Hidizs MS3

こんにちは。今回は 「HIDIZS MS3」 です。Hidizsブランドの最新イヤホンで、10.2mmの二重磁気回路デュアルキャビティダイナミックドライバーとKnowles製の2BAユニットによる2BA+1DD構成のハイブリッドモデルです。Hidizs公式サイトにて日本時間7月4日12時より販売が開始されるのにあわせて製品を紹介させて頂くことになりました。
■ 製品の概要について

Hidizs」は日本でもコンパクトなDAP(デジタルオーディオプレーヤー)や最近ではスマートデバイス用のオーディオアダプターも人気の高いブランドです。最近ではイヤホンも精力的に新製品をラインナップしており、どのモデルもユーザー評価の高い印象がありますね。

今回の「HIDIZS MS3」は独自開発した「10.2mm 二重磁気回路デュアルキャビティダイナミックドライバー」に「Knowles SWFK」2BAユニットを搭載した2BA+1DD構成の高音質ハイブリッドモデルです。「HIDIZS MS3」では高精度のクロスオーバー制御と「HAL (HIDIZS Acoustic Laboratory)」による慎重かつ専門的な調整により、ハーマンターゲット(H-2019)に準拠した忠実かつ自然でクリアなサウンドを実現しています。
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HIDIZS MS3」は、Hidizs が独自に開発した二重磁気回路とデュアルキャビティ構造を備えた 10.2mm ダイナミックドライバーを搭載。振動板にはバイオナノファイバー複合振動板を採用しています。このドライバーは高い磁気誘導により振動板に高いエネルギーを与えることでレスポンス及び効率が向上。前後の独立したキャビティ構造により強力かつ柔軟な音響特性など多くの特徴が有ります。また高域および超高域にはKnowles製のコンポジッドバランスド アーマチュア(2BA)ドライバー 「SWFK-31736」を搭載。クリアで明るく、伸びが良く、余韻のある高域を実現します。
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HIDIZS MS3」のシェルは5軸CNC加工による航空グレードのアルミニウム合金を採用。人間工学に基づいたシェル形状に設計されており、表面は陽極酸化処理(アルマイト)により美しく耐久性を持った仕上がりになっています。フェイスパネルも本体同様にブラックの表面処理を行いつつ炎が飛び上がるような立体的な形状が躍動感を感じさせます。

そして「HIDIZS MS3」のノズル部分には交換可能な空気圧式サウンドチューニングフィルターを搭載。フィルターは標準の「バランス(Rose Gold)」、「高域強化(Quiet Silver)」、「低域強化(Charm Red)」の3種類のフィルターに交換可能。フィルターを活用することで3種類のサウンドを楽しむことが出来ます。
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HIDIZS MS3」のケーブルはUPOFC技術により製造された192本の0.08mm高純度無酸素銅線を使用し4芯撚り線タイプのケーブルに仕上げられています。コネクタは0.78mm 2pin仕様で、プラグは3.5mmと4.4mmを購入時に選択できます。

HIDIZS MS3」の購入はHidizs公式サイト上のオフィシャルストア、またはアマゾンにて。
価格は169ドルですが、オフィシャルストア限定で7月18日まで113ドルの特別価格で購入可能です。
※今回特別割引コードを提供頂きました。以下公式ストアにて「BISONICR5OFF」を入力すると販売価格からさらに5% OFFの特別価格で購入可能です。
Hidizs Offical Store: Hidizs MS3 2BA+1DD Hybrid 3 Drivers HiFi In-Ear Monitors


またアマゾンでも同時に発売開始となりました。価格は18,999円です。
Amazon.co.jp(Hidizs JP): HIDIZS MS3


免責事項:
本レビューではレビューサンプルとして HIDIZS より製品を提供いただきました。機会を提供してくださったことに感謝します。ただし本レビューに対して金銭的やりとりは一切無く、レビュー内容が他の手段で影響されることはありません。以下の記載内容はすべて私自身の感想によるものとなります。


■ パッケージ構成、製品の外観および内容について

HIDIZS MS3」のパッケージはキューブ型のボックスで製品画像を載せたシンプルなパッケージ。上位モデルの「MS5」とも通じる高級感のあるデザインです。
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パッケージ内容はイヤホン本体、ケーブル、イヤーピースは3種類、それぞれ3サイズ、チューニングノズル、レザーポーチ、説明書、保証書。
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HIDIZS MS3」の本体はブラックのシェルで、「MS5」よりややコンパクトなサイズ感。シリーズで共通感のある炎をイメージしたデザインのフェイスプレートが特徴的ですね。ゴールドの外周部が良いアクセントになっており、非常にクールな印象ですね。
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ハウジング部の形状は同社のMSシリーズを踏襲しており、KZやTFZなどの製品と比べると若干小振りな印象。「MS5」とは搭載ドライバーの違いもあり厚みが異なり、よりコンパクトな印象になっています。交換式フィルターが装着されるためステムノズルはやや太いですが耳への収まりは良いようです。
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交換式のチューニングノズルは標準の「ローズゴールド」、低域強調の「レッド」、高域強調の「シルバー」の3種類が付属します。各フィルターの違いは、メッシュパネルの裏面のフィルターの濃さで、標準のローズゴールドの「バランス(Balanced)」に対し、より厚めのフィルターを使用しているのが「低域強調(Lowh Frequency)」、最もフィルターが少ないのがシルバーの「高域強調(High Frequency)」という組み合わせです。
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ケーブルは0.78mm 2pin仕様で、4芯タイプのUPOFC高純度無酸素銅線ケーブルが付属します。ダークブラウンの線材は適度に弾力のある薄い樹脂皮膜で覆われておりしっかり編み上げられています。付属ケーブルとしては結構太さがあるケーブルですが取り回しは良好です。2pinコネクタ部分は「MS5」同様に独特のデザインになっているのが興味深いですね。ケーブルは購入時に3.5mmまたは4.4mmが選択できるようです。
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イヤーピースは3種類のシリコンタイプがそれぞれS/M/Lサイズで付属します。白色で黒色軸のタイプが標準で「AET7」風のタイプ、より開口部が広く柔らかいタイプがボーカル強調、逆に軸が長く開口部が狭い黒色タイプが低域強調とのことです。


■ サウンドインプレッション

HIDIZS MS3HIDIZS MS3」の音質傾向はバランスの取れたニュートラルサウンドで、上位モデルの「MS5」(4BA+1DD)のまさに弟分という感じがします。多少ワイルドさも感じるデザインのこれらのシリーズですが音作りは非常に丁寧で、ハーマンターゲットを明確に意識したサウンドバランスのなかでも100ドル台のイヤホンとしては相当に高い質感を持っていると思います。
原音忠実性の高いニュートラルバランスは音源の良し悪しはもちろんですが、ドライバーやイヤホンそのものの質感も如実に表れるため、コスト的に制約のある低価格帯~100ドル級のモデルでは粗さが出やすい、という側面があります。「HIDIZS MS3」はそれでも果敢に挑み、十分な成果を上げていると思います。

HIDIZS MS3また「HIDIZS MS3」は多くの再生環境で鳴らしやすい製品でもあります。もともとDAP(デジタルオーディオプレーヤー)製品からスタートしたHidizs製のイヤホンは、当然のことですが自社製のDAPやオーディオアダプターとの相性は非常に良く作られています。同社のDAPやオーディオアダプター製品はニュートラルな特徴と実用的な出力を持ち、同時に非常にクリアでノイズレスなサウンドが印象的です。「HIDIZS MS3」はこういった小型DAPやアダプター製品にシングルエンドで接続しても十分に魅力的なサウンドを楽しめます
いっぽうでよりハイパワーな据置きアンプなどに接続した場合は相応に情報量が増し濃い音に変化するものの破綻することは無く、本体のポテンシャルの高さも実感出来ます。また4.4mmのバランス接続にリケーブルすることでも同様に印象は変化します。ただ個人的には標準の「バランス(Rose Gold)」フィルターでの音色は3.5mmシングルエンドで「Hidizs AP80 PRO-X」や「Hidizs S9 PRO」といった再生環境での利用が最も好印象でした。

HIDIZS MS3そして「HIDIZS MS3」に付属する交換可能な3種類のフィルターはどれも入念に調整が行われており、用途に合わせた最適なサウンドを楽しめます。多くの場合、標準の「バランス(Rose Gold)」のフィルターはハーマンターゲットに準拠したU字寄りで最も聴きやすく自然な印象のサウンドを楽しめます。
高域強化(Quiet Silver)」は女性ボーカルの高音やシンバル音などフォーカスされがちな音域を少し強調しており、全体として華やかさが増しています。より高域の伸びやかさや透明感、そして鮮明さを求める方には最適な選択肢となります。いっぽうで再生環境によっては高域の主張が増すため相対的に低域が若干抑えられる印象になります。
低域強化(Charm Red)」は中低域~低域の厚みを増しつつ逆に高域のアクセントとなる帯域を分かりやすく抑えており、高域の刺激が気になる場合には良い選択肢になります。シングルエンドで小型DAPを使用した場合は中高域がかなりウォームに感じるのですが、例えば「FiiO K9 PRO LTD」などの据置き環境に4.4mmで接続するような駆動力の高い再生環境ではより強調される高域が適度にコントロールされ、全体として最もニュートラルな印象になります。
このように各フィルターは音源の種類や好み以外に再生環境などによっても最適解が異なる場合があるので実際にいろいろ試してみることをお勧めします。

HIDIZS MS3HIDIZS MS3」の高域は、鮮明な印象で伸びのある音を鳴らします。高域の直線的な伸びやかさは特徴のひとつであり、この点においてはよりドライバーの多い「MS5」より透明感に優れているかもしれませんね。「バランス(Rose Gold)」フィルターでは刺さりやすい帯域が適度にコントロールされているため、鮮明さを持ちつつ聴きやすさを確保しており、「高域強化(Quiet Silver)」ではさらに伸びやかで明瞭な音を鳴らしてくれます。いっぽうでBA特有の金属質な印象は少なく、自然な音色です。より硬質で多少シャリ付きのあるようなキレのある明瞭感を求める方には「高域強化(Quiet Silver)」でも物足りないかもしれませんが個人的にはよくまとまった綺麗な高域だと思います。

中音域は凹むことなく自然なバランスで主張し、全体として癖の無い印象ながらボーカル域はエネルギッシュな豊かさがあります。「MS5」は適度な開放感のなかで滑らかさを感じるサウンドでしたが、「HIDIZS MS3」はよりハキハキとしていて分離の良さと明瞭感があり、ボーカル域が際立つ印象があります。より質の高いリスニングを楽しめるのは「MS5」ですが、より心地よさと楽しさを満喫したい場合は「HIDIZS MS3」のほうが適しているかもしれません。単純にグレードの違いだけではない、キャラクターの違いを実感出来るのは興味深いですね。
HIDIZS MS3エネルギーのある高域同様に中高域にはアクセントがあり、女性ボーカルやピアノの高音はより近く、明るい音で再生されます。伸びやかで抜け感もありますが過度に硬質にならず自然な印象でまとめられています。男性ボーカルのなどの中低域は適度な厚みを持っており、明瞭さとともに適度な艶感があります。自然な輪郭で分離しつつ心地よく余韻も感じられます。演奏との分離も良く、自然な広がりのある音場で比較的正確に定位します。
中音域の印象は各フィルターでほぼ共通しており、「HIDIZS MS3」の印象を決定づけている音域ですが、再生環境(駆動力とケーブル)とフィルターの組み合わせにより高域または低域がバランスが変わって感じる場合もあるため、ある程度利用環境に応じたフィルター選びを行う方が良さそうです。

低域は十分な量感を持ちつつ、適度なバランスと分離の良さで中高域を下支えします。重低音は適度な密度感があり、沈み込みも良好な印象。解像感はありますがキレより自然な鳴り方を重視している印象です。ミッドベースは直線的で分離が良く、小気味よい楽しさがあります。低域好きの方は「低域強化(Charm Red)」フィルターでもっと重量感とスピードが欲しいと感じる可能性もありますが、ニュートラルな全体のバランスを考慮すると適切なチューニングではないかと思います。「MS5」との比較では質感で若干の差はあるものの、「HIDIZS MS3」の低域は全体としての均整が取れておりこのクラスのイヤホンとしては十分に満足できる印象だと思います。


■ まとめ

というわけで、「HIDIZS MS3」はニュートラルなサウンドバランスで丁寧な音作りが印象的で、派手さは無いものの質の良さを感じさせるイヤホンでした。上位モデルの「MS5」と傾向自体は踏襲しているものの、より高域は鮮明で、中高域はハキハキした印象があり、落ち着いた兄貴と、元気で楽しい弟分という棲み分けが良いですね。
HIDIZS MS3また200ドル以下の2BA+1DD機というと「SeeAudio Yume2」や「Yume Ultra」といった製品があり、150ドル以下では「FiiO FH3」や「FHE:Eclipse」といった製品、さらに価格帯だけで見ればMoondropやiKKOなどの主力機種が目白押しと、価格帯、構成のどちらを見てもとにかく競合の多いレンジではあります。そんななかでベストになることは正直(どの機種も)難しいですが、「HIDIZS MS3」はニュートラルなまとまりの良さと、1ランク上ともいえる「質感」で十分に存在感を発揮できる製品だと思います。興味のある方は是非とも挑戦してみてはいかがでしょうか。お勧めできるイヤホンだと思いますよ(^^)。