CLAVELON DELTA

こんにちは。今回は 「CLAVELON DELTA」です。スペイン語で「カーネーション」を意味する「CLAVELON」という名称の新しいブランドの製品です。製品名称の通り、サイバーパンクをモチーフにした三角形のデザインが目を引きますが、音質面もバランス良くまとめつつ、イマドキ感のある仕上がりになっています。

■ 製品概要と購入方法について

CLAVELON DELTA」はサイバーパンクのイメージでデザインされた三角形を中心とした幾何学的な形状を採用。洗練された外観は人間工学なフィット感も実現しています。本体はCNC精密加工による航空グレードのアルミニウム合金製で軽量かつ耐久性があります。
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ドライバーには高磁力のチタニウム振動板ダイナミックドライバーを搭載。迫力のある低音、クリアな中音、スムーズな高音と比類無き明瞭さを実現します。
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CLAVELON DELTA」のケーブルにはドイツ製のOFC銅線および銀メッキ線のハイブリッド構造を採用します。またイヤーピースも専用設計で、遮音性を高めて外部のノイズを最小限に抑えるだけでなく、気密性を確保することで全体的な快適性とリスニング体験を向上させます。
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CLAVELON DELTA」の購入はLinsoulの各ストアにて。3.5mmまたは4.4mmが選択可能です。
価格は99.00ドル、アマゾンでは16,018円で購入できます。
免責事項:
本レビューではレビューサンプルとして Linsoul より製品を提供いただきました。機会を提供してくださったことに感謝します。ただし本レビューに対して金銭的やりとりは一切無く、レビュー内容が他の手段で影響されることはありません。以下の記載内容はすべて私自身の感想によるものとなります。


■ パッケージ構成、製品の外観および内容について

今回は4.4mmケーブル仕様で届きました。パッケージは三角形の幾何学的なデザインや仕様等が記載されたサイバーパンク風のデザイン。
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CLAVELON DELTA」のパッケージ内容はイヤホン本体、ケーブル、イヤーピース(本体装着済みのMサイズおよびケースに入ったS/M/Lサイズ)、レザー製のケーブルタイ。
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CLAVELON DELTA」の本体の三角形をベースとしたデザインは非常に個性的ですが思ったより装着しやすい形状でまとまっています。本体はCNC加工されたアルミ製で、剛性は高いもののサイズ感の割に軽量に仕上がっています。
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耳への収まりは良く思いのほか装着感は良い印象。ただし装着部も三角形の形状のため、エッジ部分が耳に当たりやすい方は長時間のリスニングではちょっと耳が痛くなる可能性もあります。イヤーピースは比較的浅めのシリコン製が付属します。三角形のシェルは耳奥まで挿入するとちょっと痛くなる方もそれなりにいそうですが、その場合はより密着性が良く長さのあるイヤーピースに交換したほうが良いかもしれませんね。
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ケーブルは銀メッキ線とOFC線のミックスで、ドイツ製の線材を使用しているとのこと。非常に薄い皮膜の2芯撚り線タイプで適度に弾力があり取り回しも良好です。


■ サウンドインプレッション

CLAVELON DELTACLAVELON DELTA」の音質傾向はU字寄りの弱ドンシャリ。高域および低域とも突出せずメリハリは抑えめの印象です。明瞭感のある高域および中高域を持っていますが、バランスとしては多少中低域が厚めで男性ボーカルなどは温かみがあります。解像感や分離も良く、まとまりのよい仕上がりで、音質面でも競争の激しい100ドル前後の多くの製品と渡り合えるレベルのサウンドを実現しています。
同時に、全体的なイメージとしてはポップスやロック(主に洋楽のチャート曲)やEDMなどとの相性が良くチューニングされている印象です。サイバーパンクをイメージしたデザインも併せて音質的にも「クールな格好良さ」を前面に出したイヤホンと言えそうですね。

CLAVELON DELTA」の高域は、寒色系で明瞭感のある音を鳴らしますが、やや後方で定位し、相対的に刺激を抑えた印象になります。直線的な伸びがあり見通しもまずまずですが、高高域のピークはやや控えめです。そのため高域好きの方にはもっと前面に出た主張が欲しいと感じる可能性があります。解像感はまずまずでシンバル音は適度な煌めきが有り、籠もること無くスッキリした印象。そのため全体としては明瞭ながら聴きやすくまとめられています。

CLAVELON DELTA中音域は、厚みのある低域とのバランスで曲によって僅かに凹みますが、U字傾向らしくボーカル域は前面で定位します。それでも高域同様に女性ボーカルの高音などの中高域は音色は明瞭ですが主張としてはやや控えめに感じるかも知れません。男性ボーカルなどの中低域は厚みと量感があり、豊かさを感じますが、寒色系で比較的キレのある音を鳴らすため籠もることは無く見通しの良さを維持します。演奏との分離も良く、音場は広く左右、上下、奥行きとも自然な広がりがあります。ただし解像感など平均以上ですが一般的な範囲です。中低域に厚みがあり明瞭ながら聴きやすくまとめられたサウンドは、ポップスやEDMなど最近の主に海外チャート曲との相性が良い印象です。

CLAVELON DELTA低域は、量感としては比較的ニュートラルなバランスではあるものの、ミッドベースを中心に厚みがあり、同時に適度にスピード感と締まりの良い明瞭な音を鳴らします。全体としては結構行儀良くコントロールされている印象で、低域モリモリみたいな過去のロックチューンの製品とは一線を画すものです。それでもミッドベースには心地よいインパクトがあり、高速で正確性のあるレスポンスをもたらし、重低音は深く量的には支配的な印象は無いもののキレの良い音で解像度が高く、音数の多いEDM等もクリーンな印象を維持します。量より質、という感じの低域ですね。


■ まとめ

CLAVELON DELTAというわけで、「CLAVELON DELTA」は非常に個性的な外観を持ちつつ、音質的には結構手堅くまとめているな、という印象を持ちました。それでもhip-hopやEDMと相性が良い感じで「サイバーパンク」なデザインイメージを踏襲した(洋楽的な)ポップスチューンのサウンドは、ハーマンターゲット的、U字寄りの傾向のなかでもアニソンなど女性ボーカルを意識した多くの製品(Moondropとか)と比較すると、それなりに個性を持っているのかも知れません。
99ドルの「CLAVELON DELTA」と同様な、100ドル前後の価格帯は他社製品も含め種類が多く、非常に競争が激しい状態ですが、その中では「CLAVELON DELTA」については、確かに音質傾向的にも解像感などもそこまで突出した印象はありません。しかし逆に言えば非常に手堅く、多くの点でバランスは良く仕上がっているため、逆に個性的な外観が引き立つ、とも捉えられます。デザイン的な個性と、ポップスチューンなサウンドを好感すれば良い選択肢のひとつとなり得るのではと思います。