
こんにちは。今回は 「SHANLING SONO」です。国内版も9月14日に発売開始となった2DD+1BA構成のハイブリッドモデルです。同軸構成のデュアルダイナミックドライバーとカスタマイズBAによるバランスの良いV字方向で、お手頃価格ながら質の良さも感じさせるサウンドが魅力的です。さらにフィルター交換にも対応するなどとても楽しいイヤホンに仕上がっています。
■ 製品概要からのまとめと購入方法について
数々の高音質DAP(デジタルオーディオプレーヤー)やオーディオアダプター製品で日本でもお馴染みになっているオーディオメーカー「Shanling」の新しいイヤホン製品が「SHANLING SONO」です。同軸構成のデュアルダイナミックドライバーとカスタマイズBAの組み合わせによる2DD+1BA構成のハイブリッドモデルで、日本でも9月14日より国内正規品の販売が開始されました。
「SHANLING SONO」の本体は小型軽量のデザインで、鋳造成形による金属合金素材を使用。細部は高精度のCNC加工で表面仕上げは手作業で行われています。


「SHANLING SONO」のドライバー構成は2DD+1DDで、低域用と中音域用の同軸ダイナミックドライバーと高域用のカスタマイズBA(バランスド・アーマチュア)ドライバーで構成されます。
中高域を担うダイナミックドライバーはひとつのキャビティに2基のドライバーを同軸配置した2DDユニットで、低域用にバイオセルロース振動板、中音域用に液晶ポリマー振動板を搭載します。また内外の二重磁気回路による「トリプル磁気回路設計」を採用しボイスコイルにはHCCAW(銅クラッドアルミ線)を使用しています。個々のドライバー性能を高めるとともに同軸構造と巧みなクロスオーバー制御によりスムーズで一体感のあるサウンドを実現しています。
そして高域用BAドライバーはSHANLINGのエンジニアによる厳しい基準をクリアしたカスタマイズ仕様で、滑らかさとともに高い解像度による表現豊かな高音を実現しています。


さらに「SHANLING SONO」では交換可能な2種類のサウンドフィルターを搭載。標準の「ブラック」リングの「バランス(All-Round Balance)」フィルターに加え、「レッド」リングの「アンビエンス(Ambiance)」フィルターでは、低域の厚みがアップし、豊かな音場表現を楽しめます。


本体コネクタは0.78mm 2pin仕様で着脱可能。ケーブルは単結晶銅銀メッキ線ケーブルが付属します。
詳細な製品説明についてはMUSINサイトを参照ください。→ 「SHANLING SONO」製品説明
「SHANLING SONO」(国内正規品)の参考価格は11,880円です。
購入はアマゾンなどのMUSIN直営店または主要な専門店にて。
Amazon.co.jp(MUSIN直営店): SHANLING SONO


パッケージ内容はイヤホン本体、ケーブル、交換フィルター、イヤーピース(装着済み+S/M/Lサイズ、ブルーのダブルフランジタイプ)、ハードケース、説明書。


本体は金属製で非常にコンパクトなデザインです。2DDユニットを同一のキャビティに収容しているため、2DD+1BAという構成でも小さくまとめることが出来ているようです。交換用フィルターの関係でステムノズルがやや太いものの、耳への収まりは良い印象ですね。


交換用フィルターはステムノズル部のネジ止め式ですが、緩み防止のためのシリコンリングで色分けされています。どちらのノズルにも内部にフィルター材が入っているため、リング以外では外観上の区別は難しそうですね。


ケーブルは2芯タイプの高純度単結晶銅銀メッキ線ケーブルで、被膜は柔らかく、取り回しは良い印象。また0.78mm 2pin仕様でリケーブルの選択肢も多いのが良いですね。


イヤーピースは通常のシリコンタイプのほか、遮音性を高めたダブルフランジタイプが付属します。耳にすっぽり収まるコンパクトなシェルのため、装着感はイヤーピースで固定するイメージになります。そのため、付属のイヤーピースのほか、定番の「スパイラルドット」や「AET07」(互換品を含む)、「SpinFit CP100+」「TRN T-Eartips」など、しっかり固定できる自分の耳に合うイヤピースを選択するのが良いでしょう。
■ サウンドインプレッション
「SHANLING SONO」の音質傾向は、非常にパワフルな低域と明瞭な中高域のバランスが絶妙なV字を描くドンシャリ傾向。ハイブリッド構成の特徴を活かし、しっかり伸びてガツンと沈むエネルギッシュなサウンドです。最近はハイブリッドやマルチドライバー構成でも○○ターゲット的なニュートラルサウンドの傾向が強くなっていますが、やはり分かりやすいドンシャリは楽しく、心地よいものです。ニュートラル系、モニター系が好みの方や神経質な用途には向きませんが、同クラスの中では全体の質感も高く、多くの方にお勧めしやすいリスニングイヤホンだと思います。
個人的には最初の印象として「IKKO OH10」を初めて聴いたときに感じた「理想的なハイブリッドサウンド」を改めて思い出しました。「SHANLING SONO」はアンダー100ドル級、円安が進む日本でも1万円ちょっとのお手頃価格で購入可能なイヤホンですが、各帯域のつながりや、個々の音域の質感などは約2倍の価格設定の「IKKO OH10」とも全く遜色無いものです。
標準の「ブラック」フィルターを装着した「SHANLING SONO」は明瞭なドンシャリ傾向ながら全体的に自然なつながりがあり、滑らかさを感じる印象。
低域は非常にパワフルで深さがありながらよりタイトで高い解像感を持ちます。中高域も明瞭で歯切れが良く、聴きやすさを保ちつつ透明感のある音を鳴らします。
いっぽうで、「レッド」フィルターでは標準の「ブラック」ほど滑らかではありませんが、逆に言うとハイブリッドらしい「個々のドライバーが仕事している感」のあるメリハリの良さと捉えることもでき、より重量感のある低域とともに分かりやすく楽しさが増します。
「SHANLING SONO」の高域は明瞭でスッキリした音を鳴らします。入念にチューニングされたカスタムBAは歯擦音などの刺激を抑えつつ、明るく伸びやかさを持っています。ハイハットなどのシンバル音も明瞭で解像感や分離も良好な印象。やや硬質でドライですが低価格の中華ハイブリッドのような金属質のギラつきは無く、煌びやかさを持ちつつ直線的な音を鳴らしてくれます。
中音域は曲によってやや凹みますが、明瞭さのある印象で見通しの良い音を鳴らします。「ブラック」フィルターではキレやエッジ感を若干抑えより滑らかな印象でまとめられています。女性ボーカルやピアノの音色は鮮やかで伸びやかさがあり、男性ボーカルは豊かさがあります。中低域から低域に向けてのつながりは非常に良く、より広い音場感を演出します。同軸2DDユニットによる恩恵をしっかり感じられる部分ですね。逆に中高域部分は鮮やかさがありますが、BAとダイナミックドライバーの間のつながりを調整するためか、結果的にボーカル域が少し遠く、あるいは薄いベールを感じる場合があります。この辺は再生環境や曲の種類によって、さらに多少神経質に聴いた場合に感じる程度ですので、多くの場合特に気になることはないでしょう。リスニングイヤホンとしての落とし所としては適切なチューニングだと思います。また「レッド」フィルターでは低域の厚みとあわせて中音域のメリハリが強くなるため、さらにハイブリッド的なサウンドを楽しめます。
低域は非常にパワフルでパンチ力のある音を鳴らします。いっぽうでミッドベースはタイトで適度な締まりがあり、滑らかさを維持しつつ中高域との分離も良好です。重低音は非常に重く、深く鳴ります。キレ重視の傾向では無く輪郭は自然ですが、十分なスピード感があるため、音数の多い曲でも混雑したり滲んだ印象になることは少ないでしょう。過度に膨らんだり響いたりすることはありませんが、非常にエネルギッシュな音を広い音場で鳴らし、迫力と臨場感のあるサウンドに感じさせます。ロック、ポップスなど、重く力強い低域を望まれる方にも十分に満足がいく量と質感が得られそうです。また「レッド」フィルターではより低域が強く厚みを持ちます。
■ まとめ
というわけで、「SHANLING SONO」は非常にコンパクトでクールな外観を持ちつつ、この価格帯としては非常にパワフルな低域が特徴のイヤホンでした。また低価格中華ハイブリッドのような金属質で派手な寒色系サウンドとは一線を画しており、個々の音域や全体の印象でもリスニングイヤホンとしての質の高さを感じさせる仕上がりなのも印象的です。
このようなサウンドは前述の「OH10」のようにミドルグレード以上になると話は別ですが、アンダー100ドル級、1万円前後の製品では競合となる製品は少ないかも知れませんね。また再生環境にあまり依存しない「鳴らしやすさ」もあり、Shanlingの小型DAPやオーディオアダプターでも十分に高音質が楽しめるのもポイントといえるでしょう。個人的には結構大きめのケースが付属しており、小型オーディオアダプターやリケーブルした場合のケーブル等も一緒に収納できる点は結構ありがたいと感じました。購入しやすい価格設定となっていますので、低価格イヤホンからのステップアップにも最適かもですね。多くの方にお勧めしやすいイヤホンだと思いますよ(^^)。
数々の高音質DAP(デジタルオーディオプレーヤー)やオーディオアダプター製品で日本でもお馴染みになっているオーディオメーカー「Shanling」の新しいイヤホン製品が「SHANLING SONO」です。同軸構成のデュアルダイナミックドライバーとカスタマイズBAの組み合わせによる2DD+1BA構成のハイブリッドモデルで、日本でも9月14日より国内正規品の販売が開始されました。
「SHANLING SONO」の本体は小型軽量のデザインで、鋳造成形による金属合金素材を使用。細部は高精度のCNC加工で表面仕上げは手作業で行われています。


「SHANLING SONO」のドライバー構成は2DD+1DDで、低域用と中音域用の同軸ダイナミックドライバーと高域用のカスタマイズBA(バランスド・アーマチュア)ドライバーで構成されます。
中高域を担うダイナミックドライバーはひとつのキャビティに2基のドライバーを同軸配置した2DDユニットで、低域用にバイオセルロース振動板、中音域用に液晶ポリマー振動板を搭載します。また内外の二重磁気回路による「トリプル磁気回路設計」を採用しボイスコイルにはHCCAW(銅クラッドアルミ線)を使用しています。個々のドライバー性能を高めるとともに同軸構造と巧みなクロスオーバー制御によりスムーズで一体感のあるサウンドを実現しています。
そして高域用BAドライバーはSHANLINGのエンジニアによる厳しい基準をクリアしたカスタマイズ仕様で、滑らかさとともに高い解像度による表現豊かな高音を実現しています。


さらに「SHANLING SONO」では交換可能な2種類のサウンドフィルターを搭載。標準の「ブラック」リングの「バランス(All-Round Balance)」フィルターに加え、「レッド」リングの「アンビエンス(Ambiance)」フィルターでは、低域の厚みがアップし、豊かな音場表現を楽しめます。


本体コネクタは0.78mm 2pin仕様で着脱可能。ケーブルは単結晶銅銀メッキ線ケーブルが付属します。
詳細な製品説明についてはMUSINサイトを参照ください。→ 「SHANLING SONO」製品説明
「SHANLING SONO」(国内正規品)の参考価格は11,880円です。
購入はアマゾンなどのMUSIN直営店または主要な専門店にて。
Amazon.co.jp(MUSIN直営店): SHANLING SONO
免責事項:
本レビューではレビューサンプルとしてMUSIN社より製品を提供いただきました。機会を提供してくださったことに感謝します。ただし本レビューに対して金銭的やりとりは一切無く、レビュー内容が他の手段で影響されることはありません。以下の記載内容はすべて私自身の感想によるものとなります。
■ パッケージ構成、製品の外観および内容について
「SHANLING SONO」のパッケージはブラックのシンプルなデザイン。それでもShanlingの以前のイヤホン製品は非常に地味なパッケージでしたが、最近は結構スタイリッシュになってきていますね。


パッケージ内容はイヤホン本体、ケーブル、交換フィルター、イヤーピース(装着済み+S/M/Lサイズ、ブルーのダブルフランジタイプ)、ハードケース、説明書。


本体は金属製で非常にコンパクトなデザインです。2DDユニットを同一のキャビティに収容しているため、2DD+1BAという構成でも小さくまとめることが出来ているようです。交換用フィルターの関係でステムノズルがやや太いものの、耳への収まりは良い印象ですね。


交換用フィルターはステムノズル部のネジ止め式ですが、緩み防止のためのシリコンリングで色分けされています。どちらのノズルにも内部にフィルター材が入っているため、リング以外では外観上の区別は難しそうですね。


ケーブルは2芯タイプの高純度単結晶銅銀メッキ線ケーブルで、被膜は柔らかく、取り回しは良い印象。また0.78mm 2pin仕様でリケーブルの選択肢も多いのが良いですね。


イヤーピースは通常のシリコンタイプのほか、遮音性を高めたダブルフランジタイプが付属します。耳にすっぽり収まるコンパクトなシェルのため、装着感はイヤーピースで固定するイメージになります。そのため、付属のイヤーピースのほか、定番の「スパイラルドット」や「AET07」(互換品を含む)、「SpinFit CP100+」「TRN T-Eartips」など、しっかり固定できる自分の耳に合うイヤピースを選択するのが良いでしょう。
■ サウンドインプレッション

個人的には最初の印象として「IKKO OH10」を初めて聴いたときに感じた「理想的なハイブリッドサウンド」を改めて思い出しました。「SHANLING SONO」はアンダー100ドル級、円安が進む日本でも1万円ちょっとのお手頃価格で購入可能なイヤホンですが、各帯域のつながりや、個々の音域の質感などは約2倍の価格設定の「IKKO OH10」とも全く遜色無いものです。

低域は非常にパワフルで深さがありながらよりタイトで高い解像感を持ちます。中高域も明瞭で歯切れが良く、聴きやすさを保ちつつ透明感のある音を鳴らします。
いっぽうで、「レッド」フィルターでは標準の「ブラック」ほど滑らかではありませんが、逆に言うとハイブリッドらしい「個々のドライバーが仕事している感」のあるメリハリの良さと捉えることもでき、より重量感のある低域とともに分かりやすく楽しさが増します。
「SHANLING SONO」の高域は明瞭でスッキリした音を鳴らします。入念にチューニングされたカスタムBAは歯擦音などの刺激を抑えつつ、明るく伸びやかさを持っています。ハイハットなどのシンバル音も明瞭で解像感や分離も良好な印象。やや硬質でドライですが低価格の中華ハイブリッドのような金属質のギラつきは無く、煌びやかさを持ちつつ直線的な音を鳴らしてくれます。

低域は非常にパワフルでパンチ力のある音を鳴らします。いっぽうでミッドベースはタイトで適度な締まりがあり、滑らかさを維持しつつ中高域との分離も良好です。重低音は非常に重く、深く鳴ります。キレ重視の傾向では無く輪郭は自然ですが、十分なスピード感があるため、音数の多い曲でも混雑したり滲んだ印象になることは少ないでしょう。過度に膨らんだり響いたりすることはありませんが、非常にエネルギッシュな音を広い音場で鳴らし、迫力と臨場感のあるサウンドに感じさせます。ロック、ポップスなど、重く力強い低域を望まれる方にも十分に満足がいく量と質感が得られそうです。また「レッド」フィルターではより低域が強く厚みを持ちます。
■ まとめ
というわけで、「SHANLING SONO」は非常にコンパクトでクールな外観を持ちつつ、この価格帯としては非常にパワフルな低域が特徴のイヤホンでした。また低価格中華ハイブリッドのような金属質で派手な寒色系サウンドとは一線を画しており、個々の音域や全体の印象でもリスニングイヤホンとしての質の高さを感じさせる仕上がりなのも印象的です。
