
こんにちは。今回は「ND ZR」です。私のブログでは諸般の事情で、ってまあ主に昨年からの多忙が理由で初めて扱う「ND」ブランドの製品です。20ドル台の低価格1DDモデルで、KZとかみたいな外観であまり個性を主張して無さそうなモデルですが、バンパー付きのアルミプレートをレジンコートしたフェイスパネルなど目立たないけど結構こだわってる要素があり、特に搭載されるダイヤモンド「謎」ドライバーは想像以上のポテンシャルを秘めていました(^^;)。
■ 製品概要と購入方法について
「ND」の新しい低価格1DDモデルが今回の「ND ZR」です。同ブランドは「NICE」などの既存機種のレビュー依頼も来ていたような気がするのですが、非常に忙しかった時期でDMに返信を忘れてそのままスルーしていました(まあ受けても掲載できたか微妙な時期だったのでご容赦ください)。
「ND ZR」は「ダイヤモンド振動板」二重磁気回路ダイナミックドライバーをシングルで搭載したモデルで、強力なドライバーを活かした最適なチューニングと、アルミニウム合金パネルに樹脂コーティングを施した高級感のあるフェイスプレートが特徴的です。


「ND ZR」は「ダイヤモンド振動板」ドライバーを搭載したシングルダイナミック構成のモデルとのこと。この振動板が「ダイヤモンド(コーティング)膜」なのか「DLC(コーティング)膜」なのかは不明ですが、原理的、コスト的に考えればDLCコーティングの振動板と考えるのが自然でしょう。それでも本当にDLC系なら20ドル程度の価格設定はかなり攻めてますね。
ちなみに、ダイヤモンド系というとイヤホンの世界ではDLC(Diamond Like Carbon)系の素材が一般的ですが今回の振動板がどのようなものかは不明。ちなみに言うまでも無くダイヤモンドも炭素結晶のひとつですが、一般的なカーボン(炭)とは骨格構造が異なることで全く違う性質の材質となります。これに対して「DLC」はざっくりいうと「ダイヤモンドとカーボンの両方の性質を持つ」を持つ「ダイヤモンドみたいなカーボン」のため、「ダイヤモンド(のような)膜」を生成するのに最適なわけです。


フェイスパネルはアルミニウム合金のプレート及びバンパーに透明度の高いレジンをコーティングしており自然な光沢感と高級感のある外観を実現しています。ケーブルは4芯撚り線の銀メッキ線ケーブルが付属します。
免責事項:
本レビューではレビューサンプルとして Angeldac Audio Store より製品を提供いただきました。機会を提供してくださったことに感謝します。ただし本レビューに対して金銭的やりとりは一切無く、レビュー内容が他の手段で影響されることはありません。以下の記載内容はすべて私自身の感想によるものとなります。
■ パッケージ構成、製品の外観および内容について
「ND ZR」のパッケージはほぼKZ、といった感じのミニマルな感じのボックスです。
内箱の感じもちょっと昔のKZぽい感じですね。


パッケージ内容は、イヤホン本体、ケーブル、イヤーピース(S/M/Lサイズ)、説明書。


シェル形状の一般的なKZなどの製品とよく似たデザインで装着感もほぼ同様です。レジンコートされたアルミニウム合金性のフェイスプレートは光沢がありなかなかの質感ですが、全体の低価格イヤホン感を変えるほどの印象ではなさそうです。目立たないこだわり、といった感じでしょうか。


装着性は一般的で、イヤーピースもKZより普通の感じですのでそのまま利用できる方も多いでしょう。好みに応じてよりフィット感のあるものに交換するのも良いでしょう。ケーブルは銀メッキ線の撚り線タイプで、コネクタはKZ/TRNのタイプC、qdcとカバー互換のあるタイプとなります。


ケーブルもイヤーピース同様に好みに応じて適時リケーブルを行う方が良さそうです。
■ サウンドインプレッション

いっぽうで高出力の据置きアンプで鳴らしても低価格イヤホンにありがちな派手な印象に変化する歪みなどはほぼ見られず、搭載されたドライバーの隠された懐の深さを感じさせます。まさに「謎」のダイヤモンドドライバーといった感じです(汗)。ここで情報量の多い銀メッキ線ケーブルでバランス接続を試みると、ハイゲインで鳴らしてもそこまで派手に変化することは無く、ニュートラルな方向性を維持したままよりキレのある立体的で奥行きのある音場感が現れました。どうやらこの「ND ZR」は「リケーブル必須」タイプのイヤホンのようです。

中音域は癖の無い明瞭な音を鳴らします。付属ケーブルではやや凹みV字方向の印象に感じる場合もありますが、リケーブルにより主張が増し、よりニュートラルなバランスになります。しっかり鳴らすことで特に中音域は「覚醒」するため、リケーブルは必須と考えた方が良いでしょう。

全体として寒色傾向のためややドライですがニュートラル方向でキレのあるサウンドを楽しみたい方には最適でしょう。
低域はミッドベースを中心に存在感があり、厚みのある音を鳴らします。量的にはやや少なめで重低音も少し軽い印象を受けますが、アタックが力強くキレがあるため全体を小気味よく下支えし、ボーカル曲などでは不足を感じることは少ないでしょう。
■ まとめ

というわけで、特に色々なケーブルを持っている方で変化を楽しみたい方には低価格ながらかなり興味深いイヤホンだと思いますよ(^^;)。