
こんにちは。今回は 「TANCHJIM LUNA」(Standard Version)です。TANCHJIMの新しいオーディオアダプター製品で、DACチップに「CS43198」をデュアルで搭載し、最大出力285mW@32Ωの高出力と132dBのSNRおよびDNRの低ノイズを実現しています。また独立ボリューム搭載、アプリによりClass-ABのDACモードにも変更可能など、非常に実用性の高い仕様になっています。
■ 製品概要と購入方法について
今回の「TANCHJIM LUNA」はDACにデュアル「CS43198」を搭載したオーディオアダプター製品。「TANCHJIM」(タンジジム)は2015年に設立された中国のイヤホンメーカーで、科学的な解析やロジックに裏付けられた専門性の高い調整によるニュートラルでバランスのよい音作りとシンプルな製品デザインでファンも多いブランドです。
「TANCHJIM LUNA」はCNC加工されたアルミニウム合金の一体成形シャーシに、同社オーディオアダプターのハイグレードモデルとして、高い SNR、DNR、および超低歪み性能を備え、Class-ABまたはClass-Hの切り替え可能なアンプモード、2レベルのゲインモードを搭載。最大出力電力 285mW@32Ω を提供します。


「TANCHJIM LUNA」ではDACチップにデュアル構成の「CS43198」を搭載。0.000139%の超低歪み、約132dBの高いSNRおよびDNR性能を持ち、32bit/768kHz PCMおよびDSD256をサポートします。
またアンプモードはClass-ABおよびClass-Hの切替が可能。Class-ABモードでは優れた直線性と安定した出力を持ち、Class-Hモードでは低電力出力でより効率的なパフォーマンスを実現します。さらにハイ/ローの2段階のゲインモードも搭載します。


そして、「TANCHJIM LUNA」は超低正負電圧と最大250mAの電流出力を備えた独立した電源をアンプ部に搭載しています。これにより、他のフラッグシップ レベルのデバイスに匹敵する正確な電力供給と一貫したパフォーマンスが保証されます。Tanchjim Luna は、コンパクトで便利なパッケージに強力なサウンドを詰め込んでいます。またAndroidおよびiOS用の「TANCHJIM」アプリにより、「TANCHJIM LUNA」の各種ステータス、モード変更などの設定が可能です。


「TANCHJIM LUNA」は標準版(Standard Version)に加え、限定版「Asano Tanch Silver Sword limited edition」が選択可能です。価格は標準版が129.99ドル、限定版が139.99ドルです。
アマゾンでは標準版のみ19,557円で購入可能です。
HiFiGo(hifigo.com): TANCHJIM LUNA
Amazon.co.jp(HiFiGo): TANCHJIM LUNA (Standard Version)
免責事項:
本レビューではレビューサンプルとして HiFiGo より製品を提供いただきました。機会を提供してくださったことに感謝します。ただし本レビューに対して金銭的やりとりは一切無く、レビュー内容が他の手段で影響されることはありません。以下の記載内容はすべて私自身の感想によるものとなります。
■ パッケージ構成、製品の外観および内容について
今回は通常版で届きました。こちらは製品画像を載せたシンプルなデザインのパッケージです。


パッケージ内容は、アダプター本体、OTGミニケーブル、USB Type-A変換アダプタ、ユーザーマニュアル(各国語の表記に対応)。


本体はアルミ合金製で、通常版はCNC加工によるシンプルなデザイン。側面に音量とゲイン切替のボタンがあります。アプリを使用しない場合もこのスイッチ操作によりゲイン変更が可能です。


ポートは3.5mmシングルエンドと4.4mmバランスに対応し、OTGケーブルにてAndroid、iPhone/iPad、Mac、Windowsなどのデバイスに対応。接続はUSB AudioClass 2.0でWindows用のASIOドライバーは提供されていないようです。


そして「TANCHJIM LUNA」はAndroidおよびiOS用の「TANCHJIM」アプリで詳細設定が可能です。現在Android用アプリは「Google Play」から消えているため、製品付属のユーザーマニュアル巻末またはTanchjimサイトに記載された2次元バーコードから.apkファイルをダウンロードしてインストールします。「TANCHJIM LUNA」を接続してアプリを起動すると自動で認識して設定が可能になります。標準で日本語表示となりましたが、フィルター設定など英語のほうがむしろ分かりやすかったので、表示を英語に変更しています。


本体の側面スイッチでは音量とゲインの切替えが可能ですが、アプリではDACモードの変更が可能です。初期状態では低消費電力の「Class H」に設定されています。ここで「Class AB」を選ぶことでより安定した出力を得られますが、接続した本体側のバッテリー消費は大きくなります。
■ サウンドインプレッション

デバイスとはUAC2.0(USB Audio Class 2.0)モードで接続され、AndroidやiOS/iPad OS、Macなど全てドライバー無しで接続可能です。Windowsの場合は現時点ではASIOドライバーは用意されていないようですので標準ドライバーでの接続(Windows11など)となります。Macに接続し、「Audirvana」で設定を確認、利用も問題なく出来ました。


Low(2VRMS)/High(4VRMS)の2種類のゲイン調整により、「TANCHJIM」のイヤホン製品に限らず、多くのイヤホンやヘッドホンとの組み合わせでも十分に実用的な印象。また側面の音量ボタンが端末側のボリュームと独立しており、端末側の音量を上げたうえで、「TANCHJIM LUNA」の音量ボタンで微調整が可能な点は便利でしょう。「TANCHJIM LUNA」をハイゲインに設定、アプリでより安定した出力が可能な(消費電力は大きくなります)「Class AB」モードに設定したうえでスマートフォン側の音量と本体の独立ボリュームを上げるなどすることで、通常はオーディオアダプターでは鳴らしにくいヘッドホンでも想像以上に実用的なサウンドで再生ができ、あらためて実力を実感しました。

こちらもゲイン切替とは別に「Class AB」モードへの変更が出来る点は他のオーディオアダプター製品と比べてメリットになる場合もあります。通常のイヤホン等の場合は「Class H」モードで十分な出力が得られますし、本体側のバッテリーの消費を考慮してもメリットがありますが、片側14BA構成の「AFUL Cantor」のように多くのドライバーを安定して駆動させる必要がある場合に「Class AB」モードはが使えるのは非常に有り難いですね。このように結構マニア向け仕様ではあるものの、個人的には非常に魅力的なアイテムだと感じました。
■ まとめ

もし思い当たる原因等あればご教示頂ければ幸いです。
このようなコメントで大変申し訳ございません。。