
こんにちは。今回は 「TRN Medusa」です。TRNがまたまた攻めまくってる目玉デザインのイヤホンを、もとい、製品名称通り「メドゥーサ(=クラゲ)」をイメージした「オーシャンズシリーズ」の新作モデルです。12mmのDLC振動板トリプルチャンバー構造を採用し、バランスの良いU字から弱ドンシャリのサウンドバランスで実は結構ちゃんと使える良サウンドのイヤホンだったりします(^^)。
■ 製品概要と購入方法について
「TRN Medusa」は革新的なトリプル・チャンバー構造を採用したDLC振動板ダイナミックドライバーをシングルで搭載するモデルです。製品名の「メドゥーサ」というとRPGやラノベなどの影響もありギリシア神話の怪物のほうのイメージが強い気もしますが、ここでは見ての通り「クラゲ」のことですね。「TRN ORCA」に次ぐ「オーシャンズシリーズ」の新作モデルとのこと。「海の浮遊する花々」をイメージしたデザインということです。まあ攻めまくってますね(^^;)。


「TRN Medusa」のドライバーは12mmサイズの第2世代DLC振動板ダイナミックドライバーをシングルで搭載。その最大の特徴は革新的なトリプル・チャンバー構造を採用した二重磁気回路を採用している点で、サウンドが効果的に三つの異なるチャンバーに分割され、広範な周波数応答を実現。高域のディテールと低域のベースを緻密に再現し、鮮やかで没入感のあるリスニング体験を提供します。さらに、このトリプル・チャンバー構造は定位感の強化とダイナミックレンジの拡大でより魅力的な音像表現の実現します。


またこの新しいダイナミックドライバーでは振動板に第2世代のDLC(Diamond-Like Carbon)振動板を採用することで従来より低歪みとレスポンスの向上を実現。また音響チャンバーの最適化により反射を適切にコントロールし、ベリリウムコート処理されたドライバーユニットにより自然なディテールを豹変します。


ケーブルは4芯銀銅混合線ケーブルが付属し、3.5mm/2.5mm/4.4mmのプラグ交換が可能です。
「TRN Medusa」はAliExpressおよびアマゾン等の各セラーにて購入可能。
AliExpressの「TRN Offical Store」またはアマゾンの「TRN直営店」ではセール価格で販売中です。
※特にAliExpressでは大幅値引きのクーポンの提供をいただきました。
AliExpress(TRN Offical Store): TRN Medusa ※セール価格38.98ドル。
さらにクーポン「VEVU3C946FF6」を入力することでさらに9ドルOFFで購入可能です。
Amazon.co.jp(TRN直営店): TRN Medusa ※直営店では5,850円で購入可能です。
免責事項:
本レビューではレビューサンプルとして TRN Audio より製品を提供いただきました。機会を提供してくださったことに感謝します。ただし本レビューに対して金銭的やりとりは一切無く、レビュー内容が他の手段で影響されることはありません。以下の記載内容はすべて私自身の感想によるものとなります。
■ パッケージ構成、製品の外観および内容について
「TRN Medusa」のパッケージは今回も50ドル前後、レビュー掲載時点でオフィシャルストアでは40ドル以下で購入できるイヤホンとしてはかなり豪華なパッケージです。


パッケージ内容は、イヤホン本体、ケーブル(4芯銀銅混合線)、交換プラグ(3.5mm、2.5mm、4.4mm)、イヤーピース3種類(通常タイプ3サイズ、ウレタン1ペア、「TRN T-Eartips」3サイズ)、メタルケース、説明書。


本体は透明なプラスチック筐体に「メドゥーサ」をデザインしたシャーシに収容された12mmサイズの大口径ダイナミックドライバーが派収容され、金属製のステムノズルに直結しています。言うまでも無く斬新すぎるデザインではありますがシェル形状は「TRN Rosefinch」(12mm平面駆動ドライバー搭載)とちょっと近く装着性も似た印象ですね。


外観はクラゲというよりほぼ充血した目玉でやっぱりホラー感満載ですが、装着してみると印象は変わるかなーと思ってみたりもしましたが、変わらず耳に目玉があるみたいでしたね(笑)。
ケーブルは最近のブラウンのミックス線ではなく銀銅混合線の4芯撚り線でカラーリングがダークシルバー。適度に太さと弾力のあるケーブルです。


イヤーピースは今回も通常タイプ各サイズとウレタン1ペア、そして「TRN T-Eartips」が各サイズ付属します。多くの場合は「TRN T-Eartips」で良いと思いますがステムノズルがやや浅いため、より耳奥まで挿入するため通常タイプの小さめを選ぶのも良いかもしれません。個人的にはサイズダウンした「SpinFit CP100+」を組み合わせて奥まで挿入する組み合わせが最も好印象でした。
■ サウンドインプレッション

ただしリケーブルや再生環境での変化は大きく、パワーのあるアンプで鳴らしたりさらに情報量の多い銀メッキ線などを利用することでV字方向の印象が強化され、かなり分かりやすいドンシャリ傾向になります。これはこれで面白いですが、「TRN Medusa」のメリットが多少損なわれる印象もあるため、通常のオーディオアダプターの出力程度でニュートラルなU字寄りに鳴らすほうが良さそうですね。

それでも前述の通り、据置きアンプのハイゲインなど高出力の環境や情報量の多い一部のケーブルを組み合わせた場合では主張が一気に増して派手めのバランスに変化します。
中音域は曲によっては僅かに凹みますが、中高域付近から多少前傾しているため、特に女性ボーカルは鮮明さのある印象となります。DLC振動板の特徴で、十分な(100時間以上)のエージングにより滑らかさが多少向上する印象もあります。

中高域のアクセントはより際立った印象があり、女性ボーカルやピアノの高音などは鮮やかですね。また男性ボーカルは強調される印象はありませんが詳細な音像表現を捉えることができ、余韻なども自然です。ポップスやロック、アニソンなどのボーカル曲と相性が良さそうですね。
低域は、大口径ドライバーらしい余裕のある鳴り方をします。低域の量的には「TRN Conch」より多くなっていると思いますが、中高域の主張が強めのため、相対的にニュートラルなバランスに落ちついている、という感じですね。DLCらしい滑らかさや深みを感じる音色ですが、派手さよりやや穏やかな印象の低域という印象。中高域との分離は良く適度な締まりでミッドベースは直線的に鳴ります。重低音も深く解像感も適切です。低域の量感をもっとアップし、中低域寄りのV字方向に臨場感を持たせたい場合は情報量の多いOCCケーブルなどの銅線ケーブルにリケーブルを試して見るのもよいでしょう。
■ まとめ

また再生環境での変化は大きいものの、大口径のDLC振動板を採用することでポテンシャルが向上し多少バランスが変わることがあっても破綻する無くしっかり鳴ってくれますね。購入しやすい低価格帯のイヤホンとしては攻めすぎなデザインがむしろOK、という方なら十分良い選択肢になると思いますよ。