こんにちは。今回は 「ARTTI T10」です。今年にはいって展開しているセラーの「VOLKCHOI」が持つ自社ブランド「ARTTI」の最新イヤホンです。14.2mmサイズの大口径平面駆動ドライバーを搭載しつつ69ドルの低価格を実現。ニュートラル傾向で質の高いサウンドを楽しむことが出来ます。
■ 製品概要と購入方法について
「ARTTI T10」は、オーディオ関連の中華系ECサイトを運営する「VOLKCHOI」のオリジナルブランド「ARTTI」の最初の製品となります。「VOLKCHOI」は今年2月頃から運営を開始したまだ非常に新しい会社ですが、既に直販サイト「volkchoi.com」やAliExpress、日本のアマゾンにも公式ストアを展開し数多くの製品を販売しています。
「ARTTI T10」は大口径14.2mmの平面駆動ドライバーを搭載した製品ながら69ドルの低価格を実現。3Dプリントによる樹脂製のシェルを採用し、シンプルながら耐久性のあるデザインを採用しています。
ドライバーには大口径の14.2mm平面駆動ドライバーをシングルで搭載。「Letshuoer S12」や「7Hz Timeless」など、昨年から多くの製品が登場している14mmクラスの平面ドライバー搭載モデルですね。これらのドライバーは各社0.1mm単位のサイズや仕様が微妙に異なるものの、平面駆動ドライバーらしい傾向を踏襲しつつ大口径ならではのサウンドパフォーマンスと同時にこのタイプのドライバーのなかでは比較的鳴らしやすい等の特徴があります。「ARTTI T10」はインピーダンス16.5Ω(±1)、感度96dB/mWの仕様です。
「ARTTI T10」のシェルは3Dプリントによる樹脂製で、UV処理による頑丈な材料を使用することで高い耐久性を実現。フェイスプレートはCNC加工されたアルミ合金製で、シンプルながら快適な装着性を実現しています。またコネクタ部分は0.78mm 2pin仕様でリケーブルが可能。ケーブルは4芯タイプの高純度無酸素銅銀メッキ線ケーブルが付属。購入時に3.5mmまたは4.4mmのプラグを選択できます。
「ARTTI T10」の価格は69ドル、アマゾンでは10,199円です。購入は「VOLKCHOI」の直販サイト「volkchoi.com」のほかAliExpressおよびアマゾンの公式ストアにて。
VOLKCHOI(volkchoi.com): ARTTI T10
AliExpress(Volkchoi Audio Store): ARTTI T10
Amazon.co.jp(VOLKCHOI公式ストア): ARTTI T10
■ パッケージ構成、製品の外観および内容について
パッケージは60ドル台の低価格イヤホンとしては結構しっかりしたボックス。製品画像を載せたシンプルなデザインで背面にはスペックなどが記載されています。
パッケージ内容は、イヤホン本体、ケーブル、イヤーピースは2種類でそれぞれS/M/Lサイズ、ハードケース、説明書、保証書ほか。ちなみにケーブルを巻いているケーブルタイには「LETSHUOER」と記載されているのはご愛敬(^^)。
本体は3Dプリンタによる樹脂製。円形のシェル形状でデザインは「LETSHUOER D13」とちょっと似ていますが、金属シェルの「D13」よりひとまわり大きいサイズ感。フェイスプレートはアルミ合金製ですが、全体的な精度感からも、このシェル部分でコストダウンを行ったことが69ドルの価格設定を実現しているひとつのポイントのようですね。
とはいえ非常に軽量で、装着感も良好ですし、製品説明に記載の通り耐久性も十分に確保差されいるため実用性の上では全く問題ないでしょう。個人的には、本体カラーを白系ではなくつや消しブラックのレジンを使用すると多少安っぽさは感じなくなるかも、という気もしました。
ケーブルはケーブルタイの記載の通り「LETSHUOER」の「S12」などに付属するケーブルと同じ線材を使用したOFC銀メッキ線の撚り線タイプです。余談ですが、ここ数年でブランドとしてもマニアの間で広く認知された「LETSHUOER」ですが、もともとはODM/OEMを中心とした実績が高く技術力で定評のあったメーカーで、「K○EAR」や「B○VP」などの有名製品を作っていたことでも知られていますね。「ARTTI T10」も同社のODM(委託生産)らしいですが、むしろ品質面でお墨付きが付いている、という捉え方も出来るでしょう。
イヤーピースは黒色の軸の一般的なタイプと、白色軸の開口部が広く浅めのタイプの2種類でそれぞれS/M/Lサイズが同梱されます。付属のイヤーピースのほか、よりフィット感の良いイヤーピースに交換するのも良いと思います。
というわけで、「ARTTI T10」はお手頃価格で、本格的な大口径平面駆動ドライバー搭載イヤホンを楽しめる製品としてかなりレベルの高い製品と感じました。3Dプリントシェルの質感などコスト的に割り切っている部分は確かにありますが、それらの点を考慮しても十分に魅力的な製品と言えるでしょう。ただし「S12」シリーズと似た方向性のサウンドのため、よほどのマニアでなければ両方を持つ必要は無いかも知れませんね。現在は直販サイトおよびAliExpressでの購入のみですが、アマゾンなどでも気軽に購入できるようになるとかなり人気が出そうな予感もします。「VOLKCHOI」はショップとしての「目利き」も良いようなので、「ARTTI」ブランドの今後の製品にも期待できそうですね(^^)。
「ARTTI T10」は、オーディオ関連の中華系ECサイトを運営する「VOLKCHOI」のオリジナルブランド「ARTTI」の最初の製品となります。「VOLKCHOI」は今年2月頃から運営を開始したまだ非常に新しい会社ですが、既に直販サイト「volkchoi.com」やAliExpress、日本のアマゾンにも公式ストアを展開し数多くの製品を販売しています。
「ARTTI T10」は大口径14.2mmの平面駆動ドライバーを搭載した製品ながら69ドルの低価格を実現。3Dプリントによる樹脂製のシェルを採用し、シンプルながら耐久性のあるデザインを採用しています。
ドライバーには大口径の14.2mm平面駆動ドライバーをシングルで搭載。「Letshuoer S12」や「7Hz Timeless」など、昨年から多くの製品が登場している14mmクラスの平面ドライバー搭載モデルですね。これらのドライバーは各社0.1mm単位のサイズや仕様が微妙に異なるものの、平面駆動ドライバーらしい傾向を踏襲しつつ大口径ならではのサウンドパフォーマンスと同時にこのタイプのドライバーのなかでは比較的鳴らしやすい等の特徴があります。「ARTTI T10」はインピーダンス16.5Ω(±1)、感度96dB/mWの仕様です。
「ARTTI T10」のシェルは3Dプリントによる樹脂製で、UV処理による頑丈な材料を使用することで高い耐久性を実現。フェイスプレートはCNC加工されたアルミ合金製で、シンプルながら快適な装着性を実現しています。またコネクタ部分は0.78mm 2pin仕様でリケーブルが可能。ケーブルは4芯タイプの高純度無酸素銅銀メッキ線ケーブルが付属。購入時に3.5mmまたは4.4mmのプラグを選択できます。
「ARTTI T10」の価格は69ドル、アマゾンでは10,199円です。購入は「VOLKCHOI」の直販サイト「volkchoi.com」のほかAliExpressおよびアマゾンの公式ストアにて。
VOLKCHOI(volkchoi.com): ARTTI T10
AliExpress(Volkchoi Audio Store): ARTTI T10
Amazon.co.jp(VOLKCHOI公式ストア): ARTTI T10
免責事項:
本レビューではレビューサンプルとして VOLKCHOI より製品を提供いただきました。機会を提供してくださったことに感謝します。ただし本レビューに対して金銭的やりとりは一切無く、レビュー内容が他の手段で影響されることはありません。以下の記載内容はすべて私自身の感想によるものとなります。
■ パッケージ構成、製品の外観および内容について
パッケージは60ドル台の低価格イヤホンとしては結構しっかりしたボックス。製品画像を載せたシンプルなデザインで背面にはスペックなどが記載されています。
パッケージ内容は、イヤホン本体、ケーブル、イヤーピースは2種類でそれぞれS/M/Lサイズ、ハードケース、説明書、保証書ほか。ちなみにケーブルを巻いているケーブルタイには「LETSHUOER」と記載されているのはご愛敬(^^)。
本体は3Dプリンタによる樹脂製。円形のシェル形状でデザインは「LETSHUOER D13」とちょっと似ていますが、金属シェルの「D13」よりひとまわり大きいサイズ感。フェイスプレートはアルミ合金製ですが、全体的な精度感からも、このシェル部分でコストダウンを行ったことが69ドルの価格設定を実現しているひとつのポイントのようですね。
とはいえ非常に軽量で、装着感も良好ですし、製品説明に記載の通り耐久性も十分に確保差されいるため実用性の上では全く問題ないでしょう。個人的には、本体カラーを白系ではなくつや消しブラックのレジンを使用すると多少安っぽさは感じなくなるかも、という気もしました。
ケーブルはケーブルタイの記載の通り「LETSHUOER」の「S12」などに付属するケーブルと同じ線材を使用したOFC銀メッキ線の撚り線タイプです。余談ですが、ここ数年でブランドとしてもマニアの間で広く認知された「LETSHUOER」ですが、もともとはODM/OEMを中心とした実績が高く技術力で定評のあったメーカーで、「K○EAR」や「B○VP」などの有名製品を作っていたことでも知られていますね。「ARTTI T10」も同社のODM(委託生産)らしいですが、むしろ品質面でお墨付きが付いている、という捉え方も出来るでしょう。
イヤーピースは黒色の軸の一般的なタイプと、白色軸の開口部が広く浅めのタイプの2種類でそれぞれS/M/Lサイズが同梱されます。付属のイヤーピースのほか、よりフィット感の良いイヤーピースに交換するのも良いと思います。
■ サウンドインプレッション
「ARTTI T10」の音質傾向はニュートラル寄りの弱ドンシャリ。いわゆる○○ターゲット寄りのサウンドでチューンイングされています。方向性として「LETSHUOER S12」(14.8mm 平面駆動ドライバー搭載)と似た印象のある、類似点のある傾向です。
同じ3.5mmケーブルでの比較では「LETSHUOER S12」のほうがややメリハリと明瞭感と高域のスッキリ感が強めなのに対し、「ARTTI T10」はややミッドセントリックなチューニングで滑らかさがあり、高域も聴きやすく穏やかにまとめている印象。
また僅かにドライバー系の小さい(といっても14.8mmと14.2mmの違いですが)「ARTTI T10」のほうが感度96dBと鳴らしにくく(「S12」は16Ω、102dB)、より駆動力のある再生環境のほうが明瞭感は向上します。そういった意味では「ARTTI T10」の場合はより出力を稼げる4.4mmバランス接続を選択する方が良いかも知れませんね。実際「S12」用の4.4mmケーブルに交換するだけでもかなり見通しの良さが向上し、より分離感のあるハッキリしたサウンドを楽しむことが出来ました。いっぽうで3.5mmケーブルの場合は「S12」より全体的に聴き疲れのしないサウンドのため、刺激などが気になる方はこちらのほうが好印象の場合もあります。
「ARTTI T10」の高域は、平面駆動らしい直線的で自然な伸びがあり、適度な煌めきと明瞭感があります。「S12」と比べるとやや暗めですがスッキリ目にまとめられており、適度な主張を持ちつつ聴きやすくまとめられています。また4.4mmではより解像感や分離が向上します。リケーブルでの変化も比較的大きく、より高域の明瞭感が出やすいケーブルを選び駆動力のある再生環境で鳴らすことで、さらにハッキリとした主張を楽しむことも出来ます。
中音域はニュートラルでありのままの音を鳴らす印象です。「S12」よりドンシャリ感は低く、よりU字またはW字寄りのミッドセントリックな印象でボーカル域が前傾しています。また樹脂ハウジングのため「S12」のキリッとした明瞭感とは異なり、より滑らかさを感じる印象。それでも適度な解像感と分離は確保されています。女性ボーカルの高音も明瞭でスッキリしており、音場は「S12」より僅かに狭く感じますがそれでも自然な広さと奥行きがあり定位も捉えやすい印象。平面駆動らしい歪みの少ないサウンドで、メリハリという点では多少あっさりしたサウンドに感じる場合もあるかもしれませんが、表現力としては「S12」クラスの製品と遜色無い仕上がりです。
低域はニュートラルなバランスの音を鳴らします。大口径の平面駆動ドライバーらしい直線的で締まりのあるミッドベースで量感のある音を鳴らします。「S12」より解像度やキレの良さは下がりますが全体としてのバランスは良く、60ドル台のイヤホンとしてはかなり高い質感を持っています。重低音も深さを感じつつ非常にタイトで分離も良い印象です。
同じ3.5mmケーブルでの比較では「LETSHUOER S12」のほうがややメリハリと明瞭感と高域のスッキリ感が強めなのに対し、「ARTTI T10」はややミッドセントリックなチューニングで滑らかさがあり、高域も聴きやすく穏やかにまとめている印象。
また僅かにドライバー系の小さい(といっても14.8mmと14.2mmの違いですが)「ARTTI T10」のほうが感度96dBと鳴らしにくく(「S12」は16Ω、102dB)、より駆動力のある再生環境のほうが明瞭感は向上します。そういった意味では「ARTTI T10」の場合はより出力を稼げる4.4mmバランス接続を選択する方が良いかも知れませんね。実際「S12」用の4.4mmケーブルに交換するだけでもかなり見通しの良さが向上し、より分離感のあるハッキリしたサウンドを楽しむことが出来ました。いっぽうで3.5mmケーブルの場合は「S12」より全体的に聴き疲れのしないサウンドのため、刺激などが気になる方はこちらのほうが好印象の場合もあります。
「ARTTI T10」の高域は、平面駆動らしい直線的で自然な伸びがあり、適度な煌めきと明瞭感があります。「S12」と比べるとやや暗めですがスッキリ目にまとめられており、適度な主張を持ちつつ聴きやすくまとめられています。また4.4mmではより解像感や分離が向上します。リケーブルでの変化も比較的大きく、より高域の明瞭感が出やすいケーブルを選び駆動力のある再生環境で鳴らすことで、さらにハッキリとした主張を楽しむことも出来ます。
中音域はニュートラルでありのままの音を鳴らす印象です。「S12」よりドンシャリ感は低く、よりU字またはW字寄りのミッドセントリックな印象でボーカル域が前傾しています。また樹脂ハウジングのため「S12」のキリッとした明瞭感とは異なり、より滑らかさを感じる印象。それでも適度な解像感と分離は確保されています。女性ボーカルの高音も明瞭でスッキリしており、音場は「S12」より僅かに狭く感じますがそれでも自然な広さと奥行きがあり定位も捉えやすい印象。平面駆動らしい歪みの少ないサウンドで、メリハリという点では多少あっさりしたサウンドに感じる場合もあるかもしれませんが、表現力としては「S12」クラスの製品と遜色無い仕上がりです。
低域はニュートラルなバランスの音を鳴らします。大口径の平面駆動ドライバーらしい直線的で締まりのあるミッドベースで量感のある音を鳴らします。「S12」より解像度やキレの良さは下がりますが全体としてのバランスは良く、60ドル台のイヤホンとしてはかなり高い質感を持っています。重低音も深さを感じつつ非常にタイトで分離も良い印象です。
■ まとめ
というわけで、「ARTTI T10」はお手頃価格で、本格的な大口径平面駆動ドライバー搭載イヤホンを楽しめる製品としてかなりレベルの高い製品と感じました。3Dプリントシェルの質感などコスト的に割り切っている部分は確かにありますが、それらの点を考慮しても十分に魅力的な製品と言えるでしょう。ただし「S12」シリーズと似た方向性のサウンドのため、よほどのマニアでなければ両方を持つ必要は無いかも知れませんね。現在は直販サイトおよびAliExpressでの購入のみですが、アマゾンなどでも気軽に購入できるようになるとかなり人気が出そうな予感もします。「VOLKCHOI」はショップとしての「目利き」も良いようなので、「ARTTI」ブランドの今後の製品にも期待できそうですね(^^)。