Hidizs MS1 Galaxy

こんにちは。今回は 「Hidizs MS1-Galaxy」です。DAPやオーディオアダプター製品で知られ、最近では精力的に高音質のイヤホン製品も手がけている「Hidizs」の新しいエントリーモデルです。PU+PEEK複合振動板のダイナミックドライバーをシングルで搭載し、聴きやすくまとまりのあるサウンドに仕上げられています。Hidizsオフィシャルサイトで9月14日9:30(EST)、日本時間で14日22時30分から販売開始されました。
またアマゾンのHIDIZSストアでも2,099円からの超低価格で販売を開始しました(^^)。

■ 製品概要からのまとめと購入方法について

「Hidizs」はコンパクトなDAP(デジタルオーディオプレーヤー)やスマートデバイス用のオーディオアダプターの分野で人気の高いブランドですね。さらに最近ではイヤホンも高音質・高品質な新製品を精力的にラインナップしており、どのモデルもユーザーから高い評価を受けています。

今回の「Hidizs MS1-Galaxy」は同社のエントリーモデルとして新たに追加された製品となります。「MS1」シリーズでは第1世代の「MS1」および後継の「MS1-Rainbow」が既に販売されていますが、今回の「Hidizs MS1-Galaxy」では新たに「10.2mm PU+PEEK振動板デュアル磁気回路ダイナミックドライバー」を搭載。付属ケーブルも一新し、音質面もグレードアップしています。
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Hidizs MS1-Galaxy」が搭載するドライバーはカスタマイズされた10.2mm デュアル磁気回路ダイナミックドライバーで、PU+PEEK 複合高ポリマー振動板を採用。イヤホン用の樹脂系複合振動板のなかでも最近急速に採用が増えているのが「PU+PEEK」、つまり「PU(ポリウレタン)」と「PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)」の組み合わせです。2種類の高分子樹脂素材はそれぞれ滑らかさと硬質感という異なる性質を持っており、この組み合わせにより滑らかな質感と各音域のバランスに優れたサウンドを実現するのに適しています。さらにデュアル磁気回路を採用することで磁束が向上し、より高い音響変換効率を実現。さらに非線形歪みを大幅に低減します。
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シェルには高密度のドイツ製Makrolonレジン素材を採用。優れた安定性と非刺激性で肌に優しい快適さがあり、長時間の使用でも安全です。射出成形されたシェル形状は耐久性とともに高級感を演出し、洗練されたデザインに仕上がっています。

そして「Hidizs MS1-Galaxy」のサウンドはハーマンターゲットカーブ(H-2019)に準拠し、「B&K HATS ターゲットカーブ」に基づいて調整されています。Hidizs Acoustic Laboratory の高度な技術を持つ音響エンジニアによるチューニングにより、フルレンジの周波数応答と優れたオーディオ パフォーマンスを提供します。
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Hidizs MS1-Galaxy」の価格は25.99ドル~。購入はHidizs公式ストア(hidizs.net)にて。
発売開始は9月14日9:30(EST)、日本時間では22時30分からとなります。
※先着200個限定で9.99ドル~の先行特別価格で販売されます。:完売しました。
※フラッシュセールとして15.99ドル~で販売されます。
Hidizs公式ストア(hidizs.net): Hidizs MS1-Galaxy

アマゾンのHIDIZSストアでも販売を開始しました。価格は2,099円~です。
Amazon.co.jp(HIDIZS JP):Hidizs MS1-ギャラクシー ※プライム在庫あり


免責事項:
本レビューではレビューサンプルとしてHidizsより製品を提供いただきました。機会を提供してくださったことに感謝します。ただし本レビューに対して金銭的やりとりは一切無く、レビュー内容が他の手段で影響されることはありません。以下の記載内容はすべて私自身の感想によるものとなります。


■ パッケージ構成、製品の外観および内容について

Hidizs MS1-Galaxy」は同社のなかでも低価格モデルということもあり、コンパクトなパッケージで届きました。カラーバリエーションは「ブラック」「ブルー」「レッド」「透明(トランスペアレント)」の4色が選択できますが、今回は「ブルー」の「マイクなし」モデルが届きました。
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パッケージ内容は、イヤホン本体、ケーブル、イヤーピース、ユーザーマニュアル、保証カード、あとキャラクターカードです。キャラクターカードの裏面にはキャラ(「若雪 凜」という名前らしいです)についての説明が記載されています。
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Hidizs MS1-Galaxy」のシェル形状は既存の「MS1-Rainbow」を踏襲したクリアカラーの樹脂製ですが、ロゴがプリントされたフェイス部分にモザイク模様のシートが入っており、より高級感がアップしています。同社の金属製のハイブリッドやマルチBAモデルと近いシェルサイズのため、シングルドライバー構成としてはやや大きめですが、それでもKZやTFZなどの製品と比べるとフェイス部分はひとまわり小さく、装着性としては良好な印象です。
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ケーブルは樹脂被膜の2芯タイプの銀メッキ線ケーブルでこの価格帯のイヤホンとしては結構しっかりした作りのイメージです。取り回しも良く使いやすいですね。また0.78mm 2pin仕様でリケーブルも可能です。
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イヤーピースはリキッドシリコン製の柔らかいタイプがS/M/Lサイズ付属します。コシの無いタイプのため、通常Mサイズ以上のイヤーピースを使用している方にはフィット感や遮音性などの点でちょっと柔らかすぎる、という印象を持つかも知れませんね。その場合は「AET07」(互換品を含む)、「スパイラルドット」「SpinFit CP100+」などの定番品および個人的にオススメの「TRN T-Eartips」などに交換するのも良いと思います。


■ サウンドインプレッション

Hidizs MS1-Galaxy」の音質傾向は中低域寄りで緩やかなV字を描く弱ドンシャリ。同社の上位モデルのフラットからU字に近い傾向と比べると、パワフルな低域を中心に多少メリハリを付けたチューニングとなっています。高域は聴きやすく、全体としては癖の無い印象で、派手さを抑えたHidizsらしさのあるドンシャリ、という感じです。32Ω、108dBとスマホ直挿しでも十分に利用できる仕様で、気軽に楽しめるイヤホンとして手堅くまとめていると思います。

Hidizs MS1 Galaxy中音域は全体的にウォームで聴きやすくマイルドさがありますが、キレ重視のサウンドと比べるとスピード感や中高域の抜け感という部分で物足りないと感じる方もいらっしゃるかも。ハーマンターゲットのようなニュートラル方向のチューニングを行う場合、低価格モデルでは中音域の質感などで粗さが出てしまうことも少なくありませんが、しっかりした性能の上位モデルを持っているHidizsとして、ここで敢えて無理はせず、ウォーム方向で聴きやすくまとめることで、粗さを抑えつつ、ライトユーザーを含めた幅広い層を対象に気軽なリスニングが出来るイヤホンに仕上げている、という印象を持ちました。

Hidizs MS1-Galaxy」の高域は、聴きやすく滑らかさを感じる印象ながら、籠もることは無く見通しの良さもあります。比較的強めの主張があり明瞭な印象ながら刺激などはほぼ皆無で、全体としてウォーム方向で聴きやすい印象。解像感は同クラスとしては一般的ですが、全体のチューニングを考慮すると過不足は無いと思います。

Hidizs MS1 Galaxy中音域は曲によってはやや凹みます。全体としてウォームでまろやかさを感じるサウンドですが、適度な分離感があり、ボーカルと演奏も自然に定位します。ただ音場は一般的からやや狭く、窮屈さはないものの開放的でもないため、わりと小音量で穏やかなリスニングに向いていると思います。まろやかさ、というのはキレやスピード感といった部分で一般的な中華イヤホンと比べると相当に穏やかである、という意味でもあるため、スピード感のある曲や音数の多い曲をガンガン楽しみたい、という用途にはあまり向きません。またハードなゲーミング用途でも別の製品を使った方が良さそうですね。いっぽうで動画視聴は厚めの低域により結構臨場感があり楽しめました。

低域はパワフルで比較的量感があります。重低音を中心として下から突き上げるような低音の印象です。ミッドベースは重低音ほどのブーストはありませんが、適度にタイトや印象で中高域との分離は良好です。他の音域同様にキレやスピード感はあまり無いため、メタルやハードロックをメインに聴かれる方には合わないかも。傾向としてはストリーミングを中心に、ロック、ポップス、アニソンなどのボーカル曲を楽しむ用途では非常に聴きやすく、ボーカルは心地よさがあります。


■ まとめ

Hidizs MS1 Galaxyというわけで「Hidizs MS1-Galaxy」は、Hidizsのエントリーモデルらしく、癖の無い派手さを抑えた聴きやすいサウンドで、全体的に温かく、滑らかなディテール感と豊かなボーカルが楽しめる「聴きやすい」リスニングイヤホンにまとまっていました。
ライトユーザーを中心に気軽なリスニングに最適で、クールなデザインとカラーバリエーションも含め、多くの方が使いやすい製品といえるでしょう。そのため、神経質なリスニングには向きませんが、その辺のニーズには上位モデルでしっかり対応しているため、棲み分けのハッキリした製品という捉え方も出来ますね。さっそくアマゾンでも購入できるようになりましたし、より多くのユーザーにお勧めできるイヤホンになると思いますよ。