでモード変更ができます。ANC有効にした場合、環境ノイズや電車の走行音などの耳障りなノイズをかなり効率的に除去し静寂感を結構しっかり感じられます。いっぽうで完全な無音というわけでは無く、電車内などでのアナウンスなどはそれなりに聞こえます。それでもANCの効き方は自然でホワイトノイズも無く違和感をほぼ感じないこともありスペック以上に実用的な印象です。また外音取込みモードも思ったより自然な印象でした。
■ サウンドインプレッション
「SOUNDPEATS Opera05」の音質傾向は癖の無いニュートラルな傾向で、バランスは中低域寄りの弱ドンシャリ。「SOUNDPEATS」らしい実用的な音作りで、比較的深く厚みのある低域および臨場感のある空間表現が特徴的です。さらに従来モデルと比較しても明らかに解像感が向上しており、1音1音がより詳細に実感出来る印象です。また音場についてもより広く立体的に感じます。
いっぽうで音域ごとの音のつながりという意味でより詳細に聴くと、別々のドライバーが鳴っているという「ハイブリッドっぽい印象」も同時に感じられるでしょう。このハイブリッドらしさというのは決してネガティブな要素では無く、「メリハリの良さ」や「ボーカル域の粒立ち感」といった意味では、より聴かせどころにフォーカスしたサウンド、とも捉えられるでしょう。もちろん、つながりの良さや滑らかなバランスを重視される方も多くいらっしゃいますので、そういった点では「Opera03」とのチューニングの違いについても気になるところです。
「SOUNDPEATS Opera05」の高域は明瞭感があり、見通しの良さと直線的な伸びの良さを感じます。解像感という点で以前レビューした「Capsule 3 Pro」を確実に上回っており、ハイブリッド化による効果を実感します。同時に刺さり等の刺激はコントロールされており、標準のEQで十分な明瞭感があります。そのためイコライザの「高域強調」はシャリシャリした感じが前面に出てやり過ぎ感が出そうです。
中音域はボーカル帯域の主張がやや強調されているものの、全体としてはニュートラルで癖の無い印象で鳴ります。おそらくBAによって最も強調されている帯域で、ダイナミックドライバーによる凹みを補完し、より明瞭な輪郭と粒立ちを良くしているのを感じます。中高域にはアクセントがあり、女性ボーカルやピアノの高音がより明瞭に感じる印象があります。ハイブリッドらしさを感じる楽しさのある音作りですね。またイコライザの各モード、特にボーカル向けの「ロック」や「ポップス」では結構印象が変わるため、使ってみると好みの曲によっては印象が多少変わりそうですね。
低域は全体としてニュートラルなバランスでまとめられているため過度に主張することはありませんが、12mmの大口径ドライバーによる深さのある重低音の沈み込みなど比較的質の高い印象を受けます。ミッドベースは適度に締まりが有り直線的な印象で、聴きやすく全体をまとめてくれます。
■まとめ
というわけで、「SOUNDPEATS Opera05」は同社の旗艦モデルらしく、スペック面だけでなく、全体的な仕上がりという点で随所にこだわりを感じるモデルでした。高級モデルに相応しい外観を持っており、実用的なANC性能と、使いやすく解像感のあるハイブリッドサウンドと価格以上の実力を実感します。通常価格でも十分に競争力のあるワイヤレスイヤホンといえるでしょう。
とりあえずはMakuakeの割引価格での募集が実施されていますので、興味のある方は早めに入手されるのも良いと思います。特にLDAC環境を利用できるAndroidスマートフォンなどを利用されている方には幅広くお勧めできる製品だと思いますよ(^^)。