こんにちは。今回は 「EDIFIER NeoBuds Pro 2」です。先行予約を経て10月24日より国内でも正式に販売が開始されました。EDIFIERブランドのTWS(完全ワイヤレス)のなかでも特に評価の非常に高い「NeoBuds」シリーズの最新モデルで機能面、音質面ともさらにアップグレードされています。完成度は非常に高く、かなり強力な選択肢となりうるイヤホンだと思います。
■ 製品概要と購入方法について
「EDIFIER」は中国発の大手オーディオブランドで、かつてはブックシェルフタイプのスピーカー製品で、最近はワイヤレスオーディオ分野での様々な製品で幅広い実績と人気を集めるグローバルなメーカーとして有名です。日本市場においても高性能・高音質なTWS(完全ワイヤレス)イヤホンをリリースしておりハイスペック仕様の「NeoBuds」シリーズは優れたコストパフォーマンスと音質性能により高い評価を受けています。日本では最新のワイヤレス製品を中心にメーカー直営の日本法人(edifier.jp)から公式ストアなどを通じて販売されます。
今回の「EDIFIER NeoBuds Pro 2」は「NeoBuds」シリーズの最新モデルで、上位グレードの「Pro」の後継にあたります。LDACコーデックによるハイレゾ対応はもちろん、最大-50dBとより強力になったANC機能や空間オーディオ対応、装着検出機能など数多くの新機能を搭載し、音質面も大きくグレードアップしています。
ドライバーは「Pro」同様にKnowles製のバランスド・アーマチュア(BA)ドライバーとダイナミックドライバーのハイブリッド構成。さらにコーデックには24bit/96kHz対応のLDACコーデックを継承し、さらに対応できる製品は限られるものの最大24bit/192kHzまで対応する「LDHC5.0」にも対応しました。さらに特許技術である次世代の「ワイドバンドマルチチャネルANC」を搭載し、最大-50dBの非常に強力なアクティブノイズキャンセリング(ANC)機能を実現しています。
また新たに360°空間オーディオにも対応。アプリの設定により、臨場感あるれるサウンドを提供し没入感のある音楽体験を楽しめます。他にも装着検出機能、超低遅延のゲームモードなど多くの機能を搭載。防水性能もIP54相当を実現し、再生時間はケース込み最大22時間(本体最大5.5時間、ANC有効時4時間)の再生が可能です。
詳細な設定は専用アプリ「EDIFIER CONNECT」により行うことができます。
Bluetooth | V5.3 |
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ドライバー | 複合振動板ダイナミック + Knowles製BA ハイブリッド |
コーデック | LDAC / LDHC / AAC / SBC / 空間オーディオ対応 |
音質 | LDHC 5.0: 24bit/192kHz LDAC: 24bit/96kHz 対応 |
ANC | ワイドバンドマルチ チャネルANC(特許技術) 最大 -50dB |
ENC | 4+4マイク&AI搭載スマート 通話ノイズキャンセル技術 |
機能 | ・装着検出機能 ・超低遅延ゲームモード ・睡眠音楽 ・7種類のイヤーチップ |
再生時間 | 最長22時間(5.5h+16.5h) ANC ON時16時間(4.0h+12h) |
充電時間 | 急速充電1時間、 15分で2時間再生可能 |
防水規格 | IP54 |
アプリ | EDIFIER CONNECT (iPhone / Android用) |
※以下の各ストアで12月31日まで10%(2,000円)OFFで購入可能です。
EDIFIER公式サイト(edifier.jp): EDIFIER NeoBuds Pro 2
Amazon.co.jp(EDIFIER公式ストア): EDIFIER NeoBuds Pro 2
楽天市場(EDIFIER公式ストア): EDIFIER NeoBuds Pro 2
免責事項:
本レビューではレビューサンプルとして EDIFIER JAPAN より製品を提供いただきました。機会を提供してくださったことに感謝します。ただし本レビューに対して金銭的やりとりは一切無く、レビュー内容が他の手段で影響されることはありません。以下の記載内容はすべて私自身の感想によるものとなります。
■ パッケージ構成、製品の外観および内容について
パッケージは「Pro」同様に段ボールの外箱と中に入った化粧箱の構成で、本体カラーに合わせて製品画像を変えています。今回私の所には「ホワイト」のモデルが届きました。
パッケージ内容は、イヤホン本体および充電ケース、イヤーピース(装着済み+付属品で合計7種類)、布製ポーチ、充電ケーブル、説明書、保証書など。
「EDIFIER NeoBuds Pro 2」の本体はアンテナ部分が伸びたタイプで形状は「NeoBuds Pro」を踏襲しています。重量が片側5.6g、サイズは35mm × 21mm × 27mm。本体部分は耳にフィットしやすいデザインで装着しやすいデザインです。
さらにイヤーピースは極小のXXSサイズから大型のXXLサイズまで7サイズ付属という豊富さで、サイズ感で耳に合わないという心配はまず無いと思います。
初回ペアリングは本体をケースから出し、接続デバイス側で選択し接続します。再ペアリングは本体をケースに入れ、ケースのボタンを3秒間押し、LEDが左右で順に点灯したらペアリングモードに入ります。設定のリセットはケースに本体を入れた後、ケースのボタンを3回押すことでクリアされます。
本体のタッチセンサーはイヤホンの中央部分にあり、誤動作防止のため2回タッチで再生/停止する仕様です。詳細な設定はアプリの「EDIFIER CONNECT」を使用することを前提としているため、本体センサーの機能は必要最小限にまとめられています。またタッチセンサーの割り当ても「EDIFIER CONNECT」で細かく設定変更が可能です。
■ 接続性および専用アプリについて
「EDIFIER NeoBuds Pro 2」はBluetooth 5.3対応にアップグレードされ接続性なども大きく向上しています。開封時点では接続性を優先しAACモード(LDACおよびLDHCモードはOFF)の状態になっていますが、ここでビットレートの高いLDACの高音質モード(24bit/96kHz)に変更した場合も接続性は非常に良好で、実際に使用した印象では混雑した東京都心の主要駅構内でも安定した接続を実現しました。
「LDAC」モード(または「LDHC」モード)への変更は、ペアリング後に「EDIFIER CONNECT」アプリを使用し、右上の設定アイコンから「HDオーディオコーデック」を選び変更のうえ「保存する」を選びます。「EDIFIER NeoBuds Pro 2」はあらためて再ペアリングされ、アプリのハイレゾロゴがグレー状態から明るく表示される状態になります。
「EDIFIER CONNECT」アプリではANCモードが「ノイズキャンセル」が「高」「中」「低」、「アンビエント(外音取込み)」「風切り音」「ANC OFF」をアイコンで切り替えます。「アンビエント(外音取込み)」ではさらに3種類のモードを選ぶことができます。
サウンドエフェクトでは標準の「クラシック」と「ダイナミック」の2種類とマニュアルでイコライザ(EQ)の詳細設定が可能な「オーディオファン」の3モードが選べます。EDIFIERの上位モデルで搭載されるEQはTWS製品のなかでは非常に詳細でかなり細かいチューニングが可能です。さらにシーンモードでは低遅延の「ゲームモード」のほか、臨場感のある360°空間オーディオを選択できます。
その他「睡眠音楽」のメニューや「設定」メニューでは「装着機能」「ヘッドホンを探す」などより詳細な設定が可能です。
なお、「EDIFIER NeoBuds Pro 2」が搭載する最大-50dBのワイドバンドマルチチャネルANC」はこれまでの同社製品および同価格帯の中華系ブランドのTWS製品と比較しても非常に強力かつ本格的なもので、「高ノイズキャンセル」モードでは驚くほどの「静寂」を体験できます。全体の透明感が高まることで、全体のサウンドの臨場感が増し、より立体的な音場感を楽しめます。
今回実際の利用として新幹線車内でも利用しましたが、従来機種と比較してもANCの効き方は一目瞭然で非常に快適なサウンドを楽しむことができました。実体験として、2万円以下の製品としてはトップクラスのANC性能といえるでしょう。
■ サウンドインプレッション
「EDIFIER NeoBuds Pro 2」の音質傾向はハイブリッドらしいメリハリと深く音場感のある低域が印象的なサウンドバランス。EDIFIERの多くの製品では分かりやすくドンシャリ傾向でも高域は比較的穏やかなチューニングでややウォーム方向の場合が多いのですが、「EDIFIER NeoBuds Pro 2」についてはKnowles製BAの明瞭で解像感のある音をしっかり鳴らしキレと伸びの良さを感じさせるチューニングとなっています。
何より同社の既存製品と比較しても圧倒的なANC性能を持っており、見通しの良い静寂の中で音像がハッキリと描写される印象のため、パワーや雰囲気で鳴らすというより1音1音をしっかり表現する方向に考慮されているようにも感じます。
分かりやすくドンシャリ傾向のバランスですが、透明感が高く見通しも良いため、ボーカル域もハッキリと描写されており不足を感じることはないでしょう。また厚みがあり力強い低域により臨場感と包み込むような音場感が生まれ、様々なジャンルの曲でより立体的なサウンドを楽しむことができます。アプリの設定で様々なモード設定やEQによるチューニングもできますが標準の「クラシック」モードで十分に質の高いサウンドを楽しめるため、今回はアプリでの変更はほとんど行いませんでした。しかし好みに応じてチューニングを変更しても音質的な破綻は無く、相変わらずポテンシャルの高さを感じさせる音作りだと思います。
「EDIFIER NeoBuds Pro 2」の高域はハイブリッドらしいやや硬質でキレのある音を鳴らします。従来のEDIFIER製品を含め、多くのTWS製品と比較しても主張は強めで、スッキリとした明瞭感と解像感も高めの印象。それでも刺さり等は無く、適正音量では聴きやすい印象を維持しています。
中音域はやや凹みますが、見通しが良く明瞭なため不足感はありません。ボーカルはやや前傾で定位し、演奏は前後で自然に分離します。ハイブリッドらしいメリハリ感のある音作りですが過度に人工的にならず、リスニング的な楽しさを感じさせるチューニングとなっています。女性ボーカルはややドライですが伸びやかで男性ボーカルは適度に厚みと余韻があります。
低域は非常にパワフルで厚みのある音を鳴らします。ミッドベースは適度な締まり感を持ちつつドライになりすぎず、心地よい響きで包み込むような音場感を演出しています。重低音は深く沈み重量感があります。いっぽうでアタックはキレがありスピード感もあるため音数の多い曲でも籠もること無くしっかり鳴ってくれます。
全体としてジャンルを問わず楽しめるサウンドで、最近のニュートラル傾向とは異なりますが、リスニング的には非常に完成度の高い製品と言えるでしょう。
■ まとめ
というわけで、「EDIFIER NeoBuds Pro 2」は多くの方が一聴しただけでも「いい音」だと感じさせる分かりやすさと表現力を持っています。メリハリがあり、低域はパワフルで、高域は従来より明瞭で強さがありますが、過度な刺激は抑え、明瞭さと聴きやすさを上手くまとめているのは好感が持てます。また既存のモデルでは数万円クラスの有名メーカーのTWS製品と比較するとどうしても価格なりの違いを感じさせたANC性能はトップクラスの完成度に一気に進化したことで、音質面も相対的に底上げされています。そのため、今後は有名ブランドのより高額な製品と比較しても「EDIFIER NeoBuds Pro 2」のほうが好感されるケースも増えてくるのではと想像します。完成度の高い高性能・高音質なワイヤレスイヤホンを比較的手頃な価格で購入したい方には相当に有力な選択肢となるだろうと思いますよ(^^)。
初代neobuds proは社外イヤーピースを使うと充電ケースの蓋が閉まらないことが多々ありました。
新作の充電ケースは社外イヤーピースとの相性はいかがでしょう?
できればTWS専用でない普通のイヤーピースでしっかり装着したいです。