
こんにちは。今回は 「ZiiGaat x Fresh Reviews Arete」です。Linsoulで取り扱うZiiGaat ブランドからコラボ使用の4BA+1DD仕様のミドルグレードハイブリッド製品がリリースされました。Knowles製の定番BAドライバーを4基搭載し、バイオセルロース振動板ダイナミックドライバーの組み合わせることでニュートラルかつポテンシャルの高いリスニングサウンドを実現しています。
■ 製品概要と購入方法について
「ZiiGaat」は10年以上にわたってOEM/ODMで製品を提供してきた中国の製造メーカーが新たに立ち上げた独自ブランドです。同ブランドのイヤホン製品としては2023年の秋頃にリリースされた「NUO」と「Cinno」のレビューを掲載しています。
今回の「ZiiGaat x Fresh Reviews Arete」は、YouTubeの「Fresh Reviews」チャンネルとのコラボ使用による4BA+1DD構成のハイブリッドモデルです。Knowles製BAと10mmバイオセルロース振動板ダイナミックドライバーの組み合わせによりバランスのとれたモニターチューニングが行われています。


「ZiiGaat x Fresh Reviews Arete」のBAドライバー部には2種類のKnowles製BAを採用。高域用には「SWFK-31736」2BAユニットを搭載し、中音域用には「ED-29689」フルレンジユニットを2基搭載。中華ハイブリッドの場合、ミドルグレード以上の製品でもどちらかはカスタムBAを採用することも少なくありませんが、「ZiiGaat x Fresh Reviews Arete」ではマニアの間では周知の定番BAユニットを2種類とも採用しているのは魅力的ですね。
そして低域用には10mmサイズのバイオセルロース振動板ダイナミックドライバーを搭載。深く高い質感を実現し、強力なネオジム磁石を使用しタイトなレスポンスを提供します。


「ZiiGaat x Fresh Reviews Arete」は、3Way電子クロスオーバーと3つの独立した音響サウンドチューブにより最適な分離を行っています。そのチューニングはプロフェッショナルスタジオモニターのような自然さを持ちつつ、パンチの効いた低音と楽しいリスニングセッションを実現することを目標としました。高域は自然で風通しの良い広々としたサウンドを実現。中音域はほぼフラットで高い原音忠実性を持っており、優れたイメージングが可能。さらに集中した低音インパクトを実現し同時に全体的にクリーンで自然なトーンを維持しています。


「ZiiGaat x Fresh Reviews Arete」の価格は価格は249ドル、アマゾンでは42,380円です。
購入はLinsoulの直営店、AliExpressおよびAmazonの各店舗にて。
免責事項:
本レビューではレビューサンプルとして Linsoul より製品を提供いただきました。機会を提供してくださったことに感謝します。ただし本レビューに対して金銭的やりとりは一切無く、レビュー内容が他の手段で影響されることはありません。以下の記載内容はすべて私自身の感想によるものとなります。
■ パッケージ構成、製品の外観および内容について
「ZiiGaat x Fresh Reviews Arete」のパッケージは製品画像を掲載した一般的なデザインとなりました。以前のモデルの価格設定がよく分からない感じよりかなり進化?しましたね。


パッケージ内容は、イヤホン本体、ケーブル、イヤーピース(S/M/Lサイズ)、ウレタンイヤーピース1ペア、ハードケース。今回もイヤホン本体に全振りという感じでパッケージ内容は最小限です。


本体は樹脂製でステムノズルは金属製。フェイスパネルのデザインも華やかな印象でミドルグレードらしい仕上がりになっていますね。以前の「Cinno」(同様に4BA+1DD)と比べるとシェルサイズは大きくなりましたが、かなりチープさのあった「Cinno」の比べると外観上も価格相応にアップグレードした感じです。


シェルサイズは少し大きくなりましたが、ステムノズル部のリーチがあるため装着感は一般的な超黄砂があります。イヤーピースは付属品のほかよりフィット感が高く耳に合うものに交換することが望ましいでしょう。


ケーブルは黒い樹脂被膜の4芯タイプ。柔らかく取り回しは良い印象です。プラグは中華2pinタイプで、一般的な2pin仕様のケーブルへのリケーブルも容易ですね。
■ サウンドインプレッション

ちなみに、付属ケーブルはおそらく一般的な銅線タイプと思われますが、情報量の多いケーブルに変更することで結構分かりやすくメリハリの良さや解像感が変化します。付属ケーブルでは多少滑らかさを強調した印象で聴きやすい印象ですが、よりポテンシャルを引き出し、キレの良さや明瞭感などを実感したい場合はリケーブルを推奨します。全体のバランスは非常に良いため、リケーブルの際はあまり癖のない、良質な線材でイヤホンの傾向を踏襲しつつ情報量を向上させるタイプのケーブルを選択するほうが好印象となると思います。
またインピーダンス9Ω、感度108dB/mWとインピーダンスの低さ(=通電量の多さ)が特徴的で、マルチドライバー仕様のCIEM等と同様に、出力の高さより安定した出力回路を持つことが望ましい特性のようです。このタイプのイヤホンでは小型のオーディオアダプターでも十分に駆動できる可能性がありますが、搭載するアンプ回路やチップの出力特性によって多少印象が変わる可能性がありますね。

中音域は凹むことなく癖の無いフラット方向の音を鳴らします。定位も原音に忠実な印象で、近すぎず遠すぎず自然な距離感を維持します。同時にボーカル帯域は適度に鮮やかさを持っており、淡泊になることなく豊かさがあります。

音場は自然な距離感と広さがあり、正確な定位とあわせて自然な印象です。また演奏とボーカルとの分離も適切でスッキリした見通しの良さもあるため、音量を上げたり情報量の多いケーブルに換えることで雑味が増えることもほぼ無いと思います。
低域は重低音を中心に力強さがあり、ハイブリッド的な印象ではあるものの心地よい分離感とメリハリの良さを感じます。ミッドベースはスピード感があり、締まりの良い小気味よい音を鳴らします。臨場感も楽しめますがミッドは多少あっさりした感じもあります。これに対し重低音は非常に深く重いインパクトがあり多少軽めのミッドベースを補完し、低域全体としては中高域と明瞭に分離しスピードとキレの良さを感じさせつつ、しっかりとパワーと存在感のある音を鳴らしてくれます。
■ まとめ
というわけで、「ZiiGaat x Fresh Reviews Arete」はフラット方向、モニター的なバランスでチューニングしつつ、Knowles製BAによる質の高い中高域とダイナミックドライバーによるバランスの良さと量感を感じさせる低域が心地よい上質なリスニングサウンドを実現していました。
