KEFINE Klanar

こんにちは。今回は 「KEFINE Klanar」です。新しいブランド「KEFINE」の最初のモデルで、装着感の良いアルミ合金製の金属シェルに14.5mmの平面駆動ドライバーを搭載しています。聴きやすくバランスの良いニュートラルサウンドで、様々なジャンルの音源を楽しめる実用性重視のチューニングも印象的です。

■ 製品概要と購入方法について

中華イヤホンの新しいブランド「KEFINE」の最初のモデルが今回紹介する「KEFINE Klanar」で、10月16日よりオーダーを開始しました。「KEFINE Klanar」は14.5mmの大口径平面駆動ドライバーをシングルで搭載し、シンプルなメタルシェルデザインを採用しています。ちなみに「KEFINE」とは別の会社ですが、中国のハイエンドヘッドホンブランドとしてこれまでも多くの製品を紹介してきた「SIVGA Audio」とも関係があるようです。

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KEFINE Klanar」のドライバーには14.5mmの大口径平面駆動ドライバーを搭載。14mm級の平面駆動ドライバー搭載のイヤホンは昨年くらいから多くの製品がリリースされておりミドルグレードのひとつのジャンルとして定着した感もありますね。「KEFINE Klanar」ではPET複合樹脂による平面振動板、強力なN55マグネットに加えてカスタマイズされたドライバー構造を採用したユニットを一体化したコンポーネントに収容。多くの平面駆動ドライバー搭載モデルを超える強力な低域レスポンス、温かく豊かな中音域、明瞭さとディテールを持つ高域により臨場感あふれるリスニング体験を実現します。
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本体のハウジングは単一のアルミニウム合金から5軸CNC加工により機械加工で削り出しており0.2mmの極薄のシェルフレームにより軽量かつ精密なシェル設計を実現しています。ケーブルはブラウンのOFC リッツ線と黒色の銀メッキ銅リッツ線の組み合わせによるデュアルワイヤー仕様でコネクタは0.78mm 2pinを採用。3.5mmまたは4.4mmのプラグを選択可能です。
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KEFINE Klanar」の購入はHiFiGoまたはLinsoulの直営店またはアマゾンのストアにて。
価格は119ドル~、アマゾンでは17,804円~です。
HiFiGo(hifigo.com): KEFINE Klanar
Linsoul(linsoul.com): KEFINE Klanar
Amazon.co.jp(HiFiGo):KEFINE Klanar
Amazon.co.jp(LINSOUL-JP): KEFINE Klanar


免責事項:
本レビューではレビューサンプルとして  Kefine より製品を提供いただきました。機会を提供してくださったことに感謝します。ただし本レビューに対して金銭的やりとりは一切無く、レビュー内容が他の手段で影響されることはありません。以下の記載内容はすべて私自身の感想によるものとなります。


■ パッケージ構成、製品の外観および内容について

KEFINE Klanar」のパッケージはシンプルな白箱デザイン。本体のデザインと合わせて質実剛健という感じがしますね。
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パッケージ内容は本体、ケーブル、イヤーピース本体装着済みMサイズのほか、2種類でそれぞれS/M/Lサイズ、イヤホンケース。こちらもシンプルにまとめた内容となっています。
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本体はCNC加工によるアルミニウム合金製の金属シェルを採用。シンプルなデザインで地味な印象を受けますが非常に軽量で、厚さを抑え、耳を覆うようにフィット感の良いデザインで装着感はかなり高い印象。実用性重視の質実剛健な設計方針が外観からも感じられます。
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ケーブルはフラットタイプの0.78mm 2pin仕様。銅線+銀メッキ線のミックス線タイプの4芯線で適度に弾力のある被膜の線材をしっかり編み込むことで取り回しの良いケーブルになっています。プラグは4.4mmと3.5mmが選択可能で今回は3.5mmタイプで届いています。
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イヤーピースは一般的な形状と開口部の広いタイプの2種類が各サイズ付属。標準のイヤーピースのほか、定番の「スパイラルドット」や「AET07」(互換品含む)などに好感しよりフィット感を高めるのも良いでしょう。私は今回も大量に購入してある「TRN T-Eartips」を使用しました。


■ サウンドインプレッション

KEFINE KlanarKEFINE Klanar」の音質傾向はニュートラル方向のU字傾向で多くの14mm級平面駆動ドライバー機の自然なバランスの方向性を踏襲しつつ、より中低域から低域にかけての厚みが増した中低域寄りドンシャリの音作りになっています。平面駆動タイプの製品の場合、一般的により駆動力のある再生環境が望ましく、なかでも14mm級ドライバー搭載の製品は比較的鳴らしやすいと言われていますが、それでもDAPやポータブルアンプを使用しハイゲインで再生する方が好印象となります。「KEFINE Klanar」の場合も同様の印象ですが、なかでもやや中音域付近がウォームな印象を受けるため、パワーのある再生環境の方が小音量でもメリハリのあるサウンドを楽しめるでしょう。

音作りの方向性としては同様に14mm級の平面駆動ドライバーを搭載する製品のなかでは「LETSHUOER S12」のようなハキハキとしたキレのあるサウンドより、「7Hz Timeless」のような適度に温かく低域に量感のある傾向に近い印象。
KEFINE Klanar「7Hz Timeless」と比較すると、「KEFINE Klanar」のほうが全体としてややあっさりした音作りで、バランスとしてはある程度駆動力をかけることで低域が厚くよりドンシャリ傾向が強めになります。中高域は「KEFINE Klanar」のほうがよりウォームですが自然な音場感と見通しの良さを維持しています。
「Timeless」はそろそろ後継モデルがリリースされますが現在も200ドル級の製品であることを考慮すると、同様の方向性を持ちつつ半額近い価格で購入できる「KEFINE Klanar」は派手さはありませんが手堅いイヤホンとして仕上がっていると感じます。

KEFINE Klanar」の高域は滑らかで直線的な印象があります。適度な明瞭感を持ちつつ主張としてはやや控えめで聴きやすい印象。刺さりや歯擦音などの刺激はほぼ皆無ながらハイハットなどの音域に適度なアクセントがあります。適度な解像感で粒立ちよく聴かせるチューニングが施されており、想像以上に演奏を捉えやすいのが特徴的です。同社のバックボーンにある手堅い音作りが上手く反映されていると感じます。

KEFINE Klanar中音域は曲によって僅かに凹みますが、見通しは良く演奏とボーカルは自然に分離します。バランスとしてはU字方向ですが、ボーカル域を強調するタイプではなく、音源をありのままに鳴らすニュートラル感があります。そのため全体の印象としてはややあっさりしたサウンドに感じるかも知れませんね。音像は適度に温かく自然な印象ですが、平面駆動らしい解像感があり、1音1音は捉えやすい印象。音像は自然な広さがあり窮屈さはありませんが奥行きはリアルに近くそれほど強調されません。原音忠実性が高く、かつ刺激を抑えたサウンドを好まれる方にはジャンルを問わず楽しめるサウンドです。

低域は適度にパワーと量感がありますが、響きを押さえ直線的な印象で鳴ります。適度な締まりを保ちつつキレやスピード感はあまり強調されず自然な質感で淡々と聴かせる印象。重低音は深く平面駆動らしい歪みの非常に少ない音を鳴らします。ただし全体としては他の音域同様にあっさりしており濃厚な低域を好まれる方にはやや薄く感じる場合もありそうです。しかしリスニング的な十分な量感を維持しつつ個々の楽器を分析的に捉えやすいという点では最適なチューニングと感じさせます。


■ まとめ

KEFINE Klanarというわけで、「KEFINE Klanar」はバランスとしてはリスニング寄りなドンシャリ傾向を維持しつつ、よりハイグレードなモニター的な音作りも感じさせるニュートラルさが特徴的なイヤホンだと思います。シンプルな外観で長時間の利用でもストレスのない装着感など「実用性重視」という印象も強く感じますね。コレクションアイテムとして所有欲をかきたてる製品の場合は見た目の美しさなども重要な「価値」となりますが、実際普段使いでガンガン使い倒すイヤホンというのは「KEFINE Klanar」くらいシンプルなほうがどのようなシーンでも気兼ねなく利用できるのでと思います。平面駆動ドライバーのメリットを享受しつつお手頃な価格感で実用的なイヤホンを探している方には最適な選択肢のひとつになると思いますよ(^^)。