JIALAI Carat

こんにちは。今回は 「JIALAI Carat」およびセット購入可能な「JIALAI AzureBay」ケーブルです。コストパフォーマンスの高いリケーブル製品をリリースしていた「JIALAI」の最初のイヤホン製品ですね。チタンコートDLC振動板ダイナミックドライバーを搭載し、バランスの良いリスニングサウンドを楽しめます。またセット購入可能な「AzureBay」ケーブルも見た目も良くアップグレード効果もしっかり実感出来る良いケーブルだと思います。


■ 製品概要と購入方法について

「JIALAI」は老舗セラーのHCK Earphonesが取り扱う中華ケーブルのブランドとしてコストパフォーマンスの高さから日本のマニアの間でも愛用者の多い印象ですが、同社が初めて手がけたイヤホン製品が今回の「JIALAI Carat」です。シンプルなデザインのアルミニウム合金シェルにチタンコートされたDLC(Diamond-Like Carbon)振動板ダイナミックドライバーを搭載し、バランスの良いサウンドを実現しつつ購入しやすい価格を実現しています。
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JIALAI Carat」のドライバーは10mm チタンコートDLC振動板ダイナミックドライバーをシングルで搭載。DLCによる超低歪みのクリアなサウンドを生成し、チタンコートによりコイルの動きが速くなり優れた応答性を実現しています。サウンドチューニングにはIE2019ターゲットカーブに準拠した調整を行っており、ボーカルは美しく明瞭で、高速でキビキビした低音と伸びやかさを備えた高音によりクリーンで鮮明なサウンドを楽しむことができます。
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シェルには高精度5軸CNC加工されたアルミニウム合金を使用しシンプルかつ高級感のあるデザインで仕上げられています。コンパクトな構造によりユーザーに快適な装着性を提供します。付属ケーブルは0.78mm 2pin仕様で高純度OFCを採用しています。
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JIALAI Carat」の購入はAliExpressの「NiceHCK Audio Store」にて。通常価格は69.99ドルです。
現在NiceHCK Audio Storeでは328セール価格で63.98ドルで購入可能。
さらに「JIALAI Carat」と「JIALAI AzureBay」のセットはクーポン利用により74ドル程度で購入可能となります。
AliExpress(NiceHCK Audio Store): JIALAI Carat(+ JIALAI AzureBay)


またアマゾンでも「JIALAI」のストアより10,399円で購入可能です。
Amazon.co.jp(JIALAIオーディオ): JIALAI Carat


免責事項:
本レビューではレビューサンプルとして HCK Earphones より製品を提供いただきました。機会を提供してくださったことに感謝します。ただし本レビューに対して金銭的やりとりは一切無く、レビュー内容が他の手段で影響されることはありません。以下の記載内容はすべて私自身の感想によるものとなります。


■ パッケージ構成、製品の外観および内容について

JIALAI Carat」のパッケージはクローム仕上げの本体にあわせたシルバーからのボックスデザイン。シンプルながらクールな印象がありますね。またアンダー100ドル級のイヤホンとしては高級感もあります。
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パッケージ内容はイヤホン本体、ケーブル、イヤーピースは3種類でそれぞれS/M/Lサイズ。レザーケース、説明書。
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本体はコンパクトなアルミ製で非常に軽量なため耳への収まりも良い印象。サイズ的にはコンパクトな金属シェルの「HZSOUND Heart Mirror」シリーズに近く、よりシェイプされた形状のためさらにコンパクトな印象もあります。
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コネクタは0.78mm 2pin仕様で埋め込み式では無いフラットな中華2pin仕様。ケーブルは樹脂被膜に覆われた4芯タイプのOFC線で被膜はやや硬めですがしっかり編み込まれることで使いやすくまとまっています。
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イヤーピースは3種類で「AET08」互換タイプ、ブラックのイヤーピースは開口部の広く浅めのタイプと一般的な形状のタイプ。サイズはそれぞれS/M/Lサイズが同梱されます。使いやすい「AET08」タイプが同梱されるのは有り難いですね。

■ 「JIALAI AzureBay高導電性銅合金+銀メッキ焼鈍し銅リッツ線ケーブル
JIALAI AzureBay Litz HiFi Earphone Cable Multi-material Mixed Upgrade Wire 2Pin for Carat
AliExpress(JIALAI Official Store): 328セール価格 24.70ドル

JIALAI AzureBayJIALAI AzureBay

また、「JIALAI Carat」をNiceHCK Audio Storeで購入する場合、JIALAIのオプションケーブル「JIALAI AzureBay」をセットで購入することができます。最初から「JIALAI Carat」と組み合わせることを想定した事実上の専用アップグレードケーブルのため、単品購入の場合も0.78mm 2pinで4.4mmバランス接続仕様のみがリリースされています。マルチマテリアルのミックスケーブルということですが、製品詳細を確認すると、4芯タイプの高導電性銅合金+銀メッキ焼鈍し銅(High Conductivity Copper+Silver Coated Critically Annealed Copper)リッツ線ケーブル」という仕様になります。
JIALAI AzureBayJIALAI AzureBay
製品名の通りアジュールカラーの布張りの4芯ケーブルでコネクタおよびプラグはクローム処理されたアルミ製。太めの重量感のある線材ながらしっかり編み込まれており取り回しは悪くありません。「JIALAI Carat」との相性はもちろん良好で組み合わせることで大きくグレードアップができます。


■ サウンドインプレッション

JIALAI CaratJIALAI Carat」のサウンドは適度なV字カーブを描くバランスの良いリスニングサウンド。寒色系のドンシャリで、スッキリした印象の高域と締まりが良く力強い低域を持ちつつ、全体としては刺激を抑え非常に聴きやすくまとめられています。またチタンコートによりキレ感を向上させつつ、DLC振動板らしい透明感と解像感を持っており見通しの良い中音域でボーカル域も前傾しつつ自然に主張します。適度なキレの良さとタイトな低域を感じさせつつ、広く心地よいボーカル域や音場感も楽しめる、サウンドで、個々の質感より全体のバランスの良さを重視したイヤホンと言えます。価格設定を考慮すると完成度は非常に高く、同社のケーブル製品と同様に価格破壊ともいえるコストパフォーマンスの良さですね。

JIALAI Carat」のインピーダンスは32Ω、感度は106dBと、ちょっと鳴らしにくいかな、という程度で再生環境はあまり選ばない仕様ですが、この価格設定でいろいろ工夫した結果というか、再生環境による変化が思いのほか大きいイヤホンでもあります。
JIALAI Carat単純に駆動力が高い低いというより、アンプ側の電流量の特性などにより特に高域の印象に結構変化がでやすいかもしれませんね。そのため小型のオーディオアダプターでも高域が強めに出るケースもあり、別のDACやアンプチップを使ったオーディオアダプターに変えると聴きやすくなる、などの変化もあります。もちろんリケーブルで影響も比較的大きいと言えるでしょう。なおこの変化は後述の「JIALAI AzureBay」ケーブルを組み合わせた場合は逆に結構安定する印象でした。この点でもできればセット購入した方が良いかもしれませんね。

JIALAI Carat」の高域は、スッキリした印象の明瞭感のある音を鳴らしますが、刺さりやすい帯域はコントロールされており聴きやすい印象でまとめられています。製品ページに掲載されたf値のカーブを見ると一般的に刺激を感じやすい4kHz付近はリファレンスとしたIE2019より控えめになっていて、さらに上の高高域にあたる6kHz~10kHz付近にアクセントがあることが読み取れます。実際の聴いた印象も概ねこのカーブの通りで、全体としては寒色傾向でドライな伸びやかさや煌びやかさがありますが、同時に聴きやすい印象でもあります。ただ前述の通り再生環境によっては多少高域が強めに反応する場合もあります。

JIALAI Carat中音域は僅かに凹みますが、見通しの良い音でボーカル域も女性ボーカルの高音などの抜け感や、男性ボーカルの低音の豊かさなど、ボーカル域にフォーカスしたメリハリがあり印象としてはやや前傾した定位でバランスの良い主張があります。高域同様に寒色傾向でドライな印象のため演奏との分離は良く、音場は左右に広さがあり、ドンシャリ傾向らしい奥行きのあるレイヤー感も感じさせます。「JIALAI Carat」の中音域はボーカル域を多少際立たせるようなチューニングが行われており、いわゆるニュートラルなサウンドとは一線を画します。モニター的な正確さを求める方にはちょっと異なるイヤホンですね。またキレやスピード感はあるものの、寒色傾向の中華イヤホンにありがちなキレ重視の派手なサウンドとも異なっており、自然な音色で豊かさや滑らかさを感じる、明瞭だけど聴きやすく心地よいリスニングサウンドとしてまとめられています。

低域はミッドベースを中心に締まりのあるタイトな音を鳴らします。重低音の沈み込みなどの自然な印象はDLCぽさがありますが、ミッドベースはどちらかというとキレ重視でスピード感のある音で、チタンコートDLC振動板の特徴が出ているのかもしれませんね。中音域の下の方から厚みがありミッドベースもややブーストされている印象で力強く刻みますが、全体としては過度に派手に鳴りすぎずバランス良くまとまっています。こちらも楽しさ重視の音作りですが、これはこれで良いと思います。

「JIALAI Carat」&「JIALAI AzureBay」そして、「JIALAI AzureBay」ケーブルとの組み合わせでは、「JIALAI Carat」のバランスを維持しつつ、よりDLCらしい透明感のある見通しの良いサウンドを楽しめます。付属ケーブルと比べ情報量が大きく向上することもあり、またバランス接続で多くの場合駆動力をより稼げる点もあり、詳細なディテールや音場感などの向上はもちろん得られますが、このケーブルは情報を向上し明瞭さをもちながら刺激を強くしたり派手に変化すること無く、「JIALAI Carat」のサウンドを事前にアップグレードしてくれる印象です。
推測ですが「JIALAI AzureBay」は、線材としては解像感を向上させつつ若干ウォーム方向の印象もある高導電性銅合金線の印象を、銅線としての伝導率はやや低く相対的に銀メッキ部分の効果が出やすい(つまり中高域の明瞭感特化?)と想定される銀メッキ焼鈍し銅線をミックスすることで、全体の情報量や解像感は向上し見通しの良さを感じさせつつ、相対的に過度なメリハリを相殺し、付属のOFCケーブルに近い自然な印象のサウンドに近づけているのでは、と想像します。そのためリケーブル後も「JIALAI Carat」のクリーンな寒色傾向ながら聴きやすいサウンドを維持しつつアップグレードに成功しているようですね。ただウィークポイントとしてはややタッチノイズが大きいため、屋外などでの利用はあまり向かないと思います。

■ まとめ

「JIALAI Carat」&「JIALAI AzureBay」というわけで、「JIALAI Carat」は「JIALAI」ブランドが手がけるイヤホン製品として、楽しいリスニングに特化したバランスの良いドンシャリ系のサウンドで、やはり「お値段以上」な印象を持つしあがりでした。再生環境やケーブル等で印象の変化もあるイヤホンですが、逆に言えばリケーブルの楽しさがある、ともいえますし、マニア向けのアイテムとしてはこれはこれで良いのではと思います。また「JIALAI AzureBay」ケーブルも「JIALAI Carat」との相性は非常に良く、見た目の豪華さも良いですね。
たぶん組み合わせるイヤホンによっては結構特徴的なケーブルかもしれませんが、「JIALAI Carat」との組み合わせではちゃんとグレードアップ効果も実感出来ることもあり、できれば一緒に入手されることをお勧めしたいアイテムだと感じました。