こんにちは。今回は「TRIPOWIN PICCOLO」です。比較的コンパクトな金属製シェルに11mm LCP振動板ダイナミックドライバーをシングルで搭載し、35ドル、4千円台の低価格を実現したイヤホンです。同社の「TRIPOWIN Lea」よりアップグレードした手堅いサウンドが魅力的な製品ですね。
■ 製品の概要について
「TRIPOWIN PICCOLO」は「TRIPOWIN」としては第3世代となるLCP(液晶ポリマー)振動板ダイナミックドライバーを搭載。従来と同様の密度を維持しながら僅か数μmの極薄設計となり、より低い全高調波歪みと優れた応答性を実現しています。また従来より高域の耳障りさを除去しながらこう書きな拡張を実現しています。
またバランスの取れたサウンドチューニングを実施しつつサブベースの伸びを向上しており、中音域の自然な音色を変えることなく、十分な低音のパワーと存在感を実現しています。中音域はニュートラルでモニターのような表現力で楽器やボーカルを再生します。ケーブルは0.78mm 2pinコネクタを採用し、高純度OCC線材を採用します。
パッケージ内容はイヤホン本体と装着済みケーブル、イヤーピースは大小2サイズ、説明書、保証書。イヤーピースが最小限なのは交換することも想定しているのかもしれませんね。
本体は金属製で、サイズは耳に収まりやすいコンパクトサイズ。「Lea」と比べるとフェイス部分のサイズはそれほど変わりませんが、より厚みのあるデザインでちょっと重量感があります。コネクタはqdcと互換性のあるカバー形状の2pinタイプですね。
ケーブルも本体カラーに合わせて被膜のカラーリングが異なり、ブラックの場合は黒の樹脂被膜で覆われたケーブルが付属します。被膜は適度に弾力がありますが柔らかく取り回しは良い印象。イヤホン本体はちょっと重量がありますが小振りなため装着性も比較的良好です。
イヤーピースはあまりコシの無いシリコンタイプが2サイズ付属していますが、多くの方は交換を前提するだろうと言うことかもしれません。定番のJVC「スパイラルドット」や「AET07」(互換品含む)、「SpinFit CP100+」や、個人的に最近よく使っている「TRN T-Eartips」などよりフィット感の良い製品を組み合わせるのが良いと思います。
■ サウンドインプレッション
「TRIPOWIN PICCOLO」の音質傾向はフラット寄りのニュートラルバランスで、同社のLCP振動板搭載モデル「TRIPOWIN Lea」と一貫性を感じるチューニングです。しかし全体的な質感は「Lea」より大幅に向上しており、特に高域については派手さを抑えより聴きやすいバランスにしつつ分離の良さや適度な伸びやかさを感じる仕上がりになっています。中音域は癖の無いサウンドですが適度に近く分離の良い音を鳴らします。低域は適度に締まりのある音を鳴らします。
「Lea」はイヤピとケーブルを交換することで結構「化ける」イヤホンでしたが、「TRIPOWIN PICCOLO」はドライバーの質感やチューニングを向上させつつ比較的情報量の多い、よりアップグレードしたケーブルを付属することで、しっかり耳にフィットするイヤーピースを選択することでよりレベルアップしたサウンドを楽しむことが出来ます。
「TRIPOWIN PICCOLO」の高域は聴きやすくまとめつつ、比較的明瞭で伸びのある音を鳴らします。「Lea」と比べると派手さは控えめになっていますが、適度に主張はあり、不足感は少なく中高域からの適度な抜け感があり派手さは無いものの籠もり感もなくスッキリまとめていると思います。とはいえ高域の突き抜けるような伸び感が欲しい方や鋭い音をしっかり捉えたい方には相当穏やかで物足りないかも。解像感は一般的ですがハイハットなども綺麗です。
中音域は癖の無いサウンドですがボーカル域を中心に適度に近く分離の良い音を鳴らします。明瞭さのあるLCP振動板らしい音ですが、過度に寒色方向にはならずボーカルは僅かに温かさもあります。十分な解像感を持ちつつ輪郭は自然で聴きやすい印象ですね。音場は左右には普通からやや狭い印象ですがボーカルと演奏にはレイヤー感があり奥行きは立体的です。全体的に小気味よさを感じる粒感のあるサウンドで聴きやすいですが、派手さやキレの良さはあまり感じないため、臨場感や迫力は控えめかも知れません。
低域はミッドベースを中心に小気味よさがあり適度に締まりのある音を鳴らします。付属イヤーピースは柔らかくコシが無いためかちょっと物足りない印象ですが、よりフィット感の良いイヤーピースに交換することで低域の印象も変化します。中高域同様に直線的な印象でスピード感があります。適度な深さがありますが沈み込みは強調されないため、重く深い低域を好まれる方にはやや軽めに感じます。
■ まとめ
というわけで、「TRIPOWIN PICCOLO」はLCP振動板を採用した同社製低価格イヤホンのアップグレードモデル、という印象で、派手さや個性はほぼ感じないものの、「TRIPOWIN」らしい「手堅さ」を感じさせるイヤホンだと思いました。刺激を抑えつつ要所を押さえた聴きやすいサウンドで、ボーカル曲以外でも楽しめるイヤホンだと思います。またベースとしてニュートラルにまとめられていることもあり、わざとクセの強いケーブルに交換して遊んでみる、などの楽しみ方もできそうです。
お手頃価格の製品ですし、普段使いのアイテムとして、ちょっと遊んでみる素材として持っているのも良いと思いますよ(^^)。
「TRIPOWIN」は数々のコストパフォーマンスに優れたイヤホンやケーブル製品をリリースしている、中国のオーディオメーカー&セラー「Linsoul」系のブランドです。同じく「Linsoul」系の「THIE AUDIO」が比較的ハイグレードな製品も多いのに対し、「TRIPOWIN」ではより個性的なモデルが数多くリリースされている印象がありますね。最近では一部製品を国内代理店での取扱いを開始したり、HBB氏とのコラボシリーズの人気が高かったりと注目度もより向上しています。
今回の「TRIPOWIN PICCOLO」は金属製ハウジングと11mmサイズのLCP振動板デュアルキャビティダイナミックドライバーをシングルで搭載し、35ドルと低価格を実現したモデルです。LCP振動板のモデルというと「超廉価版Aria」みたいな様相もあった「TRIPOWIN Lea」がありましたが、今回はより中低域寄りのニュートラルな仕上がりになっています。
「TRIPOWIN PICCOLO」は「TRIPOWIN」としては第3世代となるLCP(液晶ポリマー)振動板ダイナミックドライバーを搭載。従来と同様の密度を維持しながら僅か数μmの極薄設計となり、より低い全高調波歪みと優れた応答性を実現しています。また従来より高域の耳障りさを除去しながらこう書きな拡張を実現しています。
またバランスの取れたサウンドチューニングを実施しつつサブベースの伸びを向上しており、中音域の自然な音色を変えることなく、十分な低音のパワーと存在感を実現しています。中音域はニュートラルでモニターのような表現力で楽器やボーカルを再生します。ケーブルは0.78mm 2pinコネクタを採用し、高純度OCC線材を採用します。
カラーバリエーションは「シルバー」と「ブラック」の2色。シルバーは鏡面仕上げで、ブラックはつや消しとなっています。
「TRIPOWIN PICCOLO」の購入はアマゾンのLINSOUL-JP(L.S オーディオ)にて。
「TRIPOWIN PICCOLO」の購入はアマゾンのLINSOUL-JP(L.S オーディオ)にて。
価格は海外(Linsoul)が35ドルでアマゾンでは4,650円で購入可能です。
LINSOUL-JPではプライム扱いで国内在庫を用意しているようです。
免責事項:
本レビューではレビューサンプルとして Linsoul より製品を提供いただきました。機会を提供してくださったことに感謝します。ただし本レビューに対して金銭的やりとりは一切無く、レビュー内容が他の手段で影響されることはありません。以下の記載内容はすべて私自身の感想によるものとなります。
■ パッケージ構成、製品の外観および内容について
「TRIPOWIN PICCOLO」の白地に製品画像を載せたシンプルなパッケージデザインで、化粧カバーを外すとロゴがプリントされたブラックのボックスが現れます。今回は「ブラック」の製品が届きました。
パッケージ内容はイヤホン本体と装着済みケーブル、イヤーピースは大小2サイズ、説明書、保証書。イヤーピースが最小限なのは交換することも想定しているのかもしれませんね。
本体は金属製で、サイズは耳に収まりやすいコンパクトサイズ。「Lea」と比べるとフェイス部分のサイズはそれほど変わりませんが、より厚みのあるデザインでちょっと重量感があります。コネクタはqdcと互換性のあるカバー形状の2pinタイプですね。
ケーブルも本体カラーに合わせて被膜のカラーリングが異なり、ブラックの場合は黒の樹脂被膜で覆われたケーブルが付属します。被膜は適度に弾力がありますが柔らかく取り回しは良い印象。イヤホン本体はちょっと重量がありますが小振りなため装着性も比較的良好です。
イヤーピースはあまりコシの無いシリコンタイプが2サイズ付属していますが、多くの方は交換を前提するだろうと言うことかもしれません。定番のJVC「スパイラルドット」や「AET07」(互換品含む)、「SpinFit CP100+」や、個人的に最近よく使っている「TRN T-Eartips」などよりフィット感の良い製品を組み合わせるのが良いと思います。
■ サウンドインプレッション
「TRIPOWIN PICCOLO」の音質傾向はフラット寄りのニュートラルバランスで、同社のLCP振動板搭載モデル「TRIPOWIN Lea」と一貫性を感じるチューニングです。しかし全体的な質感は「Lea」より大幅に向上しており、特に高域については派手さを抑えより聴きやすいバランスにしつつ分離の良さや適度な伸びやかさを感じる仕上がりになっています。中音域は癖の無いサウンドですが適度に近く分離の良い音を鳴らします。低域は適度に締まりのある音を鳴らします。
「Lea」はイヤピとケーブルを交換することで結構「化ける」イヤホンでしたが、「TRIPOWIN PICCOLO」はドライバーの質感やチューニングを向上させつつ比較的情報量の多い、よりアップグレードしたケーブルを付属することで、しっかり耳にフィットするイヤーピースを選択することでよりレベルアップしたサウンドを楽しむことが出来ます。
「TRIPOWIN PICCOLO」の高域は聴きやすくまとめつつ、比較的明瞭で伸びのある音を鳴らします。「Lea」と比べると派手さは控えめになっていますが、適度に主張はあり、不足感は少なく中高域からの適度な抜け感があり派手さは無いものの籠もり感もなくスッキリまとめていると思います。とはいえ高域の突き抜けるような伸び感が欲しい方や鋭い音をしっかり捉えたい方には相当穏やかで物足りないかも。解像感は一般的ですがハイハットなども綺麗です。
中音域は癖の無いサウンドですがボーカル域を中心に適度に近く分離の良い音を鳴らします。明瞭さのあるLCP振動板らしい音ですが、過度に寒色方向にはならずボーカルは僅かに温かさもあります。十分な解像感を持ちつつ輪郭は自然で聴きやすい印象ですね。音場は左右には普通からやや狭い印象ですがボーカルと演奏にはレイヤー感があり奥行きは立体的です。全体的に小気味よさを感じる粒感のあるサウンドで聴きやすいですが、派手さやキレの良さはあまり感じないため、臨場感や迫力は控えめかも知れません。
低域はミッドベースを中心に小気味よさがあり適度に締まりのある音を鳴らします。付属イヤーピースは柔らかくコシが無いためかちょっと物足りない印象ですが、よりフィット感の良いイヤーピースに交換することで低域の印象も変化します。中高域同様に直線的な印象でスピード感があります。適度な深さがありますが沈み込みは強調されないため、重く深い低域を好まれる方にはやや軽めに感じます。
■ まとめ
というわけで、「TRIPOWIN PICCOLO」はLCP振動板を採用した同社製低価格イヤホンのアップグレードモデル、という印象で、派手さや個性はほぼ感じないものの、「TRIPOWIN」らしい「手堅さ」を感じさせるイヤホンだと思いました。刺激を抑えつつ要所を押さえた聴きやすいサウンドで、ボーカル曲以外でも楽しめるイヤホンだと思います。またベースとしてニュートラルにまとめられていることもあり、わざとクセの強いケーブルに交換して遊んでみる、などの楽しみ方もできそうです。
お手頃価格の製品ですし、普段使いのアイテムとして、ちょっと遊んでみる素材として持っているのも良いと思いますよ(^^)。