
こんにちは。今回は 「HIDIZS ST2 PRO Nebula」です。2024年12月19日よりKickstarterで募集が開始されるHIDIZSの最新モデルで、HIDIZSチューニングによる二重磁気回路ダイナミックドライバーを搭載したイヤホン部と、「ES9218AC PRO」高性能DACを内蔵したハイレゾ対応の高音質DSPケーブルの組み合わせによるデジタル仕様の有線イヤホンです。またDSPケーブル単独での販売も行われます。
■ 製品概要と購入方法について
「HIDIZS」はコンパクトなDAP(デジタルオーディオプレーヤー)やスマートデバイス用のオーディオアダプターの分野で人気の高いブランドですね。さらに最近ではイヤホンも高音質・高品質な新製品を精力的にラインナップしており、どのモデルも多くのユーザーから高い評価を受けています。
そんなデジタルプレーヤーとイヤホンの両方で豊富な実績を持つHIDIZSならでは、とも言えるのが今回の2in1仕様モデル「HIDIZS ST2 PRO Nebula」です。10mmデュアルマグネティックダイナミックドライバー搭載の高音質イヤホンを最適かつ遅延のないパフォーマンスで再生するため、最新のESS DACチップを搭載したDACインターフェースを内蔵。USB-C接続で手軽に高音質を楽しめます。


「HIDIZS ST2 PRO Nebula」は0.78mm 2pin仕様のリケーブル可能なイヤホン製品で、ケーブルプラグ部分にはUSB-Cのデジタルインターフェースを採用。ESS製の最新DACチップ「ES9218AC PRO」を搭載し、32bit/384KHz PCM、DSD 64/128 のハイレゾ再生、およびMQAに対応。さらにDNR 122dB、THD 0.0012%の低ノイズ特性と、最大70mW@32Ωの高出力により、高性能オーディオアダプタやデジタルプレーヤーに匹敵する優れたオーディオ品質を実現します。


また「HIDIZS ST2 PRO Nebula」のイヤホン部も実績のあるHIDIZSカスタムによる10mm 二重磁気回路ダイナミックドライバーを搭載。HIDIZSの多くのイヤホン製品同様にH-2019ターゲットカーブに基づいてチューニングされており、バランスのとれた自然なサウンド、強力な低域、豊かな中音域、適度な高域の拡張を実現。ポップ、メタル、ロックなど、さまざまな音楽スタイルに適しています。
そしてUSB-Cインターフェースを備えた「HIDIZS ST2 PRO Nebula」はiPhone15/16、iPad、多くのAndroidデバイス、またWindows PCやMacなどさまざまなプラットフォームにプラグアンドプレイで対応します。ケーブルには高音質マイクも備えており音声通話も可能です。


「HIDIZS ST2 PRO Nebula」は2024年12月19日AM10:30(EST)より「Kickstarter」で募集が開始されます。初期購入での販売価格は以下の通りです。
ST2 PRO Nebula (スーパーアーリーバード): 39ドル(500 台限定)
ST2 PRO Nebula(早期割引):49ドル
ST2 PRO Nebula USB-C DSP 0.78mm 2ピン/MMCXイヤホンケーブル(早期割引): 36ドル
Kickstarter: HIDIZS ST2 PRO Nebula
免責事項:
本レビューではレビューサンプルとして Hidizs Technology より製品を提供いただきました。機会を提供してくださったことに感謝します。ただし本レビューに対して金銭的やりとりは一切無く、レビュー内容が他の手段で影響されることはありません。以下の記載内容はすべて私自身の感想によるものとなります。
■ パッケージ構成、製品の外観および内容について
というわけで、今回は2色あるカラーバリエーションのうちブラックを選択しました。クリアカラーの場合はケーブルはホワイト、ブラックではブルーのケーブルが付属します。


パッケージ内容は、イヤホン本体、USB-C DSPケーブル、USB Type-A変換コネクタ、イヤーピース(S/M/Lサイズ)、レザーポーチ、保証カードなど。必要なアイテムはパッケージに過不足無く含まれています。


イヤホン本体部は樹脂製のシェルに金属製のフェイスパネルとステムノズルが配置され、プラグ形状は0.78mm 2pin仕様。シェル形状もフェイス部分はフラットですが装着部分は同社の「HIDIZS MS1」などに近い印象です。


形状的にはHIDIZSの上位モデルと近いフェイスサイズを踏襲しているため、シングルドライバー構成としてはやや大きめですが、それでもKZやTFZなどの製品と比べるとひとまわり小さく、装着性としては良好な印象です。付属するイヤーピースは薄く柔らかいタイプのシリコンタイプのため、別のイヤーピースに交換した方が装着性が向上する方もそれなりにいらっしゃると思います。


そして、ある意味イヤホン本体より「こっちがメイン」といった趣のDSPケーブルですが、こちらは布張りの被膜で明らかに高級感のある仕上がりになっています。線材は高純度OFC(無酸素銅)線で左右2芯の寄り線仕様となっています。DACチップ等を内蔵したDSP USB-Cインターフェースはクリアパーツで内蔵する基板を見せる仕様になっており、この部分へのこだわりが強調されています。ケーブルは取り回しも良く使いやすい印象です。


なお、「Kickstarter」での募集では、ケーブル部分のみの販売も行われ、こちらはイヤホン付属品と同じ「0.78mm 2pin」仕様のほか「MMCX」仕様も選択可能です。
■ サウンドインプレッション
今回はUSB-C接続のイヤホンと言うことで、スマートフォンでは「iPhone 16」、「XPERIA 1 IV」、さらに「MacBook M3」とWindows 11 Proを搭載したPCでも接続して実際に聴いてみました。


「HIDIZS ST2 PRO Nebula」のイヤホン部の傾向は音質傾向は中低域寄りで緩やかなV字を描く弱ドンシャリで、同社の上位モデルのフラットからU字に近い傾向と比べると、パワフルな低域を中心に多少メリハリを付けたチューニングとなっています。高域は聴きやすく、全体としては癖の無い印象で、派手さを抑えたHIDIZSらしさのあるドンシャリ、という感じです。

いっぽうで音色として僅かに暖色に寄っていることで、少し派手さのあるハイブリッドイヤホン等と組み合わせた場合も解像感を向上させつつも寒色になりすぎず、聴きやすい印象で楽しむことができます。
「HIDIZS ST2 PRO Nebula」に搭載されるイヤホン部の高域は、明瞭さを持ちつつ聴きやすく滑らかさな印象。ややウォーム方向で刺激などはほぼ皆無でバランス良くまとめられています。

低域はパワフルな印象で重低音は適度にブーストされています。ミッドベースは適度にタイトな印象で中高域との分離は良好です。
ちなみに「HIDIZS ST2 PRO Nebula」のEarlyBird(早期割引)価格は49ドル、そしてケーブルのみの価格は36ドルで、差額は13ドルに過ぎません。この差額がイヤホン本体の価格というわけではもちろんありませんがイヤホン本体部はエントリーグレードに近いでしょう。ただ「MS1 Galaxy」とはチューニングは多少異なり、よりゲーミングや動画視聴でも楽しめる印象にまとめられています。またリスニングについてもストリーミングを中心に、ロック、ポップス、アニソンなどのボーカル曲を楽しむ用途では非常に聴きやすく、ボーカルは心地よさがあります。
■ まとめ
というわけで、「HIDIZS ST2 PRO Nebula」はエントリーグレードながら手堅くまとめられたイヤホン部分と、想像以上にDAC性能が良く、オーディオ的な完成度の高さを感じさせるケーブルが非常に良いバランスで組み合わされた製品という印象でした。標準の組み合わせの状態で使用しても、様々な用途で十分に楽しめる質の高い製品に仕上がっていると思います。


また同時にDSPケーブルはより高価格帯のイヤホンとの組み合わせでも実力を発揮できるポテンシャルの高さを持っています。優れたノイズ特性と十分な駆動力、そしてDSPケーブルならではのダイレクトなデジタル処理によるクリアな解像感を持っており、さらに過度にエッジが経たないように僅かに暖色寄りにチューニングすることでリスニング性も高めており、HIDIZSのより上位モデルである「HIDIZS MS3」や「MS5」などの製品の手軽なデジタル化のアイテムとしても最適でしょう。


もちろん他社製イヤホンとの組み合わせでも安定したサウンドを実現し、利用範囲の広さを実感させます。お気に入りのイヤホンと組み合わせて、スマートフォンから遅延のないハイレゾでのストリーミングやハードなゲームプレイ、動画視聴を楽しむのにも最適なアイテムになるのではと思います。
今回もKickstarterのスーパーアーリーバードはリリース直後に即完売となる勢いで争奪戦になることも予想されますが、興味のある方はぜひとも挑戦してみてはいかがでしょうか。