こんにちは。今回は 「SIVGA Luan」です。中国のハイエンドヘッドホンブランド「Sivga Audio」の木製イヤーカップを採用した開放型のオーバーイヤーヘッドホンで、以前レビューした「Phoenix」をアップデートまたはリプレースする300~350ドル級の製品になります。スタビウッドの美しい外観にニュートラルかつ自然で明瞭なサウンドを実現しており、非常に満足度の高いヘッドホンだと感じました。
■ 製品の概要について
「SIVGA Luan」はハンドメイドの木製イヤーカップを採用。ハウジングはソリッド・スタビライズウッドをCNC精密成形で加工しています。ウッドハウジングならではの質感があり、音響性能的にも共鳴音の反射を軽減する効果が得られます。
ドライバーには特別に設計された50mmダイナミックドライバーを搭載。振動板はエッジ部は軽量かつニッケルコート技術を使用し、ドーム部にはカーボンファイバーを使用した複合振動板を採用。さらに銅クラッドアルミ製コイルなど高品質な素材を使用して慎重に設計されています。深みのある低域のレスポンスと優れた中音域の表現力、滑らかな高域を実現します。また磁気回路には24.5mmの大型高磁力のNdFeB ネオジム磁石を内蔵。高感度で歪みの少ないクリーンなサウンドを実現します。
そして「SIVGA Luan」は345gの軽量設計で人間工学に基づいたデザインを採用。肌に優しい高品質のベルベット製イヤーパッドとヘッドバンドを採用し快適な装着感を提供します。ヘッドフレームは、高品質の CNC機械加工による金属構造によって耐久性も持っています。
「SIVGA Luan」は取り外し可能な3.5mmケーブルを採用。ラバーコーティングにより不快なタッチノイズも軽減されます。また本体コネクタ部も3.5mm両出し仕様を採用しています。
ヘッドホン本体はハイグレードモデルに相応しいレザー製のハードケースに収納されています。パッケージ内容は、ヘッドホン本体、ケーブル、3.5mm変換ケーブル、6.3mm変換プラグ、付属品用ポーチ、レザーケース。
「SIVGA Luan」の本体はスタビライズウッド製のハウジングを金属製のアームとバンドで構成されヘッドバンドはベルベット素材で覆われています。イヤーパッドのフィット面もベルベット地で、柔らかく適度な側圧でしっかりとホールドされます。オープンバック構成(=開放型)と言うこともあり通気性も比較的良好で、密閉感もあまり感じない印象です。
■ サウンドインプレッション
「SIVGA Luan」の音質傾向はニュートラル方向のチューニングながら中高域と重低音にアクセントがあり、全体としては僅かにU字寄り印象を受けるリスニングサウンドに仕上がっています。開放型らしい抜けの良い音場感のなかに十分なインパクトがあり量感を感じさせる低域と、自然な表現力の中で適度な彩りと艶感を感じる中音域、より明瞭に伸びエネルギーのある高域があり、心地よさと楽しさがあります。また「SIVGA Luan」はインピーダンス38Ω(±15%)、感度100dB/mW(±3dB)と「Phoenix」同様に同クラスのヘッドホン製品としては比較的鳴らしやすく、多くの再生環境でそれなりに楽しめますし、ある程度駆動力のあるDAPやポータブルアンプであれば十分に本領を発揮することが出来るでしょう。
「SIVGA Luan」は方向性としてはSIVGAらしいニュートラルサウンドですが、先日レビューした「SV023」(499ドル)との比較では、「SV023」はよりフラット方向で優れた解像感を持ちますが、「SIVGA Luan」はリスニング的なエッセンスがあり、ボーカル域はより滑らかな伸びがあり、音場はさらに広さがあります。また「SIVGA Luan」はポジションとしては「Phoenix」(309ドル)をアップデート、あるいはリプレースする製品となりますが、「SIVGA Luan」は僅かにウォーム寄りだった「Phoenix」に比べて自然な印象を持ちつつより解像感に優れ、スッキリ目の印象を持ちます。
「SIVGA Luan」の高域は、伸びやかさがあり明瞭な音を鳴らします。中高域付近にアクセントがありますが、直線的に伸びる印象で見通しは良く、透明感も優れています。解像感も高く明るく適度な煌めきも感じられます。いっぽうで複合振動板の大口径ドライバーは過度に硬質にならず自然な音色とレスポンスを維持してます。個人的には煌びやかな音を明瞭に表現しつつ歯擦音や刺激はほぼ感じませんでしたが、再生環境や音源によっては刺さりなどが気になる場合もあるようです。
中音域はニュートラルで癖の無い音を鳴らします。U字に近いニュートラルバランスで、ボーカル域は比較的近く、中高域にアクセントがあることで全体として自然な輪郭ながらより明瞭な音像を感じさせる描写です。音場は広大で抜けが良く、分離も自然で定位も比較的捉えやすい印象。
また自然な音像ながら「Phoenix」のような温かみとは異なり、かつbeyerdynamicなどのモニター的なクールさとも異なるリスニング的なサウンドです。方向性として手持ちのヘッドホンで最も近い印象だったのは「HIFIMAN Edition XS」で、「SIVGA Luan」における同社のアプローチがなんとなく理解できたような気がしました。どちらもややあっさり目の音で、場合によってはやや薄味に感じるかもしれません。解像感などは平面駆動の「Edition XS」のほうが優れますが、「SIVGA Luan」はスピード感とキレがあり、男性ボーカルなどの中低域はより豊かな印象を受けます。そのためスタジオレコーディングなどのライブ感のあるボーカル曲では非常に「映える」印象で、オーケストラでのクラシックなどがより心地よい「Edition XS」に比べて「イマドキ」に寄せたチューニングといえるかも知れませんね。
低域は力強くエネルギッシュですが抜けが良く見通しの良い印象があります。重低音に僅かにアクセントがあり中高域との分離感を高めます。ミッドベースは直線的でインパクトのある音を鳴らし、強調感のない自然な印象で再生されます。キレやレスポンスの良さはこのグレードとしては一般的ですが自然で不足を感じることは少ないでしょう。ニュートラル方向で低域を強調したサウンドではありませんし、開放型ですので密閉型のような迫力はありませんが、十分な量感と広さのある心地よい音を鳴らします。
■ まとめ
というわけで、「SIVGA Luan」は300~350ドル級の開放型ヘッドホンとして、ニュートラルで心地よいサウンドバランスを実現しつつ、中高域から高域の表現などではより上位のグレードの製品をベンチマークしたとも思える質感があり、同価格帯の有名メーカー製品と比較しても十分に魅力的なサウンドに仕上がっていました。
もちろんSIVGAらしいウッドハウジングは高い質感を持っており、高級感のあるデザインに装着感も非常にソフトで使いやすいことも大きなメリットといえるでしょう。またミドルグレードのヘッドホン製品の中ではより多くの再生環境で鳴らしやすいことも、幅広いユーザーが使いやすいという意味で魅力的ですね。アマゾンでは現在の為替レートを考慮するとかなりお手頃価格で購入できることもあり、興味のある方は早めに購入されるのも良いと思いますよ(^^)。
「Sivga Audio」は2016年に中国で設立されたSivga Electronic Technology社のオーディオブランドで、主にハイエンドヘッドホンの市場で製品を展開しています。私のブログでもこれまでさまざまな同社製品を紹介してきました。
→ 過去記事(一覧): SIVGA製ヘッドホン/イヤホンのレビュー
→ 過去記事(一覧): SIVGA製ヘッドホン/イヤホンのレビュー
今回の「SIVGA Luan」はハンドメイドによる高品質木製によるイヤーカップを備えた開放型オーバーイヤーヘッドホンです。オープンバックアーキテクチャを採用し、ドライバーには50mmサイズの大口径ダイナミックドライバーを搭載し、高品質なサウンドを提供します。
「SIVGA Luan」はハンドメイドの木製イヤーカップを採用。ハウジングはソリッド・スタビライズウッドをCNC精密成形で加工しています。ウッドハウジングならではの質感があり、音響性能的にも共鳴音の反射を軽減する効果が得られます。
ドライバーには特別に設計された50mmダイナミックドライバーを搭載。振動板はエッジ部は軽量かつニッケルコート技術を使用し、ドーム部にはカーボンファイバーを使用した複合振動板を採用。さらに銅クラッドアルミ製コイルなど高品質な素材を使用して慎重に設計されています。深みのある低域のレスポンスと優れた中音域の表現力、滑らかな高域を実現します。また磁気回路には24.5mmの大型高磁力のNdFeB ネオジム磁石を内蔵。高感度で歪みの少ないクリーンなサウンドを実現します。
そして「SIVGA Luan」は345gの軽量設計で人間工学に基づいたデザインを採用。肌に優しい高品質のベルベット製イヤーパッドとヘッドバンドを採用し快適な装着感を提供します。ヘッドフレームは、高品質の CNC機械加工による金属構造によって耐久性も持っています。
「SIVGA Luan」は取り外し可能な3.5mmケーブルを採用。ラバーコーティングにより不快なタッチノイズも軽減されます。また本体コネクタ部も3.5mm両出し仕様を採用しています。
「SIVGA Luan」はアマゾンまたはAliExpressのSivga Audio直営店などで購入が可能です。
カラーバリエーションは「ブラウン」と「ブラック」の2色が選択できます。
価格は359ドル、アマゾンでは43,000円です。現在の為替レートだとアマゾンで購入する方が割安ですし、レビュー掲載時点ではプライム扱いで購入できますのでお勧めです。
カラーバリエーションは「ブラウン」と「ブラック」の2色が選択できます。
価格は359ドル、アマゾンでは43,000円です。現在の為替レートだとアマゾンで購入する方が割安ですし、レビュー掲載時点ではプライム扱いで購入できますのでお勧めです。
免責事項:
本レビューではレビューサンプルとして SIVGA より製品を提供いただきました。機会を提供してくださったことに感謝します。ただし本レビューに対して金銭的やりとりは一切無く、レビュー内容が他の手段で影響されることはありません。以下の記載内容はすべて私自身の感想によるものとなります。
■ パッケージ構成、製品の外観および内容について
今回の「SIVGA Luan」も「Sivga Audio」よりサンプル提供をいただきました。カラーは「ブラック」で届きました。パッケージはライアンアートが描かれたブラックのシンプルなデザインです。
ヘッドホン本体はハイグレードモデルに相応しいレザー製のハードケースに収納されています。パッケージ内容は、ヘッドホン本体、ケーブル、3.5mm変換ケーブル、6.3mm変換プラグ、付属品用ポーチ、レザーケース。
「SIVGA Luan」の本体はスタビライズウッド製のハウジングを金属製のアームとバンドで構成されヘッドバンドはベルベット素材で覆われています。イヤーパッドのフィット面もベルベット地で、柔らかく適度な側圧でしっかりとホールドされます。オープンバック構成(=開放型)と言うこともあり通気性も比較的良好で、密閉感もあまり感じない印象です。
■ サウンドインプレッション
「SIVGA Luan」の音質傾向はニュートラル方向のチューニングながら中高域と重低音にアクセントがあり、全体としては僅かにU字寄り印象を受けるリスニングサウンドに仕上がっています。開放型らしい抜けの良い音場感のなかに十分なインパクトがあり量感を感じさせる低域と、自然な表現力の中で適度な彩りと艶感を感じる中音域、より明瞭に伸びエネルギーのある高域があり、心地よさと楽しさがあります。また「SIVGA Luan」はインピーダンス38Ω(±15%)、感度100dB/mW(±3dB)と「Phoenix」同様に同クラスのヘッドホン製品としては比較的鳴らしやすく、多くの再生環境でそれなりに楽しめますし、ある程度駆動力のあるDAPやポータブルアンプであれば十分に本領を発揮することが出来るでしょう。
「SIVGA Luan」は方向性としてはSIVGAらしいニュートラルサウンドですが、先日レビューした「SV023」(499ドル)との比較では、「SV023」はよりフラット方向で優れた解像感を持ちますが、「SIVGA Luan」はリスニング的なエッセンスがあり、ボーカル域はより滑らかな伸びがあり、音場はさらに広さがあります。また「SIVGA Luan」はポジションとしては「Phoenix」(309ドル)をアップデート、あるいはリプレースする製品となりますが、「SIVGA Luan」は僅かにウォーム寄りだった「Phoenix」に比べて自然な印象を持ちつつより解像感に優れ、スッキリ目の印象を持ちます。
「SIVGA Luan」の高域は、伸びやかさがあり明瞭な音を鳴らします。中高域付近にアクセントがありますが、直線的に伸びる印象で見通しは良く、透明感も優れています。解像感も高く明るく適度な煌めきも感じられます。いっぽうで複合振動板の大口径ドライバーは過度に硬質にならず自然な音色とレスポンスを維持してます。個人的には煌びやかな音を明瞭に表現しつつ歯擦音や刺激はほぼ感じませんでしたが、再生環境や音源によっては刺さりなどが気になる場合もあるようです。
中音域はニュートラルで癖の無い音を鳴らします。U字に近いニュートラルバランスで、ボーカル域は比較的近く、中高域にアクセントがあることで全体として自然な輪郭ながらより明瞭な音像を感じさせる描写です。音場は広大で抜けが良く、分離も自然で定位も比較的捉えやすい印象。
また自然な音像ながら「Phoenix」のような温かみとは異なり、かつbeyerdynamicなどのモニター的なクールさとも異なるリスニング的なサウンドです。方向性として手持ちのヘッドホンで最も近い印象だったのは「HIFIMAN Edition XS」で、「SIVGA Luan」における同社のアプローチがなんとなく理解できたような気がしました。どちらもややあっさり目の音で、場合によってはやや薄味に感じるかもしれません。解像感などは平面駆動の「Edition XS」のほうが優れますが、「SIVGA Luan」はスピード感とキレがあり、男性ボーカルなどの中低域はより豊かな印象を受けます。そのためスタジオレコーディングなどのライブ感のあるボーカル曲では非常に「映える」印象で、オーケストラでのクラシックなどがより心地よい「Edition XS」に比べて「イマドキ」に寄せたチューニングといえるかも知れませんね。
低域は力強くエネルギッシュですが抜けが良く見通しの良い印象があります。重低音に僅かにアクセントがあり中高域との分離感を高めます。ミッドベースは直線的でインパクトのある音を鳴らし、強調感のない自然な印象で再生されます。キレやレスポンスの良さはこのグレードとしては一般的ですが自然で不足を感じることは少ないでしょう。ニュートラル方向で低域を強調したサウンドではありませんし、開放型ですので密閉型のような迫力はありませんが、十分な量感と広さのある心地よい音を鳴らします。
■ まとめ
というわけで、「SIVGA Luan」は300~350ドル級の開放型ヘッドホンとして、ニュートラルで心地よいサウンドバランスを実現しつつ、中高域から高域の表現などではより上位のグレードの製品をベンチマークしたとも思える質感があり、同価格帯の有名メーカー製品と比較しても十分に魅力的なサウンドに仕上がっていました。
もちろんSIVGAらしいウッドハウジングは高い質感を持っており、高級感のあるデザインに装着感も非常にソフトで使いやすいことも大きなメリットといえるでしょう。またミドルグレードのヘッドホン製品の中ではより多くの再生環境で鳴らしやすいことも、幅広いユーザーが使いやすいという意味で魅力的ですね。アマゾンでは現在の為替レートを考慮するとかなりお手頃価格で購入できることもあり、興味のある方は早めに購入されるのも良いと思いますよ(^^)。