7Hz Legato

こんにちは。今回は 「7Hz LEGATO」です。2DD仕様のイヤホンで、6mmツィーターと10mmウーファーの2基のダイナミックドライバーを直列に配置し、専用のネットワーク基盤による制御を行うことで質の高いサウンドを実現しています。低域メインのサウンドバランスに加え、アルミ製のシンプルかつ多少無骨なデザインが独特の印象を感じさせますね。

■ 製品の概要について

個性的なイヤホン製品でマニアの注目度が高まっている中華イヤホンブランド「7Hz(Seven Hertz)」の最新モデルです。6mmと10mmの2サイズのダイナミックドライバーを組み合わせた2DD仕様で、またまた流行りだしている構成をフォロワーかな、と思いきや金属製のハウジングに2種類のドライバーをステムノズルから直列で配置する、ちょっと以前の製品ではよく見られた構成です。
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ある意味トラディショナルな印象もある製品ですが、2種類のドライバー以上に、さらに背面に配置されたクロスオーバー制御のネットワーク回路による出力調整が単純な低価格2DDイヤホンとは異なる要素です。2DD構成ながらマルチBAイヤホンのようなコントロールを行っているわけですね。
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搭載ドライバーは高域および中音域用の6mmのダブルキャビティ・ダイナミックドライバーと10mmの第4世代DLC複合振動板ダイナミックドライバーの2種類。6mmツィーターは軽量かつ高剛性の金属振動板を採用し、卓越した高音域を実現。10mmウーファーは第4世代のDLC複合振動板に加え、強力なN52マグネットを採用し、大胆でボディのあるパンチの効いた低音と深い鳴りを実現します。
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7Hz LEGATO」の購入はAliExpressのAngelears Audioにて。価格は109ドルです。
※Angelearsより10ドルOFFのクーポンコード「I71IQLST7FUU」が配布されています。
コード利用で99ドルで購入可能です。



■ パッケージ構成、製品の外観および内容について

7Hz LEGATO」のパッケージは製品画像を描いたボックス。結構大きいサイズのハードケースを採用しており、このケースを覆うようなパッケージになっています。
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パッケージ内容はイヤホン本体、ケーブル(装着済み)、イヤーピースが「AET07」風が5サイズ、濃紺の「AET08」風が3サイズ、予備メッシュパーツ、ハードケース。
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イヤホン本体はアルミ合金製で、シンプルというか、結構無骨な感じのデザインですね。アルミですので外観に対して重量はそれほど重くはないため重さで耳から落ちる、ということは少ないでしょう。形状としてはフェイス部分のサイズは比較的コンパクトで厚みがありステムノズルが長い、多機能TWSみたいなデザインともいえます。
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そのため耳への収まりは比較的良く、装着性も悪くありません。多くの場合は付属の「AET07」互換または「AET08」互換のイヤーピースでしっかり装着出来るでしょう。ほかには定番の「スパイラルドット」や「SpinFit CP100+」。個人的にお勧めしているTRN「T-Eartips」など耳にフィットする製品を選択するのも良いでしょう。
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ケーブルは0.78mm 2pin使用でOCC+銀メッキOCCのミックス線タイプの4芯ケーブルが付属します。弾力のあるダークブラウンの被膜で本体のデザインとも合っていますね。やや太さのあるケーブルですが取り回しは良好です。また結構大きいサイズのハードケースが付属しますが内部でイヤホン形状に底上げされています。それでも小型DAPやオーディオアダプターあたりなら一緒に入れられそうです。


■ サウンドインプレッション

7Hz LEGATO」の音質傾向は中低域寄りのドンシャリ。10mmウーファーによる非常に厚みがあり力強い低域が印象的なサウンドです。同時に中高域および高域もシャープさがあり鮮明で、2種類のドライバーを使用した2DD構成のメリットを上手く反映している印象です。低域は厚みがあり前面に定位しますが、中高域との分離は良く、籠もるような印象はありません。臨場感を感じさせつつ明瞭で楽しいリスニングができるイヤホンだと感じます。
7Hz LEGATO仕様としてはインピーダンス26Ω、感度108dBとやや鳴らしにくいものの、中音域を中心に考えればコンパクトな再生環境でもある程度十分にならすことは出来ますが、パワフルな低域はより駆動力のある再生環境のほうが実感しやすいでしょう。
逆にこの手の製品で多い出力や音量を上げると高域や低域が暴れて過度なドンシャリになるという傾向は「7Hz LEGATO」ではほぼ見られず、ある程度メリハリが強くなる、という程度でコントロールされています。特徴としてあげているネットワーク回路でのクロスオーバー制御が上手く機能しているようですね。

7Hz LEGATO」の高域は全体のバランスとしてはやや控えめな印象ですが、籠もること無く明瞭な音を鳴らします。ただ小型のDAPやオーディオアダプターではやや輪郭が緩めに感じる印象もあります。しかし駆動力のある環境で鳴らすことで鮮やかさのある明瞭なサウンドを実感出来ます。ここでは出力の大きさだけではなくアンプからの供給電力も含めた駆動力となりますのでポータブルDACや小型DAPの場合は単独のポータブルアンプを挟むだけでも結構印象は変わりそうです。

7Hz Legato中音域は癖の無い明瞭かつキレのある音を鳴らします。6mmドライバーは10mmウーファーと直列でより耳に近い位置に配置されていることもあり、ボーカル域は結構ダイレクトに耳に入り、近くで定位します。全体を覆うように存在感を示す低域のなかでもキレのある音で存在感を示しており、女性ボーカルやピアノの高音も綺麗な印象。ただし、こちらも高域同様に再生環境に依存し、一般的な出力(あるいはゲイン)のDAPなどで音量を上げずに聴くと、籠もることは無いもののやはり大人しめでややウォーム寄りの印象に感じます。こういった印象は主に低価格帯で低域寄りのドンシャリ傾向では少なくもないのですが、そのような製品の多くでは過度にゲインを高めたり駆動力を上げるとドライバーのポテンシャルが追いつかずに音が暴れ出すことも少なくありません。しかし「7Hz LEGATO」の場合は結構高出力な環境のハイゲインで鳴らしても前述の通り暴れることなく、しっかり中高域および高域の存在感と解像感、キレなど、本来のサウンドが覚醒するような印象を実感出来ます。また音場も適度な広さと十分な奥行きがあり、臨場感のあるサウンドを楽しめます。

7Hz LEGATO低域は「7Hz LEGATO」の特徴とされるパワーのある低域が非常に特徴的です。小型のオーディオアダプターではミッドベースの厚みが前面に出る印象ですが、実際は重低音が非常に深く、かつ重い印象で十分に駆動力のある環境では地鳴りのような底から突き上げてくるエネルギーの強さを実感出来ます。またこちらも再生環境への依存度は大きいものの、DLC振動板らしく全体的に解像感は高くキレのある印象で音数の多いEDMなどの音源でも非常に楽しめる印象です。低域を効かせまくった曲こそ楽しめる、しっかり鳴らせば音色や質感は価格以上なイヤホンだと思います。


■ まとめ

7Hz LEGATOというわけで、「7Hz LEGATO」は100ドルクラスで低域を楽しめるイヤホンとしてはかなりお勧めできる製品だと感じました。ウィークポイントは再生環境での印象の違いで、結構しっかりしたケーブルが付属しているにもかかわらず並のオーディオアダプターやDAPでは物足りない、というくらい、とくにポータブルでの利用では「本気を出させる」が大変かもしれません。駆動力での変化が大きい問いと言うことはリケーブル効果も大きいことを意味しますので、情報量が多いバランス接続ケーブル等を合わせてみるのも良いかも知れませんね。渋い外観も含め気になった方は挑戦してみてくださいね。