Hidizs S9 Pro Plus (Martha)

こんにちは。今回は 「Hidizs S9 PRO Plus (Martha)」です。好評のオーディオアダプター(ドングル製品)の「S9 PRO」から大幅に進化。4.4mm端子に対応し、最新のフルバランスアーキテクチャによりノイズ特性も大きく向上しました。優れた解像感を持ちつつ上質さのある滑らかなサウンドが印象的です。Hidizsオフィシャルサイトにて11月16日9:30(EST)、日本時間で同日23時30分よりオーダーを開始しました。

■ 製品概要と購入方法について

Hidizs S9 PRO Plus (Martha)」は高性能なコンパクトDAPや高音質オーディオアダプター(ドングル製品)、そしてイヤホン製品などを展開する「Hidizs」の最新のモデルです。さまざまなオーディオアダプター製品のなかでも特に音質面で定評のある「Hidizs S9 PRO」から大幅に進化し、4.4mmのバランス接続対応に加え、高出力を維持しつつノイズ特性もグレードアップし、さらなる高音質化を実現。オールラウンドな実用性が向上しました。
Hidizs S9 Pro Plus (Martha)Hidizs S9 Pro Plus (Martha)
Hidizs S9 PRO Plus (Martha)」には同社が開発した第4世代のフルバランス仕様アーキテクチャを採用。DACチップに「S9 PRO」同様にESS Technology製「ES9038Q2M」を搭載し、さらに独立したヘッドホンアンプ、USBインターフェース、ノイズ軽減ソリューションをアーキテクチャ内に構成しています。
Hidizs S9 Pro Plus (Martha)Hidizs S9 Pro Plus (Martha)
最大32bit/768kHz PCM、DSD512のハイレゾ出力に対応し、最大128dBの高いSNRと -120dBのTHD+Nの超低歪みに対応。4.4mmバランス接続プラグに対応し幅広いイヤホンおよびヘッドホン製品で利用できます。
Hidizs S9 Pro Plus (Martha)Hidizs S9 Pro Plus (Martha)
Hidizs S9 PRO Plus (Martha)」の本体は高精細CNC加工による航空グレードのアルミ製。また再生時のサンプリングレートに応じて6種類のカラーによるRGBライティング表示を行います。本体には音調整が可能な2つの物理ボタンがあります。6種類のフィルターエフェクトを搭載し、2つのボタンを同時に押すことでフィルターを順番に切り替えることができます。

Hidizs S9 Pro Plus (Martha)

Hidizs S9 PRO Plus (Martha)」のカラーバリエーションは「ブラック」「ブルー」「シルバー」の3色。価格は79.9ドルです。Hidizsオフィシャルサイトにて11月16日9:30(EST)、日本時間で同日23時30分より11月30日までプレオーダーを開始しました。初回注文100個まで69.9ドルの特別価格で購入が可能です。
※また今回も公式サイトで利用できる5% OFFクーポン「BISONICR5OFF」を提供いただきました。興味のある方は是非ともご活用ください。

Hidizs公式ストア(hidizs.net): Hidizs S9 PRO Plus Martha



法令に基づく免責事項:
本レビューではレビューサンプルとして Hidizs より製品を提供いただきました。機会を提供してくださったことに感謝します。ただし本レビューに対して金銭的やりとりは一切無く、レビュー内容が他の手段で影響されることはありません。以下の記載内容はすべて私自身の感想によるものとなります。


■ パッケージ構成、製品の外観および内容について

Hidizs S9 PRO Plus (Martha)」のパッケージは非常にコンパクトです。コンパクトな本体および付属品はプラスチック製の箱に収容されており、その上から化粧カバーで覆われているタイプ。同社製品の多くはこのプラスチック製の箱に入っているのがちょっと嬉しかったりしますね。
Hidizs S9 Pro Plus (Martha)Hidizs S9 Pro Plus (Martha)
パッケージ内容は、本体、接続用USB Type-Cケーブル、USB-A変換コネクタ、保証カード、ハイレゾシールなど。別途「Lightning OTGケーブル」を使用することでiPhone 14以前のモデルへの接続にも対応します。
Hidizs S9 Pro Plus (Martha)Hidizs S9 Pro Plus (Martha)
Hidizs S9 PRO Plus (Martha)」の本体はCNC加工されたアルミニウム合金製で、4.4mmバランス対応、音量ボタン付きの仕様にアップグレードしつつ、17gと軽量コンパクトサイズを維持しています。スマートフォンと組み合わせても使いやすいサイズ感ですね。「Hidizs」のロゴマークは接続時に点灯しRBGイルミネーションに対応しています。
Hidizs S9 Pro Plus (Martha)Hidizs S9 Pro Plus (Martha)
これまでレビューしたモデルと比較すると、形状的には「Hidizs XO」に近いサイズ感。「S9 PRO」および「XO」がバランス接続は2.5mm対応でしたが、「Hidizs S9 PRO Plus (Martha)」では待望の4.4mm対応となりました。
Hidizs S9 Pro Plus (Martha)Hidizs S9 Pro Plus (Martha)
本体を接続するとロゴマークがグリーンで点灯し利用可能になります。ドングル製品のなかにはホストに接続後イヤホンジャックにプラグした時点でONなる製品もありますが、「Hidizs S9 PRO Plus (Martha)」についてはイヤホンなどを未接続でも起動する仕様ですね。
Hidizs S9 PRO Plus (Martha)Hidizs S9 PRO Plus (Martha)
Macの場合はUSB Audio Class 2.0で接続となるためドライバーなどは不要です。「Audirbana」で確認すると改めて仕様を確認出来ます。ネイティブではDSD512に対応しているもののMac等ではDoP(DSD over PCM)転送となるためかDSD256までの表示となっています。Windows環境では他のモデル同様にASIO対応ドライバーが公式サイトにて提供される予定です。


■ サウンドインプレッション

Hidizs S9 PRO Plus (Martha)」の音質傾向はニュートラルかつ自然な音色で、「S9 PRO」のパワフルながら柔らかさもある印象を踏襲しつつ、より透明感と見通しの良さを向上させた印象。同価格帯のオーディオアダプター(ドングル製品)と比較しても高い解像感と分離性を持ちつつ滑らかで聴きやすさを持っています。
Hidizs S9 Pro Plus (Martha)一般的にはESS系DACチップを搭載したドングル製品はメリハリがありエッジが効いた元気なサウンドという印象がありますが、「Hidizs S9 PRO Plus (Martha)」はESS系らしい解像感は維持しつつ、より輪郭が自然で適度な温かみがあります。「Hidizs XO」がより派手さの感じるメリハリ重視のサウンドだったのに対し、「Hidizs S9 PRO Plus (Martha)」では「S9 PRO」のHiFi(原音忠実性)的な方向性を踏襲しつつ、よりニュートラルで滑らかなゲインコントロールと高い透明性による見通し良さ、立体的な音場感を実現しています。特に分離の良さからくる奥行きなど臨場感は特筆すべきかも知れませんね。

製品説明でも記載の通り「Hidizs S9 PRO Plus (Martha)」は「S9 PRO」でも十分に優れていたSNRやTHD+Nがさらに向上しており、感度の高いCIEM製品を使用した場合もノイズ等は皆無です。ゲインコントロールなどは搭載していませんが小音量でも透明感が向上しており質の高いサウンドを楽しむことができます。
Hidizs S9 Pro Plus (Martha)Hidizs S9 PRO Plus (Martha)
逆に最大出についても小型オーディオアダプターとしては結構高く、特にバランス接続ではある程度駆動力の必要なヘッドホンでも十分に鳴らせるパワーがあります。iPhone14からApple Music利用時で、4.4mmの接続であれば大口径の平面駆動ドライバーを搭載した「Hidizs MP145」でも半分以下(1/3~2/5)くらいでボリュームで十分な音量が確保でき、ヘッドホンでもShure「SRH1840」で半分程度、Sennheiser「HD6XX」で3/5程度で最適音量になりました。
Hidizs S9 PRO Plus (Martha)また「Hidizs S9 PRO Plus (Martha)」は「S9 PRO」と比較しシングルエンド(3.5mm)の出力が大幅にアップしているのも目立たないですが大きなポイントで、AKG「K712 PRO」で2/3程度の音量でしっかり鳴らすことができました。どちらの場合はより大型のアンプを搭載した製品に近い滑らかさのあるゲインコントロールで、小型オーディオアダプターにありがちなゲインを上げる際の粗さや派手さが増すような印象は無く、非常に滑らかさを持っているのも好感が持てます。
これらのオーディオ的な特性はヘッドホンアンプ部や全体の回路設計などアナログ的なアーキテクチャによるところが大きく、「Hidizs S9 PRO Plus (Martha)」の製品としての進化を実感出来る要素です。ただしトレードオフとして最近のドングル製品のなかでは比較的使用時の発熱が大きいようですね。またスマートフォン側への消費電力などある程度長期的な比較を行うと多少の違いはあるかもしれません。この辺は音質を取るか利便性を取るかという選択になりそうです。


■ まとめ

というわけで、「Hidizs S9 PRO Plus (Martha)」は日本でも1万円程度で購入可能な小型のオーディオアダプター(ドングル)製品のなかでも「滑らかさ」や「質の良さ」を感じるという点で大きな進化を感じる製品でした。本体に音量調整の物理ボタンがあることで操作性が向上しているのも良いですね。
Hidizs S9 PRO Plus (Martha)既存の「S9 PRO」も優れた製品でしたが、透明感が格段に向上しておりより立体的な音場感が楽しめ、ヘッドホンなどの利用で音量を上げてもより滑らかにゲインがシフトすることやシングルエンドでの出力アップなど魅力的な進化を遂げていると感じました。
ちなみ物理ボタンを2個同時に押すことでフィルターモードが変更となり(切り替え時にモードごとのカラーで点滅する)、より好みの音色に調整することもできます(私は標準の「グリーン」のモードがバランスも良くそのまま使用しています)。現在はHidizsの公式ストアのみですが、既存の製品同様に今後アマゾンでも購入可能になるのでは、と思いますので気になった方は是非とも購入してみてくださいね。