LETSHUOER S12 2024 Edition

こんにちは。今回は 「LETSHUOER S12 2024 Edition」です。「LETSHUOER」が8周年となるのを記念してリリースされた、同社の定番モデル「S12」シリーズの最新の限定版です。「S12」シリーズは大口径の14.8mm 平面駆動ドライバーを搭載し、完成度の高い音質傾向で同社を代表する製品となりました。今回の限定版ではチタンシェルを採用し豪華な付属品を備え、2024個限定で販売中です。

■ 製品概要と購入方法について

LETSHUOER」は2016年に創業したユニバーサルIEM/カスタムIEMのファクトリーブランドで、中国国内ではカスタムIEMビジネスのほか話題のモデルを数多くリリースしています。平面駆動ドライバーを搭載した「S12」で一躍人気ブランドとなり、すっかり定番イヤホンのひとつとなりました。また同社のユニバーサルモデルではマルチドライバー構成のミドル~ハイグレード製品も多く、自社製品および同社ODMと言われている各製品も含め手堅い音作りは定評があります。

今回の「LETSHUOER S12 2024 Edition」は2024年に「LETSHUOER」ブランドが8周年となったことを記念してリリースした限定モデルです。同社の出世作である「S12」をベースとしており、チタン合金製の軽量化したシェルを採用しチューニングも改善。豪華な付属品を備えた限定記念パッケージで販売されます。販売数は2024個限定で、本体にはシリアルナンバーが刻印されます。

LETSHUOER S12 2024 EditionLETSHUOER S12 2024 Edition

LETSHUOER S12 2024 Edition」のドライバーは14.8mmの大口径平面駆動ドライバーを搭載。最初の「S12」から採用される高性能ドライバーで、広い音場と高解像度を維持しながらチューニングを改善。自然な音色を保ちながらさらに歪みを抑えたサウンドを実現し、強力な低域表現とクリアで明瞭な高域が特徴的です。
LETSHUOER S12 2024 EditionLETSHUOER S12 2024 Edition
また「LETSHUOER S12 2024 Edition」では「S12」シリーズの外観を踏襲しつつチタン合金を採用することで軽量化を実現しています。高精度CNC加工で精密に仕上げられており軽量化とともに高耐久性を両立しています。またブラックとゴールドのデザインは洗練された高級感を演出します。
ケーブルには392本の単結晶銅銀メッキ線を使用した高品位ケーブルを採用。プラグは3.5mm、4.4mm、2.5mmの交換式を採用しています。
LETSHUOER S12 2024 EditionLETSHUOER S12 2024 Edition
LETSHUOER S12 2024 Edition」は販売数2024個限定の記念モデルとしてオリジナルのアクセサリーが付属します。その中には金属製のオリジナルキーホルダーと8周年記念カードが含まれます。
LETSHUOER S12 2024 Edition」の価格は199ドル、アマゾンでは33,000円です。

Amazon.co.jp(LETSHUOER公式ストア): LETSHUOER S12 2024 Edition


免責事項:
本レビューではレビューサンプルとして LETSHUOER より製品を提供いただきました。機会を提供してくださったことに感謝します。ただし本レビューに対して金銭的やりとりは一切無く、レビュー内容が他の手段で影響されることはありません。以下の記載内容はすべて私自身の感想によるものとなります。


■ パッケージ構成、製品の外観および内容について

というわけで、 LETSHUOERよりレビュー用のデモ機が届きました。内容は販売モデルと同じですがデモ機のため「2024個限定のシリアルナンバー」は付いていません。他のレビュアーさんに提供されている製品も同様だと思われます。
LETSHUOER S12 2024 EditionLETSHUOER S12 2024 Edition

段ボールの外箱の中にシャンパンゴールドに近いカラーリングのパッケージが入っており、大きめのパッケージながら限定版ならではの充実した付属品がびっしりと同梱されます。
LETSHUOER S12 2024 EditionLETSHUOER S12 2024 Edition
パッケージ内容はイヤホン本体、ケーブル、交換用プラグ、イヤーピース(3種類、各S/M/Lサイズ)、ハードケース、周年記念レザーキーホルダー、メタルプレート、カード、説明書、保証書。

LETSHUOER S12 2024 Edition」の本体は、パッケージと同じシャンパンゴールドの本体は高級感があります。14mm級平面駆動ドライバー搭載イヤホンが各社から相次いで発売された際、そのなかのひとつだった最初の「S12」は他社製品と比較しても「群を抜いて地味」(^^;)だったのを思い出すと、「LETSHUOER S12 2024 Edition」の基本的に同じ形状なのにこのゴージャスさは隔世の感がありますね。
LETSHUOER S12 2024 EditionLETSHUOER S12 2024 Edition
しかし「S12」シリーズは、14.8mmというカナル型イヤホンのなかでは最大級の平面駆動ドライバーを可能な限りコンパクトにまとめ、驚くほど収まりの良い装着感を実現していることも大きな特徴のひとつです。「LETSHUOER S12 2024 Edition」でも耳へのフィット感は踏襲しつつ、チタン合金シェルを採用することで若干の軽量化を実現したことで装着性はより向上しています。
ケーブルは単結晶銅銀メッキ線で被膜により左右2芯の撚り線タイプに仕上げられています。樹脂被膜はやや硬くコシがありますが使いやすい弾力感です。
LETSHUOER S12 2024 EditionLETSHUOER S12 2024 Edition
イヤーピースは、シリコンタイプ2種類、ウレタンタイプ1種類でそれぞれ各サイズ。この辺は「S12 Pro」あたりと共通ですね。付属イヤーピースのほか、いろいろ交換していくのも良いでしょう。


■ サウンドインプレッション

LETSHUOER S12 2024 Edition」の音質傾向は平面駆動らしい歪みのない見通しの良さと解像感を持ちつつ、音像は滑らかで癖のない自然な印象のサウンドに仕上がっています。バランスとしては聴きやすく滑らかでバランスの良いV字を描く弱ドンシャリ。まだまだニュートラル方向ですがそれでも「S12」シリーズの中では最もドンシャリかもですね。印象としては比較的キレ重視の印象だった「S12」より多少中低域寄りとなった「S12 Pro」に近く、平面駆動らしい歪みのない直線的で解像度の高いサウンドを維持しつつ、輪郭はより自然な印象で上質な印象のサウンドに仕上がっています。
LETSHUOER S12 2024 Edition「S12 Pro」と比較すると「LETSHUOER S12 2024 Edition」のほうが高域の伸びや透明感は高く、どちらも刺激を抑え聴きやすい印象にコントロールしつつ、スッキリした印象になりました。特に付属ケーブルでの「S12 Pro」で感じた若干暗めの印象は「LETSHUOER S12 2024 Edition」では払拭され自然な鮮やかさがあります。おそらく「S12 Pro」をベースとしたチューニングの改善に加え、軽量かつ制振性の高いチタンシェルの採用で見通しが向上し1音1音の描写がより精緻に表現できるようになったのでは、と感じます。

基本的な仕様は「S12」シリーズを踏襲しており、平面駆動型のイヤホンとしては使いやすく、小型のオーディオアダプタなどでも結構鳴らせる印象ですが、より駆動力のある再生環境のほうが平面駆動ドライバーの真価を感じられるでしょう。またリケーブルでの変化が大きい点も「S12」シリーズの特徴ですが、「LETSHUOER S12 2024 Edition」ではよりアップグレードしたケーブルが付属するものの、情報量の多い銀メッキ線ケーブルなどを組み合わせることで、明瞭感が向上しよりスッキリした印象のサウンドに変化します。好みに応じていろいろ試して見るのも良いと思います。

LETSHUOER S12 2024 EditionLETSHUOER S12 2024 Edition」の高域は、明瞭で伸びの良さを感じつつ、自然な印象で聴きやすくまとめられています。「S12 Pro」と比較して聴きやすさは維持しつつ、より明るく透明感が向上した印象で歪みなどは無く直線的な印象。解像感も高く細かい音の描写も綺麗に表現されます。

中音域はニュートラルで癖の無い音を鳴らします。ボーカル域はやや前傾しますが自然な距離感で再生されます。滑らかな輪郭で自然な印象を持ちつつ解像感は高く見通しも良い印象です。中低域に密度感があり、音場はより広がりのある印象。演奏との分離も優れており、特にバランス接続プラグである程度のグレードの上流を選ぶことで、正確さのある定位感と自然な空間表現が実感出来ます。女性ボーカルは「LETSHUOER S12 2024 Edition」のほうが明瞭感や伸びの良さがあり、やや暗めの印象だった「S12 Pro」より改善されています。男性ボーカルはどちらの機種も豊かで心地よさがあります。

LETSHUOER S12 2024 Edition低域は平面駆動ドライバーらしい質の良さを感じる解像感の高い音を鳴らします。重低音を中心により量感を増しており、コラボモデルの「Z12」を含めた「S12」シリーズのなかでも「LETSHUOER S12 2024 Edition」が最も厚みのある低域を持っています。強化された重低音は十分な量感とともに非常に深く沈みスピード感と解像感を維持します。ミッドベースは直線的で適度な締まりがありつつ自然な存在感を維持しています。原音に対する忠実さや表現力の高さはこのイヤホンの魅力のひとつになっていることは間違いないでしょう。低域の強化によりリスニングイヤホンとしてのバランスの良さがより強化され、平面駆動らしい広い音場での豊かな音域もより実感できます。


■ まとめ

LETSHUOER S12 2024 Editionというわけで、「LETSHUOER S12 2024 Edition」は「S12 Pro」をさらに上質に仕上げたスペシャルバージョンという印象で、大口径の平面駆動ドライバーの特徴を活かしつつ、価格帯のアップグレードに合わせたより自然で上質のリスニングサウンドに仕上がっています。豪華さのある外観や付属品と合わせ、所有する喜びとリスニングでの満足感をしっかり両立できるミドルグレードイヤホンだと思います。またリケーブルなどでの変化が大きい点も「S12」シリーズ共通の特徴で、自分好みのサウンドにさらに追い込んでいくマニア的な楽しみもあるイヤホンです。
いっぽうでオリジナルの「S12」との棲み分けがしっかりできている点もポイントです。よりキレがある明るいニュートラルサウンドを好まれる方にとっては「S12」は現在でも最良の選択肢のひとつですので両方持って使い分けるのも良いかも知れませんね。