TINHIFI DUDU (Commemorative Edition)

こんにちは。今回は 「TINHIFI DUDU(Commemorative Edition)」です。13mmサイズの平面駆動ドライバーを搭載したアンダー100ドル級モデルです。通常のケーブルが付属する「Standard Edition」に加え、DAC機能内蔵のUSB Type-Cケーブルも同梱した「Commemorative Edition」も選択可能な点も特徴ですね。

■ 製品概要と購入方法について

中華イヤホンの製造メーカーおよびブランドとしてマニアの間でも広く認知されている「TINHIFI」ですが、定番モデルとなった「T2」ラインなどの「Tシリーズ」や、購入しやすい価格帯の「Cシリーズ」、平面駆動ドライバーを採用した「Pシリーズ」など現在は複数のラインで豊富なラインナップを展開していますね。

今回の「TINHIFI DUDU」は13mmサイズの平面駆動ドライバーを搭載したモデルですが、製品名としては従来の「Pシリーズ」とは区別しているようですね。アンダー100ドル級の価格設定であることや2種類のケーブルを付属しているモデルを用意している点など「Pシリーズ」より幅広いユーザーを対象とした製品のような印象ですね。
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TINHIFI DUDU」は新開発の13mm平面駆動ドライバーを搭載。平面振動板の振動に対して両方向の音圧レベルが均等にする双方向設計により、位相の一貫性が向上しよりクリアなサウンドが得られます。軽量な平面複合振動板には0.01mmの二重ボイスコイルが埋め込まれており、7基×2の双方向の強力なN52マグネットにより比類のないサウンドを生成。音が直接耳に届くような感覚で、これまでにない音楽的インパクトをもたらします。
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また音響反共振モデリングによりキャビティ構造の設計を最適化し、共振周波数が低減され、音場の均一性が向上します。これらの高度な技術により、「TINHIFI DUDU」はより滑らかでリアルなサウンドを実現し、優れたバランスとパフォーマンスを提供します。

ケーブルは芯当たり0.05mm×24本の撚り線の4芯高純度OFCケーブルが付属。さらに「Commemorative Edition」ではボリュームおよびマイクを搭載し最大32bit/384kHz PCMに対応したDACを搭載したUSB Type-Cケーブルが付属します。今後同ケーブル用のイコライザアプリのリリースを予定しています。
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TINHIFI DUDU」の購入は各セラーまたはアマゾンのオフィシャルストアなどにて。
価格はStandardが79ドル、Commemorativeが99ドル
アマゾンではStandardが12,689円、Commemorativeが15,910円です。
Amazon.co.jp(TINHIFI Offical Store): TINHIFI DUDU


免責事項:
本レビューではレビューサンプルとして TINHIFI より製品を提供いただきました。機会を提供してくださったことに感謝します。ただし本レビューに対して金銭的やりとりは一切無く、レビュー内容が他の手段で影響されることはありません。以下の記載内容はすべて私自身の感想によるものとなります。


■ パッケージ構成、製品の外観および内容について

TINHIFI DUDU (Commemorative Edition)」のパッケージは先日レビューした「P1 MAX II」と同様のサイズのパッケージにパンダのキャラクターが描かれたポップなデザインのボックスで同じシリーズのモデルという感じがうかがえます。
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TINHIFI DUDU (Commemorative Edition)」のパッケージ内容はイヤホン本体、イヤーピース(シリコン2タイプ、S/M・Lサイズ)、ウレタンイヤーピース(ホワイト)1ペア、説明書、保証カードに、ケーブルは通常の3.5mmプラグのケーブルと、USB Type-Cプラグのケーブルの2本が付属します。「Standard」版はUSB Type-Cケーブルは付属しないようですね。
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シェルは金属製で一見すると若干コンパクトになった「T5s」という感じですね。金属製と樹脂製の違いはあるものの形状そのものは「P1 MAX II」に近い印象ですね。フェイスパネルもシンプルな平面デザインとでTINHIFIらしい質実な印象がより強調されています。
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フェイス面は少し大きめですが全体としては比較的コンパクトで装着性は良好。イヤーピースをしっかり合わせると耳にしっかり収まる感じで装着でき遮音性も結構高めの印象です。
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ケーブルは細めの4芯撚り線タイプで高純度OFCの銅線タイプ。コネクタは0.78mm の中華2pin仕様で3.5mmのプラグと、USB Type-Cケーブルの2種類が付属します。ケーブルはちょっと絡まりやすいものの適度に柔らかく屋外でも使いやすい印象です。
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USB Type-C仕様のケーブルはシングルボタンタイプのマイクボリューム付きです。USBコネクタは最大32bit/384kHz PCMに対応したDACを内蔵しておりスマートフォンやタブレットに直結で使用できます。


■ サウンドインプレッション

TINHIFI DUDUTINHIFI DUDU」の音質傾向はバランスの良いU字または緩やかなV字方向の弱ドンシャリ。14mm級の平面駆動ドライバーを搭載する「P1 MAX II」と比べるとよりドンシャリ傾向が強化されたリスニング方向のバランスですね。チューニングとしてはSPD(角形平面ドライバー)+BAハイブリッドの「C5」のほうが近いかもしれませんが、よりバランスとしては洗練されており、全体としての完成度は高いようです。
またアンダー100ドル級で13mmサイズの平面駆動ドライバーというとKZのPRシリーズあたりが思い浮かびますが、「TINHIFI DUDU」はTINHIFIらしく、よりニュートラル方向の癖の無い印象で、中音域から中高域にかけてフォーカスされた、より自然でバランスの良いサウンドを楽しめます。低域もミッドベースを中心に適度な量感があり直線的で締まりのある印象ですが、KZなどと比べると重低音の重量感などは控えめで、ニュートラル方向の調整であることは留意すべきでしょう。

また小型のオーディオアダプターなどでも再生は可能ですが、3.5mmケーブルの場合はある程度駆動力のあるDAPやアンプでの再生が望ましいでしょう。やや平坦に感じる場合によっては情報量の多いバランスケーブル等へのリケーブルも効果的です。搭載される平面駆動ドライバーのポテンシャルは高いようでハイゲインで鳴らしても破綻すること無く再生できます。

TINHIFI DUDUTINHIFI DUDU」の高域は明瞭で伸びのある音を鳴らします。平面駆動らしい直線的な印象で過度な刺激を抑えつつ明瞭な印象があります。小型のオーディオアダプター等では中低域の厚みが増し相対的にややウォームに感じる場合があります。高域の刺激が苦手な方はむしろ好感する可能性もありますが、よりスッキリした明瞭感を得たい場合はより駆動力のある再生環境に上流を換えるかリケーブルなどを検討してください。十分に駆動力のある再生環境では「P1 MAX II」よりV字方向で強調されるため、よりメリハリのある印象となります。また高域がやや曇りがちだった「C5」と比較すると明らかな質の向上を実感出来るでしょう。

中音域はU字寄りのバランスのため凹むことなく癖の無い音を鳴らします。3.5mmケーブルまたはバランスケーブル等にリケーブルして駆動力のあるDAPやアンプ等で鳴らすと多少V字方向に強調されますが、本来のバランスはいわゆる「○○ターゲット」寄りのニュートラルなチューニングによる自然な印象のサウンドですね。
TINHIFI DUDU (Commemorative Edition)そのため、「Commemorative Edition」での付属USB Type-Cケーブル等ではボーカル域がやや前傾し中音域から中高域付近にアクセントのある、ちょっとカマボコ寄りのバランスになります。印象としてはやや寒色傾向ですがボーカル域には僅かな温かみがあり、キレ重視というよりは自然な音像を表現するタイプのサウンドです。また平面駆動らしく歪みの無いサウンドで、音場は広く立体的な印象。ドライバーのポテンシャルは高く、しっかりした再生環境で鳴らすことで立体的で臨場感のある空間表現を楽しめます。付属のUSB Type-CケーブルはストリーミングなどをBGM的に小音量で楽しむようなライトな使い方で、よりリスニングを楽しみたい場合は上流を換えて「本気」を出させる使い方が良さそうですね。

低域はミッドベースを中心に十分な量感があり、直線的で締まりのある音を鳴らします。平面駆動らしい解像感のある音でミッドベースはスピード感がありアタックも強力です。ただ重低音は十分な沈み込みがあるものの「Commemorative Edition」での付属USB Type-Cケーブル等ではかなり控えめな印象となります。この辺も再生環境の変更でV字方向により厚みが増すため用途によって使い分けるのが良いでしょう。


■ まとめ

というわけで、「TINHIFI DUDU」は13mm級平面駆動ドライバーを搭載したアンダー100ドル級のモデルとして、印象としては「P1 MAX II」と「C5」の中間的なポジションのイヤホンだと感じました。とはいえ完成度は想像以上に高く、思ったより使い勝手も良い印象でした。
TINHIFI DUDU (Commemorative Edition)「Commemorative Edition」での付属USB Type-Cケーブルでは駆動力はあまりなく、ややカマボコ寄りで大人しめのサウンドになるものの通話やWeb会議などの用途も含めれば使いやすく、ライトユーザーがオールラウンドに使うような用途では結構使いやすい印象だと感じました。
ただ、搭載される13mm平面駆動ドライバーのポテンシャルは非常に高く、上流を換えた際の立体的な音場感はかなり印象的でした。国内でも1万円ちょっとの価格設定ですし、お手頃で高品質な平面駆動のイヤホンとして試してみていただくのも良いと思います。今回もTINHIFIらしく手堅いですね。