EDIFIER R990BT

こんにちは。今回は「EDIFIER R990BT」です。お馴染みスピーカーやヘッドホン、イヤホンなどでコストパフォーマンスに優れたオーディオ製品を相次いでリリースしている「EDIFIER」から、1万円程度で購入可能なブックシェルフサイズのアクティブスピーカー製品がリリースされました。いわゆるアンプ内蔵タイプの製品で、2系統のRCA入力とBluetoothのワイヤレス接続にも対応。アプリでの設定も可能な多機能スピーカーとなっています。

 
■ 製品概要と購入方法について

「EDIFIER」は中国発の大手オーディオブランドで、もともとブックシェルフタイプのスピーカー製品で、最近はワイヤレスオーディオ分野での様々な製品で幅広い実績と人気を集めるグローバルなメーカーとして有名です。日本市場においても高性能・高音質なワイヤレスイヤホンおよびヘッドホン、そしてスピーカーなどの製品を相次いでリリースしており高い評価を獲得しています。

EDIFIER R990BT」は同社が得意とするブックシェルフタイプのスピーカーです。木製エンクロージャに2系統のRCA入力およびBluetoothワイヤレス入力に対応し、専用アプリでの調整も可能な高機能・高音質なアクティブスピーカー製品です。
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EDIFIER R990BT」の最大出力は 24W(RMS)で、一般家庭のリビングなどで最適かつ十分な音量を出力可能です。ドライバーには4インチの中低域用ドライバーと1インチのシルクドームツイーターが装備され、木製のMDFキャビネットは、共鳴と歪みを効果的に抑制し、オーディオ入力からのソースを忠実に再生します。
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入力は2系統のRCAライン入力とBluetoothに対応。ワイヤレスでは最新の「Bluetooth 5.4」規格に対応し、より安定した接続でシームレスな再生が可能です。また「EDIFIER ConneX」アプリにも対応し、遠隔操作およびイコライザ機能で音楽、映画、ゲーム用のサブセットとカスタマイズでの設定変更も可能です。
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EDIFIER R990BT」の購入はアマゾンまたは楽天市場のEDIFIER JAPANの公式ストアなどにて。
価格は10,980円(税込み)です。
※6月28日~7月3日まで20%OFFセールを実施。以下の各サイトでクーポンが配布中です。

Amazon.co.jp(EDIFIER JAPAN): EDIFIER R990BT ※20%OFFクーポン配布中(7/3まで)


楽天市場(EDIFIER JAPAN): EDIFIER R990BT ※20%OFFクーポン配布中(7/3まで)


免責事項:
本レビューではレビューサンプルとして EDIFIER JAPAN より製品を提供いただきました。機会を提供してくださったことに感謝します。ただし本レビューに対して金銭的やりとりは一切無く、レビュー内容が他の手段で影響されることはありません。以下の記載内容はすべて私自身の感想によるものとなります。


■ パッケージ構成、製品の外観および内容について

EDIFIER R990BT」のパッケージはブックシェルフサイズということでそこそこ大きいサイズのボックスで届きました。今回は約1万円クラスとオーディオに詳しい方以外の購入も想定される製品ということで、リビングでの利用やPCスピーカーとしての用途なども踏まえた内容で記載していきます。
EDIFIER R990BEDIFIER R990B

パッケージな用はスピーカー本体(左、右)、スピーカーケーブル(左右接続用)、RCA-RCAとRCA-ステレオミニの2種類のオーディオケーブル、電源ケーブル、説明書、保証書など。
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EDIFIER R990BT」はトラディショナルな木製ブックシェルフスピーカーのデザインを踏襲しており、フロントメッシュを外した状態でもどのような場所でも合わせやすいデザインです。右側にアンプユニットが搭載され、左右をスピーカーケーブルで接続するタイプ。インターフェースはRCA入力が2系統あります。背面の音量ノブを推すことで入力系統の切替え、長押しで電源ON/OFFができます。
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スピーカー本体のサイズは片側1台あたり 226×140×197mm、重量は左右セット合計で3.44kgと23~27インチ程度のPCモニターと組み合わせてデスクに置く配置でちょうど良さそうなサイズ感ですね。
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また入力切替および音量調整は本体背面の音量ノブのほか、「EDIFIER ConneX」アプリを使用しての変更も可能。さらにアプリではイコライザ機能で音楽、映画、ゲーム用のサブセットとカスタマイズでの設定変更も可能です。
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アプリの利用は本体がBluetoothモードの状態でスマートフォンとペアリングし「EDIFIER ConneX」アプリを起動することで接続されます。アプリ上で入力をLine1/Line2に切替えた場合はアプリとの接続は維持されますので、RCA接続中もアプリでの音量調整やイコライザ機能を使用することが可能です。スピーカーの背面に手を回さずに遠隔操作ができるのはとても便利ですね。


■ サウンドインプレッション

EDIFIER R990BTEDIFIER R990BT」の音質傾向はEDIFIERらしいミッドレンジにフォーカスしたニュートラル系のサウンド。いわゆるモニタースピーカー的なカチッとしたフラットサウンドではありませんが、リスニング向けとして適度な温かみを持ちつつ特にデスクトップでのニアフィールド配置では締まりのある低域による自然な響きと定位感があり、バランスの良い音を鳴らします。1万円程度と比較的低価格のスピーカーながら入力ソースによる音質の違いを結構忠実に描き分ける能力があるため、再生環境により想像以上の高音質を楽しむことができます。
低価格スピーカーにありがちなハコで鳴っているような、いわゆるラジカセ感は皆無で、しっかりした作りのエンクロージャにより、音量を上げても安定した音場感でオーディオを楽しむことができます。もともと制振性は結構高めの印象ですが、リビングで棚などに配置する場合、オーディオグレードのインシュレータを使用しなくても100均の硬めの制震材などでフォローするだけでも結構印象に違いがあります。

EDIFIER R990BTBluetoothによるワイヤレス接続はSBCコーデックのみに対応。そのためハイレゾ再生などには対応しませんが、室内での利用を前提としているためBluetooth 5.4規格による高ビットレートで安定した音質を実現しています。
ニュートラルな音質のため、リビングなどでの利用では低域にもう少しパワーが欲しいと感じる場合がありますが、「EDIFIER ConneX」アプリでのイコライザ設定などにより十分にエネルギッシュなサウンドに調整することも可能です。各種配信サービスによるストリーミングでの気軽な再生には最適でしょう。

またデスク上に配置し、いわゆるPCスピーカーとしての利用の場合は、PCのオーディオ出力からの直接接続より、DACまたはオーディオインターフェースなどの外部アダプタの併用が望ましいでしょう。これは別に「EDIFIER R990BT」に限ったことではありませんが、ある程度オーディオグレードにも対応出来るアクティブスピーカーの場合、マザーボード直結のオーディオ出力に直接接続するとRCA入力から電気ノイズを拾ってしまい「サー」というノイズが入りやすくなる可能性がありますし、特にデスクトップPCでは出力電圧の歪みによるハイ上がり的な現象が起こる場合もあります。
EDIFIER R990BT高音質なUSB-DACを組み合わせて出力すると、同じ音楽ソースでも、Bluetooth出力より音の輪郭がより明瞭となり、解像感が格段に向上し、音場感も立体的に変化するのを容易に実感出来ると思います。例えば(オーディオには全然詳しくない)ウチの奥さんにも「EDIFIER R990BT」から「Apple Music」でBluetooth接続の場合(AAC)、USB-DAC経由(AAC、ロスレス)を聴き比べてもらいましたが、Bluetoothとの違いはもちろん、USB-DAC経由でもロスレスかどうかでもハッキリと違いを実感していました。

このように「EDIFIER R990BT」はアクティブスピーカー製品としてはかなり低価格といっていい価格帯ですが、オーディオ的にも想像以上に楽しめる印象でした。上記のようなレビューのためのテスト以外にもDAP(デジタルオーディオプレーヤー)のLINE OUTモードでのハイレゾ再生や、オーディオテクニカの「サウンドバーガー」(ポータブル型レコードプレーヤー)を組み合わせの再生も行ってみました。
EDIFIER R990BTどちらの場合も想像以上に自然で聴きやすい音ながら心地よい空間表現があり、全体としてニュートラルで綺麗に鳴らしてくれる印象でした。
特にデスクトップのニアフィールドで音量をアップすると低域のパワーも十分で適度に立体的な定位感も実感出来るなど、スピーカーならではのリスニング体験を楽しめると思います。
普段はイヤホンやヘッドホンでポータブルオーディオを楽しんでいる方が補助的にスピーカーを検討しているといった用途にも手頃でよいかも知れませんね。


■ まとめ

というわけで、「EDIFIER R990BT」はリスニング向けアクティブスピーカー製品としての手頃かつ実用的な音質と機能を搭載しているコストパフォーマンスに優れた製品でした。十分にパワーのある低域と中高域はニュートラルで分離感と解像感があり、全体としてニアフィールドでの立体的な音場感を楽しめるなど、スピーカーとしての基本性能の高さを感じますね。
EDIFIER R990BT確かに上位モデルのようにニーズや用途をある程度特定したような音作りでは無いため、オーディオ的には突出して優れているという点はあまり無いものの、さまざまな用途で十分に楽しめるレベルのサウンドを1万円程度の低価格で実現している点は高く評価できるポイントだと感じます。
自然なバランスながら輪郭は明瞭で締まりもあるため、デスクトップでのニアフィールドでの相性の良さに加え、リビングなどでゆったり楽しむような用途にも利用できる印象ですね。
ウィークポイントとしては低価格ゆえに前述のようなPCスピーカー的な使われ方をして本来の実力を発揮できていない、みたいなケースも購入サイトのレビューで散見される点でしょうか。実際には非常にポテンシャルの高い製品ですので、興味のある方は挑戦してみてくださいね。