こんにちは。今回は「THIEAUDIO Hype 2」です。同社の新シリーズに位置するミドルグレードの2BA+2DDモデルです。最大の特徴は独自技術「IMPACT²」により、ダイナミックドライバー部分で2基のユニットを対向配置しタンデム稼働させる「アイソバリック方式」をイヤホンで採用している点。通常のウーファーを超える怒濤の低域を実現し、さらにSonion製の高域用BA・中音域用BAを搭載することでバランスの良いサウンドを実現しています。
■ 製品概要からのまとめと購入方法について
「THIEAUDIO」は中国のオーディオメーカー・セラーの「Linsoul」系のブランドとして、非常にハイスペックのシリーズから、100ドル前後のプライスパフォーマンスに優れた製品まで幅広いイヤホン製品をラインナップしています。
今回の「THIEAUDIO Hype 2」は、同社の新シリーズである「HYPE (Hybrid Performance) 」シリーズの最初のモデルとなります。2種類のSonion製BAドライバーと、最新技術「IMPACT² (Impact Squared)」を採用した「アイソバリック方式(Isobaric/等圧配置方式)」の2DDサブウーファーユニットを搭載する、2BA+2DD仕様のハイブリッドモデルです。
THIEAUDIOの最新技術である「IMPACT²」が採用する「アイソバリック(Isobaric)方式」は、1950年代に考案された2基以上の同一のウーファーがタンデム稼働する仕組みで、同サイズのウーファーより1.5倍~2倍のパワーを発揮する特徴が有ります。スピーカーの世界ではハイエンドメーカーの「LINN」が約50年前に同方式の製品特許を取得したことがあるほか、TOHOシネマズの「轟音シアター」など、映画館などの業務用で利用されるケースも多いようです。
「IMPACT²」では、独自のアイソバリック・チャンバーを自社開発することで、イヤホン用ドライバーでもアイソバリック方式を実現。2基の10mmダイナミックドライバーを対向で配置した状態でも出力周波数や音圧を一定に保ち、音色を犠牲にすること無く質の高い低域を実現したそうです。
さらに、中音域用および高域用で2基のSonion製バランスド・アーマチュア(BA)ドライバーを搭載。どちらも最新タイプのユニットで、スーパーツィーターには静電型(EST)ドライバーのような優れた高域特性を持ちつつ、より滑らかでまとまりがある特徴の「E25ST001/D」を、ミッドレンジにはTHDを低減して出力を大幅に強化し、同クラスのBAと比較して高い解像度と明瞭度を実現した「P2356HF/4」を採用しています。
これらの優れたドライバーユニットに対し、バランス・チューニングではトーンバランスを重視するTHIEAUDIOの伝統を受け継ぐスタジオモニター寄りの調整を採用。全帯域にわたって丁重に調整されており、THIEAUDIOの上位機種を愛用しているファンにも馴染みのある音色で、新しいユーザーにはインイヤーモニターの真髄に触れることができるだろう、とのこと。
「THIEAUDIO Hype 2」のカラーバリエーションはブルーとパープルの2色。
購入はLinsoul(linsoul.com)またはアマゾンの「LINSOUL-JP」にて。
価格は 299ドル、アマゾンでは45,680円です。
Linoul(linsoul.com): THIEAUDIO Hype 2
Amazon.co.jp(LINSOUL-JP): THIEAUDIO Hype 2
パッケージ内容はイヤホン本体、ケーブル、イヤーピース(白色シリコンタイプ、黒色ウレタンタイプ、の2種類、それぞれS/M/Lサイズ)、清掃用クロス、ケーブルバンド、大きめのハードケース。
本体は上位モデル同様の質の高いレジン製でシンプルかつ落ち着いたデザインのフェイスパネルも高級感があります。シェル形状も金属製のステムノズルはやや太めながら耳に収まりやすいサイズ感で装着性は良好。この辺は「Legacy」シリーズの上位機種や「Oracle」以上のマルチドライバーモデルともある程度共通した手堅い作りですね。逆に言えばフェイスプレートのデザイン以外はシリーズ間で大きな特徴の違いは少ないかも知れませんね。
付属ケーブルはTHIEAUDIO製品ではわりと定番の銀メッキOCC線ケーブル「THIEAUDIO ESTケーブル」が付属します。製品名称はもともと同社のESTドライバー搭載モデル用のケーブルとして製品化したから。単品でも購入できるため、同一仕様のバランスケーブルへの交換も可能な点はメリットでしょう。なおケーブルのコネクタ仕様は「中華2pin」タイプですが、イヤホン側は中華2pinの僅かな出っ張り部分が隠れる程度の浅い窪みがあります。
取り付けた際に外観上ケーブルの取り付け部を隠してスムーズに見せるほか、埋め込み型のCIEM 2pin仕様のケーブルにリケーブルした際の収まりが良い、ということを考慮しているのかも。ただ似たようなアプローチのBQEYZやMoondropあたりは付属ケーブルがCIEM 2pin仕様なことを踏まえると、本当はAAWなどのように埋め込み2pin仕様にしたいところ、すでにあるESTケーブルが中華ケーブルなので仕方なくこの仕様にした、という感じも見え隠れしますね。
また付属ケースが結構大きいサイズが付属するため、リケーブルの際に標準ケーブルも一緒にケースに入れておけたり、小型のDAPやオーディオアダプターであれば一緒にケースに入れて持ち運ぶこともできるので便利ですね。
イヤーピースはシリコンタイプとウレタンの2種類が付属しますが、ほかにも、定番の「スパイラルドット」や「AET07」(互換品含む)、「SpinFit CP100+」や「Softears U.C.」などの密着製が高いタイプなどを組み合わせて装着感を高めるのも良いと思います。今回私は少し小さめの「SpinFit CP100+」を選択しました。
なお、「THIEAUDIO Hype 2」のチューニングは、THIEAUDIOのなかでもLegacyシリーズのような比較的エントリークラスの製品より、Monarch系やPRESTIGE系といったESTドライバーを搭載したハイエンドのマルチドライバーモデルに寄せた調整を行っているという情報もありますね。私自身、この辺の機種は国内販売されている一部モデルの試聴レベルですが、高域の輝きや解像感などに相応の違いはあるものの、「THIEAUDIO Hype 2」がこれら数倍以上の上位モデルに近いサウンドを300ドル以下で目指している、というTHIEAUDIOの方向性そのものは何となく分かる気がする印象です。
低域はバランスとしてはニュートラル方向でまとめつつも、非常にエネルギーをもった力強さとパンチ力があります。優れたキレの良さと解像感があり、スピードと正確性という点でも非常に高い質感を持った低域です。「IMPACT²」技術によって生み出させる低域は、「アイソバリック構成」という特徴に注目しているマニアを十分に納得させる品質を持っていると感じます。ただし、とにかくパワーと臨場感を持った低音イヤホンを好まれる方のニーズとは「ちょっと違う」かもしれませんのんで、その辺は気をつけた方が良いでしょう。ミッドベースは直線的で締まりがあり、適切なインパクトとスピード感のあるアタックがあります。また濁りなどはほぼ皆無で明瞭な分離と解像感を持つ質の高さが印象的です。重低音もミッドベース同様にドライな印象ですが非常に深く、重く、底の方で鳴る厚みがあります。同時にこちらもスピード感があり音数の多い曲でも正確に描写します。
■ まとめ
というわけで、「THIEAUDIO Hype 2」は300ドル前後のアッパーミドルグレードの激戦区に投入された「意欲作」として、非常に興味深い製品でした。スペック的には独自の「IMPACT²」技術を初めて採用し、ハイエンドオーディオ分野を知るマニアには結構気になる「アイソバリック構成」を搭載する、という魅力もあります。そして音質面では「THIEAUDIO」の上位モデルを踏襲した、まさに「ど真ん中」のサウンドでチューニングされています。
「THIEAUDIO」は中国のオーディオメーカー・セラーの「Linsoul」系のブランドとして、非常にハイスペックのシリーズから、100ドル前後のプライスパフォーマンスに優れた製品まで幅広いイヤホン製品をラインナップしています。
今回の「THIEAUDIO Hype 2」は、同社の新シリーズである「HYPE (Hybrid Performance) 」シリーズの最初のモデルとなります。2種類のSonion製BAドライバーと、最新技術「IMPACT² (Impact Squared)」を採用した「アイソバリック方式(Isobaric/等圧配置方式)」の2DDサブウーファーユニットを搭載する、2BA+2DD仕様のハイブリッドモデルです。
THIEAUDIOの最新技術である「IMPACT²」が採用する「アイソバリック(Isobaric)方式」は、1950年代に考案された2基以上の同一のウーファーがタンデム稼働する仕組みで、同サイズのウーファーより1.5倍~2倍のパワーを発揮する特徴が有ります。スピーカーの世界ではハイエンドメーカーの「LINN」が約50年前に同方式の製品特許を取得したことがあるほか、TOHOシネマズの「轟音シアター」など、映画館などの業務用で利用されるケースも多いようです。
「IMPACT²」では、独自のアイソバリック・チャンバーを自社開発することで、イヤホン用ドライバーでもアイソバリック方式を実現。2基の10mmダイナミックドライバーを対向で配置した状態でも出力周波数や音圧を一定に保ち、音色を犠牲にすること無く質の高い低域を実現したそうです。
さらに、中音域用および高域用で2基のSonion製バランスド・アーマチュア(BA)ドライバーを搭載。どちらも最新タイプのユニットで、スーパーツィーターには静電型(EST)ドライバーのような優れた高域特性を持ちつつ、より滑らかでまとまりがある特徴の「E25ST001/D」を、ミッドレンジにはTHDを低減して出力を大幅に強化し、同クラスのBAと比較して高い解像度と明瞭度を実現した「P2356HF/4」を採用しています。
これらの優れたドライバーユニットに対し、バランス・チューニングではトーンバランスを重視するTHIEAUDIOの伝統を受け継ぐスタジオモニター寄りの調整を採用。全帯域にわたって丁重に調整されており、THIEAUDIOの上位機種を愛用しているファンにも馴染みのある音色で、新しいユーザーにはインイヤーモニターの真髄に触れることができるだろう、とのこと。
「THIEAUDIO Hype 2」のカラーバリエーションはブルーとパープルの2色。
購入はLinsoul(linsoul.com)またはアマゾンの「LINSOUL-JP」にて。
価格は 299ドル、アマゾンでは45,680円です。
Linoul(linsoul.com): THIEAUDIO Hype 2
Amazon.co.jp(LINSOUL-JP): THIEAUDIO Hype 2
免責事項:
本レビューではレビューサンプルとしLinsoulより製品を提供いただきました。機会を提供してくださったことに感謝します。ただし本レビューに対して金銭的やりとりは一切無く、レビュー内容が他の手段で影響されることはありません。以下の記載内容はすべて私自身の感想によるものとなります。
■ パッケージ構成、製品の外観および内容について
パッケージ内容はイヤホン本体、ケーブル、イヤーピース(白色シリコンタイプ、黒色ウレタンタイプ、の2種類、それぞれS/M/Lサイズ)、清掃用クロス、ケーブルバンド、大きめのハードケース。
本体は上位モデル同様の質の高いレジン製でシンプルかつ落ち着いたデザインのフェイスパネルも高級感があります。シェル形状も金属製のステムノズルはやや太めながら耳に収まりやすいサイズ感で装着性は良好。この辺は「Legacy」シリーズの上位機種や「Oracle」以上のマルチドライバーモデルともある程度共通した手堅い作りですね。逆に言えばフェイスプレートのデザイン以外はシリーズ間で大きな特徴の違いは少ないかも知れませんね。
付属ケーブルはTHIEAUDIO製品ではわりと定番の銀メッキOCC線ケーブル「THIEAUDIO ESTケーブル」が付属します。製品名称はもともと同社のESTドライバー搭載モデル用のケーブルとして製品化したから。単品でも購入できるため、同一仕様のバランスケーブルへの交換も可能な点はメリットでしょう。なおケーブルのコネクタ仕様は「中華2pin」タイプですが、イヤホン側は中華2pinの僅かな出っ張り部分が隠れる程度の浅い窪みがあります。
取り付けた際に外観上ケーブルの取り付け部を隠してスムーズに見せるほか、埋め込み型のCIEM 2pin仕様のケーブルにリケーブルした際の収まりが良い、ということを考慮しているのかも。ただ似たようなアプローチのBQEYZやMoondropあたりは付属ケーブルがCIEM 2pin仕様なことを踏まえると、本当はAAWなどのように埋め込み2pin仕様にしたいところ、すでにあるESTケーブルが中華ケーブルなので仕方なくこの仕様にした、という感じも見え隠れしますね。
また付属ケースが結構大きいサイズが付属するため、リケーブルの際に標準ケーブルも一緒にケースに入れておけたり、小型のDAPやオーディオアダプターであれば一緒にケースに入れて持ち運ぶこともできるので便利ですね。
イヤーピースはシリコンタイプとウレタンの2種類が付属しますが、ほかにも、定番の「スパイラルドット」や「AET07」(互換品含む)、「SpinFit CP100+」や「Softears U.C.」などの密着製が高いタイプなどを組み合わせて装着感を高めるのも良いと思います。今回私は少し小さめの「SpinFit CP100+」を選択しました。
■ サウンドインプレッション
「THIEAUDIO Hype 2」の音質傾向はニュートラル寄りの弱ドンシャリ。チューニングとしては整ったバランスを持ちつつ各音域に鮮やかさを感じさせる主張があるリスニングサウンドが印象的です。「IMPACT²」による低域は確かに非常に力強く、厚みと深さをもちつつ非常に解像感の高い音を鳴らします。ただし全体のバランスとして特に低域を強調しているわけでは無く、スムーズで一貫性のあるニューラルサウンドの中で各音域が鮮やかさと強さがあり、「IMPACT²」による低域もその要素のひとつとして調和している、という印象にまとまっています。
「THIEAUDIO Hype 2」の音質傾向はニュートラル寄りの弱ドンシャリ。チューニングとしては整ったバランスを持ちつつ各音域に鮮やかさを感じさせる主張があるリスニングサウンドが印象的です。「IMPACT²」による低域は確かに非常に力強く、厚みと深さをもちつつ非常に解像感の高い音を鳴らします。ただし全体のバランスとして特に低域を強調しているわけでは無く、スムーズで一貫性のあるニューラルサウンドの中で各音域が鮮やかさと強さがあり、「IMPACT²」による低域もその要素のひとつとして調和している、という印象にまとまっています。
なお、「THIEAUDIO Hype 2」のチューニングは、THIEAUDIOのなかでもLegacyシリーズのような比較的エントリークラスの製品より、Monarch系やPRESTIGE系といったESTドライバーを搭載したハイエンドのマルチドライバーモデルに寄せた調整を行っているという情報もありますね。私自身、この辺の機種は国内販売されている一部モデルの試聴レベルですが、高域の輝きや解像感などに相応の違いはあるものの、「THIEAUDIO Hype 2」がこれら数倍以上の上位モデルに近いサウンドを300ドル以下で目指している、というTHIEAUDIOの方向性そのものは何となく分かる気がする印象です。
「THIEAUDIO Hype 2」の高域は明瞭な印象を持ちつつ直線的な滑らかさを持った音を鳴らします。製品説明のなかでSonion「E25ST001/D」について、「ESTのような特性」とわざわざ記載するあたりも、「Monarch」や「PRESTIGE」のSonion製2EST、4ESTの代替として採用している、という意図が透けて見えます。そのため高域用BAにありがちな金属感は少なくドライでスッキリした高域に調整されており、解像感も高い印象ですが、いっぽうで透明感や見通しの良さという点ではそれほど高くはありません。また光沢感は同クラスのハイブリッド製品より少なく感じる場合もあります。この辺は良し悪しというより好みの部分ですね。
中音域は、かなりフラットな印象で、音源をありのままに表現してくれる印象。主張のある高域および低域に対して滑らかなU字のバランスを描いており、最近の○○ターゲット的なイヤホンに多い中高域にアクセントを付けるようなアプローチや、中低域に厚みを持たせる方向性をあまり感じないため、ともするとちょっと味気ない印象に感じる方もいらっしゃるかも知れません。
ただ、こちらも製品説明で中音域を担うSonion「P2356HF/4」について「THDを低減して出力を大幅に強化」しており、同クラスのBAより解像度と明瞭度が高い、と記載しているとおり、解像感と分離は非常に良い印象で、自然な輪郭と僅かな温かみを持ちつつ、1音1音を非常に精緻に、そして滑らかに表現しているのが実感出来ます。ボーカルは自然な存在感ながら若干前方に定位し余韻も含め音源のニュアンスをそのまま表現します。演奏も個々の楽器の音色は非常に自然で分離も良くそれぞれの音を捉えやすい印象。ただ音場は自然でそこまで広さを感じる印象ではありません。鮮やかさを持ちつつもバランスとしてはモニター的なありのままの音という印象で、やはりハイグレード製品を意識した音作りといえるでしょう。いっぽうでリスニング的なエネルギーを持ったボーカルや包み込むような音場感はあまり得られず、メリハリのあるサウンドを好まれる方には物足りなく感じる事もありそうです。
中音域は、かなりフラットな印象で、音源をありのままに表現してくれる印象。主張のある高域および低域に対して滑らかなU字のバランスを描いており、最近の○○ターゲット的なイヤホンに多い中高域にアクセントを付けるようなアプローチや、中低域に厚みを持たせる方向性をあまり感じないため、ともするとちょっと味気ない印象に感じる方もいらっしゃるかも知れません。
ただ、こちらも製品説明で中音域を担うSonion「P2356HF/4」について「THDを低減して出力を大幅に強化」しており、同クラスのBAより解像度と明瞭度が高い、と記載しているとおり、解像感と分離は非常に良い印象で、自然な輪郭と僅かな温かみを持ちつつ、1音1音を非常に精緻に、そして滑らかに表現しているのが実感出来ます。ボーカルは自然な存在感ながら若干前方に定位し余韻も含め音源のニュアンスをそのまま表現します。演奏も個々の楽器の音色は非常に自然で分離も良くそれぞれの音を捉えやすい印象。ただ音場は自然でそこまで広さを感じる印象ではありません。鮮やかさを持ちつつもバランスとしてはモニター的なありのままの音という印象で、やはりハイグレード製品を意識した音作りといえるでしょう。いっぽうでリスニング的なエネルギーを持ったボーカルや包み込むような音場感はあまり得られず、メリハリのあるサウンドを好まれる方には物足りなく感じる事もありそうです。
低域はバランスとしてはニュートラル方向でまとめつつも、非常にエネルギーをもった力強さとパンチ力があります。優れたキレの良さと解像感があり、スピードと正確性という点でも非常に高い質感を持った低域です。「IMPACT²」技術によって生み出させる低域は、「アイソバリック構成」という特徴に注目しているマニアを十分に納得させる品質を持っていると感じます。ただし、とにかくパワーと臨場感を持った低音イヤホンを好まれる方のニーズとは「ちょっと違う」かもしれませんのんで、その辺は気をつけた方が良いでしょう。ミッドベースは直線的で締まりがあり、適切なインパクトとスピード感のあるアタックがあります。また濁りなどはほぼ皆無で明瞭な分離と解像感を持つ質の高さが印象的です。重低音もミッドベース同様にドライな印象ですが非常に深く、重く、底の方で鳴る厚みがあります。同時にこちらもスピード感があり音数の多い曲でも正確に描写します。
■ まとめ
というわけで、「THIEAUDIO Hype 2」は300ドル前後のアッパーミドルグレードの激戦区に投入された「意欲作」として、非常に興味深い製品でした。スペック的には独自の「IMPACT²」技術を初めて採用し、ハイエンドオーディオ分野を知るマニアには結構気になる「アイソバリック構成」を搭載する、という魅力もあります。そして音質面では「THIEAUDIO」の上位モデルを踏襲した、まさに「ど真ん中」のサウンドでチューニングされています。
ただ、同価格帯の強力な競合機種は同様に高いレベルを実現しつつ、外見やスペック、サウンドなどに結構わかりやすい特徴を持っていたりします。そういったなかで「THIEAUDIO Hype 2」はいかにも「THIEAUDIO」的というか、ざっくりいうと地味に感じる方も少なくないかも知れませんね。
個人的には1000ドル級のニュートラルなチューニングはそのクラスの構成だから意味があるという気もしますし、より下位グレードの製品からアップグレードしたいと考えている方には競合機種の音作りのほうが分かりやすく、魅力的に感じるようにも思います。そういった意味で音質的には十分に優れているものの、選択肢としては「買う人を選ぶ」イヤホンになるのではと思います。
もっとも、特に相応の品質のケーブルに変更してバランス接続を行うことで、より解像感と情報量が増すとともに鮮やかさと滑らかさのバランスもより際立った印象になり、さらに1ランク上のサウンドのように感じさせてもくれます。確かに、非常に強力なライバルが多い同クラスの製品のなかで抜きん出ることはなかなか難しい製品ですが、「THIEAUDIOの上位モデルに近いサウンド」と特徴的な「アイソバリック構成」という点に魅力を感じる方であれば十分に魅力的なイヤホンになると思いますよ(^^)。
個人的には1000ドル級のニュートラルなチューニングはそのクラスの構成だから意味があるという気もしますし、より下位グレードの製品からアップグレードしたいと考えている方には競合機種の音作りのほうが分かりやすく、魅力的に感じるようにも思います。そういった意味で音質的には十分に優れているものの、選択肢としては「買う人を選ぶ」イヤホンになるのではと思います。
もっとも、特に相応の品質のケーブルに変更してバランス接続を行うことで、より解像感と情報量が増すとともに鮮やかさと滑らかさのバランスもより際立った印象になり、さらに1ランク上のサウンドのように感じさせてもくれます。確かに、非常に強力なライバルが多い同クラスの製品のなかで抜きん出ることはなかなか難しい製品ですが、「THIEAUDIOの上位モデルに近いサウンド」と特徴的な「アイソバリック構成」という点に魅力を感じる方であれば十分に魅力的なイヤホンになると思いますよ(^^)。