こんにちは。今回は「Kiwi Ears Quartet」です。前回に引き続き「Kiwi Ears」の新モデルですが、今回は100ドル超級と同社の製品のなかでもっとも「売れ筋」といえそうな価格帯のイヤホンです。構成は2BA+2DDのハイブリッド仕様で、カスタム2BAとともに搭載される等圧ダブル構成の10mmチタン振動板ダイナミックドライバーによる圧倒的なエネルギーを持つ低域を楽しむことが出来ます。またスイッチ切り替えによるサウンドチューニングにも対応し、より魅力的で楽しい製品に仕上がっています。
■ 製品の概要について
■ サウンドインプレッション
「Kiwi Ears Quartet」の音質傾向は中低域寄りのドンシャリですが、2DDユニットによる低域は非常にパワフルかつ深い音を鳴らし、高域も同様にかなりメリハリのある主張の効いた音を鳴らす、かなりエネルギッシュな印象のイヤホンです。というとKZ/TRNのようなメリハリ強めのサウンドや、BGVPのハイブリッド機のようなゴリゴリの低音イヤホンのイメージを持つかもしれませんが、「Kiwi Ears Quartet」は非常にパワフルで主張のある低域を持っていますが、全体としては極端に派手すぎず適度にスッキリした印象も感じさせるのが特徴的です。またスイッチコントロールによりボーカル域を中心に印象の変化が結構あり、好みに応じて設定を変更できるのも興味深いですね。
一般的にスイッチコントロールがある製品では最もニュートラルか、逆に最もドンシャリ(バランスの良いV字)も状態を「標準」に設定することが多いのですが、「Kiwi Ears Quartet」では特徴的な低域が映える、低域寄りのチューニング「11(710/やや低域寄り)」を標準としています。
やはり「Kiwi Ears Quartet」のキャラクターを最も実感でいる「楽しいリスニング」をできるのがON-ON「11(710/やや低域寄り)」ということなのだと思います。いっぽうでバランス重視でより自然なリスニングサウンドを楽しみたい場合はOFF-ON「01(712/やや高域強調、U字寄り)」がお勧め。「11(710)」より僅かに低域の量感を抑えボーカルやピアノの高音の抜け感や伸びやかさが向上した印象になります。もっともスッキリした印象で多くの方が好感しそうなモードです。
逆にON-OFF「10(711/低域強調、臨場感増し)」はより低域がマシマシとなった印象で(正確には高域を抑えているのかも)、臨場感や迫力をより楽しみたい場合に最適なモードです。そして、OFF-OFFの「00((710/ニュートラル寄りで落ち着いた印象)」では中低域寄りのバランスを維持したまま全体的にメリハリがやや控えめになるため、より聴きやすく、落ち着いたリスニングが可能です。「Kiwi Ears Quartet」はいわゆるモニター的なサウンドとは異なりますが、それでも耳コピなどをする場合はこのモードが最も最適かも知れませんね。それぞれのモードでチューニングとして合理性があり楽しめる点は非常に好印象です。
「Kiwi Ears Quartet」の高域は、伸びやかさがあり明瞭な音を鳴らします。パワフルな低域に負けない主張があり、全体としてスッキリした印象にまとめていますが、逆に極端に派手すぎず、自然なバランスを保っています。シンバル音は適度な煌めきがありBAらしい硬質感をもちつつ刺激などはある程度コントロールされた印象があります。非常にエネルギッシュで全体的にパワー押し印象の中低域~低域に対しやはりパワーで調整しているという感じもあります。そのため雰囲気重視な部分もあり解像感や分離という点では物足りなく感じる方もいらっしゃるかも。そのような場合は、モードも最も落ち着いたOFF-OFF「00((710/ニュートラル寄りで落ち着いた印象)」にして、より情報量の多い高純度銅線ケーブルなどに替えてみるのも良いかも知れません。
中音域は僅かに温かく、豊かさを感じるとともに、適度な解像感と分離を備えており、高域同様にスッキリした見通しの良さも感じさせます。女性ボーカルは直線的な伸びやかさがあり男性ボーカルはエネルギッシュな力強さがあります。中低域も豊かな響きがあり奥行きを持った音場感を演出します。ボーカルの定位および音場の広さはスイッチによって結構変化し、各モードでの印象を決定づけています。
標準のON-ON「11(710/やや低域寄り)」とやや高域寄りのOFF-ON「01(712/やや高域強調、U字寄り)」ではボーカルは比較的近く、低域が強調されるON-OFF「10(711/低域強調、臨場感増し)」ではより分かりやすいドンシャリ傾向となります。
アニソンなど比較的音数の多いボーカル曲ではOFF-ON「01(712/やや高域強調、U字寄り)」の相性が良く、最近の洋楽に多い少ない音数で個々の音を聴かせる曲ではON-ON「11(710/やや低域寄り)」の雰囲気が良く、心地よさがあります。またリケーブルやイヤーピースの変更でも結構雰囲気が変わるためより詳細に追い込んでみるのも楽しいですね。
低域は「Kiwi Ears Quartet」がもっとも特徴的な音域で、2DDユニットによる、同クラスの製品と比較しても圧倒的な量感と力強さを持ったサウンドが特徴的です。重低音は非常に深く重さがあり曲によっては地響きのような濃密さがあります。同時にミッドベースも重低音に支配されることなく、強烈なアタックと力強さのある質感を感じさせます。
いっぽうで非常に厚みがあり全体的にもかなり存在感があるものの、適切なコントロールも行われており、過度に響いたり膨らむことはなく中高域との分離もしっかり確保されています。ただし解像感やキレの良さ、という点ではモニター的な製品には及ばず、質感というより雰囲気や楽しさを追求する低域という感じかもしれませんね。「Kiwi Ears Quartet」の場合、スイッチをどのモードにした場合でも低域は非常にパワフルですが、特にライブ音源など迫力のある低域とともに臨場感を得たい場合はON-OFF「10(711/低域強調、臨場感増し)」が最も楽しめる印象です。
■ まとめ
というわけで、「Kiwi Ears Quartet」は「圧倒的な低域」という分かりやすいキャラクターを持つことで競合する同価格帯の製品とは一線を画しつつ、リスニングイヤホンとしてオールラウンドに楽しめるスイッチコントロールの柔軟さと、イヤーピースやリケーブルなどで追い込むことでさらなる変化を楽しめるポテンシャルの高さを感じさせる製品でした。まずは標準でいろいろモードを変えたりして楽しみ、さらに自分好みにいろいろ変えてみるというイヤホンの楽しみ方を堪能できる、という点ではお勧め度は結構高いでしょう。外観についても、ハンドメイドのシェルは非常に美しいですし、所有欲を十分に満たしてくれる製品だと思います。この価格帯で低域に迫力があるちょっと良いイヤホンを探している方には最適だと思いますよ(^^)。
「Kiwi Ears」は2021年に登場した新しい中華イヤホンのブランドで、8BA構成の「Orchestra」および先日レビューした「Orchestra Lite」、ベリリウム(コート)ドライバーと3Dプリントシェルを採用しつつ低価格を実現した「Cadenza」など、美しいデザインと質の高いサウンドで多くのマニアから注目を集めています。
→ 過去記事(一覧): 「Kiwi Ears」製イヤホンのレビュー
今回レビューする「Kiwi Ears Quartet」は2BA+2DD構成のハイブリッドモデルで100ドル、1.5万円程度と価格的にも魅力的なグレードの製品といえるでしょう。新しく開発された2DDドライバーユニットによる高品質な低域を中心に設計され、スイッチコントロールによる4種類のサウンドチューニングへの変更に対応しています。
「Kiwi Ears Quartet」が搭載するダイナミックドライバー部は、10mmサイズの独立したチタン振動板と二重磁気回路を備える等圧ダブル構成の10mmダイナミックドライバーを搭載。非常に伸びのある重低音を実現します。さらにこの2DDユニットに合わせて調整された2基のカスタム仕様バランスド・アーマチュア(BA)ドライバーは鮮明でクリーンなトーンと伸びやかで詳細な高音を実現します。2DDユニットは350Hzのローパスフィルタでクロスオーバーされ、そこから上、350Hz~1kHzの中音域はフラットに調整されています。このチューニングによりパワフルで轟くような低音を慣らしつつ、中音域はクリーンかつフラットで高域にかけて伸びやかさのあるサウンドに調整されています。
「Kiwi Ears Quartet」はニュートラルでサウンドモニター的な中音域及び高域を持ちつつ、非常に力強く強調された低域を持っています。またこれらのサウンドチューニングがスイッチにより4パターンの微調整が可能な仕様となっています。シェルは医療グレードのレジンを使用しハンドメイドで仕上げられており、肌に優しく耐久性のある美しい仕上がりとなっています。
パッケージ内容は本体、ケーブル、イヤーピースは3種類、それぞれS/M/Lサイズ、ケース、説明書。スイッチ付きですがスイッチを変更するピンは付属しませんでした。私はiPhoneなどでSIM交換用に付属するピンを使用しました。
シェルは鮮やかなパープルカラーのハンドメイドによるレジン製で、100ドル級の製品としては結構高級感のある印象ですね。内部は空洞と思われ本体は非常に軽量です。サイズ感はこのクラスのスイッチ付きの製品としては一般的で耳にフィットするデザインから装着性および遮音性もまずまず良好です。
標準で3種類のイヤーピースが付属しますが他にもよりフィット感を高めるため定番の「スパイラルドット」や「AET07」(互換品含む)、SpinFit「CP100+」、TRN「T-Eartips」などへの交換も良いと思います。
ケーブルは中華2pinタイプの銅線ケーブルで、被膜は柔らかく取り回しは良い印象。より中高域の明瞭感や情報量を増したい場合は手頃な銀メッキ線などへのリケーブルを検討するのも良いでしょう。
またチューニングという点では「Kiwi Ears Quartet」は本体に2系統のスイッチが備えられています。
標準ではON-ONの「11(710/やや低域寄り)」に設定されており、中低域寄りのドンシャリ傾向でチューニングされています。これをOFF-OFFの「00(710/ニュートラル寄りで落ち着いた印象)」に変えると、他のスイッチと比べて低域・高域とも強調されず、多少メリハリを抑えたチューニングとなります。そして最も低域が強調されるのがON-OFF「10(711/低域強調、臨場感増し)」で、逆に最も高域が強調されるのがOFF-ON「01(712/やや高域強調、U字寄り)」のスイッチポジションになります。
→ 過去記事(一覧): 「Kiwi Ears」製イヤホンのレビュー
今回レビューする「Kiwi Ears Quartet」は2BA+2DD構成のハイブリッドモデルで100ドル、1.5万円程度と価格的にも魅力的なグレードの製品といえるでしょう。新しく開発された2DDドライバーユニットによる高品質な低域を中心に設計され、スイッチコントロールによる4種類のサウンドチューニングへの変更に対応しています。
「Kiwi Ears Quartet」が搭載するダイナミックドライバー部は、10mmサイズの独立したチタン振動板と二重磁気回路を備える等圧ダブル構成の10mmダイナミックドライバーを搭載。非常に伸びのある重低音を実現します。さらにこの2DDユニットに合わせて調整された2基のカスタム仕様バランスド・アーマチュア(BA)ドライバーは鮮明でクリーンなトーンと伸びやかで詳細な高音を実現します。2DDユニットは350Hzのローパスフィルタでクロスオーバーされ、そこから上、350Hz~1kHzの中音域はフラットに調整されています。このチューニングによりパワフルで轟くような低音を慣らしつつ、中音域はクリーンかつフラットで高域にかけて伸びやかさのあるサウンドに調整されています。
「Kiwi Ears Quartet」はニュートラルでサウンドモニター的な中音域及び高域を持ちつつ、非常に力強く強調された低域を持っています。またこれらのサウンドチューニングがスイッチにより4パターンの微調整が可能な仕様となっています。シェルは医療グレードのレジンを使用しハンドメイドで仕上げられており、肌に優しく耐久性のある美しい仕上がりとなっています。
購入はLinsoul(linsoul.com)またはAliExpressの「DD-Audio」、アマゾンの「LINSOUL-JP」にて。
「Kiwi Ears Quartet」の価格は 109ドル、アマゾンでは 18,700円です。
AliExpress(DD-Audio Store): Kiwi Ears Quartet「Kiwi Ears Quartet」の価格は 109ドル、アマゾンでは 18,700円です。
免責事項:
本レビューではレビューサンプルとして Linsoul より製品を提供いただきました。機会を提供してくださったことに感謝します。ただし本レビューに対して金銭的やりとりは一切無く、レビュー内容が他の手段で影響されることはありません。以下の記載内容はすべて私自身の感想によるものとなります。
■ パッケージ構成、製品の外観および内容について
「Kiwi Ears Quartet」のパッケージは製品画像を載せたパッケージ。製品と同じパープルカラーの化粧カバーのロゴデザインがクールな印象です。
パッケージ内容は本体、ケーブル、イヤーピースは3種類、それぞれS/M/Lサイズ、ケース、説明書。スイッチ付きですがスイッチを変更するピンは付属しませんでした。私はiPhoneなどでSIM交換用に付属するピンを使用しました。
シェルは鮮やかなパープルカラーのハンドメイドによるレジン製で、100ドル級の製品としては結構高級感のある印象ですね。内部は空洞と思われ本体は非常に軽量です。サイズ感はこのクラスのスイッチ付きの製品としては一般的で耳にフィットするデザインから装着性および遮音性もまずまず良好です。
標準で3種類のイヤーピースが付属しますが他にもよりフィット感を高めるため定番の「スパイラルドット」や「AET07」(互換品含む)、SpinFit「CP100+」、TRN「T-Eartips」などへの交換も良いと思います。
ケーブルは中華2pinタイプの銅線ケーブルで、被膜は柔らかく取り回しは良い印象。より中高域の明瞭感や情報量を増したい場合は手頃な銀メッキ線などへのリケーブルを検討するのも良いでしょう。
またチューニングという点では「Kiwi Ears Quartet」は本体に2系統のスイッチが備えられています。
標準ではON-ONの「11(710/やや低域寄り)」に設定されており、中低域寄りのドンシャリ傾向でチューニングされています。これをOFF-OFFの「00(710/ニュートラル寄りで落ち着いた印象)」に変えると、他のスイッチと比べて低域・高域とも強調されず、多少メリハリを抑えたチューニングとなります。そして最も低域が強調されるのがON-OFF「10(711/低域強調、臨場感増し)」で、逆に最も高域が強調されるのがOFF-ON「01(712/やや高域強調、U字寄り)」のスイッチポジションになります。
■ サウンドインプレッション
「Kiwi Ears Quartet」の音質傾向は中低域寄りのドンシャリですが、2DDユニットによる低域は非常にパワフルかつ深い音を鳴らし、高域も同様にかなりメリハリのある主張の効いた音を鳴らす、かなりエネルギッシュな印象のイヤホンです。というとKZ/TRNのようなメリハリ強めのサウンドや、BGVPのハイブリッド機のようなゴリゴリの低音イヤホンのイメージを持つかもしれませんが、「Kiwi Ears Quartet」は非常にパワフルで主張のある低域を持っていますが、全体としては極端に派手すぎず適度にスッキリした印象も感じさせるのが特徴的です。またスイッチコントロールによりボーカル域を中心に印象の変化が結構あり、好みに応じて設定を変更できるのも興味深いですね。
一般的にスイッチコントロールがある製品では最もニュートラルか、逆に最もドンシャリ(バランスの良いV字)も状態を「標準」に設定することが多いのですが、「Kiwi Ears Quartet」では特徴的な低域が映える、低域寄りのチューニング「11(710/やや低域寄り)」を標準としています。
やはり「Kiwi Ears Quartet」のキャラクターを最も実感でいる「楽しいリスニング」をできるのがON-ON「11(710/やや低域寄り)」ということなのだと思います。いっぽうでバランス重視でより自然なリスニングサウンドを楽しみたい場合はOFF-ON「01(712/やや高域強調、U字寄り)」がお勧め。「11(710)」より僅かに低域の量感を抑えボーカルやピアノの高音の抜け感や伸びやかさが向上した印象になります。もっともスッキリした印象で多くの方が好感しそうなモードです。
逆にON-OFF「10(711/低域強調、臨場感増し)」はより低域がマシマシとなった印象で(正確には高域を抑えているのかも)、臨場感や迫力をより楽しみたい場合に最適なモードです。そして、OFF-OFFの「00((710/ニュートラル寄りで落ち着いた印象)」では中低域寄りのバランスを維持したまま全体的にメリハリがやや控えめになるため、より聴きやすく、落ち着いたリスニングが可能です。「Kiwi Ears Quartet」はいわゆるモニター的なサウンドとは異なりますが、それでも耳コピなどをする場合はこのモードが最も最適かも知れませんね。それぞれのモードでチューニングとして合理性があり楽しめる点は非常に好印象です。
「Kiwi Ears Quartet」の高域は、伸びやかさがあり明瞭な音を鳴らします。パワフルな低域に負けない主張があり、全体としてスッキリした印象にまとめていますが、逆に極端に派手すぎず、自然なバランスを保っています。シンバル音は適度な煌めきがありBAらしい硬質感をもちつつ刺激などはある程度コントロールされた印象があります。非常にエネルギッシュで全体的にパワー押し印象の中低域~低域に対しやはりパワーで調整しているという感じもあります。そのため雰囲気重視な部分もあり解像感や分離という点では物足りなく感じる方もいらっしゃるかも。そのような場合は、モードも最も落ち着いたOFF-OFF「00((710/ニュートラル寄りで落ち着いた印象)」にして、より情報量の多い高純度銅線ケーブルなどに替えてみるのも良いかも知れません。
中音域は僅かに温かく、豊かさを感じるとともに、適度な解像感と分離を備えており、高域同様にスッキリした見通しの良さも感じさせます。女性ボーカルは直線的な伸びやかさがあり男性ボーカルはエネルギッシュな力強さがあります。中低域も豊かな響きがあり奥行きを持った音場感を演出します。ボーカルの定位および音場の広さはスイッチによって結構変化し、各モードでの印象を決定づけています。
標準のON-ON「11(710/やや低域寄り)」とやや高域寄りのOFF-ON「01(712/やや高域強調、U字寄り)」ではボーカルは比較的近く、低域が強調されるON-OFF「10(711/低域強調、臨場感増し)」ではより分かりやすいドンシャリ傾向となります。
アニソンなど比較的音数の多いボーカル曲ではOFF-ON「01(712/やや高域強調、U字寄り)」の相性が良く、最近の洋楽に多い少ない音数で個々の音を聴かせる曲ではON-ON「11(710/やや低域寄り)」の雰囲気が良く、心地よさがあります。またリケーブルやイヤーピースの変更でも結構雰囲気が変わるためより詳細に追い込んでみるのも楽しいですね。
低域は「Kiwi Ears Quartet」がもっとも特徴的な音域で、2DDユニットによる、同クラスの製品と比較しても圧倒的な量感と力強さを持ったサウンドが特徴的です。重低音は非常に深く重さがあり曲によっては地響きのような濃密さがあります。同時にミッドベースも重低音に支配されることなく、強烈なアタックと力強さのある質感を感じさせます。
いっぽうで非常に厚みがあり全体的にもかなり存在感があるものの、適切なコントロールも行われており、過度に響いたり膨らむことはなく中高域との分離もしっかり確保されています。ただし解像感やキレの良さ、という点ではモニター的な製品には及ばず、質感というより雰囲気や楽しさを追求する低域という感じかもしれませんね。「Kiwi Ears Quartet」の場合、スイッチをどのモードにした場合でも低域は非常にパワフルですが、特にライブ音源など迫力のある低域とともに臨場感を得たい場合はON-OFF「10(711/低域強調、臨場感増し)」が最も楽しめる印象です。
■ まとめ
というわけで、「Kiwi Ears Quartet」は「圧倒的な低域」という分かりやすいキャラクターを持つことで競合する同価格帯の製品とは一線を画しつつ、リスニングイヤホンとしてオールラウンドに楽しめるスイッチコントロールの柔軟さと、イヤーピースやリケーブルなどで追い込むことでさらなる変化を楽しめるポテンシャルの高さを感じさせる製品でした。まずは標準でいろいろモードを変えたりして楽しみ、さらに自分好みにいろいろ変えてみるというイヤホンの楽しみ方を堪能できる、という点ではお勧め度は結構高いでしょう。外観についても、ハンドメイドのシェルは非常に美しいですし、所有欲を十分に満たしてくれる製品だと思います。この価格帯で低域に迫力があるちょっと良いイヤホンを探している方には最適だと思いますよ(^^)。
bisonicrさんから見て、quartetとlive Xを比べてみたら、どちらが低域強いですか?