AFUL Performer8

こんにちは。今回は「AFUL Performer8」です。 数々の特許技術を投入し、ハイブリッドの特徴を活かしつつ驚くほど滑らかで自然なサウンドを実現したAFULが、7BA+1DDの8ドライバー構成で仕上げた上位グレードの最新モデルです。その完成度の高いサウンドは発売前から大きな話題となり、5万円クラスの製品ながらリリース開始と同時にアマゾンの初回入荷分は即完売。高評価モデルとして一気に注目を集めていますね。
■ 製品の概要について

「AFUL Acoustics」は中国の新進気鋭の中華イヤホンブランドで、より質の高いパフォーマンスを提供するため、複数の特許技術を取得しています。「AFUL」が最初にリリースした4BA+1DD構成の「Performer 5」はハイブリッド構成ながら非常に滑らかで上質なサウンドにより多くのユーザーから非常に高い評価を得ました。
→ 過去記事:「AFUL Performer 5」 数多くの特許技術により上質なハイブリッドサウンドを実現。派手さは無いが何か凄い4BA+1DDミドルグレード中華イヤホン【レビュー】

そして今回の「AFUL Performer8」では7BA+1DDの8ドライバー構成にアップグレードされ、「Performer 5」でも採用された数々の特許技術をより積極的に採用し、比類のない明瞭さと豊かな質感を備え、フラグシップなサウンドパフォーマンスを実現しています。
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AFUL Performer8」は7BA+1DDのハイブリッド構成で、ダイナミックドライバー部は8mmサイズのバイオロジカル振動板ダイナミックドライバーを搭載。さらに2基の中低域BA、2基のミッドレンジBA、3基の高域用BAの合計7基のカスタムBA(バランスド・アーマチュア)ドライバーを搭載し、4Wayのクロスオーバーで構成されます。

ここで「AFUL Performer8」では特許を持つ独自クロスオーバー技術「RLC ネットワーク周波数分割補正技術」(RLC Network Frequency Division Technology)を採用。多数の抵抗とコンデンサを組み合わせ、ドライバー間のサウンドを同時に調整することでクロスオーバー処理を適切に行うだけでなく、特定の周波数帯域でのチューニングの上で望ましくない周波数応答を修正し、ピークや不規則性のない滑らかなサウンド実現します。
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また同様にAFULの特許技術である「高減衰空気圧バランスシステム」(High-Damping Air-Pressure Balance System)により、装着時の外耳道内の気圧を逃がし空気圧のバランスを整えることで長時間の利用でも装着疲労を軽減し、さらに低域の弾力性も向上します。そして高精度な3Dプリントによる独自の音響管構造により、「AFUL Performer8」では、超長&超薄型の 62.55mm 低域用チューブ、46.77mm中低域用チューブ、10.61mm中音域用チューブを採用。それぞれの音導管の合計は「Performer5」の3倍以上の長さとなり、より広い周波数応答範囲、より正確な楽器、より豊かな音色を実現。さらに音の密度も向上し、音場も広くなったとのことです。

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AFUL Performer8」はこれらの特許技術を実現するためにAFULの音響エンジニアの職人技により精緻に設計され、高精度3Dプリンタにより軽量かつ精密に成形されています。さらに高級感が増したフェイスプレートと0.78mm 2pin仕様の4芯 高純度単結晶銅銀メッキ線が採用されています。
※詳細はAFUL社サイト(afulaudio.com)、または当ブログの「新製品情報」も参照ください。

AFUL Performer8」の価格は369.99ドル、日本ではアマゾンにて税込み51,358円で購入可能です。
※初回の国内入荷分は早々に完売した模様。現在は中国からの発送となります。
Amazon.co.jp(HiFiGo): AFUL Performer8


■ パッケージ構成、製品の外観および内容について

AFUL Performer8」のパッケージは製品画像を載せた比較的シンプルなデザイン。背面には中国語、英語、日本語での仕様が掲載されています。なお写真のパッケージ記載のインピーダンス30Ωは誤記と言うことで、現在出荷されている製品では「26Ω」と記載されている模様です。
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パッケージ内容は、イヤホン本体、ケーブル、イヤーピース、ハードケース。説明書、保証書など。ケースは「Performer5」の金属ケースより高級感のあるものになりました。
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本体は3Dプリンティングによるレジン製。シェル形状自体は「AFUL Performer8」も「Performer5」とほぼ同じで、コンパクトで装着性にも優れた形状です。非常に軽量で質感は非常に高く、写真以上に高級感もあります。
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フェイスプレートはサイト写真では「Performer5」とあまり違いが無いようにも見えますが、実際は「AFUL Performer8」のほうが落ち着いたカラーで、斜めに層になっているストライプが美しく、仕上げもより丁寧です。実物で見比べると違いは一目瞭然ですね。
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なお、「AFUL Performer8」は8基のドライバーを使用した4Wayのクロスオーバー仕様ですがステムノズル部分から出ている音導管の開口部は3つの仕様となっています。ケーブルはシルバーとカッパー色の線を編み込んだ線材を使用した4芯タイプで見た目の上でも高級感が増しています。線材の被膜は薄くしっかり編み込まれているため取り回しは良好です。
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イヤーピースは通常の黒色のものが4サイズ、軸部分が赤で少し縦長の形状のタイプが1ペア、青で開口部が広いタイプが1ペア付属します。付属品のほか、定番の「スパイラルドット」や「AET07」(互換品を含む)、「SpinFit CP100+」などに交換するのも良いと思います。また多少価格は上がりますが「Softears U.C.」も非常に良い組み合わせだと思います。


■ サウンドインプレッション

AFUL Performer8AFUL Performer8」はフラットに近い非常にニュートラルなサウンドバランスを持ちますが、それぞれの音域の主張は非常に強く、全般的に「とても濃い音」という印象を受けます。しかしハイブリッド特有の音域の切れ目のような場所はなく、高級なシングルダイナミックのような滑らかさも併せ持っており、他では無い独特の質感を実現しています。5ドライバーの「Performer5」は緩やかなU字のサウンドバランスでニュートラルながら、ややW字よりの印象も受けるリスニングチューンで、メーカーサイトにも「ボーカルに強みがある」という点が記載されていましたが、8ドライバーの「AFUL Performer8」では、ボーカル域の表現力はむしろ高めつつ、あらゆるジャンルの曲を高い質感で鳴らせる製品に成長した印象です。

特に中音域の解像感、分離、輪郭、そして臨場感と実在感を両立させた立体的な音場表現と定位感はハイグレードな製品がひしめく5万円クラスのイヤホンでも高い存在感を示します。もともと5ドライバー構成の「Performer5」でもボーカル域の表現力は高く、ややW字感じるような近さのある音でしたが、「AFUL Performer8」では凄く音の良いコンサートホールの前列S席で楽しむような、ちゃんと広さと奥行きがあり、そのうえで近さも感じるといった、より上品さもある質感にアップグレードされました。

AFUL Performer8また中高域および高域は割り当てられるドライバーが増えたことで解像感が大きく向上し、より明瞭で抜けの良さが向上し、スッキリした見通しの良い音になりました。中高域はむしろ「Performer5」のほうが強めのアクセントがありましたが、直線的に伸びる「AFUL Performer8」はよりハッキリとした主張があります。そして低域はニュートラルなバランスですが特許技術の音導管などにより非常に深く上質さを感じる音を鳴らします。
全体のポテンシャルが驚くほど高く、付属ケーブルでも非常に質の高い音を鳴らしますが、リケーブルや再生環境の変化など「追い込む余地」もかなり楽しめるイヤホンだと思います。

AFUL Performer8」の高域はスッキリした明瞭さと、3基の高域用BAによる解像感や情報量の多さを両立した、主張のある音を鳴らします。「Performer5」は中高域付近にアクセントがありましたが、「AFUL Performer8」はより直線的に伸びる印象で、マルチBA特有の籠もり感や雑味感のようなものは無く、高い解像感や情報量を維持したままスッキリと伸びるのが印象的。いっぽうでハイハット等のシンバル音の描写は非常に細かく、しっかりとした主張も感じられます。上流の変化や、より高域の伸びが強調されるタイプの銀メッキ線などに交換することでよりエネルギッシュな高域を楽しめそうです。

AFUL Performer8中音域はもともとW字的な印象もあった「Performer5」よりさらにカマボコ方向に主張が増しており、非常に濃密さのある音を鳴らします。いっぽうでバランスとしてはニュートラルで、音源の特徴を活かしつつ旨みをしっかり聴かせるような音作りです。
中音域用と中低域用の2種類、4基のBAが低域用のダイナミックドライバーを補完し、いっぽうでハイブリッド的な谷を作らない特許技術によるAFUL独自の音作りは高い完成度を実現しています。高い解像感と密度感による瑞々しさと、驚くほど自然で滑らな印象も併せ持った独特のサウンドを醸成している印象ですね。
音場も広く立体的で、ボーカルは前掲しているものの演奏の定位は正確で、付属ケーブルでも高い分離感があります。どのようなジャンルの曲との合わせやすい印象のイヤホンです。

AFUL Performer8低域は8mmドライバーの採用のため、「Performer5」はの10mmに比べると量的にはやや減っている印象となりますが、全体のバランスとしてはニュートラルで、ミッドベースも存在感があり、重低音は非常に深く沈みます。パンチ力やエネルギッシュさを強調した音ではありませんが、特許技術の3Dプリントによる音導管技術で全体で約3倍以上という長さでチューニングされることで、より濃く、より深みのある低音を実現しています。低域に量感を持たせたい場合は、より情報量の多い高純度銅線ケーブル等にリケーブルすることで臨場感がさらに増し、楽しむことが出来るのではと思います。


■ まとめ

というわけで、「AFUL Performer8」は7BA+1DDのドライバー構成にアップグレードし、350ドルオーバー、5万円級のイヤホンにアップグレードされました。「Performer5」ではリスニングイヤホンとして比較的わかりやすいチューニングで仕上げられていた部分もありましたが、今回の「AFUL Performer8」ではハイエンド機とも勝負することを想定しているような、結構王道を攻めたチューニングで、同社の特許技術の数々がどのような違いを生み出すかを表現したイメージがありますね。高いレベルでその試みは成果に結びついており、発売以降も各所で高い評価を得ているのも頷けます。
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100ドル~200ドル級のイヤホンからのステップアップ先として検討する製品としてもオールラウンド的な実力の高さもあり結構オススメできると思いますが、同クラス以上、あるいはハイエンド機を聴いていらっしゃる方にも是非とも試して欲しいイヤホンだと感じました。個人的にも最近はこの価格帯の製品をいろいろ購入していますが、(流石にどの製品も相応に高レベルなものの)「AFUL Performer8」もかなりレベルが高く、上位に位置するイヤホンだと思います。この辺の価格帯を理解する深めのマニア諸氏には十分に良い買い物になると思いますよ(^^)。