こんにちは。今回は 「R2E3 Mermaid」です。Easy EaphonesおよびYinyoo-JPが取り扱う新ブランド「R2E3」の最初の製品となります。アルミ合金製のクールなデザインのシェルにベリリウムコート振動板ダイナミックドライバーと特許技術の音響構造を採用。2種類のサウンドバランスの交換ノズルフィルターに対応し、パワフルかつ見通しが良い明瞭サウンドを楽しめるなど、数多くの魅力を詰め込みつつ、60ドル台、1万円以下の低価格を実現しています。
■ 製品の概要について
「R2E3」はEasy Eaphonesなどのセラーが取り扱う新ブランドで、その第1弾となる製品が今回レビューする「R2E3 Mermaid(人魚)」です。このモデルは60ドル台の比較的低価格帯の製品ながら、5軸CNC加工されたアルミニウム合金製のシェルに独自の特許技術による音響構造を採用し、10mmサイズのベリリウムコート振動板ダイナミックドライバーを搭載します。
「R2E3 Mermaid」は10mmサイズのベリリウムコート振動板ダイナミックドライバーをシングルで搭載。CNC精密加工されたアルミニウム合金製のシェルは独自の特許技術に基づく音響構造を採用。再生時に搭載するダイナミックドライバーの背面で発生する一部の音波をフィルターによる聴音や、独自の音響構造により逆相の音波を発生させ、高域の刺さりのなどを一部相殺する仕組みを搭載しています。同時に中低域の表現を増加させ透明感を向上することで、ボーカル域をより立体的かつ生き生きとしたサウンドに向上させます。
さらに「R2E3 Mermaid」では交換可能なノズルフィルターを採用。標準の「ブラック」ノズルはボーカルや演奏の表現を際立たせ、「シルバー」のフィルターはより均等で高い分離性を実現します。
ケーブルは0.78mm 2pin使用で、リッツ構造の4芯 銀メッキ銅線ケーブルを採用。0.06mmの高純度銀メッキ銅線を49本使用しリッツ構造で仕上げることでより密度のあるサウンドを実現。ケーブルは3.5mmシングルエンドと4.4mmバランスを購入時に選択できます。
パッケージ内容は、本体、ケーブル、交換用フィルターノズル、イヤーピースは2タイプ、それぞれS/M/Lサイズ、ケース、説明書、保証書。今回は4.4mmケーブル仕様でオーダーしました。
本体はアルミニウム合金製で表面はサンドブラストによるつや消し加工でシルバーのシェルに「R2E3」ロゴと「MERMAID」と記載されたシンプルなデザイン。金属製ですが非常に軽量で、また比較的コンパクトで耳にフィットしやすい形状です。
特徴的なのはベント(空気孔)の位置と形状で、ステムノズル横の円形の穴とフェイスパネル側面にスリット状に空いており、同社の特許技術による音響構造を垣間見えますね。イヤーピースは開口部が大きい円錐形のタイプ(FIT)とやや浅く左右に丸みのある形状のタイプ(BAL)の2種類が同梱されています。
ケーブルはブラックの4新鮮で樹脂被膜はやや硬く弾力があるものの、編み込みによりケーブルとしては硬くなりすぎず取り回しはしやすい印象。コネクタ、プラグは本体に合わせたアルミ製です。今回は4.4mmタイプでオーダーしました。
そして交換用のノズルフィルターはブラックとシルバーの2色で、どちらもメッシュパーツの裏面にフィルター材が貼られており、フィルターの目の違いで調整を行うタイプのようです。
■ サウンドインプレッション
「R2E3 Mermaid」の音質傾向は標準の「ブラック」フィルターが明瞭感のあるスッキリとしたドンシャリ傾向で、「シルバー」フィルターはニュートラル方向で中低域寄りの弱ドンシャリ。どちらの場合も全体としてエネルギッシュな印象で、音場が広くスッキリした寒色系の明瞭サウンド、という点は同様ですが、フィルターによってサウンドバランスはかなり違いがありますね。かなりパワフルなドンシャリ傾向の「ブラック」フィルターに対し、「シルバー」フィルターを使用すると全体的にゲインが若干下がり、少し行儀が良くなります。それでも音量を調整すれば籠もるようなことは無く、ベリリウムコートらしいキレのあるスピード感と解像感があり、同時に過度に硬質すぎない聴きやすさも感じさせます。
両方のフィルターでのサウンドバランスは、サイト記載のf値から読み取れる印象と概ね一致しています。「ブラック」フィルターは、「KBEAR」や「TRI Audio」などEasy系ブランドと同様に、一貫した分かりやすいV字方向で、より見通しの良い広い音場感と透明感が印象的です。
低域は強力なミッドベースが存在感を示すものの締まりが良くキレがあるため全体としてハッキリとしたサウンドになります。また高域は明瞭に伸び、適度な鋭さや煌めきをしっかり感じる事が出来ます。高域も相応に主張のある強めの音ですが、いっぽうで歯擦音などは無く、刺さりやすい音だけはちょっと後方で鳴っているような、ちょっと不思議な感じがあります。これが同社の特許構造というやつかもしれませんね。
これに対し、「シルバー」フィルターでは、いわゆる「○○ターゲット」的なバランスに近い、弱ドンシャリ、またはU字方向のサウンドになります。広い音場感は同様ですが、やや中低域寄りにシフトし、中音域~中低域の存在感が増すことで透明感や見通しの良さはすこし下がります。代わりに全体的な厚みが増すため音の密度感が向上するのと、高域については明瞭さは維持しつつ、定位が少し下がる代わりに、より直線的な印象となります。「ブラック」フィルターの場合は高域の主張がより強いものの特許構造により刺激をコントロールされることで見通しの良さと聴きやすさを両立しているものの、1音1音の定位は必ずしも正確とは言えない印象があります。これに対し、「シルバー」フィルターは若干モニター的でより正確な定位感がありますが、「R2E3 Mermaid」ならではの特徴はやや感じにくいかもしれませんね。
「R2E3 Mermaid」の高域はベリリウムコートらしい解像度の高い明瞭な音を鳴らします。「ブラック」フィルターでは最近の大人しめのイヤホンとは一線を画すハッキリした主張があり、伸びやかで直線的な印象。適度な鋭さや煌びやかさを持ちつつ、過度に硬質すぎないのは好印象。また独自の音響構造により多少定位感は代わるものの刺さりやすい音は直接耳にはいらず少し後方で鳴っているような印象で、明瞭ながら聴きやすい、という音作りは非常に興味深いですね。いっぽうの「シルバー」フィルターでは高域の主張はやや抑えられ、明瞭感は維持しているものの全体としてニュートラル方向で聴きやすいバランスに調整されています。
中音域は「ブラック」フィルターではやや凹みますが分離に優れ透明感のある見通しのよい音を鳴らすため、不足を感じることはありません。ボーカル域は近すぎず自然な距離感で定位しつつ、非常にハッキリした輪郭で楽しめます。演奏との分離も良く、広い音場でキレのある音を鳴らすため音数の多い曲も十分に楽しめます。
「シルバー」フィルターでは透明感はやや損なわれるものの、中音域はより近く密度感のある音になります。定位は「シルバー」フィルターのほうが正確でややモニター的ともいえるかもしれません。個人的には「ブラック」フィルターのほうが好印象ですが、分かりやすく傾向が異なるためシーンに応じて使い分けるのも良いと思います。
低域は中な量感と力強さがありますが、キレとスピード感があり中高域との分離も良い印象です。ミッドベースは直線的で存在感のある音を鳴らします。重低音は深く沈み込みも良好ですが、「ブラック」フィルターではミッドベースに分かりやすくエネルギーが集中しているため、やや物足りなく感じるかも知れません。重低音を中心とした低域を重視する場合は「シルバー」フィルターの方が好印象の方も多いでしょう。ただ「KBEAR」のシングルダイナミック使用のモデルや分かりやすく低域強化の「CCZ」ブランドなど、低域に魅力のある製品はグループ内にも存在するため、ある程度棲み分けされていると考えた方が良いかも知れませんね。
■ まとめ
というわけで、Easy(Yinyoo)系の新ブランド「R2E3」の第1弾モデルは、クールなアルミ製シェルの印象を踏襲した、明瞭な寒色系サウンドを楽しめるイヤホンでした。最近は「KBEAR」ブランドでもニュートラル方向で聴きやすさ重視ぽい製品が増えていますので、こういったキレッキレのサウンドの製品が新たにリリースされるのはとても楽しいですね。パワフルな寒色系ドンシャリといっても、以前の低価格中華ハイブリッドのような金属質なギラギラ感は無く、ベリリウムコートらしい直線的に整ったサウンドで、スッキリとした心地良さを楽しる質感の良さも好印象です。
外観および音質面のクオリティも高く、ケーブルやイヤーピース、ケース等の付属品も実用的なものが付属しつつ、60ドル台、1万円以下の価格設定はかなりお買い得感もあります。ロック、ポップス、アニソンなどのボーカル曲に加え各種インストゥルメンタルなどを軽快に楽しみたい方と相性が良いイヤホンだと思いますし、興味のある方は購入されるのもお勧めですよ(^^)。
「R2E3」はEasy Eaphonesなどのセラーが取り扱う新ブランドで、その第1弾となる製品が今回レビューする「R2E3 Mermaid(人魚)」です。このモデルは60ドル台の比較的低価格帯の製品ながら、5軸CNC加工されたアルミニウム合金製のシェルに独自の特許技術による音響構造を採用し、10mmサイズのベリリウムコート振動板ダイナミックドライバーを搭載します。
「R2E3 Mermaid」は10mmサイズのベリリウムコート振動板ダイナミックドライバーをシングルで搭載。CNC精密加工されたアルミニウム合金製のシェルは独自の特許技術に基づく音響構造を採用。再生時に搭載するダイナミックドライバーの背面で発生する一部の音波をフィルターによる聴音や、独自の音響構造により逆相の音波を発生させ、高域の刺さりのなどを一部相殺する仕組みを搭載しています。同時に中低域の表現を増加させ透明感を向上することで、ボーカル域をより立体的かつ生き生きとしたサウンドに向上させます。
さらに「R2E3 Mermaid」では交換可能なノズルフィルターを採用。標準の「ブラック」ノズルはボーカルや演奏の表現を際立たせ、「シルバー」のフィルターはより均等で高い分離性を実現します。
ケーブルは0.78mm 2pin使用で、リッツ構造の4芯 銀メッキ銅線ケーブルを採用。0.06mmの高純度銀メッキ銅線を49本使用しリッツ構造で仕上げることでより密度のあるサウンドを実現。ケーブルは3.5mmシングルエンドと4.4mmバランスを購入時に選択できます。
「R2E3 Mermaid」の購入はAliExpressの「Easy Eaphones」またはアマゾンの「Yinyoo-JP」にて。
価格は66.00ドル、アマゾンでは9,900円です。
免責事項:
本レビューではレビューサンプルとして Easy Eaphones より製品を提供いただきました。機会を提供してくださったことに感謝します。ただし本レビューに対して金銭的やりとりは一切無く、レビュー内容が他の手段で影響されることはありません。以下の記載内容はすべて私自身の感想によるものとなります。
■ パッケージ構成、製品の外観および内容について
「R2E3 Mermaid」のパッケージはメーカーロゴの入ったシンプルなデザインですが、比較的低価格なイヤホンとは思えない結構しっかりしたパッケージング。製品が届いた時点では価格は分かっていない買ったので、当初100ドル超えの製品だと思っていました(^^;)。
パッケージ内容は、本体、ケーブル、交換用フィルターノズル、イヤーピースは2タイプ、それぞれS/M/Lサイズ、ケース、説明書、保証書。今回は4.4mmケーブル仕様でオーダーしました。
本体はアルミニウム合金製で表面はサンドブラストによるつや消し加工でシルバーのシェルに「R2E3」ロゴと「MERMAID」と記載されたシンプルなデザイン。金属製ですが非常に軽量で、また比較的コンパクトで耳にフィットしやすい形状です。
特徴的なのはベント(空気孔)の位置と形状で、ステムノズル横の円形の穴とフェイスパネル側面にスリット状に空いており、同社の特許技術による音響構造を垣間見えますね。イヤーピースは開口部が大きい円錐形のタイプ(FIT)とやや浅く左右に丸みのある形状のタイプ(BAL)の2種類が同梱されています。
ケーブルはブラックの4新鮮で樹脂被膜はやや硬く弾力があるものの、編み込みによりケーブルとしては硬くなりすぎず取り回しはしやすい印象。コネクタ、プラグは本体に合わせたアルミ製です。今回は4.4mmタイプでオーダーしました。
そして交換用のノズルフィルターはブラックとシルバーの2色で、どちらもメッシュパーツの裏面にフィルター材が貼られており、フィルターの目の違いで調整を行うタイプのようです。
■ サウンドインプレッション
「R2E3 Mermaid」の音質傾向は標準の「ブラック」フィルターが明瞭感のあるスッキリとしたドンシャリ傾向で、「シルバー」フィルターはニュートラル方向で中低域寄りの弱ドンシャリ。どちらの場合も全体としてエネルギッシュな印象で、音場が広くスッキリした寒色系の明瞭サウンド、という点は同様ですが、フィルターによってサウンドバランスはかなり違いがありますね。かなりパワフルなドンシャリ傾向の「ブラック」フィルターに対し、「シルバー」フィルターを使用すると全体的にゲインが若干下がり、少し行儀が良くなります。それでも音量を調整すれば籠もるようなことは無く、ベリリウムコートらしいキレのあるスピード感と解像感があり、同時に過度に硬質すぎない聴きやすさも感じさせます。
両方のフィルターでのサウンドバランスは、サイト記載のf値から読み取れる印象と概ね一致しています。「ブラック」フィルターは、「KBEAR」や「TRI Audio」などEasy系ブランドと同様に、一貫した分かりやすいV字方向で、より見通しの良い広い音場感と透明感が印象的です。
低域は強力なミッドベースが存在感を示すものの締まりが良くキレがあるため全体としてハッキリとしたサウンドになります。また高域は明瞭に伸び、適度な鋭さや煌めきをしっかり感じる事が出来ます。高域も相応に主張のある強めの音ですが、いっぽうで歯擦音などは無く、刺さりやすい音だけはちょっと後方で鳴っているような、ちょっと不思議な感じがあります。これが同社の特許構造というやつかもしれませんね。
これに対し、「シルバー」フィルターでは、いわゆる「○○ターゲット」的なバランスに近い、弱ドンシャリ、またはU字方向のサウンドになります。広い音場感は同様ですが、やや中低域寄りにシフトし、中音域~中低域の存在感が増すことで透明感や見通しの良さはすこし下がります。代わりに全体的な厚みが増すため音の密度感が向上するのと、高域については明瞭さは維持しつつ、定位が少し下がる代わりに、より直線的な印象となります。「ブラック」フィルターの場合は高域の主張がより強いものの特許構造により刺激をコントロールされることで見通しの良さと聴きやすさを両立しているものの、1音1音の定位は必ずしも正確とは言えない印象があります。これに対し、「シルバー」フィルターは若干モニター的でより正確な定位感がありますが、「R2E3 Mermaid」ならではの特徴はやや感じにくいかもしれませんね。
「R2E3 Mermaid」の高域はベリリウムコートらしい解像度の高い明瞭な音を鳴らします。「ブラック」フィルターでは最近の大人しめのイヤホンとは一線を画すハッキリした主張があり、伸びやかで直線的な印象。適度な鋭さや煌びやかさを持ちつつ、過度に硬質すぎないのは好印象。また独自の音響構造により多少定位感は代わるものの刺さりやすい音は直接耳にはいらず少し後方で鳴っているような印象で、明瞭ながら聴きやすい、という音作りは非常に興味深いですね。いっぽうの「シルバー」フィルターでは高域の主張はやや抑えられ、明瞭感は維持しているものの全体としてニュートラル方向で聴きやすいバランスに調整されています。
中音域は「ブラック」フィルターではやや凹みますが分離に優れ透明感のある見通しのよい音を鳴らすため、不足を感じることはありません。ボーカル域は近すぎず自然な距離感で定位しつつ、非常にハッキリした輪郭で楽しめます。演奏との分離も良く、広い音場でキレのある音を鳴らすため音数の多い曲も十分に楽しめます。
「シルバー」フィルターでは透明感はやや損なわれるものの、中音域はより近く密度感のある音になります。定位は「シルバー」フィルターのほうが正確でややモニター的ともいえるかもしれません。個人的には「ブラック」フィルターのほうが好印象ですが、分かりやすく傾向が異なるためシーンに応じて使い分けるのも良いと思います。
低域は中な量感と力強さがありますが、キレとスピード感があり中高域との分離も良い印象です。ミッドベースは直線的で存在感のある音を鳴らします。重低音は深く沈み込みも良好ですが、「ブラック」フィルターではミッドベースに分かりやすくエネルギーが集中しているため、やや物足りなく感じるかも知れません。重低音を中心とした低域を重視する場合は「シルバー」フィルターの方が好印象の方も多いでしょう。ただ「KBEAR」のシングルダイナミック使用のモデルや分かりやすく低域強化の「CCZ」ブランドなど、低域に魅力のある製品はグループ内にも存在するため、ある程度棲み分けされていると考えた方が良いかも知れませんね。
■ まとめ
というわけで、Easy(Yinyoo)系の新ブランド「R2E3」の第1弾モデルは、クールなアルミ製シェルの印象を踏襲した、明瞭な寒色系サウンドを楽しめるイヤホンでした。最近は「KBEAR」ブランドでもニュートラル方向で聴きやすさ重視ぽい製品が増えていますので、こういったキレッキレのサウンドの製品が新たにリリースされるのはとても楽しいですね。パワフルな寒色系ドンシャリといっても、以前の低価格中華ハイブリッドのような金属質なギラギラ感は無く、ベリリウムコートらしい直線的に整ったサウンドで、スッキリとした心地良さを楽しる質感の良さも好印象です。
外観および音質面のクオリティも高く、ケーブルやイヤーピース、ケース等の付属品も実用的なものが付属しつつ、60ドル台、1万円以下の価格設定はかなりお買い得感もあります。ロック、ポップス、アニソンなどのボーカル曲に加え各種インストゥルメンタルなどを軽快に楽しみたい方と相性が良いイヤホンだと思いますし、興味のある方は購入されるのもお勧めですよ(^^)。