WGZBLON X HBB Z300

こんにちは。今回は 「WGZBLON(BLON)X HBB Z300」 です。10mmシリコン振動板ダイナミックドライバーをシングルで搭載したアンダー50ドル級のモデルで、最近ではすっかりお馴染みとなったHBB氏コラボによるモデルとして登場しました。ドラゴンをモチーフとした豪華なデザインとBLONらしい厚みのある低域が特徴的な低価格中華イヤホンです。

■ 製品の概要について

「WGZ BLON(BLON)」は、比較的低価格帯の製品を中心に展開している中華イヤホンブランドで金属ハウジングの個性的なイヤホンが特徴ですね。パワフルな低域に特徴のある評価の高いモデルから強烈な外観がマニアの間でも大きな話題となったモデルまで、豊富なバリエーションを揃えつつ、ベースとなる技術力は高く低価格でも手堅い製品を常にリリースしている印象です。

今回の「WGZBLON (BLON) X HBB Z300」は以前リリースされた「Z200」の上位モデルに位置づけられるシングルダイナミック構成のモデルで、様々なメーカーとのコラボを行っている「HBB(hawaiibadboy)」氏とのコラボしようモデルとなります。フェイスプレートは「Dancing with Dragons(ダンシングドラゴン)」をモチーフにしたデザインとなっています。
WGZBLON (BLON) X HBB Z300WGZBLON (BLON) X HBB Z300

WGZBLON X HBB Z300」のドライバーには10mmサイズのシリコン振動板ダイナミックドライバーをシングルで搭載。優れたサウンドパフォーマンスに加え、HBB氏とのコラボレーションにより卓越したチューニングが実施されています。
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また本体は同社製イヤホンではお馴染みの亜鉛合金による金属製シェルを採用。高級感のある梨地処理されたブラックカラーモデルと、金メッキ処理により洗練された美しさを演出するゴールドモデルを選択可能。フェイスには「Dancing with Dragons(ダンシングドラゴン)」が描かれており、高貴の象徴である龍を大胆かつ臨場感あふれるサウンドで体現したイメージとなっています。
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WGZBLON(BLON)X HBB Z300」のカラーバリエーションは「ゴールド」と「ブラック」の2色。
購入はLinsoulの直営店(linsoul.com)またはアマゾンの「LINSOUL-JP」にて。
価格は4芯高純度銅線の3.5mmケーブル付属が 35ドル4,690円です。
また3.5mmケーブル+マイク付きケーブルのセットは 39.99ドル5,450円で用意されています。
他にも4芯高純度銅線の4.4mmバランス接続タイプのケーブル付属が 36.99ドル5,080円
4.4mmケーブルとマイク付きケーブルのセットは 45.99ドル6,280円となります。
Linsoul(linsoul.com): BLON X HBB Z300
Amazon.co.jp(LINSOUL-JP): WGZBLON X HBB Z300


■ パッケージ構成、製品の外観および内容について

WGZBLON(BLON)X HBB Z300」のパッケージはコンパクトな白箱タイプ。KZやTRN、最近だとKBEARなんかのパッケージと同様な感じですね。フェイスプレートと同様の「Dancing with Dragons」がラインアートで描かれたデザインです。
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パッケージ内容はイヤホン本体、ケーブル、イヤーピースは白色と黒色の2タイプ、それぞれS/M/Lサイズ。布製ポーチ、説明書。今回はゴールドの3.5mmタイプで届きました。ケーブルは3.5mmと4.4mmが選択可能で、どちらもマイク付きを選択すると通常ケーブルと、マイク付きケーブルの2本が付属するようです。
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本体は亜鉛合金による金属製で低価格イヤホンとは思えない重量感と質感があります。金属製のちょっと凝ったシェルはWGZBLON(またはBLON)と得意とするところですね。シェルサイズ同社の「BL-07」に近く、やや縦長で比較的コンパクトなサイズ。同社製のイヤホンは奇抜なデザインの製品も多いですが、比較的一般的な形状で装着性も良好です。ゴールドは鏡面処理が施されていますが、ブラックは梨地のつや消し加工になっているようです。
WGZBLON X HBB Z300WGZBLON X HBB Z300
フェイスパネルにはこの製品を示す「Dancing with Dragons」のラインアートが描かれています。ブラックモデルではゴールドのライアンアートとして描かれますが、ゴールドモデルでは逆にベース部分が砂打ちによるつや消し加工による表現となっています。
WGZBLON X HBB Z300WGZBLON X HBB Z300
ケーブルは4芯タイプの高純度銅線ケーブルが付属します。0.78mm 2pin仕様ですが、カバー形状はWGZBLON独自のもので、qdc等とは互換性は無いため注意が必要です。リケーブルの場合は中華2pin、CIEM 2pin、または完全には突起部分を覆うことはできませんが、TFZタイプも形状としては使用できます。
イヤーピースは2種類のシリコンタイプが付属しますが、亜鉛合金製でやや重量のあるシェルのため、耳から落ちないようにイヤーピースである程度しっかり固定できるよう、フィット感の良いものを選びたいところです。付属品のほか、定番の「スパイラルドット」や「AET07」(互換品含む)、「SpinFit CP100+」、個人的に最近よく使っている「TRN T-Eartips」などを組み合わせるのも良いと思います。


■ サウンドインプレッション

WGZBLON X HBB Z300WGZBLON X HBB Z300」の音質傾向は中低域寄りの弱ドンシャリ。HBB氏コラボ製品のなかでも割と王道の攻めた、という感じのニュートラルさをベースにしつつ適度な低域の厚みとボーカル域が心地よく耳に届く印象があります。方向性としては「TRI x HBB KAI」等に近いイメージですが、より中低域が厚く、若干ウォームな方向にまとめられています。「BL-03」以降、低域の厚みに特徴のある製品と、「BL-A8」など奇抜な外観に対して万人受けしやすいサウンドの製品といったアプローチが特徴の「WGZBLON(BLON)」に対して、HBB氏は自身が提示するターゲットカーブをベースにしつつ、「聴きやすい自然なバランス」と「適度に温かく中低域に厚みのあるサウンド」というキャラクターを与えたようですね。見た目のゴージャス(?)さに対して派手さは無く、解像感やキレの良さを楽しむ方向のサウンドではありませんが、使いやすく、厚みのある低域が心地よいサウンドにまとまっていると思います。

WGZBLON X HBB Z300」の派手さはありませんが曇ることなく直線的にまとめられています。伸びの良さや見通しという点では「TRI x HBB KAI」などの製品に比べるとかなり控えめな印象で、ボーカル域を支える自然な高域、という印象。決して主張が少ないというわけではありませんが、中音域のパワーに対して曲によっては細かい音を捉えられない場合もあります。高域好きの方にはあまり向かないかも知れませんね。

WGZBLON X HBB Z300中音域は癖の無い印象ですが、凹むことなくより密度感と強めの主張があります。ボーカル域はやや前面で定位します。主張は強めなもののバランスとして中音域は印象としてはフラットに近く、メリハリはやや少なく感じるかも知れませんね。そのためややウォーム気味に感じさせますが音像の輪郭は比較的ハッキリしておりある程度の解像感や分離性は確保されています。派手さやスッキリした明瞭感を求める方にはやや暗く感じるかもしれません。音場は一般的です広さはある程度確保されていますがもう少し奥行きが欲しいと感じるかもしれません。

低域は厚みやパワーを感じさせつつレスポンスの良さも感じさせます。やはりWGZBLONにとって低域は得意な音域なんだろうなと感じさせます。重低音は重く深く沈み強烈なエネルギーがありますが解像感や分離は確保されておりタイトな印象です。ミッドベースは直線的ながらスピード感のあるアタックとパンチ力があり、この価格帯としては質の高さを感じさせます。ただ曲によっては多少低域が強くなり、若干ですが中高域がマスクされるような印象もあり、全体としてウォーム方向に感じる理由のひとつになっているかも知れませんね。


■ まとめ

WGZBLON X HBB Z300というわけで、「WGZBLON X HBB Z300」はHBB氏らしいやや中低域寄りで癖の無いバランスの良さを持ちつつ、厚みのある質の良い低域が魅力のイヤホンだと感じました。主にロック、ポップス、アニソンなどのボーカル曲に相性の良さがありますね。多くの場合聴きやすく楽しいサウンドですが、低域成分の多いハードロックなどではやや聴き疲れもあるかも知れません。またキレの良いスッキリしたサウンドを好まれる方には結構緩めの印象になると思いますし、高域の伸び感などがもっと欲しいと感じる場合もあるでしょう。多くのブランドとコラボしているHBB氏だけに、それぞれのメーカーの特徴をサウンドデザインにも取り入れているようで、そういった意味では「WGZBLON(BLON)」らしいサウンドではあるものの、オールラウンダーではない、という点も踏まえておいた方が良いでしょう。とはいえお手頃価格でビルドクオリティも高く、使いやすいサウンドに仕上がっているという点で、気軽に楽しめる製品として良い思いますよ。