BGVP P05

こんにちは。今回は 「BGVP P05」です。PU+セラミック複合振動板ダイナミックドライバーをシングルで搭載し、特許技術の前後2系統のフィルター交換ギミックを搭載した低価格中華イヤホンです。この独自の仕組みにより、全くキャラクターの異なる、しかもどちらもしっかり完成度の高いサウンドを楽しめる、非常に興味深いイヤホンですね。

■ 製品概要からのまとめと購入方法について

「BGVP」はマニアにはお馴染みの老舗ブランドのひとつで、これまでに低価格機からハイグレードまで数多くのイヤホンをリリースしています。そのなかでもヒット作と呼べる製品もコンスタントに登場している印象がありますね。私のブログでも2017年頃から割と定期的に紹介しているブランドです。
過去記事(一覧):BGVPブランドのイヤホンレビュー

今回の「BGVP P05」は10mmサイズの PU+セラミック振動板ダイナミックドライバーをシングルで搭載し、シェルの背面とステムノズル部分の2つのフィルターを交換可能という非常に個性的なギミックを持つイヤホンです。
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BGVP P05」は高品質の航空グレードの6シリーズアルミニウム合金を使用し高精度のCNC加工で成形された円筒形のキャビティを採用。その外観は複雑なプロセスを経て繊細で絶妙なデザインに仕上げられています。
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BGVP P05」が搭載する「10mm PU+セラミック振動板ダイナミックドライバー」は、スムーズな高域の伸びとクリーンな低域応答を実現し、幅広いダイナミックレンジによる優れた解像感と明瞭さを備えています。そしてキャビティでは、ドライバー背面の音圧の複雑な動きを調整する特許取得済みのチューニングシステム「complex sound leakage and loop system」を採用。「BGVP Melody」など従来製品でも採用されるステムノズル部分のフィルターに加え、独自の背面ダンパー部の圧力調整用のフィルターを併用することで、より詳細なサウンドチューニングを可能にしています。
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BGVP P05」ではボーカルの密度およびサウンドステージの表現などをこの圧力解放設計によって調整可能。製品にはバランス重視の「Equalization filter」と低域重視の「Bass filter」が付属し、2種類の異なるサウンドシグネチャーを楽しむことが出来ます。
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BGVP P05」の購入はHiFiGo(hifigo.com)またはアマゾンのHiFiGoマーケットプレイスにて。
価格は49.99ドル~、アマゾンでは7,005円~です。
HifiGo(hifigo.com): BGVP P05 ※現在44.99ドルで販売中
Amazon.co.jp(HiFiGo): BGVP P05 ※レビュー掲載時プライム扱いで販売中


免責事項:
本レビューではレビューサンプルとして HiFiGo より製品を提供いただきました。機会を提供してくださったことに感謝します。ただし本レビューに対して金銭的やりとりは一切無く、レビュー内容が他の手段で影響されることはありません。以下の記載内容はすべて私自身の感想によるものとなります。


■ パッケージ構成、製品の外観および内容について

BGVP P05」のパッケージは製品画像を掲載した大きめのボックス。アンダー50ドルの製品としてはかなりしっかりした印象です。化粧箱の下にはブラックの内箱があります。
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パッケージ内容は本体、ケーブル、交換用フィルター(Bass filter)、フィルター用ケース、イヤーピース(シリコンタイプが2種類でS/M/Lサイズ、ウレタンタイプ1ペア)ハードケース、説明書、保証書ほか。パッケージの大きさにあわせて、付属品も非常に充実していますね。やはり価格以上のお得感があります。
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本体はアルミ合金(6シリーズのジュラルミン)で、片側重量3.4gという非常に軽量な設計になっています。シェル形状は円筒形のいわゆる「タンク型」で全体のシルエットは「TINHIFI T2」シリーズあたりと非常によく似たものになっています。
ただ「TINHIFI」の製品と大きく異なるのは交換可能なステムノズルのフィルターと、独自の背面フィルターの部分ですね。背面ダンパー部分の圧力を調整するフィルター構造で、フィルターのベント(空気孔)から若干の音漏れがありますが、よほど静かな部屋でなければ気にならないレベルです。
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ケーブルは6N OFC銀メッキ線ケーブルで樹脂被膜が多少弾力がありますが適度なしなやかさで使い勝手は良い印象。耳に沿って装着可能な柔らかさで、耳掛け加工はしておらず、耳掛け式の装着方法でも、耳からケーブルを下げるストレートタイプでも、どちらの装着方法も可能な点は良いですね。コンパクトなシェルのため、イヤーピースをしっかり合わせれば装着感で困ることは少ないでしょう。
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フィルターは標準では背面が赤色、ステムノズル部が金色の「Equalization filter」が装着され、どちらもシルバーの「Bass filter」が付属します。背面ダンパーのフィルターとノズル部のフィルターをセットで交換することを前提としているようですので、背面のみ、ノズルのみでの交換だとサウンドバランスが崩れてしまうようですね。
付属のイヤーピースは開口部の大きい柔らかい白色タイプと、いわゆる「AET07」タイプ、およびウレタンタイプという構成。付属のイヤーピースのほか、必要に応じてよりフィット感のあるものに交換するのも良いでしょう。


■ サウンドインプレッション

BGVP P05BGVP P05」の音質傾向は、標準の「Equalization filter」が中音域にアクセントがあるU字~フラット方向のニュートラル、「Bass Filter」は非常に深い重い低域を持つバランスの良いV字を描く弱ドンシャリ傾向で、フィルターの違いによってかなり明確にバランスの異なるサウンドを楽しめます。
搭載されるPU+セラミック複合振動板は最近増えているPU+PEEK同様に滑らかさや弾力のある「PU(ポリウレタン)」とキレのある硬質な材質(今回は「セラミック」)という異なる質感の材質を組み合わせることで、滑らかさとキレの良さや明瞭さの両立ができる、という特徴が有ります。「BGVP P05」もBGVPが得意とする質が高く非常に深い低域を表現しつつ、中高域との分離も良く、キレがあり明瞭なサウンドをシングルダイナミック構成で実現しています。

仕様としてはインピーダンス34Ω、感度105dB/mWですが、結構音量は取りにくく、DAPやアンプなどはハイゲインモードで高出力で鳴らす方が本来のサウンドを楽しめるでしょう。また情報量の多いバランスケーブルへのリケーブルなども有効ですね。

BGVP P05」の高域は明瞭な印象で直線的な伸びやかさがあります。セラミックの複合振動板のためか、硬質でドライな印象もあり、シンバル音などはPZT(ピエゾセラミック)ぽさも感じられる鳴り方ですね。
BGVP P05標準の「Equalization filter」(赤+金)では、ある程度エージングのうえ駆動力のある再生環境で鳴らすと中高域寄りのスッキリしたサウンドになります。分離は良く解像感も高めの印象で、鋭い音は相応に鋭さを感じさせ、光沢感も表現され伸びやかさも十分に感じられます。50ドル以下の低価格帯の製品では比較的聴きやすさ重視の製品が多いものの、PU+○○系の複合振動板を搭載している製品ではその材質の特徴(○○の部分)を活かした高域が表現されている製品が多くとても好感が持てますね。
いっぽうで、「Bass filter」(シルバー)では、高域はじゃっかん暗めに変化し定位も下がるものの、明瞭感や伸びやかさは維持されており、より聴きやすいバランスで鳴ってくれる印象となります。

中音域はニュートラルで癖の無い音を鳴らします。分離は良くボーカルは自然な距離感で定位します。全体として寒色系ながら輪郭は自然で過度にエッジが立った印象では無いものの、中高域は明瞭で伸びやかさがあり、複合振動板によるシングルダイナミック構成ながら2種類の傾向が両立してちょっとハイブリッドぽさもある、という特徴が上手く活かされています。
BGVP P05「Equalization filter」(赤+金)では、U字からフラット方向に近いバランスとなり、特に女性ボーカルの高音など中高域にアクセントがあります。そのため曲によっては若干のカマボコ寄りに感じる場合もありますね。演奏との分離も良く見通しの良いスッキリした印象があり、定位も比較的正確です。ボーカル同様にストリングスも存在感があり、ブラスは光沢があります。
「Bass filter」(シルバー)ではV字傾向が強調され、中音域はやや凹む印象になります。そのためボーカルは曲によってはより距離感がありますが、見通しの良さから自然な印象でまとめられています。音場はより広く多層的な印象となり、ライブ音源やインストゥルメンタルでの臨場感が非常に高くなります。

低域は、直線的でキレと締まり感のある音を鳴らします。重低音は深さがあり、解像感と深さを両立した印象です。特に「Bass filter」(シルバー)では中高域との分離の良さを維持しつつ、量感が増し、非常に深く重い音を鳴らしてくれます。中低域寄りのバランスとなるため、中高域のキレの良さやスピード感などは少し後退するため、明瞭さはしっかり感じるものの、スッキリした印象から、厚みと音場感を中心とした印象に変化します。
「Equalization filter」(赤+金)ではニュートラルバランスで全体としてはやや中高域寄りとなるため、量的には多く感じませんがミッドベースは締まりがある音を鳴らしボーカル域を心地よく下支えしてくれる印象となります。


■ まとめ

というわけで、「BGVP P05」は「やや中高域寄りのスッキリ系明瞭サウンド」と「中低域より弱ドンシャリで力強く深い低域イヤホン」という異なる2つのキャラクターを50ドル以下で両立させた、という完全に「二兎を追う」または価格も含めると「三兎を追ってる」かもな、そしてある程度両立に成功しているという点で非常に希有なイヤホンといえるかも知れません。もっともどちらのモードも音質的に異常というほどのレベルで突出しているわけではありませんし、外観などもわりと普通で個性的ではありませんが、総合点が結構高く、中身も凄いぞ、というイヤホンですね(^^)。

BGVP P05正直なところ50ドル以下のイヤホンとしてはかなり良いと思いますが、あえてウィークポイントを挙げると、ネジ式のフィルターにゴムパッキンなどのしっかり締め付けがないため、試聴のため頻繁にフィルターの交換を行っていたらちょっと緩くなってしまった点でしょうか。過去にレビューした製品でフィルター部分用の予備リングが複数付いていた製品があったため、ちょっと流用してみようと思っていますが(探さないと・・・^^;)、2種類のサウンドがそれぞれ個性があり、どちらも良い印象なため、どうしても交換頻度は多くなりそうなため、改善されるといいですね。また文中にも記載の通りちょっと鳴らしにくいイヤホンなので、より「BGVP P05」を楽しむ上ではリケーブルは必須と考えた方が良いかも知れません。最近はリケーブル製品でも耳掛け加工のないケーブルは少なくなっていますが、多くは樹脂被膜でカバーしているパターンなので、これを剥がせば耳から垂らす装着も可能な場合もありますね。価格的にもお手頃ですし、使い勝手の良いコンパクトなイヤホンを探している方には良いと思いますよ(^^)。