INTUAURA Splendor II

こんにちは。今回は 「INTUAURA Splendor II」です。個性的な振動板を採用したドライバーなどいろいろ「謎み」のある技術的裏付けも興味深い「INTUAURA Splendor」シリーズのアップデートモデルです。より高級感のアップしたフェイスデザインと、低域を中心に変更したサウンドバランスなど初代との違いを見てみたいと思います。

■ 製品概要と購入方法について

INTUAURA」は「Angeldac Audio Store」などのセラーで取り扱う中華イヤホンブランドです。同社は中国では既に数種類のイヤホンおよびケーブル製品をリリースしており、私のブログでは同社のシングルダイナミック構成のミドルグレードライン「VIEW」シリーズより上位モデルの「VIEW Splendor(逸彩)」とより購入しやすい価格帯の「Luna Plume(羽墨)」の2機種をレビューしています。

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今回は「INTUAURA Splendor II」は「VIEW」ラインの新モデルで、「Splendor」の後継モデルとなります。初代「Splendor」より低音の質が向上しています。新モデルでは設計を再構築し、フロントチャンバーの容積を最適化することで、より解像度を高めたサウンドを実現しました。
また「INTUAURA Splendor II」でも「Splendor」同様にHeyGearsの高精細3Dプリンタによるレジンシェルを採用し、「独自の吸音システム」「A.W.C.T(音響調整テクノロジー)および開放型リアキャビティ構造」「S.O.T1 超広帯域ダイナミックコイル」などの技術を投入することで優れたサウンドを実現しているのが大きな特徴です。
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INTUAURA Splendor II」でもベリリウム振動板と似た特性を持つ両面複合合金コーティング振動板を採用。N52磁石を採用した強力な磁気回路とCCAWボイスコイルを備えたダイナミックドライバーユニットは、5Hz ~ 50kHzの幅広い周波数応答を提供し、より強力な過渡応答、ダイナミック レンジ、詳細なサウンドを実現しています。
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INTUAURA Splendor II」の購入はAliExpressのAngeldac Audioにて。価格は230.51ドルです。
購入時に3.5mmプラグまたは4.4mmプラグを選択可能です。
※セール期間中につきさらに値引きされるクーポンが提供されています。
免責事項:
本レビューではレビューサンプルとして Angeldac Audio Store より製品を提供いただきました。機会を提供してくださったことに感謝します。ただし本レビューに対して金銭的やりとりは一切無く、レビュー内容が他の手段で影響されることはありません。以下の記載内容はすべて私自身の感想によるものとなります。


■ パッケージ構成、製品の外観および内容について

というわけで、「INTUAURA Splendor II」のパッケージは少し前に届いていました。今回もアクスタ付きです(汗)。初代の「Splendor」では「VIEW」ラインのシンプルなデザインでしたが、今回はより雰囲気のあるパッケージデザインになりましたね。
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パッケージ内容は、本体、ケーブル、イヤーピース、本体保護カバー、交換用メッシュパーツ、ハードケース、クロス、保証カード。イヤーピースはケースに収納されており、一般的な形状のタイプと開口部の広いタイプで、どちらもS/M/Lサイズとなります。
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本体は、3Dプリントによるレジン製。出力は中華イヤホンでも高品質シェルでお馴染みの「HeyGears」による高精細3Dプリンター出力を使用しています。クリアブラックのレジンを使用していますが、透明度が高い材質のため反対側に光が透過するとまるで透明のように見えるという、高級感のある仕上がりになっています。
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初代「Splendor」とは異なりブラックを基調としたフェイスデザインですが、今回も高級感を感じる仕上がり。同社の独自の吸音システムや後方開放型の構造のためシェルは大きめですが耳にフィットしやすいデザインで装着性はまずまず。側面のVIEWというロゴ部分がスリット状になっていて空気孔(ベント)して機能しています(そのため開放型という表記になっています)。ベント部分からは僅かに音漏れがありますが静かな部屋でなければ気がつかないレベルでしょう。
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ケーブルは初代「Splendor」と同様の16芯(24芯かな)タイプで、購入時に3.5mmと4.4mmが選択できます。今回は3.5mmで届きました。一般的な中華16芯/24芯より弾力のある被膜で十分に柔らかいもののしなやかさもありますね。線材は高純度銅線が使用されているとのことです。


■ サウンドインプレッション

INTUAURA Splendor II今回の「INTUAURA Splendor II」はフェイスデザインなどはより落ち着いたブラックを基調としたカラーリングとなり、付属品やパッケージも含め、より高級感がアップした印象になっていますが、音質面としてはマイナーアップデートに近く、初代の「Splendor」が中国語での製品ページに記載の通り「とにかく某D社のZen Proに寄せまくった」チューニングだった(笑)のに対し、今回の「INTUAURA Splendor II」ではユーザーからのフィードバックを受けて初代「Splendor」より若干中低域寄りにシフトし、よりボーカル域を中心に適度な温かみを感じさせつつ、ニュートラル方向のサウンドに仕上がっています。高域は煌めきや伸びの良さはあるもののやや主張が控えめになっており、刺激を抑えた聴きやすい印象にまとめられています。
全体としてはフラットから若干のW字に近いバランスでボーカル曲を中心に聴きやすく穏やかなサウンドという印象のリスニングサウンドです。

また多少バランスは異なるものの、各音域の印象そのものは初代「Splendor」を踏襲しています。よろしければこちらのレビューも参照ください。
過去記事: 「INTUAURA VIEW Splendor(逸彩)」 美しいシェルに凄そうな内部仕様で質の高いサウンド。違いが分かるマニアのための200ドル超級中華イヤホン【レビュー】


ちなみに、初代「Splendor」と共通して「INTUAURA Splendor II」の興味深いところは「ベリリウム(金属)振動板っぽい特性の複合合金両面メッキ振動板(double-sided composite alloy coating similar to a beryllium metal diaphragm)」を採用している点(セラーも含め「ベリリウムコート振動板」と勘違いしてることが多いですが、あくまで似た特性を持たせた「合金メッキ」ですね)。
INTUAURA Splendor IIこの振動板により、2000ドル級の「final A8000」のような(メッキじゃ無い)ベリリウム振動板のイヤホンの10分の1の価格で近いパフォーマンスを出すぜ!というのを「売り」にしています(汗)。初代「Splendor」ではやはり当時1000ドル級だった「Dunu Zen Pro」に非常に近くチューニングされ、似たパフォーマンスを出すぜ!と中国語製品ページでは結構イキっていたりします(滝汗)。今回の「INTUAURA Splendor II」では初代ほどの熱量はないものの、やはり技術的にスゴイのよ~という点は推したいところのようです。まあ個人的にはこの価格帯の中華イヤホンはある程度のエビデンスを持って個性をアピールするのは微笑ましく思ったりしています。

また初代「Splendor」および「INTUAURA Splendor II」は背面開放型として「VIEW」ロゴ上のベントがあり圧力を調整することで多少籠もりやすいチューニングをしても比較的ドライでスピード感のあるサウンドを実現できる特徴を持っています。
INTUAURA Splendor IIそのため初代「Splendor」ではより中高域にフォーカスし解像感やキレの良さを感じさせる印象でしたが、「INTUAURA Splendor II」では全体的に中低域寄りにシフトし、ポップスやロックなどのボーカル曲向けの印象に変化したため、全体的にはややウォームな印象に仕上げられています。ただバランス接続にすることで明瞭感は格段にアップしますし、銀メッキ線など高域の伸びを引き出すケーブルに換えることでV字方向に変化し、多少「覚醒」したような変化も楽しめそうです。


■ まとめ

というわけで「INTUAURA Splendor II」ですが、ベースとしては初代「Splendor」のマイナーチェンジという印象で、音質面のバランスも良く、また個性的な側面もあるなど結構楽しい製品ですが、いっぽうで200ドル級イヤホンのなかでも「こういう製品も楽しめる」ある程度のマニア層向けの製品だなとも感じました。また付属ケーブルは初代と同じ線材ですが、今回は全体として中低域寄りにシフトしているため、どちらかというと海外の高域より低域の存在感重視な声を反映したように「一見感じる」チューニングとなっています。
INTUAURA Splendor IIただ「ベリリウム(金属)振動板ぽい特性の合金メッキ振動板」という「Splendor」シリーズの謎の「売り」により、実際「ベリリウムぽいポテンシャル」を持っている(いそう?)なのもある程度は確かなようで、リケーブルや上流をいろいろ変えてみると結構「覚醒」する変化も楽しめる、という点でも「やっぱりマニア向け」という気がします。
また外観がより高級感のあるデザインになったことも含め、これらの要素をしっかり楽しめる方には価格に十分見合う(かもしれない)イヤホンだと思いますので、よろしければチャレンジしてみては、と思います(^^;)。