
こんにちは。今回は「AFUL Explorer」 です。最近マニアの間ではすっかり人気ブランドのひとつに成長した「AFUL」ですが、今回は2BA+1DD構成で120ドル以下で購入可能な同社エントリーモデルです。同社が持つ特許技術を惜しみなく投入しつつ、より多くのユーザー向けの楽しくバランスの良いハイブリッドサウンドに仕上げられています。
■ 製品概要と購入方法について
「AFUL Acoustics」は中国の新進気鋭の中華イヤホン(IEM)ブランドで、これまでにリリースされた「Performer5」および「Performer8」は、数々の独自特許技術に裏付けられた自然かつ上質なサウンドにより高い評価を受けており、最近リリースされたシングルBAモデルの「MagicOne」でも新たな独自技術に加え美しいデザインと優れたプライスパフォーマンスで好評を得ました。
→ 過去記事(一覧): AFUL製品のレビューおよび製品情報
今回の「AFUL Explorer」は2BA+1DD構成のハイブリッド仕様モデルで、実はシングルBAの「MagicOne」より若干低価格のエントリークラスに位置づけられる製品ですね。「AFUL」というブランドは製品ごとにアプローチがかなり明確で、採用するドライバー構成を意識したチューニングを行い、同社の技術を投入しているのが特徴的です。


「AFUL Explorer」においても「Performer」シリーズのキーテクノロジーを踏襲しており、またシングルBAモデルの「MagicOne」で採用されている一般的なBAの仕様を超えた広範囲の周波数応答範囲を持つ BAドライバーを搭載しています。
今回の「AFUL Explorer」は2BA+1DD構成のハイブリッド仕様モデルで、実はシングルBAの「MagicOne」より若干低価格のエントリークラスに位置づけられる製品ですね。「AFUL」というブランドは製品ごとにアプローチがかなり明確で、採用するドライバー構成を意識したチューニングを行い、同社の技術を投入しているのが特徴的です。


「AFUL Explorer」においても「Performer」シリーズのキーテクノロジーを踏襲しており、またシングルBAモデルの「MagicOne」で採用されている一般的なBAの仕様を超えた広範囲の周波数応答範囲を持つ BAドライバーを搭載しています。


また「AFUL Explorer」で採用される「高減衰空気圧バランスシステム」は鼓膜の圧力が軽減され、低音の質感と明瞭度が向上します。そしてクロスオーバー処理は電子クロスオーバーによるドライバー間の正確な信号処理と分配に加えて「RLC ネットワーク周波数分割補正技術」により高周波のピーク時の異常な周波数応答の変動を抑制し、よりスムーズな応答を実現しています。さらに、3Dプリントされた極薄で長いベースチューブと特殊形状の共振器キャビティによる物理クロスオーバーにより周波数応答がスムーズになり、重低音の深さが向上しています。


そして「AFUL Explorer」のケーブルは200コアのデュアルストランド高純度銅銀メッキケーブルが付属します。購入時にプラグを「3.5mm」または「4.4mm」を選択できます。
「AFUL Explorer」の購入はHiFiGoの直営店またはアマゾンのストアページにて。
HiFiGoでの価格は119.99ドル、アマゾンでは19,816円で購入できます。
免責事項:
本レビューではレビューサンプルとして HiFiGo より製品を提供いただきました。機会を提供してくださったことに感謝します。ただし本レビューに対して金銭的やりとりは一切無く、レビュー内容が他の手段で影響されることはありません。以下の記載内容はすべて私自身の感想によるものとなります。
■ パッケージ構成、製品の外観および内容について
「AFUL Explorer」のパッケージは「MagicOne」と同じサイズのボックスで化粧カバーはシェルデザインにあわせて宇宙をイメージしたデザインとなっていますね。


パッケージ内容はイヤホン本体、ケーブル、イヤーピース(2種類、それぞれS/M/Lサイズ)、ケース、説明書など。今回ケースは金属製では無く円形の樹脂製ケースとなりました。


3Dプリントによるシェルは濃いブルーのレジン製で宇宙をイメージしたフェイスデザインが非常に美しいですね。2BA+1DDの3Way仕様のため、ステムノズルから出力される音導管は3カ所あるのが確認出来ます。


フェイス形状は「MagicOne」とほぼ同じサイズ感。ただし厚みはドライバー数に合わせて少し大きくなっており、ステムノズルの角度や長さなどにも若干違いがあります。そのため装着性については「MagicOne」とは若干異なり、人によっては多少クセがあるように感じるそうなので、少し小さめのイヤーピースで奥までしっかり装着した方がよいかも知れませんね。


ケーブルは淡いブラウンの被膜で覆われた高純度銀メッキ銅線で左右2芯の撚り線タイプ。樹脂被膜はやや厚めで弾力がありますが取り回しは良好です。イヤーピースは青色の軸のタイプと少し柔らかい白色の軸のタイプの2種類が3サイズ付属します。好みに応じてよりフィット感の良いもに交換するのもよいでしょう。「スパイラルドット」や「AET07」(互換品を含む)、「SpinFit CP100+」などが定番ですね。今回私は「SpinFit CP100+」を選択しました。
■ サウンドインプレッション

「AFUL」は数々の特許などでも分かるとおりかなりの技術志向のメーカーですが、そのこだわりは製品のラインナップにも現れており、シングルBAの「MagicOne」でも「このドライバー構成に最も相応しいサウンドとは」という考え方を垣間観ることができ、ブランドとしての一貫性は音色よりこのような技術的アプローチによって保たれている、という感じもあります。

そしてエントリークラスとしての「楽しさ」と「バランスの良さ」を考えたのが今回の「AFUL Explorer」ではないかと想像しました。ブランドとして音質傾向は多少違いがあるように感じるかもですが、そのアプローチは一貫しており「AFUL」らしい、というわけですね。
「AFUL Explorer」の高域は、明瞭感のある音を鳴らしつつ刺激を抑え適度に温かみを感じる聴きやすい音を鳴らします。「MagicOne」でのドライバーを採用することで、中音域用のBAの上方向への守備範囲を広げ、高域用BAはツィーターとして高高域の伸びをフォローすることに徹しているのかな、と思いますが、BA的な金属質の印象は少なく、直線的な伸びの良さで解像感を引き出すことで明瞭さを感じさせます。

何というか「最近はこういうのが売れるんでしょ。ウチの技術力ならどんなバランスでも作れますよ」みたいな声が聞こえてきそうにも感じたのですが、たぶん私が(レビューで)色々なイヤホンをとっかえひっかえ聴きすぎなんでしょうね。趣味ですけど職業病的な・・・(滝汗)。
中音域は、癖の無いニュートラルで滑らかな音を鳴らします。中音域は多少前傾しておりボーカル域はやや前方で定位します。そのためバランスとして緩やかなU字またはW字に近い印象に感じさせます。

低域はとても厚みがありパワフルな音を鳴らします。「Performer」シリーズのように同社のクロスオーバー技術をしようしてニュートラルにまとめることも可能だったと思いますが、リスニングイヤホンとしての「楽しさ」を感じさせるという意味であえてハイブリッドらしさを感じる力強い低域に調整している印象です。とはいえ中高域との分離は良く、ミッドベースは直線的で適度な締まりがあります。また重低音も深く沈み音像を捉えやすい解像感と見通しの良さがあります。また全体としてハイブリッド感があるサウンドでダイナミックドライバー部の存在感も結構大きいため、再生環境やリケーブルでの変化も従来モデルより大きめかもしれませんね。
■ まとめ

いっぽうでニュートラルなサウンドを好まれるマニア層や、よりスッキリした鮮やかさ高域を好まれる方、キレ重視のよりハッキリしたドンシャリサウンド好きの方向けとは異なる音作りとなっています。そういう意味では、ある程度「万人受け」を狙ったイヤホンだと思いますが、手頃な価格で高い完成度を実現しているのは特筆すべきでしょう。今回も人気モデルになりそうですね。