こんにちは。今回は 「7Hz Sonus」です。約60ドルのエントリーグレードの1BA+1DDモデルです。入念調整されたサウンドバランスと質の良いケーブルおよびイヤーピース、そしてレザーケースなど付属品も充実しており、音質面でも内容面でもお買い得感のある手堅い仕上がりになっています。
■ 製品概要からのまとめと購入方法について
個性的なイヤホン製品でマニアの注目度が高まっている中華イヤホンブランド「7Hz(Seven Hertz)」の新たなエントリークラスのハイブリッドモデルです。「7Hz」というと「i77」「i88」「i99」、そして同社を一躍有名にした平面駆動モデルの「Timeless」「Eternal」「Salnotes Dioko」、そして最エントリーの「ZERO」と、シングルダイナミック構成の印象の強いメーカーです。しかし今回の「7Hz Sonus」は同社の最初のモデルである1BA+1DD構成の「7HZ」を改めてアップグレードし、よりドライバー間の音響的な統合による高音質化を目指しています。
「7Hz Sonus」で7HzはBAドライバーとダイナミックドライバーの一貫し結合することに焦点を当てました。慎重な音響および電気チューニングにより、「7Hz Sonus」では音色、調性、専門性などサウンド全体にわたって完全に相乗効果を発揮することを目指しています。独自のダイナミックドライバーとBAドライバーは幾度もの開発、サンプリング、調整を経て、2種類のドライバーが最終的に理想的な内部曲線に合わせるようにチューニングされました。また出力部ではフィルター材、メッシュ、フィルターパネルの三重の音響制御を行い、ユニットの性能を引き出しつつ安定したサウンドを実現しています。
また「7Hz Sonus」ではリケーブル可能な銀メッキOCC線ケーブルが付属。左右2芯、合計4芯のフラットタイプのケーブルで、芯ごとに49本の線材が緻密に織り込まれています。高品質なケーブルによりシームレスな信号伝送が確保され、より質の高いサウンドを実現しています。
「7Hz Sonus」のカラーバリエーションは「ブラック」「レッド」「シルバー」の3色。
購入は「Linsoul(linsoul.com)」またはアマゾンの「LINSOUL-JP」にて。
価格は59.99ドル、アマゾンでは9,680円です。
Linsoul(linsoul.com): 7Hz Sonus
Amazon.co.jp(LINSOUL-JP): 7Hz Sonus ※プライム在庫あり
パッケージ内容は本体、ケーブル、イヤーピースは「AET07」が5サイズ(Mサイズ装着済み)、「AET08」タイプがS/M/Lサイズ、交換用メッシュパーツ(前後2種類)、レザーポーチ、説明書。
本体は比較的コンパクトな樹脂製でフェイスパネルは金属製。本体は本体カラーに合わせたカラーリングの樹脂が使用されていますが、内部の11.3mmダイナミックドライバーとステム下のBAドライバーは確認することができます。耳への収まりは良く、装着性は良好です。
「7Hz Sonus」の本体コネクタはフラットの0.78mm 2pinタイプ。ケーブル側も中華2pin仕様ですが、4芯を樹脂被膜で平面上に束ねた「きしめんタイプ」を採用しているのが特徴的で。比較的硬めの被膜ですが絡まりにくく取り回しは思いのほか良く、本体面でも良いアクセントになっていますね。線材は高純度単結晶銅(OCC)銀メッキ線を使用しているそうです。
イヤーピースも「AET07」互換タイプ5サイズと「AET08」互換タイプが3サイズ付属します。付属イヤーピースのほか「SpinFit CP100+」や「TRN T-Eartips」」などに交換するのも良いと思います。
■ サウンドインプレッション
「7Hz Sonus」の音質傾向はやや中低域寄りでニュートラルな印象。傾向としてはフラット方向で緩やかなU字を描くサウンドバランスです。ボーカル域は僅かにウォームで聴きやすくまとめられていますが、中高域付近にアクセントがあり解像感も十分に得られます。
全体としてはつながりが良く派手さを抑えつつも各音域にある程度の主張があり、ハイブリッド構成のメリットも活かしている印象です。穏やかなサウンドですが自然な音場感と適度な鮮やかさがあり、突出した個性より聴きやすくまとまりの良さを感じさせるイヤホンです。
また付属ケーブルと本体のチューニングもしっかり行われており、リケーブルは「逆効果」となるケースも多そうです。装着性の良いシンプルなデザインの本体に比較的良いケーブルと定番イヤーピースなど、個々の要素は及第点以上ながら「これといった欠点がない」という意味で全体としては「良くできた」イヤホンに仕上がっているという印象です。
「7Hz Sonus」の高域は聴きやすく自然な印象ながら適度な明瞭感と伸びの良さを持っています。中高域からアクセントがあり高域自体もある程度前方で主張を感じさせます。シンバル音などはハイブリッドらしい適度な光沢があり煌びやかも感じさせますが、刺さりなどはコントロールされています。
中音域は特に凹むことなく再生されます。ボーカルは比較的近くに定位し、癖の無い範囲で主張があります。ハイブリッドとしてのつながりは滑らかで、自然な輪郭があり滑らかさを感じる印象。僅かにウォームな印象で豊かさを備えていますが、解像感や分離も確保されており、音数の多い曲でも混雑する印象はほぼありません。キレやスピード感を強調したサウンドでは無いため、ハイブリッドよりシングルダイナミックに近い印象もありますね。なお付属ケーブルの情報量も多く印象を下支えしているため、リケーブルすることでバランスが崩れる場合もあります。
低域は存在感のある厚めの音を鳴らします。ミッドベースは締まりが良い印象があります。いっぽうで重低音は深さと重量感をもちつつキレより自然な響きを感じさせる印象で、分離感をもちつつやはりウォームな印象を感じさせます。それでも過度に膨らむことは無く全体としてはタイトにまとまっているため、籠もりなどを感じさせることはありません。心地よく楽しめる低域といえます。
■まとめ
というわけで、「7Hz Sonus」は、ロック、ポップス、アニソンなどのボーカル曲を中心に、様々なジャンルで音源のありのままを実感しつつ、オールランドに楽しめるニュートラル傾向のリスニングイヤホンとして、幅広いユーザーにお勧めできるイヤホンと言えるでしょう。メリハリ強めの派手さのあるサウンドや、臨場感、キレの良さとはジャンルが異なりますが、聴きやすく、お手頃価格で質の良いイヤホンを探している方にとっての良い選択肢になると思います。
ちなみに、「7Hz Sonus」に比較的似ている若干ウォーム寄りのニュートラル系のサウンドというと、最近ではより低価格帯の50ドル以下の製品で増えており、「TANGZU Wan'er S.G」や「Moondrop LAN」、「Truthear HOLA」などなど、それぞれに特徴はあるものの似た傾向のイヤホンがより安価に購入できます。しかし、これらの低価格モデルはどれも「それなりに良い」反面、粗さや得意としない音域があったり、ビルドクオリティや付属品が貧弱だったり、ケーブル等が実力不足だったりと、「ちょっと物足りない」点が存在しました。
いっぽうで「7Hz Sonus」では技術的に突出するような特徴こそほぼ見当たらないものの、「欠点をなくす」アプローチでより高い完成度に感じさせます。
より丁寧に音作りをしたり、全体の品質を向上させ、ケーブルやイヤーピースなどのグレードをアップさせることで、60ドル程度の価格になったものの、結果的にコスパに優れ基礎体力のある製品に仕上がっています。
また同価格帯で少し前から定番になっている「HZSOUND Heart Mirror Pro」は初代の「Heart Mirror」に比べるとややドンシャリ方向にチューニングされてることもありますし、より穏やかなサウンドを好まれる方は「7Hz Sonus」のほうが向いているかもしれません。1万円前後の価格帯も選択肢が非常に多くなっているため、ひとつを選ぶのはなかなか難しいですが、またお勧めできるイヤホンが増えたことは間違いないようです(^^)。
個性的なイヤホン製品でマニアの注目度が高まっている中華イヤホンブランド「7Hz(Seven Hertz)」の新たなエントリークラスのハイブリッドモデルです。「7Hz」というと「i77」「i88」「i99」、そして同社を一躍有名にした平面駆動モデルの「Timeless」「Eternal」「Salnotes Dioko」、そして最エントリーの「ZERO」と、シングルダイナミック構成の印象の強いメーカーです。しかし今回の「7Hz Sonus」は同社の最初のモデルである1BA+1DD構成の「7HZ」を改めてアップグレードし、よりドライバー間の音響的な統合による高音質化を目指しています。
「7Hz Sonus」で7HzはBAドライバーとダイナミックドライバーの一貫し結合することに焦点を当てました。慎重な音響および電気チューニングにより、「7Hz Sonus」では音色、調性、専門性などサウンド全体にわたって完全に相乗効果を発揮することを目指しています。独自のダイナミックドライバーとBAドライバーは幾度もの開発、サンプリング、調整を経て、2種類のドライバーが最終的に理想的な内部曲線に合わせるようにチューニングされました。また出力部ではフィルター材、メッシュ、フィルターパネルの三重の音響制御を行い、ユニットの性能を引き出しつつ安定したサウンドを実現しています。
また「7Hz Sonus」ではリケーブル可能な銀メッキOCC線ケーブルが付属。左右2芯、合計4芯のフラットタイプのケーブルで、芯ごとに49本の線材が緻密に織り込まれています。高品質なケーブルによりシームレスな信号伝送が確保され、より質の高いサウンドを実現しています。
「7Hz Sonus」のカラーバリエーションは「ブラック」「レッド」「シルバー」の3色。
購入は「Linsoul(linsoul.com)」またはアマゾンの「LINSOUL-JP」にて。
価格は59.99ドル、アマゾンでは9,680円です。
Linsoul(linsoul.com): 7Hz Sonus
Amazon.co.jp(LINSOUL-JP): 7Hz Sonus ※プライム在庫あり
免責事項:
本レビューではレビューサンプルとしてLinsoulより製品を提供いただきました。機会を提供してくださったことに感謝します。ただし本レビューに対して金銭的やりとりは一切無く、レビュー内容が他の手段で影響されることはありません。以下の記載内容はすべて私自身の感想によるものとなります。
■ パッケージ構成、製品の外観および内容について
「7Hz Sonus」のパッケージは製品画像を描いたボックス。製品画像は選択したカラーにあわせたものになっているようです。今回は「ブラック」のカラーで届きました。
パッケージ内容は本体、ケーブル、イヤーピースは「AET07」が5サイズ(Mサイズ装着済み)、「AET08」タイプがS/M/Lサイズ、交換用メッシュパーツ(前後2種類)、レザーポーチ、説明書。
本体は比較的コンパクトな樹脂製でフェイスパネルは金属製。本体は本体カラーに合わせたカラーリングの樹脂が使用されていますが、内部の11.3mmダイナミックドライバーとステム下のBAドライバーは確認することができます。耳への収まりは良く、装着性は良好です。
「7Hz Sonus」の本体コネクタはフラットの0.78mm 2pinタイプ。ケーブル側も中華2pin仕様ですが、4芯を樹脂被膜で平面上に束ねた「きしめんタイプ」を採用しているのが特徴的で。比較的硬めの被膜ですが絡まりにくく取り回しは思いのほか良く、本体面でも良いアクセントになっていますね。線材は高純度単結晶銅(OCC)銀メッキ線を使用しているそうです。
イヤーピースも「AET07」互換タイプ5サイズと「AET08」互換タイプが3サイズ付属します。付属イヤーピースのほか「SpinFit CP100+」や「TRN T-Eartips」」などに交換するのも良いと思います。
■ サウンドインプレッション
「7Hz Sonus」の音質傾向はやや中低域寄りでニュートラルな印象。傾向としてはフラット方向で緩やかなU字を描くサウンドバランスです。ボーカル域は僅かにウォームで聴きやすくまとめられていますが、中高域付近にアクセントがあり解像感も十分に得られます。
全体としてはつながりが良く派手さを抑えつつも各音域にある程度の主張があり、ハイブリッド構成のメリットも活かしている印象です。穏やかなサウンドですが自然な音場感と適度な鮮やかさがあり、突出した個性より聴きやすくまとまりの良さを感じさせるイヤホンです。
また付属ケーブルと本体のチューニングもしっかり行われており、リケーブルは「逆効果」となるケースも多そうです。装着性の良いシンプルなデザインの本体に比較的良いケーブルと定番イヤーピースなど、個々の要素は及第点以上ながら「これといった欠点がない」という意味で全体としては「良くできた」イヤホンに仕上がっているという印象です。
「7Hz Sonus」の高域は聴きやすく自然な印象ながら適度な明瞭感と伸びの良さを持っています。中高域からアクセントがあり高域自体もある程度前方で主張を感じさせます。シンバル音などはハイブリッドらしい適度な光沢があり煌びやかも感じさせますが、刺さりなどはコントロールされています。
中音域は特に凹むことなく再生されます。ボーカルは比較的近くに定位し、癖の無い範囲で主張があります。ハイブリッドとしてのつながりは滑らかで、自然な輪郭があり滑らかさを感じる印象。僅かにウォームな印象で豊かさを備えていますが、解像感や分離も確保されており、音数の多い曲でも混雑する印象はほぼありません。キレやスピード感を強調したサウンドでは無いため、ハイブリッドよりシングルダイナミックに近い印象もありますね。なお付属ケーブルの情報量も多く印象を下支えしているため、リケーブルすることでバランスが崩れる場合もあります。
低域は存在感のある厚めの音を鳴らします。ミッドベースは締まりが良い印象があります。いっぽうで重低音は深さと重量感をもちつつキレより自然な響きを感じさせる印象で、分離感をもちつつやはりウォームな印象を感じさせます。それでも過度に膨らむことは無く全体としてはタイトにまとまっているため、籠もりなどを感じさせることはありません。心地よく楽しめる低域といえます。
■まとめ
というわけで、「7Hz Sonus」は、ロック、ポップス、アニソンなどのボーカル曲を中心に、様々なジャンルで音源のありのままを実感しつつ、オールランドに楽しめるニュートラル傾向のリスニングイヤホンとして、幅広いユーザーにお勧めできるイヤホンと言えるでしょう。メリハリ強めの派手さのあるサウンドや、臨場感、キレの良さとはジャンルが異なりますが、聴きやすく、お手頃価格で質の良いイヤホンを探している方にとっての良い選択肢になると思います。
ちなみに、「7Hz Sonus」に比較的似ている若干ウォーム寄りのニュートラル系のサウンドというと、最近ではより低価格帯の50ドル以下の製品で増えており、「TANGZU Wan'er S.G」や「Moondrop LAN」、「Truthear HOLA」などなど、それぞれに特徴はあるものの似た傾向のイヤホンがより安価に購入できます。しかし、これらの低価格モデルはどれも「それなりに良い」反面、粗さや得意としない音域があったり、ビルドクオリティや付属品が貧弱だったり、ケーブル等が実力不足だったりと、「ちょっと物足りない」点が存在しました。
いっぽうで「7Hz Sonus」では技術的に突出するような特徴こそほぼ見当たらないものの、「欠点をなくす」アプローチでより高い完成度に感じさせます。
より丁寧に音作りをしたり、全体の品質を向上させ、ケーブルやイヤーピースなどのグレードをアップさせることで、60ドル程度の価格になったものの、結果的にコスパに優れ基礎体力のある製品に仕上がっています。
また同価格帯で少し前から定番になっている「HZSOUND Heart Mirror Pro」は初代の「Heart Mirror」に比べるとややドンシャリ方向にチューニングされてることもありますし、より穏やかなサウンドを好まれる方は「7Hz Sonus」のほうが向いているかもしれません。1万円前後の価格帯も選択肢が非常に多くなっているため、ひとつを選ぶのはなかなか難しいですが、またお勧めできるイヤホンが増えたことは間違いないようです(^^)。