Angelears Abyssal

こんにちは。今回は 「Angelears Abyssalグラフェン合金 7N OCC ハイグレードケーブルです。さまざまなコラボ製品で一気に知名度を向上させているAliExpressの大手セラー「Angelears Audio」が自社ブランドで初めて手がけたイヤホンケーブル製品です。太さのある落ち着いたライトブルーのケーブルで「見るからに強そう」という外見のハイグレード製品ですが、品質面でもかなり強力なケーブルだと思います。
ちなみに、「Angelears Audio」はAliExprssなどでショップを展開する中国のセラーでこれまでも様々なコラボ製品をリリースしている事でも知られます。私のブログでもこれまで「SeeAudio Bravery AE」や「7Hz Timeless AE」、さらに最近では「BQEYZ Winter Ultra」、「SeeAudio Yume Ultra」などのイヤホンをレビューしています。どれも非常に人気の高い製品ですね。

Angelears Abyssal」の購入はAliExpressの「Angeldac Audio Store」にて。


免責事項:
本レビューではレビューサンプルとして Angelears より製品を提供いただきました。機会を提供してくださったことに感謝します。ただし本レビューに対して金銭的やりとりは一切無く、レビュー内容が他の手段で影響されることはありません。以下の記載内容はすべて私自身の感想によるものとなります。


[ Angelears Abyssal ] グラフェン合金 7N OCC ハイグレードケーブル(ターコイズブルー)
Angelears Abyssal Graphene alloy 7N OCC HIFI Earphone Cable
【CIEM 2pin】【3.5mm】【4.4mm】

Angelears AbyssalAngelears Abyssal
Angelears Abyssal」は「グラフェン合金線」と「7N OCC単結晶銅」のミックスによるハイグレードケーブルで、メインのコア層には0.08mm×35本で構成される「グラフェン合金線」を使用し、周囲の保護層には0.06mm×38本で構成される「7N OCC単結晶銅線」が使用されています。ケーブルの太さおよび線材の構成から同軸線仕様になっているものと推測されますね。
※レビュー掲載後にケーブルの内部構成図が公表されました。予想通り同軸構成で、コア部分に「グラフェン合金線」、外周のGNDに「7N OCC単結晶銅線」でそれぞれを樹脂被膜で絶縁している仕様でしたね。
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なお、コネクタは0.78mm 2pinのみで、プラグは3.5mmステレオまたは4.4mmバランスを選択できます。製品名の「Abyssal」はTwitterのキャンペーン公募によって決定しています。深海を意味するこの製品名は、深い青色、左右上下に広い音場などの特徴や、 音の自然さ、安定感などが、深海のイメージに合致している、ということだそうです。
Angelears AbyssalAngelears Abyssal

実際の製品は約1ヶ月ほど前に樹脂製のケースに入って届いています。ケーブルは布張りの被膜で、落ち着いたライトブルーとグレーの繊維を丁寧に編み込んだモザイク模様がとてもキレイですね。全体的にターコイズブルーの色合いで実際に手にするとちょっとグリーンぽく見えたりするのも良い感じです。
Angelears AbyssalAngelears Abyssal
しっかり編み上げられているためケーブルとしてはやや硬めの取り回しですが、写真から感じたゴツめの外観より実際はしなやかで使い勝手は良い印象です。コネクタおよびプラグ部分は金属製でつや消しブラックの仕上げになっています。金色のスライダーを含め高級感も感じられます。

Angelears AbyssalAngelears Abyssal
Angelears Abyssal」のリケーブル後の印象は、明瞭かつ非常に透明度の高さを感じる印象。イヤホンの特徴を活かし、非常に高い解像感でポテンシャルを奥の方から引き出してくれるようなケーブルです。グラフェン合金線と7N OCC線の2種類の線材を使用していますが、印象としては合金線のクリアな印象がより強調され、透明感の高さからより広く立体的な音場を実感できる印象です。

Angelears AbyssalAngelears Abyssal」はケーブルの組成が同軸構成に構成になっており、絶縁されている「メインコア」部分、つまり実際に信号を伝達する+極性はグラフェン合金線、外周部分の-極性(GND)はと7N OCC単結晶銅線を使用している仕様となっているようです。そのため表皮効果による外周部の減衰が抑制され、ノイズを抑えた正確性の高い伝送を行うとともに、グラフェン合金線の特性が鮮明に出ているのではと想像できます。いっぽうで銅線部分は高純度の単結晶銅線を使用することで十分な情報量を確保していると思われます。

このような特性のため、たとえば「Moondrop Blessing3」のように、ニュートラルバランスにチューニングされ、しかも明らかに付属ケーブルでは本来のサウンドが引き出されず、若干曇ったような印象を感じる製品では分かりやすく「覚醒」するのを実感出来ます。1音1音の解像感が飛躍的に向上し、まさに「空気の膜を取り除いたよう」な印象を持つことでしょう。高域の伸びやかさ、低域の締まり感、そして立体的に描写される音場感を楽しめます。また「Angelears Abyssal」は、有名メーカーの数百ドルクラスと比較しても遜色ない品質を備えており、このような詳細な描写でも粗さなどを感じることは無く、驚くほどの透明感が得られます。
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また「Blessing3」同様に4BA+1DD構成の「TANCHJIM KARA」のように、やや低域が厚めながら明瞭感のあるV字方向のバランスを描く製品の場合では、情報量の多さから付属ケーブルより音量が1まわりアップしますが過度にドンシャリ傾向が強調されることは無く、ボーカル域を中心とした中音域~中高域の見通しが大幅に向上し輪郭がはっきりすることで、ややU字寄りでニュートラル方向に自然な印象になります。高域の伸びも当然向上するため非常にスッキリした印象に感じられますね。

というわけで、「Angelears Abyssal」は約100ドル程度で購入可能なケーブルとしては非常にレベルが高く、特にミドルグレード以上のイヤホンでの組み合わせでもしっかり音質を維持したまま変化が楽しめるという点でお勧め度の高いケーブルだと感じました(^^)。