7Hz Artemis39

こんにちは。今回は 「7Hz Artemis39」です。「7Hz」ブランドのオーディオアダプター型USB-DAC兼ワイヤレスアンプです。「ES9039Q2M」DACを搭載し、3.5mm/4.4mmの高出力対応、ワイヤレスもLDACおよびaptX HDに対応するなどなかなかの高スペック仕様ですね。
最近は多くの中華イヤホンのブランドが自社のオーディオアダプターをリリースするケースが増えてきました。自社イヤホンをスマートフォンで楽しむために最適化されたアダプター製品をリリースするのがちょっとしたトレンドになっているようです。

■ 製品概要と購入方法について

7Hz Artemis39」は個性的なイヤホン製品でマニアの間でも独自の地位を確立している印象の中華イヤホンブランド「7Hz(Seven Hertz)」がリリースした新しいUSB-DAC/ワイヤレスオーディオアダプターです。
DACチップにESS製「ES9039Q2M」を搭載し、3.5mmシングルエンドおよび4.4mmバランス出力でワイヤレスにも対応した高出力のポータブルアンプとして利用できます。
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7Hz Artemis39」はDACチップにESS製「ES9039Q2M」、USB I/Fチップに「SA9137L」を搭載し、USB Audio Class 2.0に対応。USB-DACモードで最大32ビット/384kHz PCM、DSD256に対応します。またBluetoothレシーバーとしては「LDAC」「aptX HD」などの主要なコーデックに対応。高音質での伝送が可能です。
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出力インターフェースには3.5mmシングルエンドおよび4.4mmバランス出力に対応し、S/N 129dBおよびTHD+N 0.0002%(どちらも有線モード)の優れたノイズ特性と、最大320mW@32Ω(3.5mm)、405mW@32Ω(4.4mm)の高出力に対応します。さらに内蔵バッテリーは1100mAhと大容量で最大8~10時間の連続再生が可能です。
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ほかにも本体に通話用マイクを内蔵し音声通話にも対応し、8種類のDACフィルターをサイドボタンの切り替えで利用可能です。カラーバリエーションは「ブラック」と「レッド」が選択できます。

7Hz Artemis39」の購入はLinsoulの直販サイトまたはアマゾンの「LINSOUL-JP」にて。
価格は149ドル、アマゾンでは25,980円です。

Linsoul(linsoul.com): 7Hz Artemis39 ※現在131.12ドルで購入可能


Amazon.co.jp(LINSOUL-JP): 7Hz Artemis39


免責事項:
本レビューではレビューサンプルとして Linsoul より製品を提供いただきました。機会を提供してくださったことに感謝します。ただし本レビューに対して金銭的やりとりは一切無く、レビュー内容が他の手段で影響されることはありません。以下の記載内容はすべて私自身の感想によるものとなります。


■ パッケージ構成、製品の外観および内容について

7Hz Artemis39」は製品画像が記載された白箱タイプのパッケージです。
今回は「ブラック」カラーのモデルが届きました。
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パッケージ内容はアダプター本体、USB Type-Cケーブル、説明書。
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本体は金属製の筐体でサイズは78mm×39mm×14mm、63g。本体正面はサンプリングレートによってカラーが変化する「7Hz」ロゴのインジケーターになっており、側面は片側は各種ボタン、反対側が音量などのインジケーターになっています。
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USB Type-Cポートは充電用ポートと、USB-DAC用ポートがセパレート式になっています。
側面のボタンは電源/再生、停止ボタン、と曲送り/戻しボタン、音量+/-およびミュート/フィルター設定ボタンが配置されています。
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付属ケーブルは一般的なOTGケーブルより長くコネクタ含めて50cmくらいの長さがあります。USB-DACとして使う場合、以前のようにバンド等でスマートホンと束ねるよりもデスクの上に置いたりした使用方法をとることが多いかもしれないため、この長さは実は結構便利そうですね。


■ サウンドインプレッション

7Hz Artemis39」をUSB-DACとして使用する場合は、本体側の電源ボタンは不要で、USB-DAC側のポートから再生するスマートフォンやPC/Mac等にケーブルを接続することで自動でONになります。接続はUSB AudioClass 2.0で、対応するデバイスはドライバー無しで認識します。ただしWindowsでは標準ドライバーでの接続となり専用ASIOドライバーは確認した限りでは提供されてないようです。
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7Hz Artemis39」のUSB-DACモードでの音質傾向は非常にニュートラルで、適度に温かみを感じる自然な印象のサウンドです。ノイズ特性は高く感度の高いイヤホンでも透明感を維持しており、全体として癖の無いサウンドです。また想像以上に駆動力があり、さすがに鳴らしにくいモニターヘッドホンなどでは少し平坦さや薄さを感じる場合もありますが、多くのイヤホンでは十分な出力を確保します。先日レビューした「7Hz」の「FIVE」や「AERO」はどちらもしっかり鳴らす必要のあるイヤホンでしたが、さすが自社製品らしく十分な出力を確保出来ました。
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周波数ごとのインジケーターは、~48kHzまでがブルー、~96Hzまでがグリーン、~192kHzまでがイエロー、~384KHzまでがシアン、DSDがレッドで点灯します。また本体の音量ボタンは、接続デバイス側の音量とは独立して、いわゆるゲイン切替えのスイッチ等はありありませんが、双方の音量調整で十分なゲインを確保出来ます。

そしてBluetoothワイヤレスモードは、USB-DAC側にケーブルを接続していない状態で電源/再生ボタンを長押しします。さらに長押しでペアリングモードになります。コーデックは「LDAC」「aptX HD」「aptX」「AAC」「SBC」に対応します。
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接続性は良好で、Bluetoothモードでもノイズ特性は高くクリアな印象で、出力もパワフルです。Androidデバイスとペアリングした場合、USB-DACモード同様に本体側のボリュームボタンはスマートフォンの音量とは独立しており、音量は小刻みに変更できるため、スマートフォン側の音量と組み合わせることで柔軟な音量調整が可能なようですね。
音質的にはUSB-DACモード同様にニュートラルで癖の無い傾向を踏襲しています。ただ(コーデックによる圧縮により)USB-DACモードより輪郭が少し甘くなり、音場も少し平坦になりますが、LDACモードでは十分に実用的な音質が得られるようです。


■ まとめ

7Hz Artemis39というわけで、「7Hz Artemis39」は150ドル程度、2万円台の価格設定ながら、同価格帯のワイヤレスオーディオアダプター製品よりグレードの高いESS製「ES9039Q2M」を搭載し、USB-DACとしてもワイヤレスアンプとしても十分なパワーとノイズ特性を持った製品でした。少しサイズは大きいですが金属製のわりに比較的軽量で、大容量バッテリーによる長時間再生が可能な点、独立ボリュームや分かりやすいボタン配置など結構実用性がたかい製品だと感じました。音質的には想像以上にニュートラルで「FiiO BTR7」のような多少メリハリの効いたサウンドに比べるとちょっと大人しい印象も受けますが、さまざまな高音質イヤホンとの組み合わせて違いを実感する上では癖が無く使いやすいのではと思います。この手のアダプター製品も各社登場しているため、愛用しているイヤホンブランドでアダプターを揃えるというのも良いかも知れませんね。